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夢の内容を元に書いたイオ視点の話
第62話:ウダの館
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5つ目の飛ばされ先は、詩川先生の研究室だった。
多くの魔道具を生み出しているそこは、【ウタの館】と呼ばれる場所。
話は聞いた事があったけど、モチや俺は今回初めて訪問した。
今日も日焼け魔道具でツヤツヤ褐色の肌を維持している詩川先生。
ウダの館は先生の住居でもあるので、フィットネス魔道具なんかもあったりする。
詩川先生は、一体どんな修行内容を出してくるんだろう?
「あんたたち遅かったじゃなぁい」
傍らで作業を手伝う男子生徒江藤の尻をナデナデしながら、詩川先生は言う。
江藤、顔が引きつってるよ?
個性的な社員が多かった我が社の中でも、トップクラスの個性派は詩川さんだ。
先生になっても、その個性は変わらず強い。
「先生、パーツの組み立て終わりました。チェックお願いします」
頬をヒクヒク引きつらせて報告する江藤。
「い~んじゃなぁい?」
詩川先生がニッコリ笑い、江藤の耳にフッと息を吹きかける。
「じゃっ、俺帰りますんで」
江藤、帰るというよりほとんど逃げ出す勢い?
「あら冷たいんじゃなぁい?」
残念そうに江藤を見送る詩川先生。
魔工学部、いつもこんなんか?
この学部に入らなくて良かった。
「「俺たちも帰っていいですか?」」
どうやら、モチも同感らしい。
流れでいくとここでの修行はモチの番になる筈。
山根さんの時とは違ったジャンルで、メンタルごりごり削られそうだ。
「ちょっと待ちなさいよ~、あんたたちに渡す物があるんだから」
本気で帰りかける俺たちを引き止め、詩川先生は江藤に作らせていた物を差し出してくる。
「「…何スか、これ?」」
「今回の作戦に役立つアイテムよ」
ハモる俺たちに詩川先生が答える。
それは、耳栓に似た小さな魔道具。
個性の強い詩川先生だけど、技術は確かだ。
役立つと言うからには、間違いなく魔王の手下の捕獲に使えるモノなんだろう。
「トゥッティの耳の中にこれを突っ込めば気絶するから、楽に捕獲出来るわよ~」
詩川先生は、モチと俺に1つずつ超小型魔道具を手渡して言った。
「「っていうか、トゥッティって誰?!」」
受け取りつつ、ツッコまずにはいられない。
誰だよトゥッティって……
「あんたたちが捕まえる奴の名前だけど。まだ聞いてなかったの~?」
「「聞いてませ~ん!」」
「あらあら。学園長ってば説明足りないわね」
詩川先生は苦笑した。
ほんとそれ。
とりあえず、今頃になってようやく捕獲対象の名前が分った。
「トゥッティ捕獲後の管理はアタシがやるから、捕まえたらここへ連れてくるのよ」
「王宮じゃなくていいんですか?」
詩川先生の指示に、モチが質問した。
そういや学園長も王様も、捕まえた後の事は何も言ってなかったな。
説明が足りないところも、ソックリな父子だ。
「こっちの方が脱走防止魔道具が揃ってるからね」
「じゃあ、ここへ運びます」
詩川先生のところでは修行は無かった。
捕獲に役立つ魔道具を受け取り、使い方や捕獲後について聞いたところで完了らしい。
「じゃ、最後はリユのところへ行きなさ~い。アタシが頼んでおいた物が出来てる筈よ」
6つ目の飛ばされ先がラストになるらしい。
リユは何を作ってるんだろう?
そして詩川先生が起動する転移魔法陣で、モチと俺は次の場所へ飛ばされて行った。
多くの魔道具を生み出しているそこは、【ウタの館】と呼ばれる場所。
話は聞いた事があったけど、モチや俺は今回初めて訪問した。
今日も日焼け魔道具でツヤツヤ褐色の肌を維持している詩川先生。
ウダの館は先生の住居でもあるので、フィットネス魔道具なんかもあったりする。
詩川先生は、一体どんな修行内容を出してくるんだろう?
「あんたたち遅かったじゃなぁい」
傍らで作業を手伝う男子生徒江藤の尻をナデナデしながら、詩川先生は言う。
江藤、顔が引きつってるよ?
個性的な社員が多かった我が社の中でも、トップクラスの個性派は詩川さんだ。
先生になっても、その個性は変わらず強い。
「先生、パーツの組み立て終わりました。チェックお願いします」
頬をヒクヒク引きつらせて報告する江藤。
「い~んじゃなぁい?」
詩川先生がニッコリ笑い、江藤の耳にフッと息を吹きかける。
「じゃっ、俺帰りますんで」
江藤、帰るというよりほとんど逃げ出す勢い?
「あら冷たいんじゃなぁい?」
残念そうに江藤を見送る詩川先生。
魔工学部、いつもこんなんか?
この学部に入らなくて良かった。
「「俺たちも帰っていいですか?」」
どうやら、モチも同感らしい。
流れでいくとここでの修行はモチの番になる筈。
山根さんの時とは違ったジャンルで、メンタルごりごり削られそうだ。
「ちょっと待ちなさいよ~、あんたたちに渡す物があるんだから」
本気で帰りかける俺たちを引き止め、詩川先生は江藤に作らせていた物を差し出してくる。
「「…何スか、これ?」」
「今回の作戦に役立つアイテムよ」
ハモる俺たちに詩川先生が答える。
それは、耳栓に似た小さな魔道具。
個性の強い詩川先生だけど、技術は確かだ。
役立つと言うからには、間違いなく魔王の手下の捕獲に使えるモノなんだろう。
「トゥッティの耳の中にこれを突っ込めば気絶するから、楽に捕獲出来るわよ~」
詩川先生は、モチと俺に1つずつ超小型魔道具を手渡して言った。
「「っていうか、トゥッティって誰?!」」
受け取りつつ、ツッコまずにはいられない。
誰だよトゥッティって……
「あんたたちが捕まえる奴の名前だけど。まだ聞いてなかったの~?」
「「聞いてませ~ん!」」
「あらあら。学園長ってば説明足りないわね」
詩川先生は苦笑した。
ほんとそれ。
とりあえず、今頃になってようやく捕獲対象の名前が分った。
「トゥッティ捕獲後の管理はアタシがやるから、捕まえたらここへ連れてくるのよ」
「王宮じゃなくていいんですか?」
詩川先生の指示に、モチが質問した。
そういや学園長も王様も、捕まえた後の事は何も言ってなかったな。
説明が足りないところも、ソックリな父子だ。
「こっちの方が脱走防止魔道具が揃ってるからね」
「じゃあ、ここへ運びます」
詩川先生のところでは修行は無かった。
捕獲に役立つ魔道具を受け取り、使い方や捕獲後について聞いたところで完了らしい。
「じゃ、最後はリユのところへ行きなさ~い。アタシが頼んでおいた物が出来てる筈よ」
6つ目の飛ばされ先がラストになるらしい。
リユは何を作ってるんだろう?
そして詩川先生が起動する転移魔法陣で、モチと俺は次の場所へ飛ばされて行った。
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