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第73話:狙われた夢幻ウサギたち
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ベノワには校庭で着陸してもらい、そこからダッシュで動植物学部の飼育棟へ向かう。
校舎の隣にある飼育棟の前まで来ると、人が群がっているのが見えた。
風神の息吹をOFFにして通常速度に戻った俺は、そこにいたモチに声をかけてみた。
「校内にヘビが出たって、ここ?」
「お、おう」
振り返ったモチは真顔で鼻の穴開いてる。
ヘビの出現に動揺してるのかと思ったんだけど……
「出たけど、ウサギたちに返り討ちにされて転がってる」
「……へ?」
……違った。
「飼育棟にヘビが出た! って聞いて俺もダッシュで駆け付けたんだけどさ……」
「うん」
「……着いた時には、ウサギに巨大ヘビがボコられてるところだったんだ」
「ウサギつえーな!!!」
心配しなくて良かったみたいな?
夢幻ウサギ、ダンジョンでは逃げるばかりで攻撃なんてしてこなかったけど。
やればメチャ強い子たちなのか。
とりあえず俺だけ飼育棟の中に入ったら、ウサギたちがサッと駆け寄ってきた。
地球のウサギと同じで声帯が退化しているみたいで、鳴き声は出さないけど。
怖かったよぅ~
って言いた気なウルウルした目で見上げてくる。
君ら、それ返り討ちにしたやろ。ってツッコミたい気持ちでいっぱいだ。
「よしよし、怖かったね~、よく頑張ったね~」
とりあえずナデナデしてあげたよ。
ウサギたちは撫でてもらうのが大好きだから、我も我もと周囲でひしめきあう。
背中の翼をパタパタさせて浮かび上がり、抱っこして~と腕にスッポリ収まる子もいた。
意外な強さに驚きだけど、無事で良かった。
禁書情報によれば、夢幻タイプの魔物は森の生き物と同じで繁殖によって子孫を残す。
つまり、死んでも再出現しないって事。
生き物だから転生はするけど、24時間なんていう短期転生は無いらしい。
仮に再出現タイプだとしてもその際に記憶が失われるからお別れになっちゃうのは同じだ。
そう思ったらちょっと寂しくなって、腕の中に納まってる1匹をハグして愛でておいた。
ウサギがスリスリからのほっぺチューしてきて、メンタル200%回復したよ。
この白いモフモフは素晴らしい癒しだ。
それから、床に転がって動かない巨大ヘビを、掃除用具入れから取り出したホウキの柄でつついてみた。
ツンッ、シーン。
ツンツンッ、シーン。
ツンツンツンッ、シーン。
うん、完全に沈黙しているようだ。
「イオ君、それ研究棟へ運んでもらえるかい?」
「はーい」
ロッサ先生に頼まれたので、お亡くなりになったヘビを異空間倉庫に収納した。
動植物学部の研究棟は、飼育棟の隣にある。
普通の魔物なら解体して食べたり素材にしたりするけど、このヘビはこの辺りの生物ではないらしい。
研究棟で調べてみる必要があるとロッサ先生は言う。
先生や動植物学部の生徒たちと一緒に、俺とモチは研究棟へ向かった。
校舎の隣にある飼育棟の前まで来ると、人が群がっているのが見えた。
風神の息吹をOFFにして通常速度に戻った俺は、そこにいたモチに声をかけてみた。
「校内にヘビが出たって、ここ?」
「お、おう」
振り返ったモチは真顔で鼻の穴開いてる。
ヘビの出現に動揺してるのかと思ったんだけど……
「出たけど、ウサギたちに返り討ちにされて転がってる」
「……へ?」
……違った。
「飼育棟にヘビが出た! って聞いて俺もダッシュで駆け付けたんだけどさ……」
「うん」
「……着いた時には、ウサギに巨大ヘビがボコられてるところだったんだ」
「ウサギつえーな!!!」
心配しなくて良かったみたいな?
夢幻ウサギ、ダンジョンでは逃げるばかりで攻撃なんてしてこなかったけど。
やればメチャ強い子たちなのか。
とりあえず俺だけ飼育棟の中に入ったら、ウサギたちがサッと駆け寄ってきた。
地球のウサギと同じで声帯が退化しているみたいで、鳴き声は出さないけど。
怖かったよぅ~
って言いた気なウルウルした目で見上げてくる。
君ら、それ返り討ちにしたやろ。ってツッコミたい気持ちでいっぱいだ。
「よしよし、怖かったね~、よく頑張ったね~」
とりあえずナデナデしてあげたよ。
ウサギたちは撫でてもらうのが大好きだから、我も我もと周囲でひしめきあう。
背中の翼をパタパタさせて浮かび上がり、抱っこして~と腕にスッポリ収まる子もいた。
意外な強さに驚きだけど、無事で良かった。
禁書情報によれば、夢幻タイプの魔物は森の生き物と同じで繁殖によって子孫を残す。
つまり、死んでも再出現しないって事。
生き物だから転生はするけど、24時間なんていう短期転生は無いらしい。
仮に再出現タイプだとしてもその際に記憶が失われるからお別れになっちゃうのは同じだ。
そう思ったらちょっと寂しくなって、腕の中に納まってる1匹をハグして愛でておいた。
ウサギがスリスリからのほっぺチューしてきて、メンタル200%回復したよ。
この白いモフモフは素晴らしい癒しだ。
それから、床に転がって動かない巨大ヘビを、掃除用具入れから取り出したホウキの柄でつついてみた。
ツンッ、シーン。
ツンツンッ、シーン。
ツンツンツンッ、シーン。
うん、完全に沈黙しているようだ。
「イオ君、それ研究棟へ運んでもらえるかい?」
「はーい」
ロッサ先生に頼まれたので、お亡くなりになったヘビを異空間倉庫に収納した。
動植物学部の研究棟は、飼育棟の隣にある。
普通の魔物なら解体して食べたり素材にしたりするけど、このヘビはこの辺りの生物ではないらしい。
研究棟で調べてみる必要があるとロッサ先生は言う。
先生や動植物学部の生徒たちと一緒に、俺とモチは研究棟へ向かった。
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