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穏やかな日々の終わり
誓い ①
並ぶ薬瓶の中に煎じたばかりの緑の液体を注いでいく。
黄芩、芍薬、甘草、桂枝、大棗、柴胡……薬瓶に入る薬の元となる薬草のほとんどはエリスとノアが実際に山などに取りに行ったものだ。今は未だ採取と調合しか出来ない。しかしそれもあと少しの間だ。
「ノア、この間も崖から落ちかけたんだってな。しかもまたエリスを庇って。大丈夫か?」
「別に、落ちなかったから大丈夫だけど……?」
手を止めずに同僚のシンハに応えると、彼は口元を覆っていた布を外して呆れたような視線をノアに向けた。
「そうじゃなくて。来月の試験が無事終わればお前も医者だろ。わざわざ危険を冒してまで山に行くことねーよ」
「エリスが行くなら僕も行く。何かあってからじゃ遅い。あとその姿局長に見られたら、怒られるよ」
煎じた分は薬瓶に全て均等に分けた。あとは粗熱を取って蓋をし、裏の冷蔵倉庫に入れるだけで今日の仕事は終わる。
「あのなぁ……。オレは貴重な人材を山で失いたくないんだよ。エリスなら一人で熊くらい殺れるだろ。たぶん。折角この村にも医者が常駐するようになるんだから、ノアも自覚を……」
「無駄だよ。シンハ」
仕事を続けるノアと、対照的に完全に手が止まってしまったシンハの後ろから苦笑が聞こえた。ノアとシンハ、二人が振り返った先で、無駄だと言い切った男はにっこりと微笑む。
「もう終わったかい? 良かったらどちらか、ドニ先生の方手伝ってきて欲しいんだけど」
「ええ……局長行ってくださいよ。オレあの爺さん苦手なんで。こき使うから」
「僕、行きましょうか? これ運んだら終わりますし」
そう言うとノアは顔を上げ、局長のラングロワを見た。
「あの……?」
彼は呆けたように口を開けている。こんな風にノアと目が合うとラングロワの口は毎回、蝶番が壊れた門扉のようになってしまう。
ノアは長いまつ毛に縁どられた、澄んだ青い瞳を困ったように細めた。そのまま淡い金の髪を揺らし、僅かに首を捻る。目の前のラングロワは弾かれたように仰け反り、すぐにシンハの肩を掴んだ。
「良いっ! 今日も素材が良い‼ 最高だと思わないかシンハ。雪のように白い肌、輝くばかりの金の髪、非の打ち所のない圧倒的力を持つ顔‼」
「局長、気持ち悪いです。ノアが怯えてるじゃないですか」
「美しさこそ力! 力の時代だよシンハ! ノア君が着ればどんなにくたびれたシャツも、ありふれたズボンも最高級品になるんだよ⁈」
「いえ、いくら何でもなりませんって」
ラングロワはシンハの首が取れてしまうのではないかと思えるほどに、肩を掴み揺する。そしてひとしきり揺すると、今度は眼鏡を外して目元を拭い出した。
彼は今日も、人よりも感情表現が豊か……なようだ。
ノアは曖昧に微笑むと立ち上がった。
「あの。僕、薬を倉庫に置いてそのまま行きますね。あと、良かったらドニ先生の所から直帰したいんですけど、良いですか?」
「あ、ああ。構わない………良い。私のことは気にせず行ってくれ」
「ありがとうございます」
「ノア、お疲れ。試験勉強頑張れよー」
「ありがとう。また来週シンハ」
ノアはシンハに手を振った後、ラングロワに会釈し部屋を出た。
今日はノアとエリスの合同誕生日だ。そしてエリスと交際を始めて一年の記念日でもある。家で彼女と誕生日を祝う約束もしている。
ドニには事情を話し、午後六時には返してもらうつもりだ。彼が普段仕事をする仮治療室の近くにはエリスの勤める薬局がある。まだ帰ってない可能性もあるし、立ち寄ってまだエリスが居たら一緒に帰っても良い。
自然と頬が緩む。廊下を歩く速度もいつもより速くなってしまう。
「喜んで……くれると良いな」
サラに頼んで、こっそりと測れて良かった。隣に引っ越したノアが朝起こしに来たことにエリスは驚いていたが、もしかしたら今日はもっと驚くかもしれない。
驚いて、そして笑って受け取ってくれたら。もうノアは死んでも良い。いや、実際死んでしまったら困るけれど。それくらい嬉しいということだ。
断られる恐怖がないわけではない。しかしノアとエリスはもう恋人同士だ。手だって繋いだし、休日はいつも一緒に居る。毎晩夕食も一緒に取っている。口付けだって数えきれないほどしたし、深いキスも三か月前に許してもらった。
そしてもうノアは今日で十八だ。成人したのだ。昨日までは出来なかったことも、今なら出来る。やっと彼女に指輪を渡しても咎められない年齢になった。
「ああ……後ろ姿も美しいな……」
ノアの背中が見えなくなってからも、ラングロワはしばらく扉の方を眺めていた。シンハはノアの言葉を思い出す。確かエリスに誤解されたら困るので距離を置きたいとか置きたくないとか。そんな事を言っていたような気がする。
少なくとも今のところ彼女には微塵も気にされてないようだが、この様子だと変な噂がたたないとも言いきれない。下手をするとシンハまで巻き込まれそうだ。
「局長、誰と恋愛するのも結婚するのもヤるのも自由ですけど、ノアに変なことするのは辞めてくださいよ」
「何を言ってるんだ! ノア君は皆の憧れ! いわば全員の恋人なのだよ?」
「何言ってるんだはこっちのセリフですから。あとなんでオレだけ呼び捨てなんです?」
じろりとラングロワを睨んだが、効いた様子はない。
仕方なく、尚もノアについて語る彼に見切りをつけ、シンハは溜息を吐いた。
このいい加減な男も変人だが、ノアも相当変わっている。
エリスは確かに見られないほどの不細工ではない。ノアの前では口が裂けても言えないが、そこそこ可愛らしい方だと思う。やや大雑把な性格だが、優しい性格で人当たりも良い。
しかしノアの相手となると見劣ると言わざるを得ない。ノアならばもっといい女を選び放題だと思うのだが。
もっと淑やかで美人で、スタイルも良くて。ノアの容姿ならば金持ちや貴族でもひくてあまただろう。
彼女とノアは三年ほど前まで一緒に暮らしていたという。
一緒に暮らせば美人でも、聖人でも、悪いところも見えてしまう。そんな姉や妹みたいな相手、しかもそれを凌駕するほどの絶世の美女でもない女、シンハならば考えられない。
「わっかんねぇなー。それこそいい女がわかんなくなる呪いでもかかってんじゃ……」
「シンハのことかい? また騙されたって聞いたよ?」
「うっるせえ!」
シンハはラングロワの右足首を蹴った。そのままラングロワの身体が傾き。
「あっ! やっべ‼」
薬瓶が大きな音を立て地面が緑色に染まる。シンハが後悔した時には、既に取り返しのつかない所まで事態が悪化した後だった。
黄芩、芍薬、甘草、桂枝、大棗、柴胡……薬瓶に入る薬の元となる薬草のほとんどはエリスとノアが実際に山などに取りに行ったものだ。今は未だ採取と調合しか出来ない。しかしそれもあと少しの間だ。
「ノア、この間も崖から落ちかけたんだってな。しかもまたエリスを庇って。大丈夫か?」
「別に、落ちなかったから大丈夫だけど……?」
手を止めずに同僚のシンハに応えると、彼は口元を覆っていた布を外して呆れたような視線をノアに向けた。
「そうじゃなくて。来月の試験が無事終わればお前も医者だろ。わざわざ危険を冒してまで山に行くことねーよ」
「エリスが行くなら僕も行く。何かあってからじゃ遅い。あとその姿局長に見られたら、怒られるよ」
煎じた分は薬瓶に全て均等に分けた。あとは粗熱を取って蓋をし、裏の冷蔵倉庫に入れるだけで今日の仕事は終わる。
「あのなぁ……。オレは貴重な人材を山で失いたくないんだよ。エリスなら一人で熊くらい殺れるだろ。たぶん。折角この村にも医者が常駐するようになるんだから、ノアも自覚を……」
「無駄だよ。シンハ」
仕事を続けるノアと、対照的に完全に手が止まってしまったシンハの後ろから苦笑が聞こえた。ノアとシンハ、二人が振り返った先で、無駄だと言い切った男はにっこりと微笑む。
「もう終わったかい? 良かったらどちらか、ドニ先生の方手伝ってきて欲しいんだけど」
「ええ……局長行ってくださいよ。オレあの爺さん苦手なんで。こき使うから」
「僕、行きましょうか? これ運んだら終わりますし」
そう言うとノアは顔を上げ、局長のラングロワを見た。
「あの……?」
彼は呆けたように口を開けている。こんな風にノアと目が合うとラングロワの口は毎回、蝶番が壊れた門扉のようになってしまう。
ノアは長いまつ毛に縁どられた、澄んだ青い瞳を困ったように細めた。そのまま淡い金の髪を揺らし、僅かに首を捻る。目の前のラングロワは弾かれたように仰け反り、すぐにシンハの肩を掴んだ。
「良いっ! 今日も素材が良い‼ 最高だと思わないかシンハ。雪のように白い肌、輝くばかりの金の髪、非の打ち所のない圧倒的力を持つ顔‼」
「局長、気持ち悪いです。ノアが怯えてるじゃないですか」
「美しさこそ力! 力の時代だよシンハ! ノア君が着ればどんなにくたびれたシャツも、ありふれたズボンも最高級品になるんだよ⁈」
「いえ、いくら何でもなりませんって」
ラングロワはシンハの首が取れてしまうのではないかと思えるほどに、肩を掴み揺する。そしてひとしきり揺すると、今度は眼鏡を外して目元を拭い出した。
彼は今日も、人よりも感情表現が豊か……なようだ。
ノアは曖昧に微笑むと立ち上がった。
「あの。僕、薬を倉庫に置いてそのまま行きますね。あと、良かったらドニ先生の所から直帰したいんですけど、良いですか?」
「あ、ああ。構わない………良い。私のことは気にせず行ってくれ」
「ありがとうございます」
「ノア、お疲れ。試験勉強頑張れよー」
「ありがとう。また来週シンハ」
ノアはシンハに手を振った後、ラングロワに会釈し部屋を出た。
今日はノアとエリスの合同誕生日だ。そしてエリスと交際を始めて一年の記念日でもある。家で彼女と誕生日を祝う約束もしている。
ドニには事情を話し、午後六時には返してもらうつもりだ。彼が普段仕事をする仮治療室の近くにはエリスの勤める薬局がある。まだ帰ってない可能性もあるし、立ち寄ってまだエリスが居たら一緒に帰っても良い。
自然と頬が緩む。廊下を歩く速度もいつもより速くなってしまう。
「喜んで……くれると良いな」
サラに頼んで、こっそりと測れて良かった。隣に引っ越したノアが朝起こしに来たことにエリスは驚いていたが、もしかしたら今日はもっと驚くかもしれない。
驚いて、そして笑って受け取ってくれたら。もうノアは死んでも良い。いや、実際死んでしまったら困るけれど。それくらい嬉しいということだ。
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「ああ……後ろ姿も美しいな……」
ノアの背中が見えなくなってからも、ラングロワはしばらく扉の方を眺めていた。シンハはノアの言葉を思い出す。確かエリスに誤解されたら困るので距離を置きたいとか置きたくないとか。そんな事を言っていたような気がする。
少なくとも今のところ彼女には微塵も気にされてないようだが、この様子だと変な噂がたたないとも言いきれない。下手をするとシンハまで巻き込まれそうだ。
「局長、誰と恋愛するのも結婚するのもヤるのも自由ですけど、ノアに変なことするのは辞めてくださいよ」
「何を言ってるんだ! ノア君は皆の憧れ! いわば全員の恋人なのだよ?」
「何言ってるんだはこっちのセリフですから。あとなんでオレだけ呼び捨てなんです?」
じろりとラングロワを睨んだが、効いた様子はない。
仕方なく、尚もノアについて語る彼に見切りをつけ、シンハは溜息を吐いた。
このいい加減な男も変人だが、ノアも相当変わっている。
エリスは確かに見られないほどの不細工ではない。ノアの前では口が裂けても言えないが、そこそこ可愛らしい方だと思う。やや大雑把な性格だが、優しい性格で人当たりも良い。
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もっと淑やかで美人で、スタイルも良くて。ノアの容姿ならば金持ちや貴族でもひくてあまただろう。
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「わっかんねぇなー。それこそいい女がわかんなくなる呪いでもかかってんじゃ……」
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