76 / 89
第75話:長くてニョロニョロしたのは嫌い
しおりを挟む
女子寮エリア。
2階の男子寮エリアとは階段で繋がってるけど、男子は基本的に近寄らない。
別に禁止はされてないけど、入ってはいけないようなオーラを感じると誰かが言ってた。
俺とモチは談話室くらいは行くけどね。
そんな女子寮の廊下に、男女入り混じって人が群がってる。
集団からちょっと離れた位置にワープした俺。
モチも来てたので声をかけてみた。
「女子寮にヘビが出たって?」
「お、おう」
モチが鼻の穴広げて真顔で言う。
この展開、もしかして……
「リユちゃんの部屋に出たんだけど……」
「えっ?!」
「……パニックになったリユちゃんがボコり倒した」
「………」
……あ、やっぱり。
妹の部屋に出たと聞いて一瞬焦ったけど。
「リユちゃん泣いてるから、なぐさめてあげて~」
部屋の中からヒョッコリ顔を出して、カジュちゃんが言った。
「リユ、大丈夫?」
呼びかけて部屋に入ってみる。
「うえぇ~ん! おにいちゃぁん!」
抱きついてくる妹の背後、巨大ヘビが転がってる。
「こわかったよぉぉぉ~!」
リユ、号泣してるけど、君それ倒してるやん。ってツッコミは心の中だけにしておこう。
妹はヘビが大の苦手だ。
幼い頃に1回噛まれた事があって、トラウマになってる。
長くてニョロニョロしたのは嫌い! って言って動物園ではヘビエリアへ行くのを拒否するくらいだ。
なのに巨大ヘビなんか出たら、そりゃあもうパニックだったろう。
とりあえず、ウサギと同じくナデナデしておこう。
俺がリユをなぐさめてる間に、モチが掃除用具入れからホウキを出して、ヘビの方へ歩いてゆく。
ツンッ、シーン。
ツンツンッ、シーン。
ツンツンツンッ、シーン。
「目標は、完全に沈黙しました」
ヘビをつついてみたホウキ片手に、ドヤ顔のモチ。
それ言いたかったから確認に行ったな?
「モチ、それ収納して研究棟に持ってって」
「OK」
近くにいるついでに、モチの異空間倉庫に収納してもらって、ヘビ撤去完了!
これでリユも落ち着くかな。
「ほらリユ、アレはもう片付けたよ」
落ち着かせる為に言ってみた。
「じゃ、ロッサ先生んとこ行ってくる」
「モチ、片付けてくれてありがとう~」
ヘビを収納後、部屋を出て行くモチを、ホッとした様子でリユが見送る。
この部屋に侵入したヘビは、一体何を狙ったんだろう?
これまでは鳥とかウサギとか、捕食するものがいるところに現れてたけど。
「リユ、この部屋で鳥とかウサギとか、飼ってる?」
「うん」
聞いてみたら、リユは机の引き出しを開けて見せてくれた。
「ピヨッ?」
ヒョッコリ出てくる、水色のヒヨコ。
夜店みたいな着色したものじゃなく、自然な生まれつきの水色ヒヨコだ。
「ピヨちゃん。春の森で小鳥たちにパンあげてたらタマゴもらったの」
「ピヨピヨピヨ」
リユの姿を見た途端、水色ヒヨコが口開けて羽根をプルプル震わせ始めた。
メシくれアピールだ。
「もらった……?」
「手の上でパン食べ終わった後、タマゴ産んで帰ってったの。お礼かな?」
ってリユは言ってるけど。
お礼というより、子育て押し付けられたんじゃなかろーか。
でもこんな小さいもの、なんで巨大ヘビが狙ったんだろう?
食べるとこ少ないよね?
2階の男子寮エリアとは階段で繋がってるけど、男子は基本的に近寄らない。
別に禁止はされてないけど、入ってはいけないようなオーラを感じると誰かが言ってた。
俺とモチは談話室くらいは行くけどね。
そんな女子寮の廊下に、男女入り混じって人が群がってる。
集団からちょっと離れた位置にワープした俺。
モチも来てたので声をかけてみた。
「女子寮にヘビが出たって?」
「お、おう」
モチが鼻の穴広げて真顔で言う。
この展開、もしかして……
「リユちゃんの部屋に出たんだけど……」
「えっ?!」
「……パニックになったリユちゃんがボコり倒した」
「………」
……あ、やっぱり。
妹の部屋に出たと聞いて一瞬焦ったけど。
「リユちゃん泣いてるから、なぐさめてあげて~」
部屋の中からヒョッコリ顔を出して、カジュちゃんが言った。
「リユ、大丈夫?」
呼びかけて部屋に入ってみる。
「うえぇ~ん! おにいちゃぁん!」
抱きついてくる妹の背後、巨大ヘビが転がってる。
「こわかったよぉぉぉ~!」
リユ、号泣してるけど、君それ倒してるやん。ってツッコミは心の中だけにしておこう。
妹はヘビが大の苦手だ。
幼い頃に1回噛まれた事があって、トラウマになってる。
長くてニョロニョロしたのは嫌い! って言って動物園ではヘビエリアへ行くのを拒否するくらいだ。
なのに巨大ヘビなんか出たら、そりゃあもうパニックだったろう。
とりあえず、ウサギと同じくナデナデしておこう。
俺がリユをなぐさめてる間に、モチが掃除用具入れからホウキを出して、ヘビの方へ歩いてゆく。
ツンッ、シーン。
ツンツンッ、シーン。
ツンツンツンッ、シーン。
「目標は、完全に沈黙しました」
ヘビをつついてみたホウキ片手に、ドヤ顔のモチ。
それ言いたかったから確認に行ったな?
「モチ、それ収納して研究棟に持ってって」
「OK」
近くにいるついでに、モチの異空間倉庫に収納してもらって、ヘビ撤去完了!
これでリユも落ち着くかな。
「ほらリユ、アレはもう片付けたよ」
落ち着かせる為に言ってみた。
「じゃ、ロッサ先生んとこ行ってくる」
「モチ、片付けてくれてありがとう~」
ヘビを収納後、部屋を出て行くモチを、ホッとした様子でリユが見送る。
この部屋に侵入したヘビは、一体何を狙ったんだろう?
これまでは鳥とかウサギとか、捕食するものがいるところに現れてたけど。
「リユ、この部屋で鳥とかウサギとか、飼ってる?」
「うん」
聞いてみたら、リユは机の引き出しを開けて見せてくれた。
「ピヨッ?」
ヒョッコリ出てくる、水色のヒヨコ。
夜店みたいな着色したものじゃなく、自然な生まれつきの水色ヒヨコだ。
「ピヨちゃん。春の森で小鳥たちにパンあげてたらタマゴもらったの」
「ピヨピヨピヨ」
リユの姿を見た途端、水色ヒヨコが口開けて羽根をプルプル震わせ始めた。
メシくれアピールだ。
「もらった……?」
「手の上でパン食べ終わった後、タマゴ産んで帰ってったの。お礼かな?」
ってリユは言ってるけど。
お礼というより、子育て押し付けられたんじゃなかろーか。
でもこんな小さいもの、なんで巨大ヘビが狙ったんだろう?
食べるとこ少ないよね?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる