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PROLOGUE~第1話:命の授業
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株式会社SETAのATP事業部。
1人の青年が面接を受けていた。
「履歴書に書かれている志望の同期は【アーシアとは異なる世界を見つけたから】とあるけれど、そこはどのような世界かな?」
現社長の瀬田哲郎が問う。
本来ならATP担当社員たちが対応するところだが、履歴書の内容を見て異世界派遣部の担当社員と社長自らが対応している。
SETAは異世界アーシアと契約している会社だが、アーシア以外の異世界はまだ未知の領域だった。
「その世界の名は【ナーゴ】、猫型獣人が文明を築いています。地球に比べると驚くほど大気や水が清浄で、自然豊かな環境になっています」
「それは素晴らしいね。その世界にも是非行ってみたいものだよ」
青年の説明に、哲郎は興味を示す。
SETAの異世界派遣部が契約出来るなら、是非交流したいところだ。
「20年後、その世界へ複数の転移が必要となります。私はそのために貴社へ入社を希望します」
「その話、詳しく聞かせてもらえるかな?」
「はい」
興味深い話に、哲郎はやや身を乗り出し気味に問う。
青年は頷き、異世界ナーゴについて説明した。
◆◇◆株式会社SETA・新入社員面接記録より◆◇◆
自由な校風のアサケ学園は、教師たちの授業のやり方も自由だった。
保健体育担当の笹谷先生の場合……
「授業を始め…ゲホゴホぐふっっ!」
持病の発作が出た笹谷先生、既に顔色は真っ青だ。
「先生っ大丈夫ですかっっ?」
慌てる生徒たち。
「…というワケで…げふっ…今日は応急手当を勉強…ゴホゴホ…しましょう…ゼエゼエ…皆で先生を助けて下さい…がはっっ!」
息も絶え絶えで言い残すと、吐血してバッタリ倒れてしまう笹谷先生。
「うわぁ大変だぁっ、先生が吐血したっっっ!」
近くにいた1人が叫び、慌てふためく生徒たち。
「息してないよ先生っっ!」
コンパクトタイプの鏡を先生の顔に近付けて、呼吸を確かめた女生徒も叫ぶ。
「心臓止まってるぅ!」
先生の胸に耳を当てて心音を確かめた男子生徒も叫ぶ。
大騒ぎしながら、必死で蘇生を試みる生徒たち。
気道確保&人工呼吸したり、心臓マッサージ(胸骨圧迫)したり。
勿論救急車も呼ばれたが、到着前に蘇生は成功していた。
「はぁはぁ…助かった…みんな、よくやった…」
どうにか復活の笹谷先生。
こんな調子で、いつも死と生の狭間を漂いながら授業する先生。
その教え子たちは、卒業する頃には救命士の資格がとれるレベルに育つのだった。
1人の青年が面接を受けていた。
「履歴書に書かれている志望の同期は【アーシアとは異なる世界を見つけたから】とあるけれど、そこはどのような世界かな?」
現社長の瀬田哲郎が問う。
本来ならATP担当社員たちが対応するところだが、履歴書の内容を見て異世界派遣部の担当社員と社長自らが対応している。
SETAは異世界アーシアと契約している会社だが、アーシア以外の異世界はまだ未知の領域だった。
「その世界の名は【ナーゴ】、猫型獣人が文明を築いています。地球に比べると驚くほど大気や水が清浄で、自然豊かな環境になっています」
「それは素晴らしいね。その世界にも是非行ってみたいものだよ」
青年の説明に、哲郎は興味を示す。
SETAの異世界派遣部が契約出来るなら、是非交流したいところだ。
「20年後、その世界へ複数の転移が必要となります。私はそのために貴社へ入社を希望します」
「その話、詳しく聞かせてもらえるかな?」
「はい」
興味深い話に、哲郎はやや身を乗り出し気味に問う。
青年は頷き、異世界ナーゴについて説明した。
◆◇◆株式会社SETA・新入社員面接記録より◆◇◆
自由な校風のアサケ学園は、教師たちの授業のやり方も自由だった。
保健体育担当の笹谷先生の場合……
「授業を始め…ゲホゴホぐふっっ!」
持病の発作が出た笹谷先生、既に顔色は真っ青だ。
「先生っ大丈夫ですかっっ?」
慌てる生徒たち。
「…というワケで…げふっ…今日は応急手当を勉強…ゴホゴホ…しましょう…ゼエゼエ…皆で先生を助けて下さい…がはっっ!」
息も絶え絶えで言い残すと、吐血してバッタリ倒れてしまう笹谷先生。
「うわぁ大変だぁっ、先生が吐血したっっっ!」
近くにいた1人が叫び、慌てふためく生徒たち。
「息してないよ先生っっ!」
コンパクトタイプの鏡を先生の顔に近付けて、呼吸を確かめた女生徒も叫ぶ。
「心臓止まってるぅ!」
先生の胸に耳を当てて心音を確かめた男子生徒も叫ぶ。
大騒ぎしながら、必死で蘇生を試みる生徒たち。
気道確保&人工呼吸したり、心臓マッサージ(胸骨圧迫)したり。
勿論救急車も呼ばれたが、到着前に蘇生は成功していた。
「はぁはぁ…助かった…みんな、よくやった…」
どうにか復活の笹谷先生。
こんな調子で、いつも死と生の狭間を漂いながら授業する先生。
その教え子たちは、卒業する頃には救命士の資格がとれるレベルに育つのだった。
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