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プロローグ
林田達夫1
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20世紀のいつか、美姫、良子、達夫高3
雅子大学2、明彦大学1
仲里美姫が高校3年生の秋。
受験勉強まっさかりのはずですが身が入りません。彼氏の宮部明彦は、大学1年で、履修科目の学習、バイトに追われ、美姫をあまりかまってやる時間がなくなりました。そして、会えば受験、受験とガミガミ言われます。親友の高橋良子も同じく。そんな時のこと……
―――――――――――――――――――――――――――――――――
20世紀、ロート製薬の目薬には、『ロートエキス』という神経を麻痺させる成分が入っていた。この『ロートエキス』は『スコポラミン』という成分だった。ロートという植物の根から抽出される神経麻痺剤で、江戸時代の外科医、華岡青洲が麻酔剤として利用した。21世紀の目薬には『ロートエキス』は含まれていない。
東京や横浜の高校生、大学生の間で、酒に『スコポラミン』の目薬を数滴垂らすと、眠くなったり、脱力感、平衡感覚の麻痺が起こるということが噂となっていた。バカな学生は友人の間で試してみて効果を調べて、病院に担ぎ込まれるなんてことを起こした。適量は何滴かを実験するバカモノもいた。
林田達夫もそういうバカの一人だ。地元の横浜や東京で、女の子をひっかける。当たりがソフトで、みかけはお坊ちゃんなので、女の子も彼に警戒心を持たない。それで、彼女らをディスコに誘う。トイレに行くとか席を離れた時、女の子の飲んでいるカクテルに目薬を7滴垂らす。そうすると、たいがい、女の子は酔っ払って、意識が警戒心が薄れる。後は、休んでいこう、とラブホに連れ込めば、朝までやり放題というわけだ。
達夫は、祖父の時代に日本に帰化した大手中華料理グループの家の長男だ。H飯店という、中華街では知らない人間はいない大手だ。彼は、小学校の時、成績が良く、石川町の隣の駅の6年間一貫教育のミッションスクールに合格した。かなり偏差値は高い。中学くらいまではそこそこの成績だったが、悪い仲間と遊び歩いていて、高校1年で急降下、高校2年の時、赤点が続き補習授業もかんばしくない。追試も落ちた。
進学校では、達夫のような学業不良の生徒は、よく自主退学となる。高校で生徒募集をしていないので、中学入学時に一学年200名いた生徒は、事故、病気、死亡、そして自主退学などで、卒業時には190名台となる。自主退学した生徒は、学校の推薦状もあり、近隣の私立学校に入学できる。その点は親切なのだ。そして、移った高校では、成績も上位になることがしばしばあった。
達夫もその口で、高校2年の3学期に近くの私立高校にスライドして中途入学した。だが、彼は懲りずに遊びを止めなかったので、成績は芳しいものではない。
達夫の父親がH飯店の社長だが、実権は達夫の祖母が握っている。帰化人一世で家の面子を日本人以上に気にする祖母は、成績不良で有名校を自主退学、移った高校でも成績は良くなく、悪い仲間と遊び歩いている達夫に激怒した。勘当を申し渡した。別に息子の長男を放逐しても、達夫よりもできの良い次男もいる。祖母は家から達夫を叩き出した。
達夫の父親は、祖母に内緒で、学費・生活費を出し、中華街の中村川沿いに二部屋のアパートを借りてやった。達夫は昨年までは、宮部明彦と美姫の兄の1年後輩だった。
父親がガミガミ言うので、達夫は仕方なく、代々木の予備校に通っている。高校の授業がある間は、土日の強化コース、夏休みは特進集中コースに通う。やる気はない。教室でも、いつもやる気のない生徒の座る後ろの方だ。
やる気のない達夫が、それでも予備校に通い続けているのは、予備校に来る女の子たちが目当てだ。代々木の予備校に来る子たちは、ガードが低くてちょろい子が多い。質を考えなければいくらでも釣れる。夏休みの講義の間で、達夫は女の子の受講内容を観察して、授業がかぶらない女の子を7人ほど釣った。同じ授業を受講していたら、女の子同士で、誰とセックスしたとか内輪話でばれるだろう?
ナンパしたら、食事に誘ってお酒を飲ませ、ディスコに連れ出す。見た感じは不良と思えない。当たりもソフトで紳士的だ。ディスコは、たいがい、新宿のディスコを利用した。内緒で父親からもらう小遣いにも限りがある。金にはいつもピイピイしていた。
しかし、埼玉とか千葉、東京北部の公立校の女の子は垢抜けない。あまり面白くなかった。数回、ラブホに連れて行って寝たら飽きてしまう。セックスもうまくなかった。共学だからっていって、男づきあいが多くなったり、セックスがうまくなったりするわけじゃないんだな、と達夫は思う。
※高校生の飲酒シーンが書かれてあります。
※この物語は性描写や飲酒、喫煙シーンを含みます。
※この物語は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
参考:『補足資料 少年法等の一部の改正と……
1)合法JK, 2)覚醒剤, 3)売春, 4)殺人, 5)少年鑑別所と少年刑務所』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/913345710/461940836/episode/9344181
雅子大学2、明彦大学1
仲里美姫が高校3年生の秋。
受験勉強まっさかりのはずですが身が入りません。彼氏の宮部明彦は、大学1年で、履修科目の学習、バイトに追われ、美姫をあまりかまってやる時間がなくなりました。そして、会えば受験、受験とガミガミ言われます。親友の高橋良子も同じく。そんな時のこと……
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20世紀、ロート製薬の目薬には、『ロートエキス』という神経を麻痺させる成分が入っていた。この『ロートエキス』は『スコポラミン』という成分だった。ロートという植物の根から抽出される神経麻痺剤で、江戸時代の外科医、華岡青洲が麻酔剤として利用した。21世紀の目薬には『ロートエキス』は含まれていない。
東京や横浜の高校生、大学生の間で、酒に『スコポラミン』の目薬を数滴垂らすと、眠くなったり、脱力感、平衡感覚の麻痺が起こるということが噂となっていた。バカな学生は友人の間で試してみて効果を調べて、病院に担ぎ込まれるなんてことを起こした。適量は何滴かを実験するバカモノもいた。
林田達夫もそういうバカの一人だ。地元の横浜や東京で、女の子をひっかける。当たりがソフトで、みかけはお坊ちゃんなので、女の子も彼に警戒心を持たない。それで、彼女らをディスコに誘う。トイレに行くとか席を離れた時、女の子の飲んでいるカクテルに目薬を7滴垂らす。そうすると、たいがい、女の子は酔っ払って、意識が警戒心が薄れる。後は、休んでいこう、とラブホに連れ込めば、朝までやり放題というわけだ。
達夫は、祖父の時代に日本に帰化した大手中華料理グループの家の長男だ。H飯店という、中華街では知らない人間はいない大手だ。彼は、小学校の時、成績が良く、石川町の隣の駅の6年間一貫教育のミッションスクールに合格した。かなり偏差値は高い。中学くらいまではそこそこの成績だったが、悪い仲間と遊び歩いていて、高校1年で急降下、高校2年の時、赤点が続き補習授業もかんばしくない。追試も落ちた。
進学校では、達夫のような学業不良の生徒は、よく自主退学となる。高校で生徒募集をしていないので、中学入学時に一学年200名いた生徒は、事故、病気、死亡、そして自主退学などで、卒業時には190名台となる。自主退学した生徒は、学校の推薦状もあり、近隣の私立学校に入学できる。その点は親切なのだ。そして、移った高校では、成績も上位になることがしばしばあった。
達夫もその口で、高校2年の3学期に近くの私立高校にスライドして中途入学した。だが、彼は懲りずに遊びを止めなかったので、成績は芳しいものではない。
達夫の父親がH飯店の社長だが、実権は達夫の祖母が握っている。帰化人一世で家の面子を日本人以上に気にする祖母は、成績不良で有名校を自主退学、移った高校でも成績は良くなく、悪い仲間と遊び歩いている達夫に激怒した。勘当を申し渡した。別に息子の長男を放逐しても、達夫よりもできの良い次男もいる。祖母は家から達夫を叩き出した。
達夫の父親は、祖母に内緒で、学費・生活費を出し、中華街の中村川沿いに二部屋のアパートを借りてやった。達夫は昨年までは、宮部明彦と美姫の兄の1年後輩だった。
父親がガミガミ言うので、達夫は仕方なく、代々木の予備校に通っている。高校の授業がある間は、土日の強化コース、夏休みは特進集中コースに通う。やる気はない。教室でも、いつもやる気のない生徒の座る後ろの方だ。
やる気のない達夫が、それでも予備校に通い続けているのは、予備校に来る女の子たちが目当てだ。代々木の予備校に来る子たちは、ガードが低くてちょろい子が多い。質を考えなければいくらでも釣れる。夏休みの講義の間で、達夫は女の子の受講内容を観察して、授業がかぶらない女の子を7人ほど釣った。同じ授業を受講していたら、女の子同士で、誰とセックスしたとか内輪話でばれるだろう?
ナンパしたら、食事に誘ってお酒を飲ませ、ディスコに連れ出す。見た感じは不良と思えない。当たりもソフトで紳士的だ。ディスコは、たいがい、新宿のディスコを利用した。内緒で父親からもらう小遣いにも限りがある。金にはいつもピイピイしていた。
しかし、埼玉とか千葉、東京北部の公立校の女の子は垢抜けない。あまり面白くなかった。数回、ラブホに連れて行って寝たら飽きてしまう。セックスもうまくなかった。共学だからっていって、男づきあいが多くなったり、セックスがうまくなったりするわけじゃないんだな、と達夫は思う。
※高校生の飲酒シーンが書かれてあります。
※この物語は性描写や飲酒、喫煙シーンを含みます。
※この物語は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
参考:『補足資料 少年法等の一部の改正と……
1)合法JK, 2)覚醒剤, 3)売春, 4)殺人, 5)少年鑑別所と少年刑務所』
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