731 / 763
新たな町へ
666話 誰? つか、前にもあったな
しおりを挟むサンドイッチ的な物を注文して、料理が運ばれて来るのを待つ俺。
イマココ!!←使い方が変!
「お待たせしました、トロトロ肉のパンサンドとお水です」
と、言って出されたのはロールパンの様な茶色のパンに、トロトロという肉と気持ちばかりの野菜が挟まれたパンだった。
それが皿の上にちょこんと一つ乗っていた。
「………ありがとう(サイズ小せぇ~)」
出された品の見た目に絶句したが、内心小さいって思ったけどな。でもさ、このお姉さんにはお礼を言っておく。
お姉さんは悪くないし。
作ってるのは厨房の主だしな。
それに値段は許せる範囲に収まってるから、文句も言いづらいし。
なんと、これで五百円とかだし。
パン一個に五百円はまぁまぁ許せる範囲、美味しければの話だがな。
でも、水の方が割高。
水は六百円だぜ。
だけど良いよ、面倒だし。
揉めたくはないし。
ってことで、諦めてロールパンを手に持って、一口パクリ………モグモグ……ごくり。
うん!まっずい。
予想通り。
肉がしょっぱいし、おまけに脂っぽいし、肉の臭みが仄かに口の中で香るから、後味最悪。
これ……どう調理したらこうなるのかな?
マッ…ジ!信じられない。
こんなことしないで、普通に肉を焼けば良いのに。
味も塩味だけだし、挟んである野菜の味はどこに行った!
おまけに、パンはパサパサで口の中の水分全部持って行かれたよ。
水を頼んでおいて正解。
クオリティ低いなぁ~残念!
この中身の肉。
ボアの肉を茹でてるんだろうな。
茹で豚のサンドイッチって有るのか?
でもなぁ~バラ肉を茹でて、ゴマだれに敢えてから水気を取ってからサンドイッチにするなら、まだ許せる範囲。
だがこれは許せん!塩味だけだぞ!
それもきつめの。
しょっぱいっての。
肉と一緒に挟んである野菜、多分これはレタスと、キュウリがなんだろうけど、気持ち程度にしか挟まってないし。
野菜の味も塩味で相殺されててなんとも言えない。
脂と塩味しかせん。
辛子マヨネーズとか作れない?
パンに塗る筈のバターの味もしないから使って無いんだろうなぁ。
期待してたのになぁ~やっぱりこうだった。
アルシャ神様よぉ~、もう少しこの世界の食文化を考えて発展させておけよぉ~。
自分で料理しないと、旨い飯にありつけないとかあり得んだろうがよ。
日本人の食の探求心をなめんなよ。
文句言ってやる今度な!
で、時間を潰せずそそくさと店を出た俺。
まだ昼には間が有るぞ!これはどうする?
もう少し町をフラリとしようかな?
そう考えて、ブラブラと飲食街を歩く。
売ってるのは確かに調理された物が多い。
けど買う気にはなれん。
激まずなのに匂いがいいとかあり得ん!
飲食街を抜けるとその先は何と飲み屋街だったよ。
通りの看板にでかでかと飲み屋横丁と書いてあった。
ハハ、飲み屋横丁って日本じゃないんだから。
まあ、分かりやすいけどな。
でも、そこには入って行く勇気がないので、Uターンして飲食街に戻り市場にまた戻った。
なんか掘り出し物とか無いんか!
取り敢えず市場をフラリ、ブラブラとしたけどなにもない。
仕方なくギルドに行くことにした。
その途中に広場があって、そこに座れるベンチを見つけた。
広場を見れば、ベンチがちらほら接地してあったので、空いてるベンチに腰を下ろした。
「はあ~歩いた足痛ってぇぇ~。けど、あれだけ歩いて収穫ゼロ。ハハ笑うなぁ~、ここ何にもないじゃんか。有るのは市場に飲食街に飲み屋街。飲み屋なんか在っても、気分じゃないから行きたくない。酒なんか飲みたくないしな。この体なら、酒は飲めるんだろうけど飲みたくないんだよな。屋敷に居れば、アイツらと飲むかも知れないけど。そういえばアイツらと飲んだこと無いな」
今度飲んで見るか?
でもなぁ~アイツら遠慮して飲みそうも無いな。
なら、ボーナスで旨い酒飲ませて遣るかな?日頃の感謝を込めて。
そんな事を考えニマニマしてしまう。
でも、こんなところでニマニマしてたら、変質者だキモい。
そんな考えを誤魔化すよう別の事を考え……はたと思う。
「あれ、今何時だ?」
懐から時計を出し、時間を見ると未だ十時だった。
「あの店で時間潰す気満々だったのに。クソ不味の食い物なんか食うんじゃなかったよ。どれ、座った序でに口直しっと」
鞄からジュースが入ったペットと、サンドイッチをごそごそと出す。
出したサンドイッチはエビフライサンドだ。
フフ、無限収納って便利だ。
時間停止してるから、作りたてのままだしな。
ちゃんと皿に乗った物を出してな。
コンビニサンドを出すわけにも行かないからな。
ベンチに座って遅め朝食を食べる。
「はぁ~初めっからこっちにすれば良かった。変に挑戦するのは今後止めよう」
エビフライサンドをモグモグ食べなからそんな事を考える。
けれど、ここって結構人目が気になるな。
が、気にしたら負けだ!
気にしないのが一番。
多分このペットボトルが気になるんだろうな。
それともこのサンドイッチかな?
まあ、どちらでも良いや。
モグモグ、ごくり。
エビフライサンドをモグモグと食べてると、人が近づいて来てるのが分かったが、無視を決め込む。
けどその人、俺に声を掛けて来やがった。面倒だなもう!
「食事中にすまんが、隣良いだろうか?」
と、声を掛けられた。若干若目の声だ。
「…モグモグっ………へっ?」
口にサンドイッチが入ってたので、それを慌てて飲み込み、返事をして顔を上げて声を掛けて来た人物にを見た。
おや、若い兄ちゃんじゃんか。
何かご用でも?
「すまん、食べてるところに。取り敢えず隣座っても?」
「は、はあ……まあどうぞ」
「悪いね」
「いえ」
そう答えて俺は気にせず、ペットのジュースを一口飲み、またサンドイッチを食べ始めた。
うん、旨し!
つか、前にもこんなことがあったな。
これデジャブか?
105
あなたにおすすめの小説
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
最初から最強ぼっちの俺は英雄になります
総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる
枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。
艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。
誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!
yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。
だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。
創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。
そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。
R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。
半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。
凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。
だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった……
同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!?
一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる