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第27話 内政担当は拷問が大好き
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内政担当ユーフェ・ミズーリ、魔法騎士部隊アルベール・ハラル、外交担当のアラン・ウォードは宰相に罪を擦り付けたその後のことだ。
無能なラース王は当然そのことに気づかず、彼らはそれぞれの役割の座にまだ居座っている。
そんな彼らがジークに使者を送ってからちょうど1日が経った頃。
ユーフェ・ミズーリは王都を離れ、とある地方、レネーヌ地方に来ていた。
食料を確保するためだ。リース王国と国交断絶状態の今、クルザ王国の食料自給率は20%を切っていた。
そんな状況をまずどうにかしないとと考えたユーフェ・ミズーリは反乱のことをアルベールに任せると、こうやって地方を巡ろうとしていたのだ。
その第一歩がリースに近いレネーヌ。
この地はかつてジークが食料自給率を上げようと農業を推進していた地。
そのことを報告書を読み漁り知ったユーフェは何かあるかもしれないと嬉し気な表情でいた。
だが、ジークが推進していた農業地がある街に領主と共に着くとその笑みは消え、怒りで領主を睨んでいる。
「領主! この辺りはジークが推進していた農業地のはずだけど?」
「そ、それは.....」
と領主が口ごもるのには理由があった。
元々ジークと領主は馬が合い仲が良かった。だからこの地に農業地を作ったのだ。
だが、今のクルザはジークがいなくなり、先行き不透明の大暗黒時代。
他地方では民衆が反乱を起こし、それらは拡大している一方だと聞いていた領主は反乱に反対だった。
血が流れてはいけないという考えの領主は、農業地を増やそうとするが、ある時一人の農民が行方をくらました。
危険地帯になったクルザからリースに逃げようとしたのだ。
そしてリース王アリアはこれを快く受け入れ、さらにアリアはリース経由でジークがいる帝国に行くことを了承する。
これにはアリアなりの理由があった。アリアは今後帝国が覇権国家になると考え、親帝国路線でいく方針をたてたからだ。
その後、その噂はレネーヌ中に広まり、多くの人がリース経由で帝国に移住しようとしていた。中でもこの街はジークと縁がある街。この街の住人の大半はもうこの地を去っていた。
「その様子だと、ジークは失敗したのかしら?」
そのことを知らないユーフェは嬉しそうにそう言う。
「はぁ。まぁ」
領主のそんな歯切れの悪い言い方にユーフェは激怒する。
「私はこの国の中心なのよ。いい! 私があなたのことを嫌いになれば処刑だってできるわけ! まぁ、当然地方のあなたなんかより私の方が魔力だって高いわけだし? 一騎打ちでもいいけど」
ユーフェは高笑いをし、領主に杖を向けるが領主は頭を下げるだけだ。
領主は忠義深い男でもある。だから領主はただ頭を下げた。
「それで、何故この街には人が少ないのかしら」
領主はもはやこれまでかと考えた。
「リース王国経由で帝国に領民たちは行きました」
領主はぼそっと言うとユーフェは一瞬、領主が言っていることが分からなかった。
(は? 意味が分からない。領主が領民が脱領するのを見逃している? なぜそんなことを。こいつは真性のばかなの?)
ユーフェはそう思うが、一瞬で今度は否定する。
「ジークね。ジークがなにかしたんでしょ!!」
ユーフェは怒鳴る。
「いえ、ジーク様は何も」
「は! そんなわけないでしょ! みんなしてジーク、ジーク、ジークってうるさいのよ! 確かに有能だわ。だけどね、うざいの!」
ユーフェはそう言うと杖の先を領主の喉奥まで押す。
「いい。偽ってもいいけど、そうしたら待ってるのは死よ」
「わた......し......は、なにも......」
領主は苦しそうに言うとユーフェは杖を離す。
「あー!めんどくさ! 私めんどくさいのだいっきらいなの。それなのに、報告書を読んでここにきたってのに!」
ユーフェはそう言うとにやりと笑う。
「私ね、拷問が好きなの、拷問。よく蛮族を拷問しているんだけど、あいつらつまんなくて。あなただったらいい声出してくれるでしょ? ああ、残ってる町人も全員ね。あんたが本当のこと言うまで」
勘違いしているユーフェはそう言うと領主は首を横に振る。
「本当に! 違うのです! 信じてください!」
必死にそう言う領主にユーフェは嘆息した。
「はい、嘘1回目」
そう言うとユーフェは領主の腕に小さな氷をめり込ませようとしている。
領主は想像できるその痛さに目を瞑る。
だが、いくらたっても領主の腕には激痛が走らなかった。
不思議に思った領主は目を開ける。
すると、ユーフェは痺れながら倒れていた。その後ろには黒髪ショートヘアの女が立っている。ナナだ。
「だから、逃げたほうがいいといったのに」
「ナナ様。領民はまだまだいます。置いていくわけにはいきませんので」
「そう。でも、おかげでようやくこの女を捕えることができた」
ナナはユーフェを指さす。
「ユーフェ様をどうする気で」
「拷問。好きなんでしょ」
ナナはそう言うとユーフェを担ぎ上げる。
領主はそんなナナを黙ってみていた。そんな領主の心の奥底は晴れやかだった。
無能なラース王は当然そのことに気づかず、彼らはそれぞれの役割の座にまだ居座っている。
そんな彼らがジークに使者を送ってからちょうど1日が経った頃。
ユーフェ・ミズーリは王都を離れ、とある地方、レネーヌ地方に来ていた。
食料を確保するためだ。リース王国と国交断絶状態の今、クルザ王国の食料自給率は20%を切っていた。
そんな状況をまずどうにかしないとと考えたユーフェ・ミズーリは反乱のことをアルベールに任せると、こうやって地方を巡ろうとしていたのだ。
その第一歩がリースに近いレネーヌ。
この地はかつてジークが食料自給率を上げようと農業を推進していた地。
そのことを報告書を読み漁り知ったユーフェは何かあるかもしれないと嬉し気な表情でいた。
だが、ジークが推進していた農業地がある街に領主と共に着くとその笑みは消え、怒りで領主を睨んでいる。
「領主! この辺りはジークが推進していた農業地のはずだけど?」
「そ、それは.....」
と領主が口ごもるのには理由があった。
元々ジークと領主は馬が合い仲が良かった。だからこの地に農業地を作ったのだ。
だが、今のクルザはジークがいなくなり、先行き不透明の大暗黒時代。
他地方では民衆が反乱を起こし、それらは拡大している一方だと聞いていた領主は反乱に反対だった。
血が流れてはいけないという考えの領主は、農業地を増やそうとするが、ある時一人の農民が行方をくらました。
危険地帯になったクルザからリースに逃げようとしたのだ。
そしてリース王アリアはこれを快く受け入れ、さらにアリアはリース経由でジークがいる帝国に行くことを了承する。
これにはアリアなりの理由があった。アリアは今後帝国が覇権国家になると考え、親帝国路線でいく方針をたてたからだ。
その後、その噂はレネーヌ中に広まり、多くの人がリース経由で帝国に移住しようとしていた。中でもこの街はジークと縁がある街。この街の住人の大半はもうこの地を去っていた。
「その様子だと、ジークは失敗したのかしら?」
そのことを知らないユーフェは嬉しそうにそう言う。
「はぁ。まぁ」
領主のそんな歯切れの悪い言い方にユーフェは激怒する。
「私はこの国の中心なのよ。いい! 私があなたのことを嫌いになれば処刑だってできるわけ! まぁ、当然地方のあなたなんかより私の方が魔力だって高いわけだし? 一騎打ちでもいいけど」
ユーフェは高笑いをし、領主に杖を向けるが領主は頭を下げるだけだ。
領主は忠義深い男でもある。だから領主はただ頭を下げた。
「それで、何故この街には人が少ないのかしら」
領主はもはやこれまでかと考えた。
「リース王国経由で帝国に領民たちは行きました」
領主はぼそっと言うとユーフェは一瞬、領主が言っていることが分からなかった。
(は? 意味が分からない。領主が領民が脱領するのを見逃している? なぜそんなことを。こいつは真性のばかなの?)
ユーフェはそう思うが、一瞬で今度は否定する。
「ジークね。ジークがなにかしたんでしょ!!」
ユーフェは怒鳴る。
「いえ、ジーク様は何も」
「は! そんなわけないでしょ! みんなしてジーク、ジーク、ジークってうるさいのよ! 確かに有能だわ。だけどね、うざいの!」
ユーフェはそう言うと杖の先を領主の喉奥まで押す。
「いい。偽ってもいいけど、そうしたら待ってるのは死よ」
「わた......し......は、なにも......」
領主は苦しそうに言うとユーフェは杖を離す。
「あー!めんどくさ! 私めんどくさいのだいっきらいなの。それなのに、報告書を読んでここにきたってのに!」
ユーフェはそう言うとにやりと笑う。
「私ね、拷問が好きなの、拷問。よく蛮族を拷問しているんだけど、あいつらつまんなくて。あなただったらいい声出してくれるでしょ? ああ、残ってる町人も全員ね。あんたが本当のこと言うまで」
勘違いしているユーフェはそう言うと領主は首を横に振る。
「本当に! 違うのです! 信じてください!」
必死にそう言う領主にユーフェは嘆息した。
「はい、嘘1回目」
そう言うとユーフェは領主の腕に小さな氷をめり込ませようとしている。
領主は想像できるその痛さに目を瞑る。
だが、いくらたっても領主の腕には激痛が走らなかった。
不思議に思った領主は目を開ける。
すると、ユーフェは痺れながら倒れていた。その後ろには黒髪ショートヘアの女が立っている。ナナだ。
「だから、逃げたほうがいいといったのに」
「ナナ様。領民はまだまだいます。置いていくわけにはいきませんので」
「そう。でも、おかげでようやくこの女を捕えることができた」
ナナはユーフェを指さす。
「ユーフェ様をどうする気で」
「拷問。好きなんでしょ」
ナナはそう言うとユーフェを担ぎ上げる。
領主はそんなナナを黙ってみていた。そんな領主の心の奥底は晴れやかだった。
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