召喚？それでは第2の人生はじめます！私、ブラック魔力の持主ですって。

12.マクレガー隊長の抗議

一方、勤務終了時間のアンリ室長執務室。
マクレガーは、レイナが帰宅したことを聞くとアンリに怒鳴りつけた。

「帰っただと？
玲奈殿と一緒にゴーゼッド家の屋敷に戻る約束をしていたのに？何故だ？説明してもらうか。」

「うん、うーんとね、慣れない現場で疲れたって。ごめんなさいね。
ま、もう会う事も無いし気にしないでくれる？」

「お前に気にしないでくれと頼まれる筋合いは無い。一体、レイナ殿は何者なんだ？」

「魔法の勉強の為に預かっているわ。」

「あの魔力は不安定過ぎるだろう？全く感じなと思えば恐ろしく感じるし。魔法が使え無いなんてあり得ないレベルだ。何を隠している？」

「偉くなると疑い深くなるのね。
20歳になりたての若い女の子に何があるの？クスッ。そんなに執着してあなた、まさかときめいてしまった？」

「バカを言え。そうやって話を逸らそうとしても無駄だ。俺には通用しない事はわかっているだろう？」

「マック、あの子を気にするとゴーゼッド家がついて回るわよ。それでも詮索するの？いいの？」

「はっ！ゴーゼッド家？今更だろ？」

マクレガーは睨むようにアンリの目を見た。

「止められない物もあるだろ。それはお前が一番良く知っているはずだ。」

マクレガーはアンリに冷たく言い放つとドアへ向かった。
後ろ手でドアを閉める間際につぶやいた。

「俺をもう2度とマックと呼ぶな。」

勢い良くドアを閉めて退室した。
アンリは誰も居ない部屋でつぶやいた。

「ごめんさない。マクレガー。」