蒼のタチカゼ

しゃか

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第4章 ー蒼の意思ー

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タチカゼは少しの間、何も答えなかった。パチッと火花が鳴った。


「・・・俺はさぁ、『人間』として生きていきたいんだ。どっからどう見てもニンゲンヘイキ

だけどな。だからどんな運命も受け入れられる。人間として生きるって事だけはぶれないからな!」


タチカゼは立ち上がりウーンと背伸びをした。


「逃げたければ逃げればいい、夢を追いかけたけりゃ追いかければいい!自由にすればいいさ。」


タチカゼは俺の胸の部分をコンッと軽く叩いた。


「君の答えは・・・ここが一番分かってる。だから自分に嘘だけは付くな!それでも迷うなら・・・」

「迷うなら?」

「お前の夢、一度俺に預けてくれないか?俺がヒーローになってイド帝国をぶっ潰してやるぜ!!」

「あ・・・」


俺は言葉が出なかった・・・。


「ま、じっくり考えるといいさ!さてと・・・」


タチカゼはそのまま荷物を背負った。


「もう行かれるんですか!?」

「ああ、任務の途中で抜けてきたからな。早く戻らないと・・・うちのグループは最強のお嬢がいるから急がないと・・・」


冗談なのか本気なのか、タチカゼは少し顔を青くしながら俺に手を振って村を後にした。


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俺はタチカゼが去った後もたき火の前に座っていた。

そして自分の胸に手を当てる

「自分のここが答えは知っている・・・俺は・・・」


その時だった。組み木が崩れ、何か黒い影がたき火の中から飛び出て来た・・・肌が真っ黒に焦げ付いた2体のニンゲンヘイキだった。

俺の胸が急激に締め付けられる。息も苦しい。みんなと逃げるか!?

その時、ふと自分の胸に手を置いてみた・・・そうだよな、答えはもう出てたんだ。

それに・・・俺の夢はあの人に預けた!

ここには自警団員は俺しかいない!傍らに剣を置いていた自分に感謝した。

周りの村人に叫ぶ!!


「皆、逃げろ!自警団のメンバーを呼んで来てくれ!!」


俺はニンゲンヘイキ2体に向けて正眼の構えを取った。多分自警団のみんなが来るまでもたないかもしれないな・・・。それでも!!


「さあ、来いよ!黒焦げ野郎!!」


俺は大地を思いっきり蹴った。



今日は死ぬにはいい夜だ。

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