平凡学生の俺が転移したら潜在能力最強だった件~6色の魔素を使い世界最強~

カレキ

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第六話 リリーと休日の雨2

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朝目を覚ますとここが異世界であれば、なんてことを思ったことはないだろうか。

今の俺はそう思うこともなく、まるでジェットスキーに乗っているときのような爽やかな風が吹く中目を覚まし、今日はリリーと会えることを願い午前の授業である魔素の強化に向かうことにした。



演習場につくとD組のみんな集まっていた。さすが名門なだけあって集まりが早いな。

そう思っているとグランズ教諭がやってきて

「よーし、今日も始めるぞー」

背伸びをしながらだるそうにそう言った。

始めるか、周りの生徒も各々準備をしている。

俺は座禅の恰好で魔感に精神を集中させ、魔素を心の目でみる。

よし、見えてきたぞ!流石に2回目となるとなれるものだ。

俺の周りに6色の魔素が輝くと、ひときわ輝く魔素が二つほどあった。闇と光だ。

昨日、グランズ教諭が言っていたっけ。強く輝いている魔素はメインの魔素だと。

つまり、俺は闇と光を強化すればいいのでは?そう思い光に意識を集中させたが何時間たっても魔素の強化を感じることができなかった。

まぁ、2回目で強化出来れば天才だ。俺にはそんな才能はない。そう思いつつ昼休みになり、教室で今日は何を食べようか考えていると、

「イツキ! 私と一緒に食堂に行かない?」

かわいらしい声が聞こえてきた。と同時に

「私は姫様の護衛である! 私も同行させていただきます」

なんだか生真面目な声が聞こえてきた。間違いないリリーとイリナだ。

俺も何を食べようか迷っていたし、みんなで食べるご飯はおいしいので二つ返事で賛同した。

食堂につくと、まるでバイキングのように様々な食べ物が置かれていて、体育館ほどの広さがある食堂の席は人で埋め尽くされていた。そう、学院の中等部から高等部までのあらゆる生徒がここに集結していた。

「すごく、広いんだな」

独り言を思わず言うと

「でしょ! さすがアステリア学院だと思わない?ここは食べ物が日替わりで出てきてバイキングでとりほうだいなの!」

そういうと、リリーとイリナはそれぞれ好きなものを取り出した。リリーは満遍なく。デザート付き。イリナは肉多めな食事。

そんな二人を見ていると、俺もとらねばと使命感が出てきて、食べ物をさらに取り出す。3人共とり終えたはいいものの、食堂は混雑しどの席も空いてはいなかった。

「席、空いてないな」

そういうと、リリーは

「私、いつも空いているテーブルをしってるの!」

どこか悲しそうな顔をしながらそういった。

そうして、3人でテーブルに座り各々が口に食べ物を入れ始めたころ

「聞いてよ。A組の担任ラムース大陸出身なんだってさ!」

リリーは俺たちにだけ見せる極上スマイルで話しかけてきた。

そういえば昔、俺もラムース大陸人と間違われたことがある。
気になった俺はリリーにラムース大陸とアステリア大陸の話を聞いていた。

「かつて、1000年前くらいかしら、ラムースとアステリアの民は仲が良くお互いに自由貿易をしていたわ。でも、数百年前からラムースの人々が貿易を拒絶したと思いきやアステリアに侵攻し始めたの。それが原因よ。なぜ仲が良かったのに急に戦争を始めたのかしら。理由はわからないけど、アムステリア大陸の人々はその一軒以来ラムースの民を嫌っているわ。」

彼女は不思議そうな顔でそう言った。するとイリナが口を開いた

「その裏にはアステリア7国の一つが裏にいるとうわさされています。なんでも、その一軒からアムステリア大陸の覇権国家であった我が帝国が急速に力を落としたのです。野心的な、ほかの国のたくらみでしょう」

イリナは下唇をかみながらそう言った。確かに彼女の言うことも一理ある。どこかの国が悪だくみをしているのかもしれない。そう考えていると

「そろそろ午後の授業が始まるわ。急ぎましょう」

リリーが少し残念そうな表情で言った。






そのあと俺たちはそれぞれの組に行き、午後の授業を受けた。2回目の筋トレも体は慣れていないのか2日目連続筋肉痛となった。




そんな日常が10日ほど続いたある日、いつも通り寮から教室への道を歩いていると
前方に少し暗そうに見えるリリーの姿が見えた。心配になった俺は少し急ぎリリーの横に並んだ

「リリー? おはよう! 最近リリーが元気ないところをよく見かけるんだ。よかったら、何があったか教えてくれないか」

と聞くも

「大丈夫!何にもないわ!心配しないで」

と少し暗い表情で答えていた。俺は相槌をすることしかできず、二人は別々の教室に入っていった。

リリーのことが気になるが授業は真面目に受けなければならない。
俺は気持ちを抑え込み魔素の強化のトレーニングを行った。







10日も強化トレーニングをしていると、次第に魔素を感じることができる。今日も同じように光の魔素に集中すると魔素が手のほうに集まっていくのが感じた。

目を開けると光の魔素が手の周りを周って周囲には光の魔素がエネルギーのようにあふれ出していた。これにより10日以上補習と魔素強化トレーニングをうけてようやく一つの魔素が身についたのだ。俺は光の呪文がやっと詠唱できるようになる。口角が上がった顔で時計を見ると、既に授業は終わりを迎えようとしていた。







その後はいつも通りの日常を送って、俺は補習を終え寮に戻る途中、リリーのことを考えていた。彼女がクラスに行くときの表情は暗く、俺やイリナと会っているときの表情は明るいのだ。なにかあるに違いない。そう考えた俺はリリーのことが心配になりリリーの部屋に向かった。









コンコンとドアをノックする。扉越しからリリーの声が聞こえてきた

「入れ」

その威厳がある言葉に少し緊張感をもって部屋に入る。

中に入るとリリーは驚いた表情で

「ほかの人だと思ったわ。イツキだったの!! 教えてくれればよかったのに!!」

そう言って少しうれしそうな表情を浮かべた。俺はリリーの部屋に話が合って今日は来た。そう、言わなければならない。休日、アムステリア市街で遊ばないのかと。

最近のリリーは特に元気がなく、そんな彼女を元気にしたくて街でリフレッシュさせようという作戦だ。

俺はリリーの部屋のソファーに座ると、彼女はなぜか俺の隣に座りだした。リリーの甘く優しい匂いがする。肌の体温がわかるほどの近さに座ったリリーに俺は少し顔を赤らめながら勇気を振り絞っていった

「きゅ、休日。今度の休日アムステリア市街に行かないか!」

それを聞いたリリーは驚いたのか目をくりっとさせながら、抜群の笑顔でこう答えた

「いくにきまってるじゃない!」
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