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新たな町へ
683話 お話し合い 6
しおりを挟む話しは取り敢えず決まった。この王都からは、皆で出ることに決まり。
でも、問題が有るな。
「さて、遅くなったね。話し合いは、ここらでお開きだ。だけど、ベントンとケイトは残ってな。後は解散だよ!明日も宜しくね。おやすみ」
「はい、お休みなさい。主様」
「お休みなさいませ、旦那様」
「「お休み主様」」
「旦那、おやすみ。明日もよろしくな」
「旦那、お先に」
「おやすみなさいませ。お先に失礼します」
「「旦那様、おやすみなさい」」
ゾロゾロと使用人達が挨拶をして、自室に戻って行き残ったのは俺と他に二人。
「さてベントン君、君さ家から追い出されたって本当に?」
「えっと、」
「旦那、私が話すよ」
「ケイト、お前は黙ってな」
お前は最初の話と違うよね。
ま、好きな男が出来れば違って来るのは当たり前だけどな。
「それで、ベントン何で嘘を? 君結構優秀だったから、俺便りにしてるんだけど?」
「そ、それは大変有難いです。でも俺、嘘は言ってないです。本当に親父に追い出されて、この王都へ来たんです。でも………家に残された母親が心配なんです」
「お母さんが? なに、父親危ない人なの?」
「そうです。だから、ちょこちょこ帰ってあげたくて」
「なら、今まで我慢してたの?帰るの」
「えっと、足代がやはり掛かるので、ちょこちょことは言いましたが、金が貯まったらって、事です」
「ああ、足代ね」
「旦那、それで、」
「ケイトは黙って」
「はい」
「で、二人分足代が貯まったし、母親の顔も見たいし、嫁さんになってくれる人も出来たから、帰りたいです。けれど、仕事はここでしたいです。稼げるので」
まあ、給料だけは良いよな。他と比べても。
「だけど、移動はしたくないんだろ?」
「ええ、実家との距離が離れるのは………」
「心配なのは母親だけ?」
「えっと、その……妹も居まして、その妹が嫁がされるとか聞いてるので、様子も見たいです」
「なに?嫁ぎ先が問題なの?」
「父親に、無理やり嫁がされるみたいで」
ベントン、お前は爆弾何個持ってるのさ!
また、大変な事になりそうですぞ!これは。
「そっか、そっか…………そっか、ん~なら仕方いのか?」
これは悩むなぁ~安易に許しても良いのか?ベントンだけなら許しても良いけどなぁ~。
でも二人がくっつくなら仕方ない。
「「………」」
「だったら、うちの馬と荷馬車を貸してやる。それなら、足代は浮くだろ」
「そ、それ良いのでしょうか?」
「仕方ないからな。訊いちゃったし貸したげるよ」
「旦那、あたしも話して良いかい?」
「なに? ケイト、この裏切り者」
「な、なんで裏切り者なのさ」
「お前は最初、俺に何て言った?」
覚えてないのか?
「あっ、それは。覚えてます。あのせつは本当に、有り難うございました。お陰で優しい旦那が、見つかりました。感謝してます」
おお、ケイトがちゃんと感謝の言葉を言ってきた。しかも、敬語使って話したぞした。
これはお宝か?
「ハイハイ、ちゃんと自覚が有るんだな」
「そりゃ~あるよ。あたしだってさっ!」
「で、話しは戻るけどベントン」
「はい、」
「ちゃんとケイトや家族と、話し合って帰って来い。それから、移動は決まりだ。それが嫌なら二人で、独立してくれ」
「旦那、それは」
「旦那様、それは」
「そうだろ? お前らの我が儘は聞けないぞ。いま、うちは死活問題抱えてるんだしな」
「あたしらに、ここを出てけってことかい?」
「出てけとは言ってないだろ?」
「だけど独立って」
「それしかないだろ? 俺らの移動は決まりなんだから」
「そ、それは」
「だから言ったろ、この里帰りの間で二人でちゃんと話し合って、決めて来いってさ。出来れば、移動先に着いて来てほしいけどな」
これって俺の願望だけどね。
決めるのはこの二人だし。
「分かりました。ちゃんと考えます。でも、その……」
「なに?」
「二人ほど増えても?」
「なに?増えんの?アハハ別に増えても良いけど…そこまで甘える?」
ゴタゴタは勘弁してほしいなぁ
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