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第20話:爆裂の勇者モチ

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「占い師のジャミに聞いてごらんなさーい」

って詩川さんに言われたので、俺たちはジャミさんのところへ向かった。

学園内見学も主要なところは見終わったかな。
この学園にある学部は、医学部・料理学部・体育学部・芸術学部・動植物学部・魔工学部・魔法学部の7つ。
魔法学部はまだ見てないけど、入ってから見れるから今日はいいや。

その学部の中でも更に枝分かれするらしい。
例えば料理学部だと料理のジャンルで専門コースがあるとか。
魔法学部だと属性別で専門コースがあったり、攻撃系魔法コース、支援魔法コースとかもあって、好みで学べるそうだよ。


行ってみると、占い師ジャミさんは、学園長室から近い廊下で水晶玉を見つめていた。

「そろそろ来ると思ってたよ」

さすが占い師、来るのが分ってたみたいで、モチを見て言う。

「魔法とスキル調べてもらったら、爆裂系魔法・実装前とか出たんですけど」
「アンタの前世が爆裂の勇者だったから、その系統の魔法が魂に保存されてたんだよ」

ジャミさんの向かいの椅子に座ったモチが、すぐ本題に入ってる。

返ってきた答え、モチって勇者の生まれ変わりなのか。
爆裂の勇者とか、中二病ハートをくすぐる響きだね。

「実装前って、何したら魔法を使えるようになりますか?」
「魔法学部で発動方法を学べばいいのさ」

モチが聞くと、答えは思ってたよりアッサリしていた。

そんな簡単なものだったのか。

「あんたは魔法学部に入るんだろう? すぐ使えるようになるさ。 爆裂系魔法はこの学園では他に使える子はいないから、注目されるだろうね」
「よぉしドカンと一発いっとこう~!」
「くれぐれも他の人を巻き込むんじゃないよ」

って忠告されてたけど、モチの魔法、危険なのか?

爆裂系って事は破壊力のある攻撃魔法だろうし、効果範囲に人を巻き込んだら確かに危なそう。

「まあ、アンタは大丈夫そうだけどね」

ってジャミさん、こっち見た。

「俺はモチの魔法に巻き込まれても大丈夫なの?」
「アンタにはそれを回避するパッシブスキルがあるじゃないか」

何言ってるんだいって顔されたけど。

そういや俺、まだ魔法やスキル調べてなかった。
モチの魔法に興味がいっちゃって忘れてたよ。

「そうなの? 俺まだ調べてなくて知らないんだけど」
「なんだ、アンタは鑑定してないのかい」

ジャミさんはキョトンとした顔になって、机の引き出しからタブレットっぽい魔道具を出した。

「ほれ、アンタも調べてみな」

って言われて、俺も鑑定用の魔道具に手をかざしてみた。

【完全回避】危険が迫ると自動的に発動、物理攻撃・魔法攻撃・特殊攻撃・状態異常等を完全に回避する。

「…なんか、チートっぽいもの出た?」

横から覗き込んだモチが言った。

確かに効果はチートっぽいけど…

「でもこれ、攻撃受けなかったら他に使いどころないような?」

モチの爆裂系魔法に比べたら、めっちゃ地味じゃない?
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