天然天使にご用心♡

七々虹海

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プロローグ

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 腐敗臭と血の匂い、雄叫び。

 聞こえないはずの咀嚼音まで聞こえてくるようだ。
 ここはいつも綺麗な天国の青い空も見えない。ただただ白い部屋。

 考える事といったら自分が助からなかった場合と涼くんの事。
 涼くん。早く会いたい、会ってまたあの僕より少し大きな手に触れたい。綺麗な瞳を観たい。天使の僕すらも浄化してくれそうな君が纏う綺麗な空気。大好きだよ。痛いけど大丈夫、また会うんだ。


 今はどうしてるだろう。いつも通り大学に行ってるのかな。それとも夜でアパートに帰ってるかな。僕は戻るからいつも通りにしてなきゃダメだよ。

 ここは、この部屋は毎日覗けていた君の姿も見えないんだ。
 自分で決めて来たはずなのに心細くなるよ。
 何もない白い空間で想うのは君の事ばかり。
 君の事を考えてないと痛みに犯されそうなんだ。痛みで正気を失わないよう君を想い続け考え続けるよ。

 涼くん………涼くん………。



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