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第11章:その先にあるもの
第103話:幸せな夢
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討伐隊の帰還後、エカはソナを抱いて部屋へ戻った。
アズは王様に魔王の正体を明かし、アサギリ島で起きた事を全て話している。
ロコはアカツキ王国へ報告に向かい、生徒会役員とローズはアサケ学園長へ報告、各国から来たS級冒険者たちはそれぞれの所属国とギルドに報告しに帰っていった。
「ソナに飲ませたのは幻惑花の蜜だよ」
眠りに落とした張本人ルルが使用した薬物を教えたので、エアがそれに合わせて治療薬を調合してくれた。
ソナをベッドに寝かせたエカは、シロップ状の治療薬が入った小瓶を手に、少し戸惑ってる様子。
肺でも胃の中でもとにかく体内に入れば効果を発揮する、とエアは言っていた。
意識があればビンを口にあてがって飲ませられるけど、今のソナのような意識が無い状態では出来ない。
零さずに確実に体内に流し込む方法は学校で習ったものの、エカは実際にやるのは初めてだ。
飲まされる側の経験はしてるけどね。
『アズは上手に飲ませてたよ、ほらこんな感じ』
『……み、見せなくていい……』
エカが瀕死になった時にアズが完全回復薬を飲ませた映像を見せてあげたら、鼻の穴広げて真顔になっちゃった。
でもそれで具体的なやり方は分ったみたいで、エカは1回深呼吸すると、小瓶の薬を口に含んだ。
ソナを抱き起こして、零さないように口移しで体内に流し込む。
液状の薬が喉を通り過ぎるまで唇を塞いで待ってから、顔を離してソナを寝かせた。
次は精神魔法の使用だ。
『癒しの夢』
エカはソナに添い寝しながら、念話で起動言語を発した。
術の発動に必要な魔力は、さっき薬と一緒に流し込んである。
エカは、ソナの夢の中に降りていった。
……色とりどりの花が咲く、一面の花畑……
そこに白い丸テーブルと椅子が置かれていて、テーブルにはお茶とお菓子が並んでいる。
ソナは椅子に座ってティータイムを楽しみながら、向かいの椅子に座っている人物とおしゃべりしていた。
よく見れば、ソナが笑顔で話しかけている相手はエカそっくりの少年だ。
エカが近付くと、それらはスーッと消えて情景が変わった。
……真紅の花々が咲き誇る庭園……
ソナに似た美女が、華やかな装飾を施した赤いドレスを着て立っている。
そこへ、エカに似た赤い髪の青年が歩み寄って来て、手を差し伸べた。
優雅な音楽と共に2人はしばし踊り、微笑み合って口付けを交わす。
それもエカが近付くと幻のように消えて、また情景が変わった。
……アサケ王城の広間……
ソナに似た美女とエカに似た青年が、それぞれ白い衣装を着て広間の赤いカーペットの上を進んでゆく。
花飾りが付いたロングヴェールを被った女性は、清らかにも華やかにも見えた。
「……これは、わたしが望む未来……」
そんな声と共に情景は変化して、エカの前に赤いワンピース姿の少女が現れる。
「わたしは、エカが一緒にいてくれたら幸せなの」
ソナが少しはにかんだ笑みを浮かべて言う。
「うん。俺もソナがいてくれたら幸せだよ」
エカも微笑んで応えた。
「迎えに来てくれてありがとう。そろそろ起きるね」
ソナはこれが夢の中だと分かっていたみたいだ。
「うん、一緒に起きよう」
エカは微笑んで手を差し伸べた。
アズは王様に魔王の正体を明かし、アサギリ島で起きた事を全て話している。
ロコはアカツキ王国へ報告に向かい、生徒会役員とローズはアサケ学園長へ報告、各国から来たS級冒険者たちはそれぞれの所属国とギルドに報告しに帰っていった。
「ソナに飲ませたのは幻惑花の蜜だよ」
眠りに落とした張本人ルルが使用した薬物を教えたので、エアがそれに合わせて治療薬を調合してくれた。
ソナをベッドに寝かせたエカは、シロップ状の治療薬が入った小瓶を手に、少し戸惑ってる様子。
肺でも胃の中でもとにかく体内に入れば効果を発揮する、とエアは言っていた。
意識があればビンを口にあてがって飲ませられるけど、今のソナのような意識が無い状態では出来ない。
零さずに確実に体内に流し込む方法は学校で習ったものの、エカは実際にやるのは初めてだ。
飲まされる側の経験はしてるけどね。
『アズは上手に飲ませてたよ、ほらこんな感じ』
『……み、見せなくていい……』
エカが瀕死になった時にアズが完全回復薬を飲ませた映像を見せてあげたら、鼻の穴広げて真顔になっちゃった。
でもそれで具体的なやり方は分ったみたいで、エカは1回深呼吸すると、小瓶の薬を口に含んだ。
ソナを抱き起こして、零さないように口移しで体内に流し込む。
液状の薬が喉を通り過ぎるまで唇を塞いで待ってから、顔を離してソナを寝かせた。
次は精神魔法の使用だ。
『癒しの夢』
エカはソナに添い寝しながら、念話で起動言語を発した。
術の発動に必要な魔力は、さっき薬と一緒に流し込んである。
エカは、ソナの夢の中に降りていった。
……色とりどりの花が咲く、一面の花畑……
そこに白い丸テーブルと椅子が置かれていて、テーブルにはお茶とお菓子が並んでいる。
ソナは椅子に座ってティータイムを楽しみながら、向かいの椅子に座っている人物とおしゃべりしていた。
よく見れば、ソナが笑顔で話しかけている相手はエカそっくりの少年だ。
エカが近付くと、それらはスーッと消えて情景が変わった。
……真紅の花々が咲き誇る庭園……
ソナに似た美女が、華やかな装飾を施した赤いドレスを着て立っている。
そこへ、エカに似た赤い髪の青年が歩み寄って来て、手を差し伸べた。
優雅な音楽と共に2人はしばし踊り、微笑み合って口付けを交わす。
それもエカが近付くと幻のように消えて、また情景が変わった。
……アサケ王城の広間……
ソナに似た美女とエカに似た青年が、それぞれ白い衣装を着て広間の赤いカーペットの上を進んでゆく。
花飾りが付いたロングヴェールを被った女性は、清らかにも華やかにも見えた。
「……これは、わたしが望む未来……」
そんな声と共に情景は変化して、エカの前に赤いワンピース姿の少女が現れる。
「わたしは、エカが一緒にいてくれたら幸せなの」
ソナが少しはにかんだ笑みを浮かべて言う。
「うん。俺もソナがいてくれたら幸せだよ」
エカも微笑んで応えた。
「迎えに来てくれてありがとう。そろそろ起きるね」
ソナはこれが夢の中だと分かっていたみたいだ。
「うん、一緒に起きよう」
エカは微笑んで手を差し伸べた。
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