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第11話:選べる学部

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「さて、君たちはどのクラスを希望するのかニャ? 見学して決めてほしいニャン」

ジャミさんのところから学園長室へ戻ると、ナジャ学園長が言った。

「えーとその前に、なんでこの世界に来たか教えてほしいんですけど」

モチが困り顔で言う。

「それは今は教えられないニャン。いずれ分るから、今は聞かないでほしいニャ」

学園長も困り顔で言った。

「これが異世界転生なのか転移なのかは、教えてもらえます?」

俺も聞いてみる。

「元の世界で死んだワケではないから、異世界転移ニャン」

学園長は答えてくれた。

「元の世界には帰れるの?」

カジュちゃんが重要な事を聞いてる。
我が社の転移装置がある異世界アーシアは別として、創作の世界では異世界に飛ばされるのは基本的に一方通行、帰れないパターンが多い。

「それは今後の活動次第ニャ。とりあえず学園で学ぶ事がその先に続く道ニャン」

学園長は詳しくは教えてくれないけど、学園で学べと言う。
帰れる可能性はあるっぽい。

「もしかして、子供の姿になったのは成長力UPの為?」

モチが意外と鋭い。
漫画家を兼業する彼は、創作の世界の出来事から推測したらしい。

「大人の身体だと、スキルや魔法を覚えられないからニャン」

学園長、興味深い事を言ったぞ。

「「魔法、覚えられるの?!」」

モチと俺のハモり。
覚えられるなら習いたいぞ、魔法。

「2人とも魔法学部を選びそうね」

既に学園の事は少し知ってるらしいカジュちゃんが言う。

「「選べるの?!」」

またハモるモチと俺。
選べるんならモチロン魔法学部だな。
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