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第一話 異世界の始まり
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始まりは17歳の夏休み前のことだ。
この日は終業式であり、浮かれた気持ちで学校へ行き、友達と他愛もない話をし
気を失いそうになるほど長い校長先生の挨拶を聞きおわり、担任が夏休み前最後のホームルームを締めくくろうとしていた時であった。
突然空に何色もの光でできた球が出現し、それは俺をめがけ一直線に向かってきて、当たる直前これが走馬灯かといいたくなるような光景を目撃しながら俺は光に飲み込まれてたが何ともない。その光が気になった俺は隣のクラスメートにその光のことを聞いたが、心配そうな顔をされるだけで、どうやらほかの人には見えてないらしい。
その後、担任は終業の礼を終え、夏の蒸し暑い帰路を自転車をこぎながら、やっとのことで自宅についた俺は汗を流すために風呂に入り、眠気が襲ってきたため寝ることにしたんだ。
そうして起きるとベッドではなく野原に寝ていたってわけだ。
さて、話の整理が終わったところで、まずはここがどこか考える必要がある。
まさかとは思うが死んでいる可能性もあるのではと思った俺は地面を思いっきりパンチしていた。
「いってぇ......」
拳を見ると、拳は血でにじんでいた。どうやら、まだ死んではいないらしい。
どうするべきか悩んでいた俺はまずは辺りを見渡すことにした。すると街のようなものが遠くのほうにあるらしい。とりあえず、安堵した。どうやら、その街までの道のりも思ったほど遠くはなさそうだ。そこで情報収集することにしよう。
俺は街まで道なりに進むことにした。
街につくとそこは中世ヨーロッパのような城壁で周囲を囲まれた城郭都市であり、門前には衛兵が立っている。異世界風のヨーロッパにでも来たのかと思っていると、衛兵の一人が近づいてくる。
「おい、お前!! 見ない服装だな。どこから来た!」
まるで異世界にでも来たかのような衛兵の恰好に驚いたが、日本語を話せるらしい。
「日本語話せるのですか! 突然ここに飛ばされて困っています。大使館に連絡してもらえませんか??」
すると衛兵は怪訝そうな表情をしながら
「何を言っている? 寝ぼけているのか? 日本? 聞いたことがない国だそれに大使館とはなんだ? まさか、貴様! 邪悪な蛮族が済んでいるという大陸から来たものか!」
どうやら衛兵は日本を知らないらしい。困った顔をしていると後ろから馬車がこちらに向かって走ってくるのが見える。するとそれを見た衛兵たちは一斉にひれ伏していた。その馬車は俺の前で止まり、一人の女性が姿を現すと同時に
「私をだれだと思っているのだ!! 図が高いぞ平民!!」
彼女は美しい金の髪を揺らしながら俺に向かって話している。面倒ごとに巻き込まれると困ると思った俺は彼女の前に跪くことにした。
「ところで貴様、見ない服装だな......」
「遠くの地から来たもので......」
ここで面倒ごとに巻き込まれたら厄介だ。
「どうやってアムステリア帝国まで来た?ところで、ラムース大陸の輩は野蛮だと聞く。服装からも野蛮さがにじみ出ているな」
アムステリア大陸......聞いたことのない名前だ。そこで俺はようやく一つの仮説にたどり着いた。
見たことのない大陸名、中世の城......もしやここは異世界では......
どうやら俺は人生で望んでいた異世界に行くということを実現したらしい。しかし、この場のシチエーションはあまりにもよくない。どういうわけか、アムステリアの人々はラムース大陸の人を良く思ってないらしいし、俺がラムースの人間だと思っている。
「まぁ、よい。貴様は神話に出てくる英雄にそっくりの見た目をしている。蛮人ではあるが興味がある! 私と一緒に城までこい」
興味があるっていったい何をされるのだろうか。まさか、奴隷生活かなどと考えていると無理やり馬車に連れ込まれていた。
馬車を降りるとそこはまるでアニメやゲームの世界のようなきれいな城が目の前に見える。俺はその光景に見とれていると
「おかえりなさいませ、姫様」
執事、メイド百名余りがお辞儀をして出迎えている。あまりにも慣れない光景に戸惑っていると、その中で威厳がありメイド長と思わしき女性が姫に近づいてきて
「なんですか、この服装の者は! 姫様は好奇心で何事にも近づかれる、少しは......」
そう言いかけた時、姫は顔を少し赤らめながら
「まぁ、よいではないか! さぁ、このものを客室に通せ」
それを聞いたメイド長はこれ以上はもう何も言うまいというような表情をしながら俺を客室まで案内する。客室でしばらく待っていると、先ほどとは違い異世界の姫というような服装で客室に入ってくる。
少し見惚れながらも、怪訝そうな表情をしていると
「心配せんでもよい! もし仮に蛮人であっても殺したり、奴隷になどしない」
そう言って、ソファーに豪快に座った。
「さて、お主がどこから来たのかとても気になる。話してはくれぬか」
真実を話すべきか悩むな。だが、何故だかわからないがこの人には話しても大丈夫な気がする。
急に野原で起きたこと、光を見たこと、日本という国があること、服装のこと、ここが異世界ではないかということ。俺はすべてを話していた。
「ふむ、そのようなことが。しかし、にわかには信じられんなぁ」
「信じていただければ幸いですが、姫様の言いたいことはわかります」
仮に昔の俺の前に「私異世界から来たんだ」なんて言い出す人がいれば、寝ぼけているのかと返していたことだろう。しかし、彼女は急に立ち上がり
「よし! わかった信じよう! その代わりおぬしは私とともに学院に入れ!!」
彼女は寂しそうに下を向いた後、抜群の笑顔で俺にこう言った。
この姫様はどうやらとても慈悲深いお方らしい。姫様は慈悲深いことはわかったが、一体この世界はどんな世界なのだろう。気になった俺は姫様に質問していた。
どうやらこの世界には魔素と呼ばれるものがあり人は魔法を使えること。この国はアムステリア大陸に位置し、アムステリアには7つの国があること。暦が存在し今は人歴3002年、4月2日であること。色々な情報を教えてもらった。それにしてもこの世界も365日で1年が終わるとは不思議なものだな。
そんなことを考えていると、彼女はティーカップを片手に「そういえばお互い名前を知らなかったな」そう語りかけてきた。
「私はリリー アムステリアだ。歳は今年で17歳で、225代皇帝リーシュ アムステリアの一人娘だ。よろしく頼む」
美しい金の髪をなびかせ、堂々とした面構えで手を胸に当てている。
「イツキ テンマです。同い年です。よろしくお願いします」
気まずい沈黙がもう数分間続いている。もう何分立つのだろうか。緊張した空間が二人をつつむ。そういえば、ここに来てから彼女の顔をじっくりと見たことはなかったが、容姿端麗でその髪は美しいピンクがかった金の髪であり、瞳は透き通るような青い目、肌は雪のように白く、触れば氷の結晶になりそうなそんな美しい肌であり、手足は細く、指を見ると折れそうなほど細かった。
俺は彼女の容姿に見惚れていた。俺が凝視していたからか
「あまりじろじろ見るな...恥ずかしいではないか...」
そう言って顔を赤らめながら、椅子に座ってしまったのだ。
「すみません...」
まだ会ったばかりなのにじろじろ見るなんて、俺は変態じゃないか。そう思っていると
「今日はもう夜も遅い、空き部屋があるからそこを自由に使うがよい。また明日、おぬしにメイドをやる」
そう言って、俺に背を向けた。
「わかりました。姫様。また明日」
俺はそう言ってこの部屋をメイドに案内されながらゆっくりと出て行った。
空き部屋にたどり着くと、意外にも片付いている。城の中だし当たり前といえば当たり前だと思いながら、部屋の中を見ていると、なんと部屋には風呂があるのだ。中世生活で風呂にはいれると思わなかった俺は急いで蛇口らしき白いレバーをひねり水を出し、今日一日の疲れをとるべく風呂に入った。明日は何があるのかなと思いながら。
この日は終業式であり、浮かれた気持ちで学校へ行き、友達と他愛もない話をし
気を失いそうになるほど長い校長先生の挨拶を聞きおわり、担任が夏休み前最後のホームルームを締めくくろうとしていた時であった。
突然空に何色もの光でできた球が出現し、それは俺をめがけ一直線に向かってきて、当たる直前これが走馬灯かといいたくなるような光景を目撃しながら俺は光に飲み込まれてたが何ともない。その光が気になった俺は隣のクラスメートにその光のことを聞いたが、心配そうな顔をされるだけで、どうやらほかの人には見えてないらしい。
その後、担任は終業の礼を終え、夏の蒸し暑い帰路を自転車をこぎながら、やっとのことで自宅についた俺は汗を流すために風呂に入り、眠気が襲ってきたため寝ることにしたんだ。
そうして起きるとベッドではなく野原に寝ていたってわけだ。
さて、話の整理が終わったところで、まずはここがどこか考える必要がある。
まさかとは思うが死んでいる可能性もあるのではと思った俺は地面を思いっきりパンチしていた。
「いってぇ......」
拳を見ると、拳は血でにじんでいた。どうやら、まだ死んではいないらしい。
どうするべきか悩んでいた俺はまずは辺りを見渡すことにした。すると街のようなものが遠くのほうにあるらしい。とりあえず、安堵した。どうやら、その街までの道のりも思ったほど遠くはなさそうだ。そこで情報収集することにしよう。
俺は街まで道なりに進むことにした。
街につくとそこは中世ヨーロッパのような城壁で周囲を囲まれた城郭都市であり、門前には衛兵が立っている。異世界風のヨーロッパにでも来たのかと思っていると、衛兵の一人が近づいてくる。
「おい、お前!! 見ない服装だな。どこから来た!」
まるで異世界にでも来たかのような衛兵の恰好に驚いたが、日本語を話せるらしい。
「日本語話せるのですか! 突然ここに飛ばされて困っています。大使館に連絡してもらえませんか??」
すると衛兵は怪訝そうな表情をしながら
「何を言っている? 寝ぼけているのか? 日本? 聞いたことがない国だそれに大使館とはなんだ? まさか、貴様! 邪悪な蛮族が済んでいるという大陸から来たものか!」
どうやら衛兵は日本を知らないらしい。困った顔をしていると後ろから馬車がこちらに向かって走ってくるのが見える。するとそれを見た衛兵たちは一斉にひれ伏していた。その馬車は俺の前で止まり、一人の女性が姿を現すと同時に
「私をだれだと思っているのだ!! 図が高いぞ平民!!」
彼女は美しい金の髪を揺らしながら俺に向かって話している。面倒ごとに巻き込まれると困ると思った俺は彼女の前に跪くことにした。
「ところで貴様、見ない服装だな......」
「遠くの地から来たもので......」
ここで面倒ごとに巻き込まれたら厄介だ。
「どうやってアムステリア帝国まで来た?ところで、ラムース大陸の輩は野蛮だと聞く。服装からも野蛮さがにじみ出ているな」
アムステリア大陸......聞いたことのない名前だ。そこで俺はようやく一つの仮説にたどり着いた。
見たことのない大陸名、中世の城......もしやここは異世界では......
どうやら俺は人生で望んでいた異世界に行くということを実現したらしい。しかし、この場のシチエーションはあまりにもよくない。どういうわけか、アムステリアの人々はラムース大陸の人を良く思ってないらしいし、俺がラムースの人間だと思っている。
「まぁ、よい。貴様は神話に出てくる英雄にそっくりの見た目をしている。蛮人ではあるが興味がある! 私と一緒に城までこい」
興味があるっていったい何をされるのだろうか。まさか、奴隷生活かなどと考えていると無理やり馬車に連れ込まれていた。
馬車を降りるとそこはまるでアニメやゲームの世界のようなきれいな城が目の前に見える。俺はその光景に見とれていると
「おかえりなさいませ、姫様」
執事、メイド百名余りがお辞儀をして出迎えている。あまりにも慣れない光景に戸惑っていると、その中で威厳がありメイド長と思わしき女性が姫に近づいてきて
「なんですか、この服装の者は! 姫様は好奇心で何事にも近づかれる、少しは......」
そう言いかけた時、姫は顔を少し赤らめながら
「まぁ、よいではないか! さぁ、このものを客室に通せ」
それを聞いたメイド長はこれ以上はもう何も言うまいというような表情をしながら俺を客室まで案内する。客室でしばらく待っていると、先ほどとは違い異世界の姫というような服装で客室に入ってくる。
少し見惚れながらも、怪訝そうな表情をしていると
「心配せんでもよい! もし仮に蛮人であっても殺したり、奴隷になどしない」
そう言って、ソファーに豪快に座った。
「さて、お主がどこから来たのかとても気になる。話してはくれぬか」
真実を話すべきか悩むな。だが、何故だかわからないがこの人には話しても大丈夫な気がする。
急に野原で起きたこと、光を見たこと、日本という国があること、服装のこと、ここが異世界ではないかということ。俺はすべてを話していた。
「ふむ、そのようなことが。しかし、にわかには信じられんなぁ」
「信じていただければ幸いですが、姫様の言いたいことはわかります」
仮に昔の俺の前に「私異世界から来たんだ」なんて言い出す人がいれば、寝ぼけているのかと返していたことだろう。しかし、彼女は急に立ち上がり
「よし! わかった信じよう! その代わりおぬしは私とともに学院に入れ!!」
彼女は寂しそうに下を向いた後、抜群の笑顔で俺にこう言った。
この姫様はどうやらとても慈悲深いお方らしい。姫様は慈悲深いことはわかったが、一体この世界はどんな世界なのだろう。気になった俺は姫様に質問していた。
どうやらこの世界には魔素と呼ばれるものがあり人は魔法を使えること。この国はアムステリア大陸に位置し、アムステリアには7つの国があること。暦が存在し今は人歴3002年、4月2日であること。色々な情報を教えてもらった。それにしてもこの世界も365日で1年が終わるとは不思議なものだな。
そんなことを考えていると、彼女はティーカップを片手に「そういえばお互い名前を知らなかったな」そう語りかけてきた。
「私はリリー アムステリアだ。歳は今年で17歳で、225代皇帝リーシュ アムステリアの一人娘だ。よろしく頼む」
美しい金の髪をなびかせ、堂々とした面構えで手を胸に当てている。
「イツキ テンマです。同い年です。よろしくお願いします」
気まずい沈黙がもう数分間続いている。もう何分立つのだろうか。緊張した空間が二人をつつむ。そういえば、ここに来てから彼女の顔をじっくりと見たことはなかったが、容姿端麗でその髪は美しいピンクがかった金の髪であり、瞳は透き通るような青い目、肌は雪のように白く、触れば氷の結晶になりそうなそんな美しい肌であり、手足は細く、指を見ると折れそうなほど細かった。
俺は彼女の容姿に見惚れていた。俺が凝視していたからか
「あまりじろじろ見るな...恥ずかしいではないか...」
そう言って顔を赤らめながら、椅子に座ってしまったのだ。
「すみません...」
まだ会ったばかりなのにじろじろ見るなんて、俺は変態じゃないか。そう思っていると
「今日はもう夜も遅い、空き部屋があるからそこを自由に使うがよい。また明日、おぬしにメイドをやる」
そう言って、俺に背を向けた。
「わかりました。姫様。また明日」
俺はそう言ってこの部屋をメイドに案内されながらゆっくりと出て行った。
空き部屋にたどり着くと、意外にも片付いている。城の中だし当たり前といえば当たり前だと思いながら、部屋の中を見ていると、なんと部屋には風呂があるのだ。中世生活で風呂にはいれると思わなかった俺は急いで蛇口らしき白いレバーをひねり水を出し、今日一日の疲れをとるべく風呂に入った。明日は何があるのかなと思いながら。
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