Strawberry Film

橋本健太

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第76話 2016ビルド

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 質疑応答は、博之のターンとなる。グラビア事務所を立ち上げている博之は、実績を問う質問をする。
「今までで、1番のベストショットは何でしたか?」
青山隆二
「はい。私はトップクラスの、グラビアアイドルの写真集の撮影に携わり、売り上げ1位を記録しました。」
狭山京子
「はい。私は祇園や嵐山で、京都の伝統風景を撮影し、それを外国人達にPRして来ました。浴衣×グラビアで、日本の美を表現しました。」
多々良柚希
「はい。私は福岡の博多祇園山笠を、撮影してきました。日本の伝統文化を、躍動感いっぱいに収めました。」
間宮優太
「はい。グラビアアイドルの撮影をして来ました。京都の風景と共に、PRも行なってきました。」 
その後、博之は色々な質問をし、適性を見極める。
「私の質問は以上です。ありがとうございました。」

 最後は真緒のターン。元グラビアアイドルの経験を活かし、大胆な提案をする。
「私は、元グラビアアイドルです。今から、私が水着に着替えますから、私の色気を写真で表現してください。」
そう言って、真緒はスカートスーツを脱ぎ出す。下は黒いビキニ。台に座り、セクシーポーズをとる。1人ずつ撮影させ、フィルムを回収。これにて、面接は終了。
「以上で、面接は終了となります。ありがとうございました。」
4人の選考者は、ここで退席。緊張したのは、薫達も同じである。
「ふぅ~。選考する方も大変やねんな。」
「そうですよ。これからも大変ですよ。」
ビキニ姿を披露した真緒も、すぐに気持ちを切り替える。
「採用したメンバーと共に、頑張っていくんですから。」
「真緒ちゃん、いきなり水着になるなんて思わんから。ドキドキやで。」
「薫さん、今まで女の子の裸撮ってたやないですか。」
「まぁ、せやけど。よし、これからや!!!大事な選考や!!共に歩む仲間達を決めるんや!!」
気合いを入れ、博之達と熟考する。

 6月8日、薫は選考結果を発表し、合格者に郵送で通知した。

合格者
・狭山京子
・多々良柚希

「2016年6月8日
合格通知
この度は、芸能事務所Strawberry Milkのカメラマン選考に応募していただき、誠にありがとうございます。面接の結果、内定が決まりましたことを、お伝えします。入社時期は、相談受け付けます。」
京子は京都府に住んでいるので、移動は問題無いが、柚希は福岡県に住んでいるので、福岡から京都までの引っ越しなどの手続きがあるので、2人の入社時期は9月5日に決定。薫達は、2人の入社までの間に、受け入れ体制を整えながら、仕事に奔走する。

 雑誌のオファーで、最近の流行を取り上げる。
「へぇ。「「水曜日のカンパネラ」」か。独特な感性やな。」
「「「Golden Tower」」、カッコいいな。」
グラビアでも、女子中高生の水着姿を収める。
「いいよ、いいよ。スクール水着は絵になるな。」
「いや~。水着が食い込んだお尻もええよな。」
世間が、2016リオオリンピックに沸いていたが、薫はグラビア撮影に明け暮れていた。
「グラビアアイドルも、自分で募集して、事務所を大きくしていく。2年後はロシアW杯や。W杯へ行くぜ!!」

 夏が終わり、薫はロシアW杯アジア最終予選を観戦する。

21th2018FIFAW杯ロシア大会 アジア最終予選
2016年9月1日 第1戦 VSアラブ首長国連邦 H
ロシアW杯出場をかけた最後の戦いが始まった。日本は、ホームでアラブ首長国連邦と対戦。昨年のアジアカップで敗れた因縁の相手。日本は11分に本田圭佑のゴールで先制、しかし、20分にアーメド・カリルに決められ、同点に追いつかれる。後半、主導権を奪われ、54分にPKを与えてしまい、再びカリルに決められ、逆転される。そのまま終了し、1-2で敗れた。
「うわぁ…。出鼻挫かれたぁ…。」
「薫さん、ちょっと、これマズいんじゃないですか?」
一緒に観戦していた博之と真緒に心配される。真緒が、パソコンでW杯アジア予選のことを調べた。
「こんなデータがあります。」

16th1998FIFAW杯からの、出場国の最終予選初戦戦績

16th1998FIFAW杯フランス大会
サウジアラビア(VSクウェート ◯2-1)
韓国(VSカザフスタン ◯3-0)
日本(VSウズベキスタン ◯6-3)
イラン(VS中国 ◯4-2)

17th2002FIFAW杯日韓大会
中国(VSアラブ首長国連邦 ◯3-0)
サウジアラビア(VSバーレーン △1-1)

18th2006FIFAW杯ドイツ大会
日本(VS北朝鮮 ◯2-1)
イラン(VSバーレーン △0-0)
サウジアラビア(VSウズベキスタン △1-1)
韓国(VSクウェート ◯2-0)

19th2010FIFAW杯南アフリカ大会
オーストラリア(VSウズベキスタン ◯1-0)
日本(VSバーレーン ◯3-2)
韓国(VS北朝鮮 △1-1)
北朝鮮(VS韓国 △1-1)

20th2014FIFAW杯ブラジル大会
韓国(VSカタール ◯4-1)
イラン(VSウズベキスタン ◯1-0)
日本(VSオマーン ◯3-0)
オーストラリア(VSオマーン △0-0)

調べると、フランスW杯から前回までのアジアからの出場国の、アジア最終予選の初戦戦績は全て勝利か引き分けである。
「初戦で、今回の日本は敗れた…。」
薫は青ざめる。
「でも、あくまでもデータですから、大丈夫やと思いますよ。」
真緒が慰める。落ち込む薫は、トボトボと帰路に着いた。

 9月5日、京子と柚希が入社した。
「この度、芸能事務所Strawberry Milkに入社しました狭山京子と申します。気持ちを新たに、共に歩んで行きましょう!!」
「同じく、Strawberry Milkに入社した多々良柚希と申します。福岡でグラビア撮影していました。改めてよろしくお願いします。」
元新聞記者ということもあり、キビキビとしている京子。薫は、まずオファーを貰って撮影しに行く、というスタイルで当初はやっていく方針を打ち出した。勤務初日の夜、仕事が終わり、薫は2人を河原町のおでん屋に連れて行った。翌日も仕事なので、お茶で乾杯。
「今日は初日やからな。これから頑張っていこうな。」
「はい。薫さんは、世界で活躍してますもんね。尊敬します。」
おでんに舌鼓を打つ。柚希は、喜美子の影響を受けてカメラマンを志した。
「薫さんの相棒の、喜美子さんの影響もあってカメラマンになったと。」
「喜美子の影響か。それは良かった。」
今後は、スタッフを雇い、カメラマンを育成していく。

2016年9月6日 第2戦 VSタイ A
初戦を落とした日本は、バンコクに乗り込み、タイと対戦。熱帯気候の暑さに苦戦しながらも、日本は18分に原口元気のゴールで先制。その後、危ないシーンを迎えたが、何とかしのぎ切り、75分に浅野琢磨の追加点でリードした。そのまま逃げ切り、2‐0で勝利。初勝利を挙げ、日本は1勝1敗と勝ち点3を手にした。タイは2連敗。
「よし、ここからや!」

 秋になり、スタッフ募集開始。選考や撮影に奔走する薫達。10月に選考が終わり、スタッフ5人(男性4人・女性1人)採用し、翌年2月から勤務開始。仕事も軌道に乗る。

2016年10月6日 第3戦 VSイラク H
勢いに乗る日本は、ホームでイラクと対戦。イラクは2連敗中で、何とか勝ち点が欲しいところ。守備的戦術でカウンター狙いのイラクに手を焼くが、25分に原口元気のゴールで先制。追加点を狙うも、60分にサード・アブドゥルアミールに同点弾を挙げられる。イラクの反撃に遭い、勝負はアディショナルタイムへ。どっちが勝ってもおかしくない状況の中、途中出場の山口蛍が決勝点を挙げ、2‐1で勝利した。

2016年10月11日 第4戦 VSオーストラリア A
3連勝で波に乗るオーストラリアと対戦。メルボルンの完全アウェイの中、日本は5分に原口元気のゴールで先制。オーストラリアの分厚い攻撃に押され、52分にPKを与えてしまい、ミル・ジェディナクに決められる。膠着状態のまま、1‐1で引き分けた。

2016年11月15日 第5戦 VSサウジアラビア H
3勝1分と首位に立つサウジアラビアとの、天王山になった。手堅いサウジに苦戦し、時間ばかりが過ぎていく。45分に清武弘嗣のPKで先制、80分に原口元気のゴールでリード。90分にオマル・ハウサフィのゴールで詰め寄られるが、2‐1で勝利。首位を奪った。

21th2018FIFAW杯ロシア大会 アジア最終予選
グループB
日本 3 1 1 9 5 10
サウジアラビア 3 1 1 9 5 10
オーストラリア 2 3 0 8 5 9
アラブ首長国連邦 3 0 2 7 6
イラク 1 0 4 6 8 3
タイ 0 1 4 3 12 1

2016年は、仲間達と共に事務所を立ち上げて、創り上げた年だった。
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