【R18】付き合って二百年、初めての中イき

Cleyera

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14 愛しい夜 ※ 対面座位→騎乗位

 

 焦らされているようで辛いと訴えたのに。

「おう、ほれ、おいで」
「え?」

 振り返ると、ブレーが寝台に腰を下ろして両腕を広げていた。
 えー……それ、苦手なんだけど。
 と言えるはずもなく。

「どうした?」
「う、あ……うん」

 胡座をかいているブレーの股間で、帽子コンドームを被った本物のブレー君が元気よく「こんにちは!」、してくれている。
 どうしよう、これ、記憶なくなったら。

 焦りと記憶が飛ぶ予感で目の前が滲むのを感じながらも、私は足を広げ、ブレー君に尻の穴で挨拶する事しかできなかった。

 ブレーの肩に手を置いて、足を開く体勢の卑猥さは考えない。
 ちゅ、ちゅ、と口づけのように挨拶して腰を下ろす事を躊躇っていると、尾てい骨を撫でられて、骨盤を掴まれた。

「ぅうっっ、や、あ、んんっ」

 くすぐったさと快感が同時に襲ってくる。
 ブレーの手つきは優しくて、私が慰める側だったはずなのに、いつもと同じように翻弄されている。

「ほれ、おいで」
「ん、うんっ」

 少しずつ引き摺り下ろされて、ぐぷくぷと音をたてながら、私の中にブレーが収まっていく。

「あ、っ、ぁ、あぁっ」

 熱くて固くて、すごい、好き、ブレーが好きっ。
 腰に回された手で尾てい骨と、受け入れている最中の尻の穴の縁をくすぐられた。

「っん、あ、あっ、そこだめ、なでちゃだめぇ」
「ひくひくしとるぞ」

 実況中継しないでーっ!!

 ブレーの口を塞ごうと、胸の辺りにあるもじゃもじゃの頭を抱え込む。
 腰に回されたブレーの力強い腕が、体を支えてくれた。

 支えてくれるけれど、その手の動きが怪しい。

「あ、や、ああ、やめて、くすぐったいっ」
「ここを揉むと中がうねる」
「やあ、それやだっ」

 くすぐったいのと快感の境目が曖昧になるからやめて。
 腰骨の周辺を触られるのは苦手だ。

 本来そこは肉体的な急所。
 快感なんて感じるはずないのに、くすぐったいのに気持ちよくて、体がびくびくと震えてしまう。

 震えるたびに、ブレーが少しずつ入ってくるのが、気持ちいい。
 ず、ずっ、と本当にゆっくりと中が擦られて、満たされていっぱいになるのを感じてしまう。

 ゆっくり、気持ちいい。
 一息に奥までも好きだけど、じれったいのも好き。

「エレンの中が絡みついてくるのを、喜んではいかんのか?」

 言い方!
 傷ついてますって顔をするのも。

「……だめ、ではない」

 うぐぐぐ、私は意志薄弱なエルフだ。
 たとえあからさまな演技でも、ブレーが傷ついた顔をする事に耐えられない。

「そうか……エレン、ありがとう」

 唐突だったから、くすぐったさに悶えていて聞き逃してしまう所だった。
 ブレーの声に含まれた切羽詰まった重さを。

 私はホーヴェスタッドに偶然、流れ着いた。
 出会ったブレーに妖精族の縁で生活を保証され、居場所を得た。

 でも、ブレーは一から全て、自分の手で作り上げてきた。

 友人も、自分の価値も、仕事も、住む場所も。
 積み上げてきた全てを失って、平気なはずがない。

 明るく振る舞って、笑い飛ばしてあげたいと思ったけれど、やはり、私に喜劇役者の才能はない。
 傷ついているのはブレーなのに、私が苦しくて仕方がない。

「ごめん、私がもっとしっかりしていたら、工房も、まもれたのにっ」

 謝るべきじゃないのかもしれない。
 ブレーをもっと追い詰めてしまうかもしれない。
 それでも、悔しくて、許せなくて、怒りで声が震えた。

 工房には、防犯設備があった。
 ブレーが用意した魔法道具は、人の侵入や家屋破損の阻害設定はされていたけれど、放火は想定外だった。

 周辺地域を包括する放水魔術道具があるから、自分の工房にだけ取り付けるのはやめておこう。
 人種族を信用していないと思わせるような行動は控えよう。

 そう考えたブレーが間違っていたとは言わない。

 彼は自分が出来るからと言って、他人の未熟さを怠慢だと考えたりはしない。
 ドワーフもエルフも人種族も関係なく、十人十色を認める事が出来る素晴らしい人だ。

 人種族のやり方に合わせただけ。
 自分の工房兼住居だけ守りを固めた所で、それを見抜く目を持つ人種族はほとんどいないのに。

 ブレーの優しさを、私は甘いと思っていたのに。
 人種族の中に理解できない価値観がある事も、暴走癖も知っていたのに。
 動かなかった。
 いくらでも防ぐ事ができたのに、ブレーの意思を尊重すると言い訳して、必要な事をしなかった。

 その結果、放水魔術道具は稼働せず、工房は燃え落ちた。

「エレンは悪くない」
「でも、な、ん、あぁっっ!?」

 反論しようとしたら、腰に回された腕に力が入って引き下ろされ、残りが全て中に収められた。
 衝撃で膝が崩れて、尻に触れた熱い肌に、全身が震える。

「ありがとな」
「そ、っ、う、うう゛っ」

 お礼を言われるような事、してない。
 できてない。
 尻の中が熱くて気持ちいい。

 深々と収められたブレーの熱は、いつでも私を翻弄する。
 快感が背中を登っていく。


 根元まで受け入れて、しばらく馴染むのを待っていたブレーが私の腰から手を離した。

「動いて、くれるか?」
「あ、う、ん」

 上になるの苦手なんだけど。
 それがブレーへの慰めになるなら。

 ごろりと仰向けになったブレーは、暗闇の中で裸身をさらしている。
 武器や防具など重い物を扱っているからか、壮年になっても腹だけ太ったりしていない。

 もともとでっぷりとして見えるのは、背が低いことと、分厚い筋肉を脂肪が覆っているからで、種族的に筋肉がつきやすいのだと思う。

 鉱石を掘り、集めて溶かして金属を選別し、選別した金属を型に流し入れたり、叩いて形作って。
 ドワーフが得意とする鉱石加工は大掛かりで、体力も筋力も必要だ。

 所々に火傷の跡が残る、油を塗ったなめし革のような固い肌に、私の貧弱な指を滑らせる。
 長年、薬草に触れすぎて指先が染まり黒ずんでいるけれど、傷ひとつないように手入れはかかしていない。

 腹部と胸の筋肉の凹凸を楽しみ、手のひらを寝台に降ろそうとしたら、両手をブレーに捕らえられた。

「きれいな手だ」
「……ありがとう」

 ドワーフの美意識で私の手が美しく見えるとは思えないけれど、ブレーの言葉に嘘は感じられなかった。

 私の手は、年を経るにつれて薬師の父の手にそっくりになった。
 平凡エルフである私の数少ない自慢だ。

 私はエルフの薬師。
 人種族の街にエルフの薬を流通させる訳にはいかないので、酒しか作れないように振る舞ってきたけれど、私の本業は薬師だ。

 薬草酒の製法を知るのは薬師だから。
 植物採取は薬師の必須技能の一つ。
 薬師なのだから当然、丸薬錠剤、粉薬や練薬膏薬、水薬も作れる、これはエルフの常識だ。

 指をからめられて、手と手をしっかりと組まれる。
 無骨でふしくれだった指、分厚くて固くて傷の残る手のひら、四角く固い爪、骨の太い手首。
 見た目は力強いのに、ブレーの手はいつも私に優しい。

「わしの代わりに怒ってくれるエレンが好きだ」
「……っ、……ぅ、あり、がとうっ」

 私が素晴らしい人物であるかのように扱ってくれる、ブレーが好きだ。
 私をあるがままに受け入れてくれて、一緒に笑ってくれる。

 彼の懐の大きさに、私はずっと救われてきた。
 だから。

「エレン、っ」

 指と指をからめて繋いだまま、私は腰を前後に揺らした。
 ずり、ずり、と肌同士を擦りあわせるように
 ゆっくりと腹の中でブレーの陰茎をこねるように。

「……ぁ、っん、……ぁあっ」

 ゆっくりと、奥の押されて気持ちいい場所にブレーの張り出した先端が当たり続けるように、ゆるゆると腰を揺らしていると、じわじわと快感が蓄積していく。

「……く、……ふ」

 ブレーは口を閉じて、気持ちよさように息をもらしているけれど、その視線がずっと私から離れない。
 私とブレーが繋がっている場所に向けられた視線が熱くて、腰の動きが大きくなりそうになった。

 

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