ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

604話 相談する

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 そんなこんなで屋敷に到着。

「旦那様、私は此のまま馬車を仕舞って参りますので、先に屋敷へ入られて下さい」

「了解。じゃ後でね」

「俺はベントン探してくる」

「ゲイル頼むね」

 馬達はベントン任せなんだね。

 でも…なんだかゲイルが頼もしい。
 うん順調順調…ゲイルはちゃんと学習してくれてて良い感じだね。

 笑顔でゲイルを見送ってるとカシューから「何か有りましたか?」聞かれと不思議がられた。
 ふふん教えてあげんよ。

「さて、カシュー!君は今夜の夕飯は屋敷で取るのかい? それとも寮の方?」

「今日は屋敷の方ですよ」

「そうか……それなら済まないけど、食事が終わったら寮組達を屋敷のリビングに来るよう、皆に声を掛けて来てくれるかな?」

「それは…はい了解しました」

「じゃ行こうか」

「ええ、夕飯楽しみですね?」

「ハハ、そうだね」



 そうして夕食が終わり使用人達が全員リビングに集合した。

「旦那様全員集まりましたが…若干トランが…」

「ん? ああ、トラン…眠そうだね?えっと同室のはカナルだっけ?」

 カナルに顔を向けて確認すると返事が返ってくる。

「そうですよ、少し待ってて下さい。部屋に寝かせて来るので」

 カナルは返事をするとトランを抱き上げてリビングから出ていく。

「なら、カナルが戻って来たら話を始めるよ少し待てるかな?」

「あの~旦那、うちのルネドも…」

「ええ、そうなのか? なら…そうラルフ君だけ残って下の二人も部屋に戻っててくれて構わないよ」

「悪いな旦那。二人連れてくよ」

「了解。グレドも早めに戻ってよ」

「ああ、すまねぇ」

 グレドも二人の子供を連れて部屋に戻って行くが…やっぱりラルフ君より下の子らは少し幼いね。
 母親が甘やかしてたと聞いてるけど…。
 ラルフ君だけは大人びてるから余計に子供っぽいのが目立つのかな?
 まあ親はグレドだし俺は関係ないけどね。

 そんなことを思ってるとカナルが部屋に戻って来る。
 グレドもそう待たないうちに戻って来たので、早速話を切り出した。

「さて、皆さん」

「なんですか?改まって」

「まあまあ、ケイトさん、黙って聞きたまえよ」

「はぁ?」

「あのな? 皆に話したいのだけれどね?俺がこの屋敷から出たい……と言う話をね、したいなと思ってね」

「「「「「「「「はあーー!」」」」」」」」

 そ、そんなに大袈裟に驚くものか?


「旦那様?」

「なに?ケイルスくん」

「その…このお屋敷はどうなさるのです?」

「ここは…そうだね、俺としては皆に管理して貰おうかと」

「えっと、旦那様」

「なに?カシュー」

「何処へ移住されるおつもりなんですか?」

「場所は、未だ未定だ」

「「「「「「はぁーー」」」」」

 えっ何そのため息は!

「では、旦那様。まだ、動かないんですね?」

「うん、移住先が未だ決まってないし。でも、みんなの意見を聞きたいんだよ」

「そ、そうなのですか?」

「でも」

「でも、なに?カナル」

「旦那様は、もう戻って来ないのか」

「ん~未だ決まって無いから、当分はここに居るけど……そうだなぁ~話が決まって、屋敷造りやら何やらの仕事が始まったら戻って来るのは月一位?」

「位って……そんな!」

「だ、だったら!俺らは旦那に捨てられるのか?」

「はあ?そんなことをはしないぞ!グレン。逆に屋敷は残るんだから、ここの管理はして貰うし。まあ、俺と一緒に移動するならそこに住んで貰うけれど…。でも、たぶんここの方が安全な気がするね。若干あのご領主様が気になるけどね」

「き、危険とは?」

「アハハ、まだ決まって無いからなんとも言えん」

「そ、そうですか」

「そうそう、取り敢えず俺がこのまちから出たいのさ。あの騎士団長も領主も図々しいし、ギルマスも俺を利用しようとしてるみたいだし」

 そんな町に住めん。
 利用されるなんて真っ平だ。

「ま、まあ、そうなのでしょうが…」

「屋敷はこのまま住んで貰って、皆一緒に暮らして貰って構わないし。みんなの給料と屋敷の維持費は戻って来たニングスとケイルスに渡して置くし。それに不定期でもここには戻って来る積もりだよ?俺の家族は皆だからね」

 まあ、家族と思ってるのは俺だけかもだけど。

 それに……妖精達もブルーは移動させないとね。
 屋敷に庭に誰も入れない場所なんてあったら怖いだろうから。


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