ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

681話 お話し合い 4 

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 で、なんだっけ。
 ああケイトとベントンの話しか。

「で、皆はケイトとベントンの事は賛成なんだよね?」

 まあ、最初は団体行動の中での恋愛って、賛成はしてなかったんだけどなぁ~。
 でも実際、カップルが出来ちゃったんなら、反対しても仕方ないけど。
 でも、ここに残りたいとは思って無かったぞ、何とか説得したいのだが。

「そうですね。別に反対する理由はないですけれど」

「そうか、それなら部屋に戻ろうか。後は本人達に話を訊こうか」

「ええ、分かりました」

 リビングに二人で戻ると定位置に座り直す。

「皆はお待たせしたね。ごめんよ席を外して。俺的にはケイト達の話しは、前に少し訊いただけだったから、ニングスに確認してた」

「そんなの、あたしらに訊きなよ」

「それはそうだけどね、自分達で言って来ない? 普通さっ」

 そう言ったら、二人揃って顔を見合せ謝って来た。

「「すみません」」

 ふむ、自覚無しだったんだね。
 ま、言われて来ても困るから良いけど。それに、俺も留守しがちだったからな。

「で、ベントンとケイト、お前達はここを動きたくないんだね? つか、俺がここの主なの分かってるかな?」

「それは分かってるよ。でも、出来れば動きたくない。ベントンの実家も、ここからだと遠くは無いし」

 ふむ………これは解雇かな?

「そうか、ベントン君の実家って何処だったっけ?」

 なんか始めに、訊いたきがするんだけど……記憶にない。

「しょっちゅう里帰りは出来ませんが、ここから馬車で、三日程行ったところの村です」

 三日行った所の村ね。
 在ったかそんな村?

「あれ? でもベントンって、実家から追い出されたんだろ?」

「そ、それはそうなんですけど」

「けど? 兄弟も居たよね?」

「そ、そうです。でも里帰りはしたいと思ってて」

「そんなに、しょっちゅう帰りたいの?」

 実家から追い出されて、里帰りしたら、もっと親と拗れるもんじゃないのか?
 よく知らんけど。

「なんか、隠してない?ベントン」

 益々解雇に近づいて来てない?

「そ、それは…………隠してないです。面接の時に言ったのは本当です」

「ふむ、ならここを移動しても良いよね?」

「だったら一回だけでも、里帰り駄目ですか?」

「駄目とは言ってないけど、君らが里帰りして、掛かる日数はだいたい多く見積もっても、二十日は掛かるんだろ? それに、馬の世話や畑の世話をしてくれる人が居ないからねぇ~。予備に雇える余裕は無いし」

 片道三日、往復六日。
 それに、滞在するなら三日か四日は滞在するだろうし。
 なんやかんや掛かると見積もって、二十日かな?とは思ったんだけど。

 それに、人を新しく雇う余裕はあるが……トラブルが嫌だ。

「二十日は掛かりませんよ?」

「でも、それくらいは掛かるだろ? それに足はどうすんの?」

「辻馬車が村ま出てます」

「ほう、三日も知らない人と馬車で移動?」

「そうですね」

 さらりとまあ良く言うよ。
 結構大変……ああこの人らは慣れてるのか。移動に時間が掛かるのは。

「そうか、分かった。なら帰っても良いよ。ケイトと行っておいでよ」

「良いんですか?」

「いいよ、でも君らここに帰って来る気あるの?」

「それはあります。追い出されてるのは本当ですから。親父に、働いて所帯も持ったと、報告に行きたいだけですから」

「なら、何でここを移動するの反対したの?」

「だって、里帰りするのに、これ以上距離があると、家に帰るに帰れないじゃないですか」

 追い出されて里帰り?
 よく分からないんだけど。

「なにそれ?」

「えっ、なに?マイナ」

「だって、家追い出されて里帰りって、ありなの?」

 おや、マイナさん少しプンスカしてませんか?

「まあまあ、マイナ。そう怒るなよ」

「だって、カナル、ベントンの考えって、甘くないかな?」

「甘くないよ。誰だって里帰りしたいだろ? 里があれば」

「あたしは帰りたくないし! 帰りたくても帰れないのに!」

 おお、マイナさんヒートアップ!これは不味い。

「マイナ、少し落ち着け。な、マイナ、落ち着けよ」

 マイナに近づいて、頭をポンポンしてやって、気を落ち着かせた。

「でも、旦那様」

「落ち着け、大丈夫だ」

 そう言って、カナルに目配せして後はカナルに任せる。
 なんだか最近、マイナはカナルに懐いてるようだしね。


「さて、問題のお二人さん、帰りたいなら帰って良いよ。好きにしてくれ。でも、ベントンに限らず皆には言っておくぞ、この場所は近々離れる予定だ。その事は承知しててくれると有難い」

 もうこの国のから出たく無いのは分かったし、そこは妥協するよ。
 だからもう反対はしないで欲しんだけど。



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