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新たな町へ
544話 ハーブを笑って受けとる顔が……不気味です。 改稿
しおりを挟む俺が寮の厨房の中に入ると食堂にはゲイル達が食事を済ませて居た…早い。
午後から、子供達の稽古付ける門番組も居る。 ベントンはケイトと畑仕事かな?
マイナは、仕事を多く受け持ってるから少し大変そうだな…。
本当に奴隷のメイドを連れてきた方が良いのか?
よし、今夜…は……無理か、明日にでもマイナに聞くかな。
その前に、このハーブをお茶のビンに詰めないと。
薬草は、アイテムボックスの中に既に入れてあるから後は、屋敷の厨房にも持って行かないと。
そう言えば…紅茶の缶にも茶葉を補給はしとかないと。
それから冷蔵庫の中には……あっ麦茶も入れて置くかな。
ペットの蓋を開けて瓶に入れ替えて冷蔵庫に仕舞う。
後はと……厨房でごそごそしてたらカシューから声が掛かった。
「あれ?旦那様…今日はこっち(寮)で食事ですか?」
「へっ………?」
ああ、こっちね……違うよ。
「いや、違うよ。俺は屋敷で食事の予定だよ」
「では、ここへは?」
何しに来たんだと言う顔をしてる。
「あぁっと…こっちで、足りない物の追加に来ただけだよ」
「足りない?」
「ほ、ほら、飲み物とか。茶葉とかね食事終わったら、此方でも何か飲むだろ?それにトレーニング後の水分もな」
「ああ、それは……ありがとうございます。でもそれって、タウルス達の仕事じゃないですか」
「まぁ、そうなんだろうけどなぁ~。俺しか持って無い物が多いし。それに、お茶関係はあいつら無理だろ?」
料理特価で、菓子やお茶には疎いんだよな。
グレドも、菓子は作れる様に為ったけど…茶までは無理なのが分かったし。
「ああ……」
さて、これで暫く補充しなくて良いかな。
補充を終わらせて厨房を出るんだけど、カシューの手には食べ終わった食器がある。
「なに?カシュー、それ終わったのか?」
「ええ、洗い場に置いて置けば、後からヘンリルが洗ってくれるんですよ」
ほほぅ、そんな決まりに為ってたのか。
良いねぇ~使用人同士で決まり事を決めて動いてくれるのは助かる。
でも変な決まり事がないといいけど。
「そうか、なら、安心だね。食器も割れる事が少なくて」
「…ハハ、そうですね。俺らだと手元が狂って割る確率上がりますからね」
「それは勘弁だな、さて、俺は屋敷に戻って食事するよ。カシュー午後の仕事も頑張ってくれ」
「はい!午後からは子供達と訓練ですからね」
屋敷に戻って食堂に入る、食事は皆終わってるみたいで食べて無いのは俺とニングスのみっぽい。
なので、一応厨房に顔を出せばグレド達は後片付けで皿なんかを洗ってる…これは不味いな。
「グレド、悪い遅れて」
「……旦那、飯の時間くらい居てくれよ!洗い物は一辺にやっちまいたいんだがなぁ~」
「すまんな、畑でバーブやらを採ってたら時間を忘れた」
「……ハーブねぇ……。なら、こっちに出してくれよ。ローズマリーとか切らしてんだよ」
「そうだったか、ならタイミングがよかったなほらよ……」
アイテムボックスから、ハーブが乗った笊を何個か出してグレドに渡す。
「こりゃ~ありがてぇ~」
厳つい顔したおっさんが、ニヤリと笑ってハーブを受けとる。
その光景は……なんとも不気味です。
***
さて話しは少し変わってこちらは神様が暮らす神域。
まぁぶっちゃけ色んな神様の集る場所。(雑)
で、先ほどからニマニマと笑顔を垂れ流し余程嬉しい事があったのか?
そこら中に色とりどりの花を巻き散らかしてる神がいる。
それも約二神ほど。
(人に例えると二人に成る?ので二人としよう。…若干面倒なので)
この二人、昨日暁彦の居る屋敷に堂々と乗り込み、暁彦から味い茶と菓子を食べてきたそうで。それを知った他の神達から吊し上げを喰らったばかりなのだが…。
時間もそうたたない内に反省もせずまた、ニマニマして今度は花をき散らかしてるのが今の状況だ。それは何故か?
「ふんふん、ふんふん。ニッコリ…リンデルくん?」
「ニマニマ…な、なんだ?アルシャくん?」
「良い子でしょ~僕の神子」
「ふふふ。お前…良い子を見付けたもんだ。羨ましいぞ?」
無口な筈のリンデルの口が滑らかに言葉を紡いでらっしゃる。本当にご機嫌が良いようだ。
それは?長年大飯食らいの、厄介者のドラゴンを眷属にもち。
さんざん苦労してたが。
なんと運の善いことに、アルシャの神子に押し付けられた!こんな嬉しい事はないのだと内心ウキウキするリンデル。
それに……ふふふっアルシャの幾つも支配する、多くの星の中の一つの星に私の像が(まあ小さいが…)出来た!それも私と相性のよい宝石まで装飾してくれてだ…なんと善いことか!これ程嬉しい事が他に有るだろうか?
前よりお裾分けだと称して、酒や菓子等は貰っては居たのだがな。と、ニマニマするリンデル神。
端からみると実ににやけ顔が不気味だ。
「でっしょ~。もうさぁ彼は私の最高傑作ですよ!あんなにも私達を大事にしてくれるんですよぉ~。まあでも最近は構ってくれませんがね…」
だから昨日は押し掛けちゃったんです。テヘ♪︎
こんな会話を聞いたら暁彦が怒りそうだが…ここは神域暁彦の元にこの会話はとどかない。
だが……
この会話が聞こえるもの達にとっては面白くない無いのは当然で……。
ここからアルシャとリンデルは他の神達に攻められる吊し上げを更に喰らう事となる。
…………つづく。
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