ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

文字の大きさ
711 / 763
新たな町へ

646話 信用

しおりを挟む


「よし!眠らせたぞぉ~。ハイハイお二人さん経験値上げて下さい」

 要は止めを刺してくれって事ね。

「ハハッ……旦那は相変わらす」

「はぁ~無茶苦茶な事で」

「何、二人とも文句でも?」

「いやぁ~相変わらずデタラメだと思って」

「まあ怪我をしなくて済むのですが。なんと言って良いやら」

「ハイハイ!文句は後から溢せ!手を動かせ!」

 俺は二人がボアに止めを刺すのを傍観してる。んだけど、二人が溢す文句もついでに訊かされてる。

「そうは言いますかね!偶には俺達も最初から遣りたい」

 遣りたいとは殺りたいの方かい?

「ほほう、為らば次に見付けたら二人で遣ってくれたまへよ。二人には良い魔物を見付けてしんぜよう」ニコリ。

「…………すんません。ナマ言いました」

「………程程にして下さい」

 おっ、二人とも嫌とは言わないんだね。
 だったらマップ開いて探敵してまみませう。

 魔物ちゃん魔物ちゃんと…………

 魔物を探して居ると二人から声が掛かる。

「旦那様、処理出来ましたよ」

「早く仕舞って下さい」

「ん、血抜きしないの?」

「出来ませんよ」

「一匹ならともかく、この数をなんて無理です」

 あ~そうね。ボア十匹は無理ね。

「了解。なら収納っと」

 ボアの死体にに手を翳して収納する。
 で、俺のインベントリの中で血抜きを完了させておく。

「<ついでに、解体しますか?>」



『あ、ああ宜しく』

 久々訊いたねあの、謎の問い掛けだ。
 これナビさんじゃ無いんだよね。
 深くは詮索しない方が得策。
《何言ってるんですか、あれはシステムの方の問い掛けですよ》
『謎ので良いしゃん。ファンタジーだろ?』
《ファンタジー……ってなんですか?》

 この世界の事だよとは言えないので誤魔化そう。

『ま、そう言う事さ』

《誤魔化されてます?》

『追及しなくても良いこともあるぜ?』

《なんですかそれ?》

「お~い二人とも、クリーン掛けとけよ。血の匂いなんて撒き散らすなよ」

「「了解」」

 そんな話をしてるとマップに何か引っ掛かった。

 赤点だから魔物だね。
 それも一つの大きな点。

 これは…経験からすると熊さんだぁ!

「二人とも喜べ!」

「な、なんですか? いきなり」

「君達にも、倒せる魔物を見つけたぞ」

「…………」

「なんか、すっごく怖いんですけど?」

「そう? そんなの、行ってみないと分からないから早速行こう。方角はあっちだ!」

 今いる場所より更に奥の方角を指差した。その指先を二人が見ると二人が愚痴を溢す。

「………ここから更に奥とか」

「そんなの倒せる気がしない!」

「ダイジョウブ、ダイジョウブ、二人なら殺れる!」

 俺は二人から目を逸らして励ます。

「な、なんで言葉が片言なんですか!それ大丈夫じゃ無いでしょ!」

「アハハ本当に大丈夫だよ。カシューまだ何が出るか分からないじゃん♡」

「じゃん、の後の笑みが怖い!」

「なんだよ、カナル達が俺に言ったんだろ。最初から遣らせろって」

「それはそうですけど、森の奥にいる魔物を俺らが簡単に倒せる訳がねぇ!!!って話をしてるんだ」

 アハハ、カナルため口炸裂。
 よっぽど怖いのかね?
 たかが熊さんだぜ?  
 あんなの首をチョンとすれば一発さっ!

「まあまあ、兎に角なにが居るか確かめに行こうぜ? それに、俺が渡したその剣があれば絶対に大丈夫だし、なんなら手を貸すから」

「し、信用ならねぇ~」

「アハハ、ナカル。言葉」

「あっ、すんません」

「本当に、信用して良いんですよね?」

「なに、カシュー俺を疑ってるのかな?」

「い、いえ。そう言う訳ではありませんが。旦那様って、偶に俺らを信用させといて、ほったらかすでしょ? ランク上げてぇ~ねぇ~!とか言って」

「そ、そうだったけっ?」

 ああ、そんな事が……あったね。

「アハハ、まあまあ過去の事は忘れなさい。無理そうなら手助けはするから」

 しないけど。




しおりを挟む
感想 124

あなたにおすすめの小説

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。 だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。  創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。  そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる

枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。 艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。 誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

処理中です...