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第7章:双子星
第67話:森のレジスタンス
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ラティオ殿下を救出した僕たちは、ドミナートル政府の大規模森林伐採に抵抗する組織との接触を試みる事にした。
セラフィが管理コンピューターから抽出したデータを元に、アルビレオのAIが計算した結果、抵抗組織は森林内に潜んでいると予測されている。
そこでライカによる現地調査と、カールが持つ探知能力を使った広範囲の探索、僕も思念探知を使って森林内を調べた。
その結果、森の中の狩猟小屋付近に多くの人が集まっているのを発見した。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「国家への反逆者ども、抵抗をやめるなら命くらいは残してやるぞ!」
「断る! 伐採が続けばどうせ皆滅びるからな!」
怒声を交わす2つの集団。
屋外にいるのは、ドミナートルの兵士たち。
煉瓦に似た建材で造られた小屋に身を隠すのは、政府の森林伐採に反対するレジスタンスグループ。
小屋の地下には、多くの人々が隠れている。
『上空から砲撃する。総員退避しろ!』
兵士たちは脳内に埋め込んだ通信機から指示を受けると、一斉に退避し始めた。
「……兵士が撤退していく……何か来るぞ」
「上だ! ちくしょう、あんなものを持ち出しやがって」
小屋の中から様子を伺うレジスタンスたちは、上空に見えてくる機体に騒然とする。
近付いてくるのは、ドミナートルの浮遊型重戦機メイテオ。
飛行速度は遅いが、火力は全戦闘機中トップを誇る。
その砲撃を食らえば、こんな小屋など塵と化すだろう。
『シェルターに逃げろ!』
小屋の中にいた1人が脳内に埋め込んだ通信機で仲間に指示する。
小屋にいた人々は室内の一角に集まり、地下シェルターにいる味方が床の隠し扉を開けた。
全員がシェルターに避難し終えると扉を閉めて、間もなくくるであろう砲撃に身構えるが、いつまで経っても爆音も振動もこない。
「どうなってるんだ?」
「みんな! これを見て!」
困惑する人々のうち、屋外を監視する隠しカメラの映像を見ていた女性が声を上げた。
彼女が指差すモニターには、空中で爆散した敵機が球状の空間に封じられている様子が映っている。
「なんだ? あの球体……?」
「ここ見て。人が空中に浮かんでる?」
レジスタンスのメンバーには、状況がよく分からなかった。
ドミナートル軍がレジスタンスを攻撃する事は、既にトオヤたちに把握されている。
管理コンピューターを掌握しているセラフィは、メイテオに出撃許可は出したが砲撃はさせなかった。
砲撃に来たと見せかけて地上の兵士たちを撤退させたあと、セラフィはメイテオの自爆機能を起動、国内トップクラスの火力を持つ重戦機は、レジスタンスを攻撃する事無く爆散した。
「盗難防止に自爆機能を付けるなんて、物騒な乗り物ね」
「トップ火力だから、盗まれたら終わりなんでしょうね」
艦内モニターに映された、メイテオの爆散動画を見ながら、セラフィとアイオが話す。
敵に奪われた際の保険として付けられた自爆機能は、皮肉にも敵を護るために使われた。
基地内で爆破した時に備えて付けられたバリア機能も、破片が森に降らないために役立っている。
『破片はドミナートル軍の基地に返却しておくよ』
念動力で森の上空に浮かぶトオヤは、メイテオの破片を全てドミナートル基地内へ転送した。
セラフィが管理コンピューターから抽出したデータを元に、アルビレオのAIが計算した結果、抵抗組織は森林内に潜んでいると予測されている。
そこでライカによる現地調査と、カールが持つ探知能力を使った広範囲の探索、僕も思念探知を使って森林内を調べた。
その結果、森の中の狩猟小屋付近に多くの人が集まっているのを発見した。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「国家への反逆者ども、抵抗をやめるなら命くらいは残してやるぞ!」
「断る! 伐採が続けばどうせ皆滅びるからな!」
怒声を交わす2つの集団。
屋外にいるのは、ドミナートルの兵士たち。
煉瓦に似た建材で造られた小屋に身を隠すのは、政府の森林伐採に反対するレジスタンスグループ。
小屋の地下には、多くの人々が隠れている。
『上空から砲撃する。総員退避しろ!』
兵士たちは脳内に埋め込んだ通信機から指示を受けると、一斉に退避し始めた。
「……兵士が撤退していく……何か来るぞ」
「上だ! ちくしょう、あんなものを持ち出しやがって」
小屋の中から様子を伺うレジスタンスたちは、上空に見えてくる機体に騒然とする。
近付いてくるのは、ドミナートルの浮遊型重戦機メイテオ。
飛行速度は遅いが、火力は全戦闘機中トップを誇る。
その砲撃を食らえば、こんな小屋など塵と化すだろう。
『シェルターに逃げろ!』
小屋の中にいた1人が脳内に埋め込んだ通信機で仲間に指示する。
小屋にいた人々は室内の一角に集まり、地下シェルターにいる味方が床の隠し扉を開けた。
全員がシェルターに避難し終えると扉を閉めて、間もなくくるであろう砲撃に身構えるが、いつまで経っても爆音も振動もこない。
「どうなってるんだ?」
「みんな! これを見て!」
困惑する人々のうち、屋外を監視する隠しカメラの映像を見ていた女性が声を上げた。
彼女が指差すモニターには、空中で爆散した敵機が球状の空間に封じられている様子が映っている。
「なんだ? あの球体……?」
「ここ見て。人が空中に浮かんでる?」
レジスタンスのメンバーには、状況がよく分からなかった。
ドミナートル軍がレジスタンスを攻撃する事は、既にトオヤたちに把握されている。
管理コンピューターを掌握しているセラフィは、メイテオに出撃許可は出したが砲撃はさせなかった。
砲撃に来たと見せかけて地上の兵士たちを撤退させたあと、セラフィはメイテオの自爆機能を起動、国内トップクラスの火力を持つ重戦機は、レジスタンスを攻撃する事無く爆散した。
「盗難防止に自爆機能を付けるなんて、物騒な乗り物ね」
「トップ火力だから、盗まれたら終わりなんでしょうね」
艦内モニターに映された、メイテオの爆散動画を見ながら、セラフィとアイオが話す。
敵に奪われた際の保険として付けられた自爆機能は、皮肉にも敵を護るために使われた。
基地内で爆破した時に備えて付けられたバリア機能も、破片が森に降らないために役立っている。
『破片はドミナートル軍の基地に返却しておくよ』
念動力で森の上空に浮かぶトオヤは、メイテオの破片を全てドミナートル基地内へ転送した。
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