9 / 32
第7章 ーその食卓は、蒼い炎に照らされてー
しおりを挟む
タチカゼは脇に立てかけてある大剣をポンポンと手で叩いた。
覚醒者は戦闘態勢を崩さないまま、歯軋りをする。
「しかしお前スゲーな!俺と同じくらいの背しかないのに、よくこんな大剣ブンブン振り回せるなぁ」
「お前達は誰だ!?」覚醒者が問う。
「俺達は蒼の風、対イド帝国ニンゲンヘイキ迎撃特務部隊だ。戦闘の他にお前みたいな覚醒者の保護を主な任務としてる」タチカゼは説明した。
「覚醒者・・・?」その覚醒者は呟く。
「ま、お前の敵じゃないから!取り合えず落ち着け!な?」
タチカゼは子供に諭す様に優しい声で話しかけた。
それを聞いて納得したのか、取り合えず戦闘態勢を時その場に座り込んだ。
フゥーとタチカゼは一息ついた。
「さて、どこから話したものか・・・ニンゲンヘイキだった時の記憶も朧気ながらあるだろ?」
「ああ、断片的ではあるが・・・」
その時、覚醒者を軽い眩暈が襲った。咄嗟とっさに右手を付き体を支える。
「おいおい、大丈夫かよ!?」
「大丈夫だ、少しダメージを負い過ぎたようだ・・・」
と、ズボンの後ろのポケットからカプセル型の注射機を取り出し右腕に刺そうとする。
「ちょちょちょ!待て待て待て!何してんの!?」タチカゼが慌てて止める。
「何って・・・栄養補給剤を打つんだ。消費したエネルギーを補わなければならない。
お前達もやっているだろう?ニンゲンヘイキには必要なものだ。」
「かあぁぁぁ―――――――――!!」
とタチカゼは大げさに頭を抱えた。
「いいか!お前はそのニンゲンヘイキって呪縛から解放されたんだよ!!そんなもん、もう打つ必要はないんだっての!!!」
「じゃあお前達はどうやってエネルギーを補給しているんだ?」
覚醒者は不思議そうな顔でタチカゼに尋ねた。
「フッフッフッ・・・これだぁ!!!」とタチカゼは食事が並んでる中から一つを取り出した。
「何だ?この白い塊は?」
「ニギリメシだ!!!具は入ってないがな」「悪かったな」オンジがむすっと言う。
「ニギリ・・・メ・・・シ?何だそれは!?どうやってこんなものを体内に吸収するんだ!?」
「どうって・・・もちろん食うんだよ!」
「クウ?」覚醒者は更に分からないという顔をした。
「食べるって事だよ、口から中入れるんだ」
「口から!?」
「いいから。騙されたと思って口から食べてみろよ!」
覚醒者は躊躇していたが、意を決してニギリメシにかぶりつく。その瞬間に覚醒者は目を見開いた!口の中に今まで感じた事のない幸福感が広がった。その後は夢中でニギリメシを食い続けた。
「どうだ?今、お前が感じてるものが『うまい!』って奴だ。ニンゲンヘイキだった頃は味わえなかった感覚だろ?思い出すなぁ・・・俺も最初はお前と同じ反応をしたもんだ・・・」
「・・・あーぁ。また始まったよ、自分語り」
セツナはシチューを食べる手を止めうんざりした顔をした。
覚醒者は戦闘態勢を崩さないまま、歯軋りをする。
「しかしお前スゲーな!俺と同じくらいの背しかないのに、よくこんな大剣ブンブン振り回せるなぁ」
「お前達は誰だ!?」覚醒者が問う。
「俺達は蒼の風、対イド帝国ニンゲンヘイキ迎撃特務部隊だ。戦闘の他にお前みたいな覚醒者の保護を主な任務としてる」タチカゼは説明した。
「覚醒者・・・?」その覚醒者は呟く。
「ま、お前の敵じゃないから!取り合えず落ち着け!な?」
タチカゼは子供に諭す様に優しい声で話しかけた。
それを聞いて納得したのか、取り合えず戦闘態勢を時その場に座り込んだ。
フゥーとタチカゼは一息ついた。
「さて、どこから話したものか・・・ニンゲンヘイキだった時の記憶も朧気ながらあるだろ?」
「ああ、断片的ではあるが・・・」
その時、覚醒者を軽い眩暈が襲った。咄嗟とっさに右手を付き体を支える。
「おいおい、大丈夫かよ!?」
「大丈夫だ、少しダメージを負い過ぎたようだ・・・」
と、ズボンの後ろのポケットからカプセル型の注射機を取り出し右腕に刺そうとする。
「ちょちょちょ!待て待て待て!何してんの!?」タチカゼが慌てて止める。
「何って・・・栄養補給剤を打つんだ。消費したエネルギーを補わなければならない。
お前達もやっているだろう?ニンゲンヘイキには必要なものだ。」
「かあぁぁぁ―――――――――!!」
とタチカゼは大げさに頭を抱えた。
「いいか!お前はそのニンゲンヘイキって呪縛から解放されたんだよ!!そんなもん、もう打つ必要はないんだっての!!!」
「じゃあお前達はどうやってエネルギーを補給しているんだ?」
覚醒者は不思議そうな顔でタチカゼに尋ねた。
「フッフッフッ・・・これだぁ!!!」とタチカゼは食事が並んでる中から一つを取り出した。
「何だ?この白い塊は?」
「ニギリメシだ!!!具は入ってないがな」「悪かったな」オンジがむすっと言う。
「ニギリ・・・メ・・・シ?何だそれは!?どうやってこんなものを体内に吸収するんだ!?」
「どうって・・・もちろん食うんだよ!」
「クウ?」覚醒者は更に分からないという顔をした。
「食べるって事だよ、口から中入れるんだ」
「口から!?」
「いいから。騙されたと思って口から食べてみろよ!」
覚醒者は躊躇していたが、意を決してニギリメシにかぶりつく。その瞬間に覚醒者は目を見開いた!口の中に今まで感じた事のない幸福感が広がった。その後は夢中でニギリメシを食い続けた。
「どうだ?今、お前が感じてるものが『うまい!』って奴だ。ニンゲンヘイキだった頃は味わえなかった感覚だろ?思い出すなぁ・・・俺も最初はお前と同じ反応をしたもんだ・・・」
「・・・あーぁ。また始まったよ、自分語り」
セツナはシチューを食べる手を止めうんざりした顔をした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる