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なんでこの映画に都市伝説が!?
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どうも、毎年『Fate』の年末特番をアベマTVで見ながら年を越すのが通例となっている筆者です。
昨年のは『Fate/strange Fake』に合わせてアメリカ感マシマシの謎番組でしたね。
しかも、福袋や新年実装鯖といった『FGO』の重要な情報は別番組の体を取って急にカノウさんとマフィア梶田さんが出てくるという。
年が明ける前にそれも終わり、アベマでは直後に映画『パプリカ』が始まったので続けて見ました。
でも本題は『Fate』でも『パプリカ』でもないんですよね。
これ『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』についての記事なんですよ。
アベマTVで年末年始にかけて、クレヨンしんちゃんの映画が大量に無料配信されていたんですよね。
この記事が公開されている頃には『天カス学園』の無料公開期限は過ぎていると思うので、詳細な期限は調べずに続けさせてもらいます。
(いやぁ、筆者がその無料配信を発見したときには既に『オトナ帝国』など有料になっていた映画もありましたね。元からかどうかは、調べる意味がないので調べませんけど)
この映画は疎遠になったネットの友人から「面白い」と聞いていたので観たかったのだが、アマプラの無料期間に視聴しそこねたのでそれっきりになっていた。無料期間を逃したら、また別の無料配信まで粘りたいじゃないですか。
そうでもない? そう……
映画のあらすじとしては、
風間くんが一念発起、「私立天下統一カスカベ学園」というエリート学園にカスカベ防衛隊(風間くん、しんちゃん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃん)の5人で体験入学を申し込んだ。
なんとこの体験入学、一週間の期間内に良い成績を残すと特待生として天カス学園に入学させてもらえる特典つきだ。
幼稚園児5人の体験入学に、生徒会長で中等部の阿月チシオがサポート役についてくれて学内の案内や生活に付き添う。
(天カス学園は全寮制なので幼稚園児5人に寮生活も体験させている)
エリートの育成を目的とする学園では、AIのオツムンに寮の室内とトイレ以外は監視されている。
なぜか。在校生のエリート度合いを判定するためだ。
エリートらしい行いにはポイントを付与し、エリートらしからぬ行いは罰としてポイントを没収するためだ。
このポイントにより、クラス分けと食事のランク分けがなされる。
(えぐいマイナスポイントでも、強制退学にならない。だから昭和の不良みたいなのもいる)
ハイテクなシステムを擁する天カス学園だが、それに似つかわしくない怪談があった。
なんと、敷地内の古い時計塔には吸血鬼ならぬ吸ケツ鬼が出没するという。
吸ケツ鬼に尻を吸われた者は、おバカになってしまうのだ。
怪談とはいうが実際に被害者が大量に存在しており、彼らは専用の部屋で幼稚に振る舞っている。
特待生を目指し、風間くんは意識高く生活するのだが他の4人はそんなこと知ったこっちゃない。
寮での自主学習をする風間くんをよそに、みんなは連日枕投げに興じる。
昼は昼で、しんのすけのおバカな振る舞いを止めようとして、いつも風間くんまで器物損壊などのやらかしに巻き込まれる。
そのせいでエリートらしからぬとオツムンに判定されて、しんのすけと一緒にエリートポイントをゴリゴリ減らされてしまう風間くん。
風間くんが一人になったタイミングでオツムンが現れ、「エリートに近道はないが、裏道はある」と囁く。
その夜、風間くんはしんのすけに対して癇癪を起し、ケンカに発展。なんと2人は絶交宣言をしてしまう。
深夜、風間くんは寮を抜け出しオツムンに「裏道」を教えてくれと頼むのだった。
しんのすけ以下4人が風間くんの不在に気付いたタイミングで、鳴らないはずの時計塔の鐘が鳴る。
彼らは風間くんの危機を察知、時計塔まで走った。
最上階に到達すると、そこにはパンツごしに尻を何者かに噛まれた風間くんが倒れていた。
翌日、目覚めた風間くんはしんのすけを戯画化したかのようなおバカな振る舞いをするようになっていた。
生徒会長のチシオとしんのすけたちの5人は、カスカベ探偵倶楽部を結成。
吸ケツ鬼事件の謎に迫るべく、探偵活動を開始するのだった。
手掛かりは、風間くんの倒れていた側に書かれていた「33」のメッセージ。
鉄仮面の番長、学園ナンバーツーの成績のギャル、学内の森で暮らす生物好きの女子、学園トップ、オツムンに教職の立場を奪われ添え物と化した先生、学園長、さらにはマラソンでかつてはトップエリートのクラスにいたチシオまで、怪しい人物には枚挙にいとまがない。
一体、吸ケツ鬼の正体は誰なのか、その目的は何なのか、そして風間くんは元に戻るのか……!
あらすじおわり。
以下、ネタバレありの解説を行う。
まだ映画を見てない人は、見てから読むことをおすすめする。
吸ケツ鬼の正体にも言及しているからな。
クレヨンしんちゃんなのに学園青春ミステリという異色作なのだが、筆者が驚いたのは散りばめられた都市伝説要素だ。
あらすじにも出した33といえば、某自由な石工の団体の最高位階の数字と一致する。
参考:『ディズニーランドの都市伝説【クラブ33】』
https://www.youtube.com/watch?v=iLS0d4zjv0g
(都市伝説・陰謀論チャンネル666様)
位階32だという人は、たまにYoutube番組にゲストとしてやってきたりするが、最高位階は33である。
ウォルトがディズニーランド建設の資金調達のために~と動画で語られているが、3は創造を意味する数字なのでぴったりだろう。
『天カス学園』の「33」は創造と関連する。
風間くんの残したメッセージ「33」は吸ケツ鬼の正体、その人が眼鏡を外した際の目を意味していた。
眼鏡を外した人間の目、その漫画的処理の「33」だったと判明する。
スーパーエリートを創造するマシンを開発した学園トップ、サスガくんの目である。
目……つまりプロヴィデンスの目だな!?
ちなみに6=維持、9=破壊である。
「3,6,9はどう足し算掛け算しても、3,6,9以外にならない」的なのは都市伝説の入門として面白いし、奥深いから調べてみて欲しい。
6+6+6=18 1+8=9
3×8=24 2+4=6
6×12=72 7+2=9
みたいなやつだ。
3=創造=GENERATOR
6=維持=OPERATOR
9=破壊=DESTROYER
吸ケツ鬼も重要だ。
学園に出没するという、怪談になっていることも重要だ。
その被害者たちは、子供だからだ。
吸血鬼といえば、不死者の代名詞だ。
他にも「吸血鬼は処女の生き血を好む」だとかなんとなく「貴族のイメージがセット」みたいな特徴もある。
2024年初頭、エプスタイン島に関する記録が公にされたことは都市伝説に興味のある向きなら記憶に新……なんとか思い出して! ほら、あったでしょ!
後半にも、ディディ事件とかあったじゃん!
それぞれ子供にいけないことをする島、秘密クラブだ。
吸血鬼ものでいう「処女」とは子供の言い換えであろう。
ごったにに投稿されている『Locust』にもあるように、生き血や貴族のイメージはエリザベート・バートリー(『吸血鬼カーミラ』のモデル)が若返りのために処女の生き血の風呂に浸かったこととも関連するだろう。
貴族とは、現代にもそれは存在するが広義的にはセレヴも含まれる。
セレヴらが若さを保つために、恐怖を与えられた子供が分泌するものを摂取している。
都市伝説界隈では有名な話だが、これは現代の吸血鬼譚といっても過言ではあるまい。
じゃあ、ケツはなんだって?
被害者が女の子だけに留まらないことの暗喩、そして腸が第2の脳と呼ばれる説からの連想をクレヨンしんちゃん的なギャグにカモフラージュしているんだと筆者は考えている。
サスガの開発したマシンから伸びる、牙のついたラバーカップが吸ケツ鬼の噛み跡の正体だった。
生徒たちの成績がなかなか上がらずに悩む学園長から八つ当たりされたオツムンが、サスガを利用して作らせたマシン。
入出力がどうも曖昧だが、尻に器具を刺すことで脳レベルや思考を分析する描写があった。
こんなギャグを真面目に考察するのも我ながらどうかしているが、腸=第2の脳説があるなら考察の余地ができてしまう。
つまり牙つきラバーカップは、尻に固定することで腸をアナライズして対象の知性を分析、吸収(ギャグだから!)することで人間をスーパーエリートにしようとするマシンだったと考察できる。
なお、スーパーエリートにするデータはしんのすけの脳(を分析しているかのようなモニターだが実際は腸だろう)を分析した後に完成した、ような描写がある。
おバカにされる(どうなるんだ一体)寸前で、それはおバカになった風間くんに装着されてしまい、直後に風間くんはスーパーエリートに覚醒する。めちゃくちゃ皮肉を利かせているなぁ。まあ、笑いを取るには頭がいるんですけど。
機械で天才を作るってのは、なんだろう、おバカ状態を催眠下と強引に解釈して無理矢理MKウルトラに繋げられんこともないんじゃないですかね。MKウルトラは、『時計仕掛けのオレンジ』で捕まった主人公が矯正施設で拘束されて目を強制的に開かされてプログラム映像を見せられる、あの場面もそうだっていうから……その解釈でよくね?
エリートと言えば聞こえはいいけども、エリートですらもより上位の者の駒……になるところから始まるわけですからね。
「これを勉強しなさい」「支配者の望む姿に忠実でありなさい」みたいな課題で、期待以上の成績を収めるのがエリートでしょ?
そこからいかにその思想を継承・体現していくかで上り詰めたスーパーエリートが、次の支配者を継ぐわけじゃん。
エリートに自由はないんだよ……理屈からすればね?
だから自由を体現するしんのすけからデータを取って、「スーパーエリート」のデータが完成するのはかなり見る側へのメッセージなんよな。
臼井義人先生の原作(をアニメ化したものだろう)のエピソードで、新年に「頭が良くなりたい」という旨の願いを込めて凧あげする風間くんにしんのすけが「本当に頭のいい人はそんな願い事はしないゾ」的な本質を突くツッコミをしたものがあったっけなぁ。
あっ、流れ弾を食らった人いますか? ごめんなさいね~?
他は……AIオツムンによってポイントを採点されてそれで待遇が変化する、ディストピア監視社会とかもそう、とか?
この天カス学園と似たような設定のラノベ(アニメ何期かある)が人気あるってのが、筆者にとっては不気味で仕方なかったんよなぁ。
別作品だし、それはいいとして。
AIが授業を行って、生身の教師はテスト問題ですら作らせてもらえない。
これはもう天カス学園が全寮制なことも合わせて考えるに、人工授精で生まれた子供を政府が一括管理・教育する構想を言ってるんでしょうかね。そんなの、もはや人間牧場だと思うんですが。
終盤、スーパーエリートになった風間くんが全校生徒をスーパーエリートにする計画を明らかにするが、しんのすけはそれを阻止するために勝負を挑む。
風間くんが勝てば体験入学組含む全校生徒スーパーエリート化、しんのすけが勝てば風間くんは「子供っぽい」カスカベ防衛隊に復帰する。それが勝負の条件だ。
ルールは、マラソン勝負でどっちがゴールにある焼きそばパンを先にゲットできるかに決まる。
「同じ5歳児」と高をくくるネネちゃんに対し、オツムンが風間くんにサイボーグボディを提供。
絶望的な戦力差があることを、見せつける。
機械と身体の融合、という面ではこれがトランスヒューマニズムと考えられなくもない。
マラソン勝負でオツムンはAIとして、何をしてでも勝つことがスーパーエリートと説いて、反則の限りを尽くす。
これも機械の身体を手に入れて便利になったとしても、デジタル制御やAI制御であるならば使用者の意図に反したことをする可能性が十二分にある、という警告だと筆者には思えた。
機械の身体にならなくても、たとえば自動車の自動運転に誰かが外部から干渉できるとしたら?
「自衛のため」と急速に普及したドライブレコーダーの映像を、AIが運転者に都合の悪いよう改変するとしたら?
想像しただけでも恐ろしいことではないか?
え?
勝ったのは、どっちだって?
それは、自分の目で確かめてくれ。
勝敗の結果や物語の結末に、都市伝説要素はないからな。
いやー、なんでこの映画に都市伝説要素モリモリなんですかね?
筆者がそういうの小説に入れるときは「好きだから」「ネタとして使えるから」「マジやべぇと思ってるから(警鐘)」とかなんですけど。
だからこの映画も、学園青春ミステリ+SFなのかもしれませんね。
昨年のは『Fate/strange Fake』に合わせてアメリカ感マシマシの謎番組でしたね。
しかも、福袋や新年実装鯖といった『FGO』の重要な情報は別番組の体を取って急にカノウさんとマフィア梶田さんが出てくるという。
年が明ける前にそれも終わり、アベマでは直後に映画『パプリカ』が始まったので続けて見ました。
でも本題は『Fate』でも『パプリカ』でもないんですよね。
これ『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』についての記事なんですよ。
アベマTVで年末年始にかけて、クレヨンしんちゃんの映画が大量に無料配信されていたんですよね。
この記事が公開されている頃には『天カス学園』の無料公開期限は過ぎていると思うので、詳細な期限は調べずに続けさせてもらいます。
(いやぁ、筆者がその無料配信を発見したときには既に『オトナ帝国』など有料になっていた映画もありましたね。元からかどうかは、調べる意味がないので調べませんけど)
この映画は疎遠になったネットの友人から「面白い」と聞いていたので観たかったのだが、アマプラの無料期間に視聴しそこねたのでそれっきりになっていた。無料期間を逃したら、また別の無料配信まで粘りたいじゃないですか。
そうでもない? そう……
映画のあらすじとしては、
風間くんが一念発起、「私立天下統一カスカベ学園」というエリート学園にカスカベ防衛隊(風間くん、しんちゃん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃん)の5人で体験入学を申し込んだ。
なんとこの体験入学、一週間の期間内に良い成績を残すと特待生として天カス学園に入学させてもらえる特典つきだ。
幼稚園児5人の体験入学に、生徒会長で中等部の阿月チシオがサポート役についてくれて学内の案内や生活に付き添う。
(天カス学園は全寮制なので幼稚園児5人に寮生活も体験させている)
エリートの育成を目的とする学園では、AIのオツムンに寮の室内とトイレ以外は監視されている。
なぜか。在校生のエリート度合いを判定するためだ。
エリートらしい行いにはポイントを付与し、エリートらしからぬ行いは罰としてポイントを没収するためだ。
このポイントにより、クラス分けと食事のランク分けがなされる。
(えぐいマイナスポイントでも、強制退学にならない。だから昭和の不良みたいなのもいる)
ハイテクなシステムを擁する天カス学園だが、それに似つかわしくない怪談があった。
なんと、敷地内の古い時計塔には吸血鬼ならぬ吸ケツ鬼が出没するという。
吸ケツ鬼に尻を吸われた者は、おバカになってしまうのだ。
怪談とはいうが実際に被害者が大量に存在しており、彼らは専用の部屋で幼稚に振る舞っている。
特待生を目指し、風間くんは意識高く生活するのだが他の4人はそんなこと知ったこっちゃない。
寮での自主学習をする風間くんをよそに、みんなは連日枕投げに興じる。
昼は昼で、しんのすけのおバカな振る舞いを止めようとして、いつも風間くんまで器物損壊などのやらかしに巻き込まれる。
そのせいでエリートらしからぬとオツムンに判定されて、しんのすけと一緒にエリートポイントをゴリゴリ減らされてしまう風間くん。
風間くんが一人になったタイミングでオツムンが現れ、「エリートに近道はないが、裏道はある」と囁く。
その夜、風間くんはしんのすけに対して癇癪を起し、ケンカに発展。なんと2人は絶交宣言をしてしまう。
深夜、風間くんは寮を抜け出しオツムンに「裏道」を教えてくれと頼むのだった。
しんのすけ以下4人が風間くんの不在に気付いたタイミングで、鳴らないはずの時計塔の鐘が鳴る。
彼らは風間くんの危機を察知、時計塔まで走った。
最上階に到達すると、そこにはパンツごしに尻を何者かに噛まれた風間くんが倒れていた。
翌日、目覚めた風間くんはしんのすけを戯画化したかのようなおバカな振る舞いをするようになっていた。
生徒会長のチシオとしんのすけたちの5人は、カスカベ探偵倶楽部を結成。
吸ケツ鬼事件の謎に迫るべく、探偵活動を開始するのだった。
手掛かりは、風間くんの倒れていた側に書かれていた「33」のメッセージ。
鉄仮面の番長、学園ナンバーツーの成績のギャル、学内の森で暮らす生物好きの女子、学園トップ、オツムンに教職の立場を奪われ添え物と化した先生、学園長、さらにはマラソンでかつてはトップエリートのクラスにいたチシオまで、怪しい人物には枚挙にいとまがない。
一体、吸ケツ鬼の正体は誰なのか、その目的は何なのか、そして風間くんは元に戻るのか……!
あらすじおわり。
以下、ネタバレありの解説を行う。
まだ映画を見てない人は、見てから読むことをおすすめする。
吸ケツ鬼の正体にも言及しているからな。
クレヨンしんちゃんなのに学園青春ミステリという異色作なのだが、筆者が驚いたのは散りばめられた都市伝説要素だ。
あらすじにも出した33といえば、某自由な石工の団体の最高位階の数字と一致する。
参考:『ディズニーランドの都市伝説【クラブ33】』
https://www.youtube.com/watch?v=iLS0d4zjv0g
(都市伝説・陰謀論チャンネル666様)
位階32だという人は、たまにYoutube番組にゲストとしてやってきたりするが、最高位階は33である。
ウォルトがディズニーランド建設の資金調達のために~と動画で語られているが、3は創造を意味する数字なのでぴったりだろう。
『天カス学園』の「33」は創造と関連する。
風間くんの残したメッセージ「33」は吸ケツ鬼の正体、その人が眼鏡を外した際の目を意味していた。
眼鏡を外した人間の目、その漫画的処理の「33」だったと判明する。
スーパーエリートを創造するマシンを開発した学園トップ、サスガくんの目である。
目……つまりプロヴィデンスの目だな!?
ちなみに6=維持、9=破壊である。
「3,6,9はどう足し算掛け算しても、3,6,9以外にならない」的なのは都市伝説の入門として面白いし、奥深いから調べてみて欲しい。
6+6+6=18 1+8=9
3×8=24 2+4=6
6×12=72 7+2=9
みたいなやつだ。
3=創造=GENERATOR
6=維持=OPERATOR
9=破壊=DESTROYER
吸ケツ鬼も重要だ。
学園に出没するという、怪談になっていることも重要だ。
その被害者たちは、子供だからだ。
吸血鬼といえば、不死者の代名詞だ。
他にも「吸血鬼は処女の生き血を好む」だとかなんとなく「貴族のイメージがセット」みたいな特徴もある。
2024年初頭、エプスタイン島に関する記録が公にされたことは都市伝説に興味のある向きなら記憶に新……なんとか思い出して! ほら、あったでしょ!
後半にも、ディディ事件とかあったじゃん!
それぞれ子供にいけないことをする島、秘密クラブだ。
吸血鬼ものでいう「処女」とは子供の言い換えであろう。
ごったにに投稿されている『Locust』にもあるように、生き血や貴族のイメージはエリザベート・バートリー(『吸血鬼カーミラ』のモデル)が若返りのために処女の生き血の風呂に浸かったこととも関連するだろう。
貴族とは、現代にもそれは存在するが広義的にはセレヴも含まれる。
セレヴらが若さを保つために、恐怖を与えられた子供が分泌するものを摂取している。
都市伝説界隈では有名な話だが、これは現代の吸血鬼譚といっても過言ではあるまい。
じゃあ、ケツはなんだって?
被害者が女の子だけに留まらないことの暗喩、そして腸が第2の脳と呼ばれる説からの連想をクレヨンしんちゃん的なギャグにカモフラージュしているんだと筆者は考えている。
サスガの開発したマシンから伸びる、牙のついたラバーカップが吸ケツ鬼の噛み跡の正体だった。
生徒たちの成績がなかなか上がらずに悩む学園長から八つ当たりされたオツムンが、サスガを利用して作らせたマシン。
入出力がどうも曖昧だが、尻に器具を刺すことで脳レベルや思考を分析する描写があった。
こんなギャグを真面目に考察するのも我ながらどうかしているが、腸=第2の脳説があるなら考察の余地ができてしまう。
つまり牙つきラバーカップは、尻に固定することで腸をアナライズして対象の知性を分析、吸収(ギャグだから!)することで人間をスーパーエリートにしようとするマシンだったと考察できる。
なお、スーパーエリートにするデータはしんのすけの脳(を分析しているかのようなモニターだが実際は腸だろう)を分析した後に完成した、ような描写がある。
おバカにされる(どうなるんだ一体)寸前で、それはおバカになった風間くんに装着されてしまい、直後に風間くんはスーパーエリートに覚醒する。めちゃくちゃ皮肉を利かせているなぁ。まあ、笑いを取るには頭がいるんですけど。
機械で天才を作るってのは、なんだろう、おバカ状態を催眠下と強引に解釈して無理矢理MKウルトラに繋げられんこともないんじゃないですかね。MKウルトラは、『時計仕掛けのオレンジ』で捕まった主人公が矯正施設で拘束されて目を強制的に開かされてプログラム映像を見せられる、あの場面もそうだっていうから……その解釈でよくね?
エリートと言えば聞こえはいいけども、エリートですらもより上位の者の駒……になるところから始まるわけですからね。
「これを勉強しなさい」「支配者の望む姿に忠実でありなさい」みたいな課題で、期待以上の成績を収めるのがエリートでしょ?
そこからいかにその思想を継承・体現していくかで上り詰めたスーパーエリートが、次の支配者を継ぐわけじゃん。
エリートに自由はないんだよ……理屈からすればね?
だから自由を体現するしんのすけからデータを取って、「スーパーエリート」のデータが完成するのはかなり見る側へのメッセージなんよな。
臼井義人先生の原作(をアニメ化したものだろう)のエピソードで、新年に「頭が良くなりたい」という旨の願いを込めて凧あげする風間くんにしんのすけが「本当に頭のいい人はそんな願い事はしないゾ」的な本質を突くツッコミをしたものがあったっけなぁ。
あっ、流れ弾を食らった人いますか? ごめんなさいね~?
他は……AIオツムンによってポイントを採点されてそれで待遇が変化する、ディストピア監視社会とかもそう、とか?
この天カス学園と似たような設定のラノベ(アニメ何期かある)が人気あるってのが、筆者にとっては不気味で仕方なかったんよなぁ。
別作品だし、それはいいとして。
AIが授業を行って、生身の教師はテスト問題ですら作らせてもらえない。
これはもう天カス学園が全寮制なことも合わせて考えるに、人工授精で生まれた子供を政府が一括管理・教育する構想を言ってるんでしょうかね。そんなの、もはや人間牧場だと思うんですが。
終盤、スーパーエリートになった風間くんが全校生徒をスーパーエリートにする計画を明らかにするが、しんのすけはそれを阻止するために勝負を挑む。
風間くんが勝てば体験入学組含む全校生徒スーパーエリート化、しんのすけが勝てば風間くんは「子供っぽい」カスカベ防衛隊に復帰する。それが勝負の条件だ。
ルールは、マラソン勝負でどっちがゴールにある焼きそばパンを先にゲットできるかに決まる。
「同じ5歳児」と高をくくるネネちゃんに対し、オツムンが風間くんにサイボーグボディを提供。
絶望的な戦力差があることを、見せつける。
機械と身体の融合、という面ではこれがトランスヒューマニズムと考えられなくもない。
マラソン勝負でオツムンはAIとして、何をしてでも勝つことがスーパーエリートと説いて、反則の限りを尽くす。
これも機械の身体を手に入れて便利になったとしても、デジタル制御やAI制御であるならば使用者の意図に反したことをする可能性が十二分にある、という警告だと筆者には思えた。
機械の身体にならなくても、たとえば自動車の自動運転に誰かが外部から干渉できるとしたら?
「自衛のため」と急速に普及したドライブレコーダーの映像を、AIが運転者に都合の悪いよう改変するとしたら?
想像しただけでも恐ろしいことではないか?
え?
勝ったのは、どっちだって?
それは、自分の目で確かめてくれ。
勝敗の結果や物語の結末に、都市伝説要素はないからな。
いやー、なんでこの映画に都市伝説要素モリモリなんですかね?
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