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林田と北前
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株式会社アヴェカムール。
会社になったのはここ最近。出来立てほやほやの、スマホアプリ開発を生業としているこの会社。オフィスはこぢんまりとしていて経理は一人。その他数名少数精鋭。俺はその会社のCEO、林田。
社内でその二人は、どこにでもいる普通の先輩後輩に見えた。
しかし手が触れた瞬間、笑みを向けられた瞬間、何のことないほんの些細な日常で、彼の世界は確かに色づいていた。
そして気がついた。あの子はあいつの事が好きなんだ。そして決して届かないとわかっていて、手を伸ばすでもなく、ただ必死になって今の地位を失わないようにしている様が滑稽で、上司命令で呼び出した際に行動に移した。
「今日呼び出した理由はね。」
はい。と生真面目に返事を返す彼はこれから何が起こるのか知るよしもない。
「君と取引をする為なんだ。」
「はあ。」
「北前君は、西尾くんのことが好きだよね。」
瞬間、目に見えて彼の肩が跳ねた。あからさまに動揺をしている彼は、汗を拭き厚いガラスのはまった眼鏡を直しながらこう答える。
「な、なんの事かわかりません。確かに西尾さんは良い先輩ですが、れ、恋愛感情なんて……」
「恋愛感情、ねえ。そこまで言ってないんだけどね。」
完全に墓穴を掘った彼はしばらくあたふたと何か言葉を探していたが、万策尽きたらしくこちらを見上げて助けを求めるような目を向けてくる。
「…何を、お望みですか。」
「話が早いね。安心しなよ黙っててあげるから。その代わり……」
一体どんな無理難題を突きつけられるのかと眼鏡の奥の瞳が揺らぐ。
「今夜君を抱きたい。それが条件。」
一瞬の呆けた間を挟み、彼の表情がみるみる強ばっていく。逃げようとでもいうのかそれとも単に恐怖しているのかみるみる後退していき棚に背中がぶつかる。
「あ、別に聞かなくてもいいよ。でもまあ、男同士だからね、あっちはどう思うかなあ。」
ふるり、と別の恐怖から彼の身体が震え、また助けを求めるようにこちらを見やる。しばらくして覚悟が決まったのか小さな声で「わかりました。」と返答が返ってきた。
思ったより話が早い。
「こういうの慣れてるのかな?若い頃は売りしてたりして、ね。」
「……………」
「冗談。安心しなよ。優しくしてあげるからさ。」
そう言いながらゆっくり近寄るとうつむき身体を強ばらせる。
片手で顎を持ち上げて口づけると、ここでされるとは思っていなかったのか小さな悲鳴と共に抵抗される。棚に身体を押し付けて親指で口が閉じないようにしてから舌を滑り込ませると甘い声があがった。
「……これは予約。仕事が終わったらもっといいことしてあげるからね。」
ホテルの部屋番号を書いた名刺を胸ポケットに入れ、部屋を後にする。
涙を浮かべ息を乱した北前の表情を想起して思わずににやけてしまう。あれはなかなかいい顔だった。便所で一発ヌこうかとも思ったが極上のディナーが控えているのだから勿体ないなと思い直しデスクに戻る
彼は必ず来る。確信していた。
考えていた通りに彼は来た。こういった場所には慣れていないのか受付でまごついていた彼を部屋に通して、ベッド横の椅子に腰掛けさせた。まあ酒でも飲みなさいよと渡したワイングラスを彼は一気にあおった。
「おーいける口だね。酒は好きかい?」
俺の問いに小さな声で肯定が返ってくる。そして続けてもっと小さな声が言葉を紡ぐ。
「あの…するなら早く……………」
そう言うだけで精一杯のようでそれがまた可愛らしい。
「積極的だね。なに、リラックスしてもらおうと思っただけさ。」
小テーブルを挟み対になった椅子から立ち上がり、彼の目の前に移動する。頬に触れるとわずかに肩が跳ねた。
「服脱いで。自分でしてごらん。」
ネクタイを緩めて汗ばんだワイシャツを脱ぐと白い肌が露になる。
「何してるの?全部だよ。」
その言葉にカッと赤くなる北前。少しだけ躊躇した後、恥ずかしそうに指示に従う。露になったそれは見るからに縮こまっていた。
そのままベッドに仰向けにさせ、彼のネクタイでベッドと腕を繋ぐように拘束する。次にとろとろのローションを彼の胸にかけると垂れた液体がくすぐったいようで息を漏らした。
「ねえ北前くん、疲れてるでしょ?マッサージしてあげる。」
自らの手にもローションを纏わせ手のひらでぬるぬると胸を揉むと、かわいい喘ぎが出る。どうやら乳首が弱いらしい。いきなり見つけた弱点を攻めない手はなく、爪で掻いたり指先で弾いたり、ゆっくりと丁寧に触ってやる。
「ん、あっ……はあ……うっ、ん…………」
「気持ちいいみたいだね。かわいい声出して。経理より水商売の方が向いてるんじゃない?」
その言葉に少しだけ睨むような顔をした。
赤く染まった頬にぬらぬらと光を反射する上気した肌。このまま頂くのもいいが、もう少しだけ熟成させたい。
「そんな顔しないで。良いものあげるからさ。」
ベッドから降りて鞄からあるものを取り出す。
「こういうの見たことある?」
二対の、ブラジャーのパッドのような形の道具。窪んだ内側は細かいシリコン製の毛がびっしり生えている。スイッチを入れ無数の毛がうねうねと動く様子を見せると、これから何をされるのか察したようで顔をひきつらせて身をよじり出す。
「ひ……!」
「想像した?エッチだね。もちろん胸でもいいけど……これ君のかわいいチンポに当てたらどうなるかな。」
「ふえ……! ちょっと待っ…………」
「待たない。」
玩具にもローションを垂らして彼の半勃ちになったそれに押しつけた。
「や、ああ……ッ!やらああッッ!!」
うねうねと蠢く細かい毛が北前の小さなものを機械的に攻め立てる。ガムテープでぐるぐる固定すると、あら不思議。何もしなくても快楽攻めができちゃう。
「ンンッ、あ、や、取ってェ……!!」
「俺これからシャワー浴びてくるからさ、ゆっくり楽しんでね。ああ、そうそう。これ、もう一組あるからおっぱいにも付けてあげるね。」
背後から聞こえる切ない悲鳴ににんまりしながら、ゆっくりとシャワーを浴びた。髪を乾かしながら遠隔でモードや強度を変えると、ドライヤーのモーター音に混じって北前の獣のような声が聞こえた。
その後やっと彼を抱いた訳なのだが、前戯で疲れきった様で思ったような反応は得られなかった。
まあそれなりに悦かったけど残念。次はもう少し優しくしてあげようっと。
✕✕✕
一週間に一度、華の金曜日。
「今日もいつもの、お願いね。」
この言葉が、勤務後部下と身体を重ねる合図になった。同じ安ホテルの同じ部屋。
北前は、身体が快楽を覚えたのか随分俺好みの変態に育った。
かわいい突起は少し刺激するだけで赤く尖り、それを飴のように舌先で転がすと淫らに喘ぎ、早く挿入れてほしいとねだるようになった。
「ねえ、まだあいつのこと好きなの?」
何とはなく聞いた問い。答えの代わりに彼はきゅうと一層イチモツを締め付け顔を背けた。
「……貴方には、もう関係ないでしょう。」
「ふうん。言うようになったじゃないか。まあ、でも……確かにそうだね。こんな手垢の付いた変態、もう抱いてもらえないだろうしね。」
そう返してピストンを速めると、嬌声とも嗚咽とも取れる声をあげ、彼は一筋涙を流した。
×××
「西尾先輩。先日の会議の資料です。」
「ん?ああ、ありがと。北前。」
何でもない会話。これが僕の楽しみ。
正直に言うと無人の机に置く機会はあった。でもわざわざ本人がいるのタイミングを見つけて渡しに来た。それは僕が彼の事を好いていて、少しでも会話をしたいという粘着的な考えを持っているから。
男に好かれても嬉しくないだろう。そう思いつつ、機会があれば彼に触れたいと考えてしまう。実に気味が悪い。申し訳ない。絶対にこの想いはバレてはいけない。
デスクに戻ると、一つため息を吐く。誰のせいかは考えたくないが、無性に腹の奥が疼く。毎週身体を重ねている上司の顔が嫌でも頭をよぎった。
(休憩時間にオナニーするか。)
社内でしかも勤務時間内に自慰をする事に何の躊躇も失くなっていた。ついでに言えばアナルを触らなくては満足できない。あの上司のせいで僕はおかしくなってしまった。
今日は木曜日。ああ、また金曜日が来る。明日は何をされるのだろうか。また苦しい事をされるのだろうか。
考えるとザワザワと身体が疼き、また僕はため息を吐いた。
✕✕✕
「最近、北前くん反抗的じゃない?」
ホテルで開口一番、上司はそう口にした。
「絶対そうだよ。」
「……そんな事は。」
「俺がそう思ってるんだからそうなの。という事で、今日はお仕置き。」
いつもお仕置きしてるみたいなものじゃないか、と内心不思議に思いながらうつ伏せの状態でベッドに繋がれる。
気づいてはいたが、この男は相手を拘束して自由を奪い優位に立つのが好きなようだ。
「考え事?余裕だねえ。」
背後から少しイラついたような声が聞こえる。覆い被さり立ち上がったそれをスラックス越しに当てられると、ヒクリと身体が反応した。
「俺のが欲しくて仕方ないくせに。」
相変わらず不機嫌そうな声。何かあったのだろうか。
スラックスを脱がされ下着とワイシャツのみにされる。ただ、いつもと違いそのまま目隠しをされた。
「君は玩具でいじめられるのが大好きな変態だから、今日も気持ちよくしてあげようと思ったんだけど……ちょっと事情が変わった。」
自慰の際に広げたアナルは上司の長い指を楽々飲み込む。
「ん、あッ…………」
「就業間際、西尾くんが君のこと探してたよ。」
不躾に背後の声が呟く。何?西尾さんが僕を探していた?
確かに午後は外に出ていたから彼には会っていない。
「どうしても君に伝えたいことがあったみたいでね。聞きたい?」
「え、あ……はい…………」
「じゃあ、直接聞いてみなよ。」
目隠しをされているから見えないが、どうやら目の前にスマホを置かれたようだ。
軽快な発信音がしばらく続き、彼の、西尾先輩の声がした。
「……はい。西尾です。林田さんどうしましたか?」
林田は上司の名前だ。僕のスマホじゃないのか。
「あ、あの……北前です。」
「え、北前??何で林田さんの番号からかけてるの?」
「い、今たまたま一緒にいて……」
内心復讐を誓いながら、適当な言葉で濁す。
「ふーん。でどうした? あ、俺が夕方に探してたから?それならさ……」
そして彼が要件を話そうとした瞬間だった。無防備なアナルにいきなり熱くて固いものが当てられる。
「ひ…………」
そのまま、穴にすりつけられる。気がついた。まさかこの男はこれが目的か。
林田が小さく嘲笑している。
「……どうかした?」
「あ、いや……」
腕を封じられている為に電話を切ることも出来ない。それに見えない分、感覚が敏感になって仕方ない。
「そう? いや、今日仕事終わりに飲みあるんだけど、お前も一緒にどうかなって思ってさ……」
「……んッ…………ぁ……」
話の内容がうまく頭に入らない。
ずりずりと入り口をなぶるようにしていた上司のものが、遂に侵入してくる。ゆっくりと、しかし確実に。
「……ッああ……!」
堪えきれない声が漏れ出た。
「今一人抜けて……大丈夫? 具合悪いとか。」
「だ、大丈夫……です…………」
「……俺今一人なんだけどさ、サシで良かったら今から来れたりする? D駅前の『のんでみ』って店なんだけど……」
「ふえ……?」
何て事だ。このホテルと同じ建物じゃないか。
射し込まれたものがズルズル抜かれ、勢いよくまた突かれる。緩いピストンが始まる。まずい。声が抑えられない。
「うわ……いッ……いま、だめぇ……ッ……!」
「ダメ?……まあ林田さんと一緒だしな。じゃあ、また今度。」
「ふ、あ……ッん…………次はぜったい……イ、いきます……からぁっ…………」
電話は切れたようで、それから彼の声はしなくなった。
「いつもより絞まってたよ。北前くん。大好きな彼の声聞きながらだから感じちゃった?」
ゼエゼエと息を漏らし、悔しくて涙も出てきた。
「あ、悪魔……!」
「……悪い子。」
そうしてまた、身体を弄ばれた。
気絶して、また目覚めて、また気絶するまでされて。それでも逃げる事は出来なかった。ただの口約束にすがらなければいけない程に、今の僕の立場は弱かった。
✕✕✕
あっという間に一週間が経ち、金曜日の終業後。牡丹雪の降る日だった。
「飯食うから。着いてきて。」
そんな言葉と共に連れていかれた場所はいつもの安いホテルではなく、どことなく高そうな店だった。臆することなく進んでいく上司にあわてて着いていく。エレベーターで二人きりになったが何もされなかった。
着いた先は、大きな窓から見える雪景色のきれいな席。あっけにとられるも、そのままつつがなく会食は進んだ。
「ここ、俺の親戚がやってる店なんだ。だから安心していいよ、」
今度は何を企んでいるんだろう。ただで済むわけがない。この男を信用してはいけない。
そう疑いつつも、食べ物を無駄にするのは嫌いな為に一品二品と口にした。出てくる料理はどれも美味しくて気を許しそうになる。メインディッシュが来たときに我に返ると上司がこちらを見ていた。
「それ美味いよ。俺のおすすめなんだ。」
そう言って少し笑った。
その後、デザートや食後のワインと共に他愛のない話をした。緊張から少しも酔えなかった。
店を出ると、上司は大きな伸びをした。
「あー美味かった。ねえ、腹一杯になったでしょ?」
ああ、今日与えられた事の対価は何だろうか。
問いかけには答えず、そればかり考えてしまう。だって僕と彼にはそれしかないじゃないか。
「……北前くん。」
上司が向き直りゆっくりとこちらに歩み寄る。
嫌だ、怖い。
身をこわばらせ目を瞑る。降り積もった雪を踏みしめる音が近づいてくる。彼は僕の身体をぎゅっと抱いた。身長差があるために彼が屈む形になる。
「楽しかった。」
そしてしばらくして、離れた。
「……じゃあ。寒いから気をつけて帰るんだよ。」
そのまま僕に背を向けて歩いていくPコートの腕を、思わず掴んでいた。
「あ、あの!」
「……なに?」
掴んでから後悔した。何で追ってしまったんだろうか。
「……今日は、し……しないん、ですか……?」
「何。したいの?」
「あ、いや……」
したい訳がない。そんな訳がない。なのに……
「この前ひどい事したからさ。今日はいい。」
振り返った上司は見た事のない表情をしていた。
「ごめんね。」
そう言って、また背を向けて歩きだした。
一体何なんだ。何が起こったんだ。何を考えて。
不思議な事に、取り残されてどこか寂しく感じていた。この感情は何なんだ。腹の奥に不安とも疼きとも取れる感覚が渦巻く。
家に帰ろう。金曜日の夜は何の番組をやっているのだろうか。
✕✕✕
あれから三日。週の始まりの昼過ぎ。
僕は社内に人が少ない時間を見計らって、トイレの個室で自慰をしていた。
先日求められなかったからだろうか。ここ最近、妙に身体が火照り疼いていた。
「んんッ……ふ……ッ」
自分で触れられる場所には限界がある。悶々としながら考えた。
届かない。もっと長くて固くて、ついでに熱い……
ああ、チクショウ。完全にあの男のせいだ。顔も見たくないが同じ会社にいる為に毎日顔を合わせなくてはならない。
あれから触っても来ない。何でこんな事を考えなくてはいけないんだ。何で…………触れてくれないんだ。
チクショウ。
あいつのせいで、おかしくなった。
「は、あ……ッ、あんッ……」
そろそろ絶頂が近い。前立腺を指先で抉るように刺激すると、頭の中が真っ白になって白濁が溢れた。
「は、ぅん……」
恍惚としながら、ぽつりと浮かんだ口にした。
「にしお、さん……」
すると、目の前のドアがギィと音を立てて開いた。
「ふえ…………?」
開いたドアの先にいたのは、西尾さんだった。バチリと目が合い一気に正気に戻った。
「あ、あ……なんで、カギ…………」
西尾さんがフラフラと歩み寄ってくる。
「ひぅ……ごめ、なさ……ごめんなさい…………!」
聞かれた。気持ち悪がられる。嫌われる。
「もう、しないから!」
嫌われたくない。浅ましくもそう思った。
「……北前。俺のこと考えて、一人でしてたの?」
洋式便座の上で丸まったまま、怖くて涙が出てきて、はくはくと変な呼吸しか出来ない。
「こっち向いて。」
腕の隙間から彼の靴先を見つめる。ブルブル震えながら首を横に振る。
「俺も。お前で抜いてる。毎日。」
平坦な声色から怒りは感じなかった。恐る恐る見上げると、どこか見覚えのある色をした瞳がそこにあった。
「顔、触ってもいいか?」
「あ……」
見たことのある、僕に欲情している瞳。伸びた指先が涙を拭う。
「好きだ。北前……」
愛おしい声が、僕に好きだと告げてくる。
「……キス、したい…………」
思わず口にした欲望を彼は叶えてくれた。はじめは触れるだけ。徐々に深く、長く。
「んぅ……んッ……にしお、ふぁ……ッ」
「はあっ、くそエッロい声出しやがって……たまんねえ、ああ……こんなとこじゃなきゃなあ……」
求められているんだ。西尾さんに。腹の奥がむずむずしてもう歯止めが効かなかった。
「し、したい……もう挿入ります………あ、貴方ので、お腹ぐちゃぐちゃにして……」
「はあ?何言ってるんだ。ゴムないんだから…………いいか、今夜仕事終わりに声かけるから。席にいて。約束して。絶対行くから!」
そう言い少しだけ名残惜しそうに個室から出ていく西尾さん。
西尾さんが僕を見ていてくれたなんて。
「へへ……」
思わず笑みが溢れた。きっと今だらしない顔をしている。もう少しだけ顔を落ち着けてからデスクに戻ろう。
そんなことを考えていたら、コンコンコンとドアがノックされた。
「忘れ物ですか?」
にこやかに扉を開けた僕の目に飛び込んできたものは西尾さんではなく、ましてや個室に用事がある人でもなかった。反射的に閉めようとした隙間に靴の爪先を突っ込まれる。
「痛った。……何?どうした。金曜以外に会いに来たら悪い?」
「あ、ああ…………」
力付くでドアをこじ開け侵入してきたのは林田だった。
個室の奥まで押し込まれ、便座のふたに押さえ付けられる。
「会社のトイレでエッチしてたの? お盛んだねえ。君の身体を大事に思ってさあ、我慢して我慢して我慢してる俺はピエロってなあ。ええ? 北前クン?」
「し、してな……聞いて……ください!」
「嘘吐くなよ。外まで青臭いにおいプンプンさせやがって。誰にでも股開くんだなあ変態が!」
目を剥き額に青筋を浮かべた林田は、荒い呼吸と共に何か呟いた。そしてネクタイを掴んでいた大きな手が僕の首をギリギリと締めだす。
「く……! ぁ…………ッ……」
「俺のものだ……お前は、俺の…………」
痛くて苦しくて、力一杯暴れても振り払えない。反射的にガリガリと爪で引っ掻いた。駄目だ、死ぬ。そう思った。
半分白目を剥きながら見た彼の顔に目を奪われた。しかし苦しくて無我夢中で払った脚で体勢を崩したらしく、僅かに力が弱まった。
手のひらに思い切り噛みついて身体を突き飛ばす。咳き込みながら個室から抜け出して縺れる脚で出口に走ると「待ってくれ!!」と聞いた事のない大きな声がした。何故か脚を止めてしまった。ズルズルと這うように林田が出てくる。
「何で、待つんだよ……」
「あ、貴方が、待てって……」
お互い居心地が悪い。気まずい沈黙を切り裂くように、バタバタと誰か走ってきたと思えば警備の人だった。
「声がしましたが、何かありましたか?」
そんな事を聞かれた。
ここで僕は、彼に首を絞められたと告発するべきなのだろうが、それをするかどうかで躊躇した。迷った末に、「何でもないです。あの人が転んで声が出たみたいで。」と返した。
「はあ……」
「とにかく何でもないんで。大丈夫です。」
「それなら良いですが……」
疑いながらも警備の人は去っていった。去り際に「掃除の人が困るみたいですので、そういう事は分からないようにしてね。」とちくりと言われて、僕は頭を下げた。
「何で言わなかったの。」
右手の指に包帯を巻いた林田が自分のデスクにもたれて呟く。いまの時間、社内には僕とこの上司だけだ。
「殺す気だった。本気で締めた。それとも何、今度は君の方が俺をゆするの。」
「貴方の方が死にそうな顔してたから、ですかね。」
あの時見上げた顔。四十近くの男が、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
はっ、と林田が笑いとも自嘲とも取れる息を漏らす。
「殺されかけたってのに随分人が良いこと。最後の情け? 良かったじゃないか。西尾くんと結ばれてさ。あーあ、これで俺達の関係も終わりだね。」
「もう、触ってくれないんですか。」
「触らない。」
「触りたくないんですか。」
「……何が言いたいの。」
「『お前は俺のもの』じゃないんですか。諦めるんですか。」
はあ……と林田はため息を吐き、こちらに向き直る。
「西尾くんに悪いとか思わないの。」
「彼には申し訳ないですが、断ります。」
「何で? 同情でもした? 俺の事バカにしてる?」
「……料理が美味しかったから。」
自分でもどうしてか分からない。ただ、あの日僕の為に用意された料理は僕の好物ばかりだった。
「食後に飲んだワイン、最初にセックスした時に渡されたのと同じものですよね。僕が口走った『酒が好き』って言葉本気にしたんですよね。メインで出てきた大きな鶏肉も、僕が昼に親子丼ばかり食べてるからですよね。」
「……そう。そうだよ。君の為に親戚に新しいメニューを頼んだ。全部北前くんの為だ。良い歳して若い君に本気になって……いいから、もう楽にしてよ。微塵も期待させないでくれ。もう、君を俺で汚したくないんだ。」
またそんな顔をする。胸がぎゅうと締め付けられて、僕は彼の目の前まで歩を進め、そして彼の頬を平手打ちした。
「責任とってよ……」
驚いた様子の彼を見上げると、シャツを掴んでキスをした。
「……あんたのせいでおかしくなったんだから。あんたに触れられないと……身体が疼いて疼いて……」
「北前、くん……」
「金曜日だけじゃなくて毎日、一緒にいて下さいよ。」
首に手を回して彼を抱き寄せた。彼も僕をぎゅっと抱いた。耳元で徐々に嗚咽が起こる。
「うん、うん……」
「北前……あのさ……」
背後から実に居心地の悪そうな声がした。
「あ、西尾さん……あの、これは……」
「全部聞いちゃった。俺フラれたんだ……『西尾さんのでお腹ぐちゃぐちゃにして』ーって言ったのにね。」
「わ、ああっ! それはですね……」
「いいよもう。これだけ見せつけられたら逆にスッキリするというか……」
少し困ったように西尾さんは頭を掻く。
「お幸せに。あと林田さん、お先に失礼します。北前の事よろしくお願いします。」
いつもの安ホテルのいつもの部屋。林田さんは、別のもっと高いホテルにしようと言ったけれど、僕がここが良いと言った。
「貴方とした初めてがここだったから、この部屋が良いんです。」
「俺としてはあまり良い思い出がないというか……本当にいいの?」
くるりと向き直り、僕はずっと考えていた事を口にした。
「林田さん。このホテルでセックスしたの、僕が初めてじゃないですよね。」
彼は少し驚いたような反応をした後に、何ともばつの悪そうな顔をした。
「……察しがいいね。」
「どうせ、今回みたいに適当に弱みを握ってエッチなことして苛めてたんでしょ?」
「んー……まあ。」
「やっぱり。だから今日でこの部屋とはお別れです。その代わり……今日は林田さんの初めてを下さい。」
言葉の意味を考えているのか、彼は複雑な顔をした後にこう返した。
「それは、俺が下になるってこと?」
「そうじゃなくて。」
「よかった。」
「まずは林田さんを縛ります。」
「よくなかった。」
「今までの事、怒ってない訳じゃあないんですよ。今日は僕が好きに動きます。覚悟して下さいね?」
作戦の為の準備。林田さんの腕や身体をベッドに縛り、自分では動けないようにした。
ローションを、手のひらで受けて既に反応している彼のものに浴びせる。
「気持ちいいでしょ。これ癖になりますよね。」
「おおッ……なんか怒ってる?」
「怒ってはないです。プレイの一環ですから。」
怒ってるというか小さな復讐なのである。
「ほーら。自分で動けないから余計に感じるでしょう?」
竿をぬるぬるの手のひらでさばくと一気に火が着いたようで、かわいい声を漏らす。
「うッ……もうちょい、先っちょまで……」
「先っちょですね……」
今の所良さそうだが、これで終わりではない。ローションを浸したガーゼを見せると、さっと表情が変わる。
「ねえ、こういうの見たことあります?」
「え、それってもしかして……」
「今からこれで気持ちよくなってもらいます!」
「うわあ……」
ローションガーゼと言えば伝わるだろうか。柔らかい布をローションで浸したものを使うプレイだ。
「まじで?」
「まじです。いきますよー」
「え早い待って待って!!心の準備が……」
「待ちません。」
両手の間で張ったローションガーゼ。これを、慌てる彼のいちもつの先端で勢いよく滑らせる。すると予想以上に悦かったらしく勢いよく白濁が飛び出た。
「はあああん!!」
「わーすごい!噴水みたいですね。」
ズルズルと往復させるだけでこの世の終わりのように叫び暴れ身をよじる。こちらが優位に立つのもたまには良いな。
「やばッ……ちょっと漏らしたかも……確認して……」
「どっちですか?」
「どっちも……」
はひはひと呼吸しながらお尻を気にする林田さん。ちんちんからしか出てないから大丈夫です。
「もう少し出るんじゃないですか?」
「待って待って!」
「冗談です。次はこっち。」
次は何かと慌てる彼に覆い被さるような体勢で、誘うようにゆっくりキスする。突起を胸板に擦り付けると堪らないといった顔をした。
「んあ……きもち……ッ」
「……やば……絶景。」
「あ、もう反応してる……これ以上溢したら勿体無いですね。」
ふう、と彼が苦しそうな声を出し歯を剥く。
もう一度軽くキスを落とすと、名残惜しそうな顔から離れ、身体を起こす。実を言うと僕ももう後ろが疼いて仕方なかった。
「僕が貴方を抱きます。」
とろとろのいちもつにアナルを当て、体重をかける。ずぷずぷっと苦もなくそれが飲み込まれて、あっという間に根本まで埋まってしまう。
「うおッ……」
「あはっ、長さぴったりですね。」
そのまま筋肉を収縮させると、早く果てたいとばかりに腹のなかでそれが震える。
「動きますよ。」
タンタンとリズムよく擦りあげながら彼の反応を見ると、いつもと勝手が違うからか制御できない快感になす術もないようだ。
「うわ、あッんんッ……」
「悦さそう、ですね……はは、僕も気持ちいい……もう出ますか?早いですね。良いですよ。お腹にいっぱい出して下さい。」
その言葉を待っていたように、腹の奥に熱が広がる。
「はあん…………最ッ高……」
「はぁッ……ほんと変態……」
「心外ですね。誰のせいだと……」
そうだな、と彼は笑った。
「俺のせいだ。」
それから。
彼の拘束を解いてもう一度セックスした。それは、変な道具も使わずにただただ互いを求め合う、恋人達のセックスだった。
今この瞬間上下関係はない。幸せだった。
株式会社アヴェカムール。
会社になったのはここ最近。出来立てほやほやの、スマホアプリ開発を生業としているこの会社。オフィスはこぢんまりとしていてCEOは優秀(でもすけべ)。その他数名少数精鋭。僕はその会社の経理であり、CEOの恋人。色々あったけれど、今は幸せです。
会社になったのはここ最近。出来立てほやほやの、スマホアプリ開発を生業としているこの会社。オフィスはこぢんまりとしていて経理は一人。その他数名少数精鋭。俺はその会社のCEO、林田。
社内でその二人は、どこにでもいる普通の先輩後輩に見えた。
しかし手が触れた瞬間、笑みを向けられた瞬間、何のことないほんの些細な日常で、彼の世界は確かに色づいていた。
そして気がついた。あの子はあいつの事が好きなんだ。そして決して届かないとわかっていて、手を伸ばすでもなく、ただ必死になって今の地位を失わないようにしている様が滑稽で、上司命令で呼び出した際に行動に移した。
「今日呼び出した理由はね。」
はい。と生真面目に返事を返す彼はこれから何が起こるのか知るよしもない。
「君と取引をする為なんだ。」
「はあ。」
「北前君は、西尾くんのことが好きだよね。」
瞬間、目に見えて彼の肩が跳ねた。あからさまに動揺をしている彼は、汗を拭き厚いガラスのはまった眼鏡を直しながらこう答える。
「な、なんの事かわかりません。確かに西尾さんは良い先輩ですが、れ、恋愛感情なんて……」
「恋愛感情、ねえ。そこまで言ってないんだけどね。」
完全に墓穴を掘った彼はしばらくあたふたと何か言葉を探していたが、万策尽きたらしくこちらを見上げて助けを求めるような目を向けてくる。
「…何を、お望みですか。」
「話が早いね。安心しなよ黙っててあげるから。その代わり……」
一体どんな無理難題を突きつけられるのかと眼鏡の奥の瞳が揺らぐ。
「今夜君を抱きたい。それが条件。」
一瞬の呆けた間を挟み、彼の表情がみるみる強ばっていく。逃げようとでもいうのかそれとも単に恐怖しているのかみるみる後退していき棚に背中がぶつかる。
「あ、別に聞かなくてもいいよ。でもまあ、男同士だからね、あっちはどう思うかなあ。」
ふるり、と別の恐怖から彼の身体が震え、また助けを求めるようにこちらを見やる。しばらくして覚悟が決まったのか小さな声で「わかりました。」と返答が返ってきた。
思ったより話が早い。
「こういうの慣れてるのかな?若い頃は売りしてたりして、ね。」
「……………」
「冗談。安心しなよ。優しくしてあげるからさ。」
そう言いながらゆっくり近寄るとうつむき身体を強ばらせる。
片手で顎を持ち上げて口づけると、ここでされるとは思っていなかったのか小さな悲鳴と共に抵抗される。棚に身体を押し付けて親指で口が閉じないようにしてから舌を滑り込ませると甘い声があがった。
「……これは予約。仕事が終わったらもっといいことしてあげるからね。」
ホテルの部屋番号を書いた名刺を胸ポケットに入れ、部屋を後にする。
涙を浮かべ息を乱した北前の表情を想起して思わずににやけてしまう。あれはなかなかいい顔だった。便所で一発ヌこうかとも思ったが極上のディナーが控えているのだから勿体ないなと思い直しデスクに戻る
彼は必ず来る。確信していた。
考えていた通りに彼は来た。こういった場所には慣れていないのか受付でまごついていた彼を部屋に通して、ベッド横の椅子に腰掛けさせた。まあ酒でも飲みなさいよと渡したワイングラスを彼は一気にあおった。
「おーいける口だね。酒は好きかい?」
俺の問いに小さな声で肯定が返ってくる。そして続けてもっと小さな声が言葉を紡ぐ。
「あの…するなら早く……………」
そう言うだけで精一杯のようでそれがまた可愛らしい。
「積極的だね。なに、リラックスしてもらおうと思っただけさ。」
小テーブルを挟み対になった椅子から立ち上がり、彼の目の前に移動する。頬に触れるとわずかに肩が跳ねた。
「服脱いで。自分でしてごらん。」
ネクタイを緩めて汗ばんだワイシャツを脱ぐと白い肌が露になる。
「何してるの?全部だよ。」
その言葉にカッと赤くなる北前。少しだけ躊躇した後、恥ずかしそうに指示に従う。露になったそれは見るからに縮こまっていた。
そのままベッドに仰向けにさせ、彼のネクタイでベッドと腕を繋ぐように拘束する。次にとろとろのローションを彼の胸にかけると垂れた液体がくすぐったいようで息を漏らした。
「ねえ北前くん、疲れてるでしょ?マッサージしてあげる。」
自らの手にもローションを纏わせ手のひらでぬるぬると胸を揉むと、かわいい喘ぎが出る。どうやら乳首が弱いらしい。いきなり見つけた弱点を攻めない手はなく、爪で掻いたり指先で弾いたり、ゆっくりと丁寧に触ってやる。
「ん、あっ……はあ……うっ、ん…………」
「気持ちいいみたいだね。かわいい声出して。経理より水商売の方が向いてるんじゃない?」
その言葉に少しだけ睨むような顔をした。
赤く染まった頬にぬらぬらと光を反射する上気した肌。このまま頂くのもいいが、もう少しだけ熟成させたい。
「そんな顔しないで。良いものあげるからさ。」
ベッドから降りて鞄からあるものを取り出す。
「こういうの見たことある?」
二対の、ブラジャーのパッドのような形の道具。窪んだ内側は細かいシリコン製の毛がびっしり生えている。スイッチを入れ無数の毛がうねうねと動く様子を見せると、これから何をされるのか察したようで顔をひきつらせて身をよじり出す。
「ひ……!」
「想像した?エッチだね。もちろん胸でもいいけど……これ君のかわいいチンポに当てたらどうなるかな。」
「ふえ……! ちょっと待っ…………」
「待たない。」
玩具にもローションを垂らして彼の半勃ちになったそれに押しつけた。
「や、ああ……ッ!やらああッッ!!」
うねうねと蠢く細かい毛が北前の小さなものを機械的に攻め立てる。ガムテープでぐるぐる固定すると、あら不思議。何もしなくても快楽攻めができちゃう。
「ンンッ、あ、や、取ってェ……!!」
「俺これからシャワー浴びてくるからさ、ゆっくり楽しんでね。ああ、そうそう。これ、もう一組あるからおっぱいにも付けてあげるね。」
背後から聞こえる切ない悲鳴ににんまりしながら、ゆっくりとシャワーを浴びた。髪を乾かしながら遠隔でモードや強度を変えると、ドライヤーのモーター音に混じって北前の獣のような声が聞こえた。
その後やっと彼を抱いた訳なのだが、前戯で疲れきった様で思ったような反応は得られなかった。
まあそれなりに悦かったけど残念。次はもう少し優しくしてあげようっと。
✕✕✕
一週間に一度、華の金曜日。
「今日もいつもの、お願いね。」
この言葉が、勤務後部下と身体を重ねる合図になった。同じ安ホテルの同じ部屋。
北前は、身体が快楽を覚えたのか随分俺好みの変態に育った。
かわいい突起は少し刺激するだけで赤く尖り、それを飴のように舌先で転がすと淫らに喘ぎ、早く挿入れてほしいとねだるようになった。
「ねえ、まだあいつのこと好きなの?」
何とはなく聞いた問い。答えの代わりに彼はきゅうと一層イチモツを締め付け顔を背けた。
「……貴方には、もう関係ないでしょう。」
「ふうん。言うようになったじゃないか。まあ、でも……確かにそうだね。こんな手垢の付いた変態、もう抱いてもらえないだろうしね。」
そう返してピストンを速めると、嬌声とも嗚咽とも取れる声をあげ、彼は一筋涙を流した。
×××
「西尾先輩。先日の会議の資料です。」
「ん?ああ、ありがと。北前。」
何でもない会話。これが僕の楽しみ。
正直に言うと無人の机に置く機会はあった。でもわざわざ本人がいるのタイミングを見つけて渡しに来た。それは僕が彼の事を好いていて、少しでも会話をしたいという粘着的な考えを持っているから。
男に好かれても嬉しくないだろう。そう思いつつ、機会があれば彼に触れたいと考えてしまう。実に気味が悪い。申し訳ない。絶対にこの想いはバレてはいけない。
デスクに戻ると、一つため息を吐く。誰のせいかは考えたくないが、無性に腹の奥が疼く。毎週身体を重ねている上司の顔が嫌でも頭をよぎった。
(休憩時間にオナニーするか。)
社内でしかも勤務時間内に自慰をする事に何の躊躇も失くなっていた。ついでに言えばアナルを触らなくては満足できない。あの上司のせいで僕はおかしくなってしまった。
今日は木曜日。ああ、また金曜日が来る。明日は何をされるのだろうか。また苦しい事をされるのだろうか。
考えるとザワザワと身体が疼き、また僕はため息を吐いた。
✕✕✕
「最近、北前くん反抗的じゃない?」
ホテルで開口一番、上司はそう口にした。
「絶対そうだよ。」
「……そんな事は。」
「俺がそう思ってるんだからそうなの。という事で、今日はお仕置き。」
いつもお仕置きしてるみたいなものじゃないか、と内心不思議に思いながらうつ伏せの状態でベッドに繋がれる。
気づいてはいたが、この男は相手を拘束して自由を奪い優位に立つのが好きなようだ。
「考え事?余裕だねえ。」
背後から少しイラついたような声が聞こえる。覆い被さり立ち上がったそれをスラックス越しに当てられると、ヒクリと身体が反応した。
「俺のが欲しくて仕方ないくせに。」
相変わらず不機嫌そうな声。何かあったのだろうか。
スラックスを脱がされ下着とワイシャツのみにされる。ただ、いつもと違いそのまま目隠しをされた。
「君は玩具でいじめられるのが大好きな変態だから、今日も気持ちよくしてあげようと思ったんだけど……ちょっと事情が変わった。」
自慰の際に広げたアナルは上司の長い指を楽々飲み込む。
「ん、あッ…………」
「就業間際、西尾くんが君のこと探してたよ。」
不躾に背後の声が呟く。何?西尾さんが僕を探していた?
確かに午後は外に出ていたから彼には会っていない。
「どうしても君に伝えたいことがあったみたいでね。聞きたい?」
「え、あ……はい…………」
「じゃあ、直接聞いてみなよ。」
目隠しをされているから見えないが、どうやら目の前にスマホを置かれたようだ。
軽快な発信音がしばらく続き、彼の、西尾先輩の声がした。
「……はい。西尾です。林田さんどうしましたか?」
林田は上司の名前だ。僕のスマホじゃないのか。
「あ、あの……北前です。」
「え、北前??何で林田さんの番号からかけてるの?」
「い、今たまたま一緒にいて……」
内心復讐を誓いながら、適当な言葉で濁す。
「ふーん。でどうした? あ、俺が夕方に探してたから?それならさ……」
そして彼が要件を話そうとした瞬間だった。無防備なアナルにいきなり熱くて固いものが当てられる。
「ひ…………」
そのまま、穴にすりつけられる。気がついた。まさかこの男はこれが目的か。
林田が小さく嘲笑している。
「……どうかした?」
「あ、いや……」
腕を封じられている為に電話を切ることも出来ない。それに見えない分、感覚が敏感になって仕方ない。
「そう? いや、今日仕事終わりに飲みあるんだけど、お前も一緒にどうかなって思ってさ……」
「……んッ…………ぁ……」
話の内容がうまく頭に入らない。
ずりずりと入り口をなぶるようにしていた上司のものが、遂に侵入してくる。ゆっくりと、しかし確実に。
「……ッああ……!」
堪えきれない声が漏れ出た。
「今一人抜けて……大丈夫? 具合悪いとか。」
「だ、大丈夫……です…………」
「……俺今一人なんだけどさ、サシで良かったら今から来れたりする? D駅前の『のんでみ』って店なんだけど……」
「ふえ……?」
何て事だ。このホテルと同じ建物じゃないか。
射し込まれたものがズルズル抜かれ、勢いよくまた突かれる。緩いピストンが始まる。まずい。声が抑えられない。
「うわ……いッ……いま、だめぇ……ッ……!」
「ダメ?……まあ林田さんと一緒だしな。じゃあ、また今度。」
「ふ、あ……ッん…………次はぜったい……イ、いきます……からぁっ…………」
電話は切れたようで、それから彼の声はしなくなった。
「いつもより絞まってたよ。北前くん。大好きな彼の声聞きながらだから感じちゃった?」
ゼエゼエと息を漏らし、悔しくて涙も出てきた。
「あ、悪魔……!」
「……悪い子。」
そうしてまた、身体を弄ばれた。
気絶して、また目覚めて、また気絶するまでされて。それでも逃げる事は出来なかった。ただの口約束にすがらなければいけない程に、今の僕の立場は弱かった。
✕✕✕
あっという間に一週間が経ち、金曜日の終業後。牡丹雪の降る日だった。
「飯食うから。着いてきて。」
そんな言葉と共に連れていかれた場所はいつもの安いホテルではなく、どことなく高そうな店だった。臆することなく進んでいく上司にあわてて着いていく。エレベーターで二人きりになったが何もされなかった。
着いた先は、大きな窓から見える雪景色のきれいな席。あっけにとられるも、そのままつつがなく会食は進んだ。
「ここ、俺の親戚がやってる店なんだ。だから安心していいよ、」
今度は何を企んでいるんだろう。ただで済むわけがない。この男を信用してはいけない。
そう疑いつつも、食べ物を無駄にするのは嫌いな為に一品二品と口にした。出てくる料理はどれも美味しくて気を許しそうになる。メインディッシュが来たときに我に返ると上司がこちらを見ていた。
「それ美味いよ。俺のおすすめなんだ。」
そう言って少し笑った。
その後、デザートや食後のワインと共に他愛のない話をした。緊張から少しも酔えなかった。
店を出ると、上司は大きな伸びをした。
「あー美味かった。ねえ、腹一杯になったでしょ?」
ああ、今日与えられた事の対価は何だろうか。
問いかけには答えず、そればかり考えてしまう。だって僕と彼にはそれしかないじゃないか。
「……北前くん。」
上司が向き直りゆっくりとこちらに歩み寄る。
嫌だ、怖い。
身をこわばらせ目を瞑る。降り積もった雪を踏みしめる音が近づいてくる。彼は僕の身体をぎゅっと抱いた。身長差があるために彼が屈む形になる。
「楽しかった。」
そしてしばらくして、離れた。
「……じゃあ。寒いから気をつけて帰るんだよ。」
そのまま僕に背を向けて歩いていくPコートの腕を、思わず掴んでいた。
「あ、あの!」
「……なに?」
掴んでから後悔した。何で追ってしまったんだろうか。
「……今日は、し……しないん、ですか……?」
「何。したいの?」
「あ、いや……」
したい訳がない。そんな訳がない。なのに……
「この前ひどい事したからさ。今日はいい。」
振り返った上司は見た事のない表情をしていた。
「ごめんね。」
そう言って、また背を向けて歩きだした。
一体何なんだ。何が起こったんだ。何を考えて。
不思議な事に、取り残されてどこか寂しく感じていた。この感情は何なんだ。腹の奥に不安とも疼きとも取れる感覚が渦巻く。
家に帰ろう。金曜日の夜は何の番組をやっているのだろうか。
✕✕✕
あれから三日。週の始まりの昼過ぎ。
僕は社内に人が少ない時間を見計らって、トイレの個室で自慰をしていた。
先日求められなかったからだろうか。ここ最近、妙に身体が火照り疼いていた。
「んんッ……ふ……ッ」
自分で触れられる場所には限界がある。悶々としながら考えた。
届かない。もっと長くて固くて、ついでに熱い……
ああ、チクショウ。完全にあの男のせいだ。顔も見たくないが同じ会社にいる為に毎日顔を合わせなくてはならない。
あれから触っても来ない。何でこんな事を考えなくてはいけないんだ。何で…………触れてくれないんだ。
チクショウ。
あいつのせいで、おかしくなった。
「は、あ……ッ、あんッ……」
そろそろ絶頂が近い。前立腺を指先で抉るように刺激すると、頭の中が真っ白になって白濁が溢れた。
「は、ぅん……」
恍惚としながら、ぽつりと浮かんだ口にした。
「にしお、さん……」
すると、目の前のドアがギィと音を立てて開いた。
「ふえ…………?」
開いたドアの先にいたのは、西尾さんだった。バチリと目が合い一気に正気に戻った。
「あ、あ……なんで、カギ…………」
西尾さんがフラフラと歩み寄ってくる。
「ひぅ……ごめ、なさ……ごめんなさい…………!」
聞かれた。気持ち悪がられる。嫌われる。
「もう、しないから!」
嫌われたくない。浅ましくもそう思った。
「……北前。俺のこと考えて、一人でしてたの?」
洋式便座の上で丸まったまま、怖くて涙が出てきて、はくはくと変な呼吸しか出来ない。
「こっち向いて。」
腕の隙間から彼の靴先を見つめる。ブルブル震えながら首を横に振る。
「俺も。お前で抜いてる。毎日。」
平坦な声色から怒りは感じなかった。恐る恐る見上げると、どこか見覚えのある色をした瞳がそこにあった。
「顔、触ってもいいか?」
「あ……」
見たことのある、僕に欲情している瞳。伸びた指先が涙を拭う。
「好きだ。北前……」
愛おしい声が、僕に好きだと告げてくる。
「……キス、したい…………」
思わず口にした欲望を彼は叶えてくれた。はじめは触れるだけ。徐々に深く、長く。
「んぅ……んッ……にしお、ふぁ……ッ」
「はあっ、くそエッロい声出しやがって……たまんねえ、ああ……こんなとこじゃなきゃなあ……」
求められているんだ。西尾さんに。腹の奥がむずむずしてもう歯止めが効かなかった。
「し、したい……もう挿入ります………あ、貴方ので、お腹ぐちゃぐちゃにして……」
「はあ?何言ってるんだ。ゴムないんだから…………いいか、今夜仕事終わりに声かけるから。席にいて。約束して。絶対行くから!」
そう言い少しだけ名残惜しそうに個室から出ていく西尾さん。
西尾さんが僕を見ていてくれたなんて。
「へへ……」
思わず笑みが溢れた。きっと今だらしない顔をしている。もう少しだけ顔を落ち着けてからデスクに戻ろう。
そんなことを考えていたら、コンコンコンとドアがノックされた。
「忘れ物ですか?」
にこやかに扉を開けた僕の目に飛び込んできたものは西尾さんではなく、ましてや個室に用事がある人でもなかった。反射的に閉めようとした隙間に靴の爪先を突っ込まれる。
「痛った。……何?どうした。金曜以外に会いに来たら悪い?」
「あ、ああ…………」
力付くでドアをこじ開け侵入してきたのは林田だった。
個室の奥まで押し込まれ、便座のふたに押さえ付けられる。
「会社のトイレでエッチしてたの? お盛んだねえ。君の身体を大事に思ってさあ、我慢して我慢して我慢してる俺はピエロってなあ。ええ? 北前クン?」
「し、してな……聞いて……ください!」
「嘘吐くなよ。外まで青臭いにおいプンプンさせやがって。誰にでも股開くんだなあ変態が!」
目を剥き額に青筋を浮かべた林田は、荒い呼吸と共に何か呟いた。そしてネクタイを掴んでいた大きな手が僕の首をギリギリと締めだす。
「く……! ぁ…………ッ……」
「俺のものだ……お前は、俺の…………」
痛くて苦しくて、力一杯暴れても振り払えない。反射的にガリガリと爪で引っ掻いた。駄目だ、死ぬ。そう思った。
半分白目を剥きながら見た彼の顔に目を奪われた。しかし苦しくて無我夢中で払った脚で体勢を崩したらしく、僅かに力が弱まった。
手のひらに思い切り噛みついて身体を突き飛ばす。咳き込みながら個室から抜け出して縺れる脚で出口に走ると「待ってくれ!!」と聞いた事のない大きな声がした。何故か脚を止めてしまった。ズルズルと這うように林田が出てくる。
「何で、待つんだよ……」
「あ、貴方が、待てって……」
お互い居心地が悪い。気まずい沈黙を切り裂くように、バタバタと誰か走ってきたと思えば警備の人だった。
「声がしましたが、何かありましたか?」
そんな事を聞かれた。
ここで僕は、彼に首を絞められたと告発するべきなのだろうが、それをするかどうかで躊躇した。迷った末に、「何でもないです。あの人が転んで声が出たみたいで。」と返した。
「はあ……」
「とにかく何でもないんで。大丈夫です。」
「それなら良いですが……」
疑いながらも警備の人は去っていった。去り際に「掃除の人が困るみたいですので、そういう事は分からないようにしてね。」とちくりと言われて、僕は頭を下げた。
「何で言わなかったの。」
右手の指に包帯を巻いた林田が自分のデスクにもたれて呟く。いまの時間、社内には僕とこの上司だけだ。
「殺す気だった。本気で締めた。それとも何、今度は君の方が俺をゆするの。」
「貴方の方が死にそうな顔してたから、ですかね。」
あの時見上げた顔。四十近くの男が、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
はっ、と林田が笑いとも自嘲とも取れる息を漏らす。
「殺されかけたってのに随分人が良いこと。最後の情け? 良かったじゃないか。西尾くんと結ばれてさ。あーあ、これで俺達の関係も終わりだね。」
「もう、触ってくれないんですか。」
「触らない。」
「触りたくないんですか。」
「……何が言いたいの。」
「『お前は俺のもの』じゃないんですか。諦めるんですか。」
はあ……と林田はため息を吐き、こちらに向き直る。
「西尾くんに悪いとか思わないの。」
「彼には申し訳ないですが、断ります。」
「何で? 同情でもした? 俺の事バカにしてる?」
「……料理が美味しかったから。」
自分でもどうしてか分からない。ただ、あの日僕の為に用意された料理は僕の好物ばかりだった。
「食後に飲んだワイン、最初にセックスした時に渡されたのと同じものですよね。僕が口走った『酒が好き』って言葉本気にしたんですよね。メインで出てきた大きな鶏肉も、僕が昼に親子丼ばかり食べてるからですよね。」
「……そう。そうだよ。君の為に親戚に新しいメニューを頼んだ。全部北前くんの為だ。良い歳して若い君に本気になって……いいから、もう楽にしてよ。微塵も期待させないでくれ。もう、君を俺で汚したくないんだ。」
またそんな顔をする。胸がぎゅうと締め付けられて、僕は彼の目の前まで歩を進め、そして彼の頬を平手打ちした。
「責任とってよ……」
驚いた様子の彼を見上げると、シャツを掴んでキスをした。
「……あんたのせいでおかしくなったんだから。あんたに触れられないと……身体が疼いて疼いて……」
「北前、くん……」
「金曜日だけじゃなくて毎日、一緒にいて下さいよ。」
首に手を回して彼を抱き寄せた。彼も僕をぎゅっと抱いた。耳元で徐々に嗚咽が起こる。
「うん、うん……」
「北前……あのさ……」
背後から実に居心地の悪そうな声がした。
「あ、西尾さん……あの、これは……」
「全部聞いちゃった。俺フラれたんだ……『西尾さんのでお腹ぐちゃぐちゃにして』ーって言ったのにね。」
「わ、ああっ! それはですね……」
「いいよもう。これだけ見せつけられたら逆にスッキリするというか……」
少し困ったように西尾さんは頭を掻く。
「お幸せに。あと林田さん、お先に失礼します。北前の事よろしくお願いします。」
いつもの安ホテルのいつもの部屋。林田さんは、別のもっと高いホテルにしようと言ったけれど、僕がここが良いと言った。
「貴方とした初めてがここだったから、この部屋が良いんです。」
「俺としてはあまり良い思い出がないというか……本当にいいの?」
くるりと向き直り、僕はずっと考えていた事を口にした。
「林田さん。このホテルでセックスしたの、僕が初めてじゃないですよね。」
彼は少し驚いたような反応をした後に、何ともばつの悪そうな顔をした。
「……察しがいいね。」
「どうせ、今回みたいに適当に弱みを握ってエッチなことして苛めてたんでしょ?」
「んー……まあ。」
「やっぱり。だから今日でこの部屋とはお別れです。その代わり……今日は林田さんの初めてを下さい。」
言葉の意味を考えているのか、彼は複雑な顔をした後にこう返した。
「それは、俺が下になるってこと?」
「そうじゃなくて。」
「よかった。」
「まずは林田さんを縛ります。」
「よくなかった。」
「今までの事、怒ってない訳じゃあないんですよ。今日は僕が好きに動きます。覚悟して下さいね?」
作戦の為の準備。林田さんの腕や身体をベッドに縛り、自分では動けないようにした。
ローションを、手のひらで受けて既に反応している彼のものに浴びせる。
「気持ちいいでしょ。これ癖になりますよね。」
「おおッ……なんか怒ってる?」
「怒ってはないです。プレイの一環ですから。」
怒ってるというか小さな復讐なのである。
「ほーら。自分で動けないから余計に感じるでしょう?」
竿をぬるぬるの手のひらでさばくと一気に火が着いたようで、かわいい声を漏らす。
「うッ……もうちょい、先っちょまで……」
「先っちょですね……」
今の所良さそうだが、これで終わりではない。ローションを浸したガーゼを見せると、さっと表情が変わる。
「ねえ、こういうの見たことあります?」
「え、それってもしかして……」
「今からこれで気持ちよくなってもらいます!」
「うわあ……」
ローションガーゼと言えば伝わるだろうか。柔らかい布をローションで浸したものを使うプレイだ。
「まじで?」
「まじです。いきますよー」
「え早い待って待って!!心の準備が……」
「待ちません。」
両手の間で張ったローションガーゼ。これを、慌てる彼のいちもつの先端で勢いよく滑らせる。すると予想以上に悦かったらしく勢いよく白濁が飛び出た。
「はあああん!!」
「わーすごい!噴水みたいですね。」
ズルズルと往復させるだけでこの世の終わりのように叫び暴れ身をよじる。こちらが優位に立つのもたまには良いな。
「やばッ……ちょっと漏らしたかも……確認して……」
「どっちですか?」
「どっちも……」
はひはひと呼吸しながらお尻を気にする林田さん。ちんちんからしか出てないから大丈夫です。
「もう少し出るんじゃないですか?」
「待って待って!」
「冗談です。次はこっち。」
次は何かと慌てる彼に覆い被さるような体勢で、誘うようにゆっくりキスする。突起を胸板に擦り付けると堪らないといった顔をした。
「んあ……きもち……ッ」
「……やば……絶景。」
「あ、もう反応してる……これ以上溢したら勿体無いですね。」
ふう、と彼が苦しそうな声を出し歯を剥く。
もう一度軽くキスを落とすと、名残惜しそうな顔から離れ、身体を起こす。実を言うと僕ももう後ろが疼いて仕方なかった。
「僕が貴方を抱きます。」
とろとろのいちもつにアナルを当て、体重をかける。ずぷずぷっと苦もなくそれが飲み込まれて、あっという間に根本まで埋まってしまう。
「うおッ……」
「あはっ、長さぴったりですね。」
そのまま筋肉を収縮させると、早く果てたいとばかりに腹のなかでそれが震える。
「動きますよ。」
タンタンとリズムよく擦りあげながら彼の反応を見ると、いつもと勝手が違うからか制御できない快感になす術もないようだ。
「うわ、あッんんッ……」
「悦さそう、ですね……はは、僕も気持ちいい……もう出ますか?早いですね。良いですよ。お腹にいっぱい出して下さい。」
その言葉を待っていたように、腹の奥に熱が広がる。
「はあん…………最ッ高……」
「はぁッ……ほんと変態……」
「心外ですね。誰のせいだと……」
そうだな、と彼は笑った。
「俺のせいだ。」
それから。
彼の拘束を解いてもう一度セックスした。それは、変な道具も使わずにただただ互いを求め合う、恋人達のセックスだった。
今この瞬間上下関係はない。幸せだった。
株式会社アヴェカムール。
会社になったのはここ最近。出来立てほやほやの、スマホアプリ開発を生業としているこの会社。オフィスはこぢんまりとしていてCEOは優秀(でもすけべ)。その他数名少数精鋭。僕はその会社の経理であり、CEOの恋人。色々あったけれど、今は幸せです。
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