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容赦と焦りと~君の選択と僕の決断~
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「君の祝福って、本当はかなり強いんじゃない?」
「天使様には隠し立ては出来ませんね。集中すればかなり離れた場所のひそひそ話でも聞き取ることができます。強弱も調整可能で、普段は抑えています」
「僕の力も普段は抑えてるから何となくわかるよ。扱い難しいよね」
「えぇ、幼い頃は力の調整がよくわからず、持て余していて。最近になってそれを使いこなせるようになり、恐ろしく強いものだと知りました」
「なるほど。強い祝福は幼い頃はとにかく使うなと指導を受けるものな」
時に折檻や脅しを含め、徹底させる。
僕自身も覚えのあることだし、それが当然だと今ならわかる。
「改めて家族に相談したところ、今のところは隠すべきだと言われていて、少しだけ耳が良いと偽っていました」
いわゆる準伝説級と言えるかもしれない。
真偽を判別するそれに匹敵する有用性だ。
持つ者が持てば、かなりの悪事も正義も成せる。
その割に本人は大人しく地味というのは僕自身を思えばわからなくはない。
迂闊に目立てば身の危険を及ぼす。
周りの信頼を得てはじめて認められるものだろう。
「有用ではあるが、学校で普通に過ごすには周りに知られると不味いか」
「将来についてはこれから考えようと思っていました。悪用なんてするつもりは少しもなかったのですが」
「色々気になって、つい使ってしまったんだね」
「殿下は彼女を孤立するように仕向けたいようでした。殿下自身ではなく、その取り巻きなどが何人かの生徒におかしな話を吹き込み、彼女への嫌がらせをさせたり。殿下の遊びだとか、他の方と逢瀬を重ねているという話も耳にしました」
「あまりに無防備とも言えるが、祝福は本来は弱いものが基準だからな」
伝説級というのはそこまで多いわけではないはず。
たまたまここに集まっているから錯覚するだけだ。
「私は直接何かは命じられていませんでしたが、薄々は勘づいていて。でも恐ろしくて、アンナ様とは関わらないようにしていました。だから、こうして捕まったのも天罰なのではないかと」
両手で顔を覆う。
何もしない、を選んだ彼女。
でもそれは僕も同じだ。
状況を容易に変えられる絶大な祝福。
だけど、あまりに複雑な状況に巻き込まれたくないと感じる。
自己保身や面倒くささを感じるのはどこまでも深く理解できた。
「尋問でも黙秘を?」
彼女は小さく頷く。
「祝福を改められ、弱い力と証明はしたのですが、それでもかなり追及されました」
「鑑定系の祝福もあるよね。よくごまかせたな」
「相手の力が強すぎると完全な鑑定は難しいのではないかと思います。祝福の種類こそはわかるものの、強弱の度合いまでは測れないようでした」
「力の差のようなものか。逆に言えばより上位の鑑定なら見抜かれる可能性もあるな」
そこはある程度は賭けになる。
伝説級の鑑定力の持ち主に当たれば秘匿は不可能。
僕らのような者が居る以上、どこかに存在していてもおかしくない。
「えぇ、私も死ぬ覚悟で隠しました。本来の力を知られてしまえば一族全体に何らかの危険が及ぶかもしれない」
彼女の立場と照らし合わせれば筋は通っているか。
「現状は何を口にしても家の立場を悪くするだけ、ということか」
「もう既に十分悪くなっていますけれどね」
今のところ一連の状況は僕らをギリギリ生かす方向に動いている。
それもまた女神の思し召しだろうか?
「万が一、私が処刑されてから真実が判明する可能性はあると思い、せめてそれだけはと」
その様子の痛ましさに胸が締め付けられた。
強すぎる力を持つ反面、どう生かしていいかわからない難しさ。
何かを知っていたとしても、行動が起こせるとは限らない。
持てる物を有効に使わない、と言うのは誰よりも僕に返ってくる言葉だ。
僕は断罪者ではない。
ただ救いたい者を救うだけの者だ。
「わかった。君はもう嘘はついていない。ところで、他にも容疑を向けられそうな人は居たと思うけど、なんで君が捕まったの?」
「少々騒いでおられる一団はおられました。でも、若い女性が来るなり全員のたうち回って静かになさっていて。その後、女性がすぐに全員を引っ立てて去って行かれました」
「うん。心当たりがある」
痛みを与える祝福持ちの彼女だろう。
なるほど一気に集団を制圧することも可能か。
それもまたかなり強力なものであると言える。
「アンナ様のことで騒ぎになって少し呆然としてしまい、天使がどうのと言う彼らの話す声につい気を取られ、近衛兵の方に事情聴取を」
「なるほど。やはり前に会った連中だな。君にも死罪となるほどの罪があるとは言えないと思う。どうやらその場で事情聴取を受けるのがまずいようだ。まずはそこを避けてみて」
「そうですね。確かに事件の起きた現場で呆けていたのが迂闊でした」
「出来るなら、アンナの件について、誰か頼れそうな人にそれとなく相談してみて。高い身分の知り合いは居ないよね」
「祝福の露見を恐れてあまり知り合いも作らなかったもので」
それもわかる。
なんと言うかあらゆる点で自分と重なる部分のある子だ。
「それじゃあ試しに、貴族以外に相談してみて。頼れそうな相手を」
「それ以外は何をすれば良いでしょう」
一度過去に送り、アンナを助けられないかを、と思い諦める。
この娘は確かに使えるかもしれない。
だけど、それを十分に生かす方法が今の僕には思いつかない。
「とりあえず、それだけでいい。大丈夫、ちゃんと家に帰れるよ」
「もっと何かしろとは言わないんですか? この力を使って」
何故かこの娘には強く出ることが出来ない。
他の相手には無茶なことも言えたのに。
自分と似ているからかもしれない。
何かしろと言われても、僕なら無理だ。
「無理強いはできない。色々辛かっただろう」
あるいは己の身を捧げて全力で彼女を救えと命じることもできるかもしれない。
だが、この子の場合は、途中で死にそうだ。
耳が良いだけで、それ以外はアンナとそう変わらない弱い立場。
だからこそ、無茶をさせかねない。
死体が増えるだけかもしれない、そんな予感めいたものがある。
「はい、とても辛かったです」
顔をくしゃりと歪める。
「ごめんなさい、ごめんなさい、アンナ様」
静かに泣き声を上げる彼女。
過去に送り返してすぐに、今度は男性が現れた。
何だかぼんやりとした顔で覇気がない。
「騎士見習いのルーカス。護衛の依頼を受けて現場に居て」
これまでと違い、貴族やその関係者以外が出た。
身分社会の中で貴族同士に何かをさせるのは困難。
だからこそ別の力を持つ誰かに頼るのが正解と言えた。
「当たり出た! 騎士団長にでも頼んでアンナを助けてくれ!」
食い気味に彼に頼む。
先ほど貴重な能力を持つミザリーを見逃したことから急に焦りが出てきた。
誰も彼も同情していてはキリがない。
そろそろ時間がないのだ。
もうこれ以上は、相手に感情移入はしない。用件だけを伝えよう。
「いや、自分訓練サボり気味で団長怖いんで無理」
思いっきり外れだった。
「そんなだから罪着せられるんだろ!」
八つ当たり気味に怒鳴ってしまう。
先ほどのミザリーには不思議と共感と同情が湧いたが、目の前の男に対しては少し腹が立ってしまう。頼れそうな立場の相手だと思ったからこそアテの外れた失望は大きかった。これも勝手な話ではある。
「正論で叩き伏せないで。これでも処刑前で落ち込んでるんだから」
のんびりと言われてかえって勢いが付いてしまう。
「君の祝福は!?」
「見たい夢を見られるっぽいんだけど、起きるとよく覚えてないんだよね」
「わかった、さっさとお帰りください。捕まらないよう気を付けて」
もはや真偽を確かめる必要性も感じない。
相手も囚人。
他に縋れる相手もいない。
わざわざ嘘を言う必要も本来は薄いだろう。
これを繰り返した先に何が待っているんだろう。
どうも適当に罪を着せられる相手が選ばれているようだ。
僕自身が言えたことではないが、何とも雑だ。
場当たり的に罪を着せているような有様。
共通しているのは不運であり、立場の強くない者だ。
その辺りも胸が悪くなった。
まずい、このままでは良くない。
アンナを助けなくては。本来は非情になるべきなのだ。
もう猶予は残り少なかった。
「天使様には隠し立ては出来ませんね。集中すればかなり離れた場所のひそひそ話でも聞き取ることができます。強弱も調整可能で、普段は抑えています」
「僕の力も普段は抑えてるから何となくわかるよ。扱い難しいよね」
「えぇ、幼い頃は力の調整がよくわからず、持て余していて。最近になってそれを使いこなせるようになり、恐ろしく強いものだと知りました」
「なるほど。強い祝福は幼い頃はとにかく使うなと指導を受けるものな」
時に折檻や脅しを含め、徹底させる。
僕自身も覚えのあることだし、それが当然だと今ならわかる。
「改めて家族に相談したところ、今のところは隠すべきだと言われていて、少しだけ耳が良いと偽っていました」
いわゆる準伝説級と言えるかもしれない。
真偽を判別するそれに匹敵する有用性だ。
持つ者が持てば、かなりの悪事も正義も成せる。
その割に本人は大人しく地味というのは僕自身を思えばわからなくはない。
迂闊に目立てば身の危険を及ぼす。
周りの信頼を得てはじめて認められるものだろう。
「有用ではあるが、学校で普通に過ごすには周りに知られると不味いか」
「将来についてはこれから考えようと思っていました。悪用なんてするつもりは少しもなかったのですが」
「色々気になって、つい使ってしまったんだね」
「殿下は彼女を孤立するように仕向けたいようでした。殿下自身ではなく、その取り巻きなどが何人かの生徒におかしな話を吹き込み、彼女への嫌がらせをさせたり。殿下の遊びだとか、他の方と逢瀬を重ねているという話も耳にしました」
「あまりに無防備とも言えるが、祝福は本来は弱いものが基準だからな」
伝説級というのはそこまで多いわけではないはず。
たまたまここに集まっているから錯覚するだけだ。
「私は直接何かは命じられていませんでしたが、薄々は勘づいていて。でも恐ろしくて、アンナ様とは関わらないようにしていました。だから、こうして捕まったのも天罰なのではないかと」
両手で顔を覆う。
何もしない、を選んだ彼女。
でもそれは僕も同じだ。
状況を容易に変えられる絶大な祝福。
だけど、あまりに複雑な状況に巻き込まれたくないと感じる。
自己保身や面倒くささを感じるのはどこまでも深く理解できた。
「尋問でも黙秘を?」
彼女は小さく頷く。
「祝福を改められ、弱い力と証明はしたのですが、それでもかなり追及されました」
「鑑定系の祝福もあるよね。よくごまかせたな」
「相手の力が強すぎると完全な鑑定は難しいのではないかと思います。祝福の種類こそはわかるものの、強弱の度合いまでは測れないようでした」
「力の差のようなものか。逆に言えばより上位の鑑定なら見抜かれる可能性もあるな」
そこはある程度は賭けになる。
伝説級の鑑定力の持ち主に当たれば秘匿は不可能。
僕らのような者が居る以上、どこかに存在していてもおかしくない。
「えぇ、私も死ぬ覚悟で隠しました。本来の力を知られてしまえば一族全体に何らかの危険が及ぶかもしれない」
彼女の立場と照らし合わせれば筋は通っているか。
「現状は何を口にしても家の立場を悪くするだけ、ということか」
「もう既に十分悪くなっていますけれどね」
今のところ一連の状況は僕らをギリギリ生かす方向に動いている。
それもまた女神の思し召しだろうか?
「万が一、私が処刑されてから真実が判明する可能性はあると思い、せめてそれだけはと」
その様子の痛ましさに胸が締め付けられた。
強すぎる力を持つ反面、どう生かしていいかわからない難しさ。
何かを知っていたとしても、行動が起こせるとは限らない。
持てる物を有効に使わない、と言うのは誰よりも僕に返ってくる言葉だ。
僕は断罪者ではない。
ただ救いたい者を救うだけの者だ。
「わかった。君はもう嘘はついていない。ところで、他にも容疑を向けられそうな人は居たと思うけど、なんで君が捕まったの?」
「少々騒いでおられる一団はおられました。でも、若い女性が来るなり全員のたうち回って静かになさっていて。その後、女性がすぐに全員を引っ立てて去って行かれました」
「うん。心当たりがある」
痛みを与える祝福持ちの彼女だろう。
なるほど一気に集団を制圧することも可能か。
それもまたかなり強力なものであると言える。
「アンナ様のことで騒ぎになって少し呆然としてしまい、天使がどうのと言う彼らの話す声につい気を取られ、近衛兵の方に事情聴取を」
「なるほど。やはり前に会った連中だな。君にも死罪となるほどの罪があるとは言えないと思う。どうやらその場で事情聴取を受けるのがまずいようだ。まずはそこを避けてみて」
「そうですね。確かに事件の起きた現場で呆けていたのが迂闊でした」
「出来るなら、アンナの件について、誰か頼れそうな人にそれとなく相談してみて。高い身分の知り合いは居ないよね」
「祝福の露見を恐れてあまり知り合いも作らなかったもので」
それもわかる。
なんと言うかあらゆる点で自分と重なる部分のある子だ。
「それじゃあ試しに、貴族以外に相談してみて。頼れそうな相手を」
「それ以外は何をすれば良いでしょう」
一度過去に送り、アンナを助けられないかを、と思い諦める。
この娘は確かに使えるかもしれない。
だけど、それを十分に生かす方法が今の僕には思いつかない。
「とりあえず、それだけでいい。大丈夫、ちゃんと家に帰れるよ」
「もっと何かしろとは言わないんですか? この力を使って」
何故かこの娘には強く出ることが出来ない。
他の相手には無茶なことも言えたのに。
自分と似ているからかもしれない。
何かしろと言われても、僕なら無理だ。
「無理強いはできない。色々辛かっただろう」
あるいは己の身を捧げて全力で彼女を救えと命じることもできるかもしれない。
だが、この子の場合は、途中で死にそうだ。
耳が良いだけで、それ以外はアンナとそう変わらない弱い立場。
だからこそ、無茶をさせかねない。
死体が増えるだけかもしれない、そんな予感めいたものがある。
「はい、とても辛かったです」
顔をくしゃりと歪める。
「ごめんなさい、ごめんなさい、アンナ様」
静かに泣き声を上げる彼女。
過去に送り返してすぐに、今度は男性が現れた。
何だかぼんやりとした顔で覇気がない。
「騎士見習いのルーカス。護衛の依頼を受けて現場に居て」
これまでと違い、貴族やその関係者以外が出た。
身分社会の中で貴族同士に何かをさせるのは困難。
だからこそ別の力を持つ誰かに頼るのが正解と言えた。
「当たり出た! 騎士団長にでも頼んでアンナを助けてくれ!」
食い気味に彼に頼む。
先ほど貴重な能力を持つミザリーを見逃したことから急に焦りが出てきた。
誰も彼も同情していてはキリがない。
そろそろ時間がないのだ。
もうこれ以上は、相手に感情移入はしない。用件だけを伝えよう。
「いや、自分訓練サボり気味で団長怖いんで無理」
思いっきり外れだった。
「そんなだから罪着せられるんだろ!」
八つ当たり気味に怒鳴ってしまう。
先ほどのミザリーには不思議と共感と同情が湧いたが、目の前の男に対しては少し腹が立ってしまう。頼れそうな立場の相手だと思ったからこそアテの外れた失望は大きかった。これも勝手な話ではある。
「正論で叩き伏せないで。これでも処刑前で落ち込んでるんだから」
のんびりと言われてかえって勢いが付いてしまう。
「君の祝福は!?」
「見たい夢を見られるっぽいんだけど、起きるとよく覚えてないんだよね」
「わかった、さっさとお帰りください。捕まらないよう気を付けて」
もはや真偽を確かめる必要性も感じない。
相手も囚人。
他に縋れる相手もいない。
わざわざ嘘を言う必要も本来は薄いだろう。
これを繰り返した先に何が待っているんだろう。
どうも適当に罪を着せられる相手が選ばれているようだ。
僕自身が言えたことではないが、何とも雑だ。
場当たり的に罪を着せているような有様。
共通しているのは不運であり、立場の強くない者だ。
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