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第4章 エジプト砂漠編 Ⅰ
第49話 斥候
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ふぇ~、絵美様はとんでもないイメージを私に見せるし、アイリス様は私をいたぶって犯し続ける。ヘロヘロになった。眠い。女同士はキリがない。出して終わりじゃないんだもの。彼女たちで、あれだけスゴイなら、もしも、ムラー様に抱かれたらどうなるんだろう?いやいや、ムスカ以外の男とはしない・・・まだ、キスしてオッパイを揉まれただけだった・・・だけど、見ちゃったな、ムスカが見たようなものを私も。
斥候に出ないといけない。結局、一睡もできないで、一時半にテントを出た。全員の出発が四時だから、二時半には先行して出発しないと。テントを出る時、絵美様が、あら、斥候だったの?大変ね、私たちはちょっと眠れるわね、アイリス?と言う。血も涙もない。知性体なんてこんなものなんだろう。突発事態が起こって、私たちに急いで連絡したい時は、私かアイリスのことを考えて、念じるのよ、と言う。なんのこと?
テントを出て数歩歩いた。手を引っ張られる。ムスカだった。ちょっと、起きてたの?ビックリした。女奴隷たちの大テントの陰に腕を引かれて連れて行かれる。
「見せたいものがある。持っていってくれ。ムラー様たちがタップ・オシリス・マグナ神殿の王室の武器庫から盗んできたものだ。ナイトスコープというものだ。夜でも物が見えるんだ」と言って、おかしな機械を渡された。このスイッチを入れて覗くんだそうだ。
「あら?焚き火が緑に見える。寝ている海賊たちもぼやっと見える。ラクダも」ボォ~っと見えないはずのものが見えた。温度が高い物体が見えるんだそうだ。これなら、ベルベル人の盗賊団がいれば、夜でも見張れる。
「ああ、まだ海岸線からそれほど離れていない。盗賊団がいるかもしれない。気をつけるんだぞ、マンディーサ。何かあったら逃げ戻って報告するんだよ。じゃあ、俺はこれで」と行ってしまいそうになった。
絵美様とアイリス様が変なことを言うもんだから、彼が気になる。ドキドキする。「あのさ・・・昨日の夜のキス、金貨一枚って、普通、抱いたら銀貨一枚なのに、ちょっと高いじゃない?お釣りがあるけど、細かいお金がないから、これでお釣りってことで・・・」
キス代が高いって言い訳なんだから、いいでしょ?背の高い彼に伸び上がって口を合わせた。背中に手を回されて、抱きしめられる。ドキドキする。いやいや、お釣りよ、お釣り。商売よ。アン、彼の舌に自分から絡ませちゃったじゃない。舌を吸われちゃって。商売女はキスはダメなんだよね。アン、ダメ。押し付けられた彼のあそこが固くなるのがわかったので、ちょっと満足した。
彼を押し戻してた。行かないと。「お釣りだからね、お釣りだよ、勘違いしないで!」と言った。頬をさすられて「気をつけるんだぞ、出発の四時までには戻ってこいよ」と言って、男どもの寝ている焚き火の方に戻っていく。私は、なめし革のショルダーバックにムスカの渡してくれた赤外線スコープを詰め込んだ。
彼の後ろ姿を見ていたら、肩を叩かれた。うぁ!振り向くと、昨日金貨百枚もらえるんだからもう銀貨一枚で体を売る必要もないよ、と言っていた年嵩の娼婦だ。一緒に斥候に出て頂戴とお願いしたのだ。20才(古代エジプトでは年増の部類)で名前をキキと言った。
「マンディーサはムスカと仲が悪いと思ってたんだけどね」あ!見られた!「お熱いじゃない?あんたら、できちゃったの?」
「ムスカが強引にキスするから押し戻したんだよ」
「ふ~ん、マンディーサが背伸びしてムスカにキスしていたように見えたけど、気のせいかな?」
「そうよ。いけ好かないムスカに私がキスするわけないでしょ!」
「そういうことにしておこう。ジャバリがコーヒーを淹れてパンを焼いてくれてるよ」
ジャバリはピティアスの手下だ。斥候に一緒に出ることになっている。目端が利きそうな30才近い男だ。ジャバリがラクダの糞の焚き火で温めたコーヒーをカップに注いて渡してくれた。フェニキアではコーヒーはまだあまり広まっていない。ジャバリが、俺、この飲み物好きだよ、ちょっと苦いけど、眠気が吹き飛ぶと言う。
アレキサンドリアで仕入れた『イブリック』という真鍮製の長い柄のついた小鍋にコーヒーの粉と水をいれて、焚き火にかざす。吹きこぼれる寸前で火から離して、それを繰り返して、数分でできる。カップに砂糖をたくさん入れた。おお、甘くておいしい。キキもおいしそうに飲んでいる。
フライパンで、無発酵のエジプト式のピタパンという平たいパンを焼いていた。山羊のチーズがはさんであって、それが溶けてホクホクして美味しい。う~ん、コーヒーで目が覚めて、パンが美味しい。やる気が出てくる。キキと一緒に後片付けをした。
キキに聞いてみる。「キキ、あなた、生き残れて、金貨百枚もらえたらどうすんのさ?」と。
「どうするか?う~ん、私は12才から体を売っていて、普通の暮らしは知らない。誰かいい男がいて結婚しても、娼婦だったことを隠したりしてもその内バレるじゃない?どうしようか?もしかしたら、この中でいい男がいたら、娼婦なのもバレてるし、相手がいいって言うなら、結婚しちゃう?お互い、金貨百枚持ってるから、金持ちだし。ジャバリでもいいかも。彼に抱かれたんでわかったけど、体の相性はよさそうだし」
「・・・ジャバリにドキドキする?」
「ドキドキ?しないよ。ドキドキなんて、私ら娼婦には贅沢品だよ。結婚してしばらくしたら、ドキドキするかもしれないけどね。そんな娼婦はめったにいないよ。たいがい、体を壊して死んじゃうんだ。だから、私は、この旅に来たかったんだ。人生が変わるかもしれない。どうせ、死んじゃうんだもね、私ら娼婦は」
「そうか・・・ドキドキ、しないんだ・・・」
「マンディーサは誰かにドキドキするのかい?ムスカかね?」
「・・・」
「あのな、娼婦の中でも、体は汚れていても、心は汚れていないヤツは恋ができる。マンディーサがドキドキできる、恋をしているなら、そりゃあいいことだ。めったにないことだよ」
「・・・」
斥候に出ないといけない。結局、一睡もできないで、一時半にテントを出た。全員の出発が四時だから、二時半には先行して出発しないと。テントを出る時、絵美様が、あら、斥候だったの?大変ね、私たちはちょっと眠れるわね、アイリス?と言う。血も涙もない。知性体なんてこんなものなんだろう。突発事態が起こって、私たちに急いで連絡したい時は、私かアイリスのことを考えて、念じるのよ、と言う。なんのこと?
テントを出て数歩歩いた。手を引っ張られる。ムスカだった。ちょっと、起きてたの?ビックリした。女奴隷たちの大テントの陰に腕を引かれて連れて行かれる。
「見せたいものがある。持っていってくれ。ムラー様たちがタップ・オシリス・マグナ神殿の王室の武器庫から盗んできたものだ。ナイトスコープというものだ。夜でも物が見えるんだ」と言って、おかしな機械を渡された。このスイッチを入れて覗くんだそうだ。
「あら?焚き火が緑に見える。寝ている海賊たちもぼやっと見える。ラクダも」ボォ~っと見えないはずのものが見えた。温度が高い物体が見えるんだそうだ。これなら、ベルベル人の盗賊団がいれば、夜でも見張れる。
「ああ、まだ海岸線からそれほど離れていない。盗賊団がいるかもしれない。気をつけるんだぞ、マンディーサ。何かあったら逃げ戻って報告するんだよ。じゃあ、俺はこれで」と行ってしまいそうになった。
絵美様とアイリス様が変なことを言うもんだから、彼が気になる。ドキドキする。「あのさ・・・昨日の夜のキス、金貨一枚って、普通、抱いたら銀貨一枚なのに、ちょっと高いじゃない?お釣りがあるけど、細かいお金がないから、これでお釣りってことで・・・」
キス代が高いって言い訳なんだから、いいでしょ?背の高い彼に伸び上がって口を合わせた。背中に手を回されて、抱きしめられる。ドキドキする。いやいや、お釣りよ、お釣り。商売よ。アン、彼の舌に自分から絡ませちゃったじゃない。舌を吸われちゃって。商売女はキスはダメなんだよね。アン、ダメ。押し付けられた彼のあそこが固くなるのがわかったので、ちょっと満足した。
彼を押し戻してた。行かないと。「お釣りだからね、お釣りだよ、勘違いしないで!」と言った。頬をさすられて「気をつけるんだぞ、出発の四時までには戻ってこいよ」と言って、男どもの寝ている焚き火の方に戻っていく。私は、なめし革のショルダーバックにムスカの渡してくれた赤外線スコープを詰め込んだ。
彼の後ろ姿を見ていたら、肩を叩かれた。うぁ!振り向くと、昨日金貨百枚もらえるんだからもう銀貨一枚で体を売る必要もないよ、と言っていた年嵩の娼婦だ。一緒に斥候に出て頂戴とお願いしたのだ。20才(古代エジプトでは年増の部類)で名前をキキと言った。
「マンディーサはムスカと仲が悪いと思ってたんだけどね」あ!見られた!「お熱いじゃない?あんたら、できちゃったの?」
「ムスカが強引にキスするから押し戻したんだよ」
「ふ~ん、マンディーサが背伸びしてムスカにキスしていたように見えたけど、気のせいかな?」
「そうよ。いけ好かないムスカに私がキスするわけないでしょ!」
「そういうことにしておこう。ジャバリがコーヒーを淹れてパンを焼いてくれてるよ」
ジャバリはピティアスの手下だ。斥候に一緒に出ることになっている。目端が利きそうな30才近い男だ。ジャバリがラクダの糞の焚き火で温めたコーヒーをカップに注いて渡してくれた。フェニキアではコーヒーはまだあまり広まっていない。ジャバリが、俺、この飲み物好きだよ、ちょっと苦いけど、眠気が吹き飛ぶと言う。
アレキサンドリアで仕入れた『イブリック』という真鍮製の長い柄のついた小鍋にコーヒーの粉と水をいれて、焚き火にかざす。吹きこぼれる寸前で火から離して、それを繰り返して、数分でできる。カップに砂糖をたくさん入れた。おお、甘くておいしい。キキもおいしそうに飲んでいる。
フライパンで、無発酵のエジプト式のピタパンという平たいパンを焼いていた。山羊のチーズがはさんであって、それが溶けてホクホクして美味しい。う~ん、コーヒーで目が覚めて、パンが美味しい。やる気が出てくる。キキと一緒に後片付けをした。
キキに聞いてみる。「キキ、あなた、生き残れて、金貨百枚もらえたらどうすんのさ?」と。
「どうするか?う~ん、私は12才から体を売っていて、普通の暮らしは知らない。誰かいい男がいて結婚しても、娼婦だったことを隠したりしてもその内バレるじゃない?どうしようか?もしかしたら、この中でいい男がいたら、娼婦なのもバレてるし、相手がいいって言うなら、結婚しちゃう?お互い、金貨百枚持ってるから、金持ちだし。ジャバリでもいいかも。彼に抱かれたんでわかったけど、体の相性はよさそうだし」
「・・・ジャバリにドキドキする?」
「ドキドキ?しないよ。ドキドキなんて、私ら娼婦には贅沢品だよ。結婚してしばらくしたら、ドキドキするかもしれないけどね。そんな娼婦はめったにいないよ。たいがい、体を壊して死んじゃうんだ。だから、私は、この旅に来たかったんだ。人生が変わるかもしれない。どうせ、死んじゃうんだもね、私ら娼婦は」
「そうか・・・ドキドキ、しないんだ・・・」
「マンディーサは誰かにドキドキするのかい?ムスカかね?」
「・・・」
「あのな、娼婦の中でも、体は汚れていても、心は汚れていないヤツは恋ができる。マンディーサがドキドキできる、恋をしているなら、そりゃあいいことだ。めったにないことだよ」
「・・・」
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