【本編完結】やいまファンタジー、もうひとつの世界

BIRD

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八重山昔話

ガラサー(カラス)にまつわる話

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 むかしむかし、とある村の巫女みこが、役人に呼び出されました。

「お前は人の弱みをにぎって大金をよこせと言い、困らせているそうだな」

 役人はそう言いました。
 巫女はそんなことはしていません。

「お前は大悪人だ」

 巫女が無実むじつうったえても役人は聞きません。
 役人は巫女をろうに入れてしまいました。

「どうして? わたしは人から大金をうばうようなことはしていないのに」

 牢の中で、巫女は泣いていました。
 そんな巫女を見張っていた若い牢番ろうばんは、巫女をかわいそうに思って優しくしてくれました。
 巫女の心の支えは、この若い牢番だけでした。

 牢の中で一年もらした巫女は、すっかり弱ってしまいました。
 立つことさえできなくなってしまい、もう長くは生きられないことをさとりました。

 巫女は若い牢番にこう言いました。

「私は死んだらガラサー(カラス)になり、私をこんな目に合わせた人間たちに災いをもたらすだろう。けれどあなたは親切にしてくれたから、災いからのがれる方法を教えよう」

 そして巫女が教えた災いを逃れる方法は、家の外でウスをたたくというもの。

 その後巫女が死ぬと、真夜中まよなかにガラサーが鳴きながら村の上を飛びました。
 大火事が起きて、巫女を無実の罪におとし入れた人たちや、話を聞こうともしない役人たちの家が、みんなほのおに焼かれていきました。
 けれど若い牢番の家だけは、ウスをたたいて知らせたので、災難さいなんにはあわなかったそうです。
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