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第41話:秋の街オトンヌ
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青く澄み渡る空に、様々な色彩の召喚獣たちが舞う姿は、お祭りのパレードみたいに華やかだった。
俺を乗せてくれた福音鳥の名前はピピル、その主人はチッチという名前の青い毛並みの猫人。
飛翔するピピルの背中の上はそんなに揺れもせず、振り落とされそうな感じはしなかった。
上空から見て、この学園と森の全貌が初めて分る。
ヨーロッパの古城のような建物が学園の本館、その周りを寮になってる建物や増築した校舎が囲む。
建物より外周に校庭があり、校庭よりも外周が広大な森。
四季の森と呼ばれる通り、4つの森はくっきりと色彩が分れている。
春の森は、萌黄色の若葉が茂る森。
夏の森は、新緑の旺盛な葉が茂る森。
秋の森は、赤や黄色に紅葉した葉が茂る森。
冬の森は、葉の無い木々を樹氷が飾り、地面は真っ白な雪に覆われた森。
異なる色彩の森が、四つ葉のクローバーの葉みたいに学園を囲んでいた。
その森の外側は、それぞれ街らしき建物の多い地域になっている。
「オトンヌの街へ行くよ!」
隊列を組むその先頭にいるロッサ先生が告げた。
色彩鮮やかな秋の森上空を、こちらも色彩鮮やかな召喚獣の群れが進む。
街は春夏秋冬の順にプラン、エテル、オトンヌ、イベルというのだと教えてもらった。
これから行くのは、秋の森に隣接するオトンヌの街だ。
秋の実りに恵まれた街・オトンヌ。
特産品は様々な木の実や果実、穀類も多く取引されるらしい。
4つの街は交流が盛んで、それぞれの特産品の取引があるという。
俺が売りに行こうとしているオーク真珠は、オトンヌの街の宝石商の売り上げトップ3に入る品だそうだよ。
高値で売れると聞いたけど、いくらで売れるのかな?
買い物もしたいし、すっごく楽しみ!
『ご主人様、イオさんに私の羽毛を1つあげて下さい』
「…なるほど。いい考えだね」
ワクワクしていたら、青い鳥とその主が何やら意味深な会話をした後、渡されたのは青い1枚の羽毛。
ふんわりした羽毛は、ほんのり青く光っている。
「ありがとう。幸せの青い鳥の羽根なら、運が上がりそう」
街で何か良い事があるかも、と期待してしまう俺。
貰った羽毛は、腰のベルトポーチの内ポケットに忍ばせた。
ベルトポーチには小銭入れも入ってるけど、俺はまだ所持金ゼロなので空っぽだ。
司書のレオさんの誘いで図書館のお手伝いアルバイトは始めたけど、まだ1ヶ月経ってなくて給料は貰ってない。
「いつもの場所に、ゆっくり降下!」
ロッサ先生の指示が飛び、降下が始まる。
街の防壁の外、金茶色の草に覆われた広場に、色とりどりの召喚獣が舞い降りた。
「いらっしゃい! ようこそオトンヌへ!」
「いつ見ても華やかで美しい光景ですね」
街への入口に立つ門番の2人が、楽しそうにニコニコしながら迎えてくれた。
俺を乗せてくれた福音鳥の名前はピピル、その主人はチッチという名前の青い毛並みの猫人。
飛翔するピピルの背中の上はそんなに揺れもせず、振り落とされそうな感じはしなかった。
上空から見て、この学園と森の全貌が初めて分る。
ヨーロッパの古城のような建物が学園の本館、その周りを寮になってる建物や増築した校舎が囲む。
建物より外周に校庭があり、校庭よりも外周が広大な森。
四季の森と呼ばれる通り、4つの森はくっきりと色彩が分れている。
春の森は、萌黄色の若葉が茂る森。
夏の森は、新緑の旺盛な葉が茂る森。
秋の森は、赤や黄色に紅葉した葉が茂る森。
冬の森は、葉の無い木々を樹氷が飾り、地面は真っ白な雪に覆われた森。
異なる色彩の森が、四つ葉のクローバーの葉みたいに学園を囲んでいた。
その森の外側は、それぞれ街らしき建物の多い地域になっている。
「オトンヌの街へ行くよ!」
隊列を組むその先頭にいるロッサ先生が告げた。
色彩鮮やかな秋の森上空を、こちらも色彩鮮やかな召喚獣の群れが進む。
街は春夏秋冬の順にプラン、エテル、オトンヌ、イベルというのだと教えてもらった。
これから行くのは、秋の森に隣接するオトンヌの街だ。
秋の実りに恵まれた街・オトンヌ。
特産品は様々な木の実や果実、穀類も多く取引されるらしい。
4つの街は交流が盛んで、それぞれの特産品の取引があるという。
俺が売りに行こうとしているオーク真珠は、オトンヌの街の宝石商の売り上げトップ3に入る品だそうだよ。
高値で売れると聞いたけど、いくらで売れるのかな?
買い物もしたいし、すっごく楽しみ!
『ご主人様、イオさんに私の羽毛を1つあげて下さい』
「…なるほど。いい考えだね」
ワクワクしていたら、青い鳥とその主が何やら意味深な会話をした後、渡されたのは青い1枚の羽毛。
ふんわりした羽毛は、ほんのり青く光っている。
「ありがとう。幸せの青い鳥の羽根なら、運が上がりそう」
街で何か良い事があるかも、と期待してしまう俺。
貰った羽毛は、腰のベルトポーチの内ポケットに忍ばせた。
ベルトポーチには小銭入れも入ってるけど、俺はまだ所持金ゼロなので空っぽだ。
司書のレオさんの誘いで図書館のお手伝いアルバイトは始めたけど、まだ1ヶ月経ってなくて給料は貰ってない。
「いつもの場所に、ゆっくり降下!」
ロッサ先生の指示が飛び、降下が始まる。
街の防壁の外、金茶色の草に覆われた広場に、色とりどりの召喚獣が舞い降りた。
「いらっしゃい! ようこそオトンヌへ!」
「いつ見ても華やかで美しい光景ですね」
街への入口に立つ門番の2人が、楽しそうにニコニコしながら迎えてくれた。
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