雨の日の美術館 、イシガキ作戦の前日譚。

✿モンテ✣クリスト✿

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第2章 実と早紀江編

第3話 ミノルの部屋 Ⅳ、2017年11月18日(土)

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 ぼくはキッチンでグラスに氷をいれて、早紀江の分はジンジャエールとジンを少し、ぼくはウィスキーのトリプルをロックで作って風呂場に持っていった。まだお湯が半分しかたまっていないバスタブに早紀江がちょこんと座っている。風呂場の天井を見上げていた。あれ、泣いてるの?

「早紀江、ほら、飲み物」と彼女に渡した。早紀江はグラスを黙って受け取るとうんしょと言って前に移った。これは早紀江の後ろに座れってことかな?早紀江を脚で挟む格好で座った。痩せているけどプニプニした体。さすがに高校生の女の子。ウェスタンサイズのバスタブだがさすがに狭い。

 早紀江の肩が震えているような気がした。「早紀江、泣いてるの?」
「ううん。しみじみしてるの。なんか幸せ。彼氏ができて抱いてもらってこれから同棲なんて、安心感抜群でしょ?」
「やれやれ。ぼくたち昨日会ったばかりだぜ?1日も経ってないよ。まだ4時間しか経過してないんだよ」
「え~、たったそれだけ?早紀江は何ヶ月も経った気分だよ」
「女の子の時間間隔はわからん」
「これ日記に書いておかなくっちゃ。後で写真も一緒に撮ろうよ。一生忘れないように」
「これで喧嘩して別れたら目も当てられないぞ」
「だから、別れられないように同棲するんじゃん!」
「確かにそうだな。別れるってキミをここから追い出すことになる」
「そうでしょ?そんじょそこらの理由で別れられなくなるのよ。ミノル、浮気しちゃダメだぞ!」
「そういうの面倒くさいからしない主義なんだよ」

「私もそう思った。この人なら私の一生を委ねられるかな?って」
「そんなこと会って4時間でわからないだろう?」
「ううん、女の子はそれがわかるのよ。それよりさ、ミノル、ジン、ケチったね?」とジンジャエールをグビッと飲んで言う。
「公務員としては未成年にアルコールを飲ませるのは推奨されないんだよ」

 早紀江は振り向くと「ミノルは何を飲んでいるの?」と言うのでグラスを見せて「ウィスキーのロックだけど」と言ったら彼女のグラスと交換された。ぼくのウィスキーをグビッと飲む。「あ~、濃い。濃いよぉ~。でもおいしいじゃん?」

「あのさ、ミノル?」
「なに?」
「ミノルが良いって理由で、私が困っている時に絡んでくる男性を追っ払ってくれた、わけのわかんない女の子を泊めてくれた、親切にしてくれて乱暴なんてしなかった、5万円ポンッと差し出して、でも、誘ったのに最初は抱いてくれなかった。私の処女あげます、って言ったのにね。これでどうにかならない女の子はいない、とミノルに言ったけどさ・・・」
「うん、それが何?」
「でもね、女の子って打算的な生物でもあるの。男性は純粋な恋愛なんて信じることができるけど、女性は違うのよ。男性に求めるものって、恋愛もあるけど、衣食住の安心を保証してくれる人の方がただ一途に自分を愛してくれるだけの人よりもいいのよね。小田和正は男性だから『ラブ・ストーリーは突然に』やってくるけど、彼も男性だから。あれは男性の作る歌なんだなあ」

「ふ~ん、言われてみればそうかもな」
「だからさ、私、ミノルが好きだけど、ミノルがホームレスだったらダメだったと思う。でも、このマンションはお父さんのもので、抱いてもらった後にミノルの職業を知ったじゃない?それ目当てなんて言わないけど、絶対に安心安全でしょ?でも、私だってお茶屋の一人娘で農園だって広いのよ。だから、経済的な釣り合いはバッチリじゃん?引けは取らないわけ。だからさ、こんな良縁逃してなるものか!という打算的な考えもあってね、お仕掛け許嫁を決断しました。私って汚い女?」
「この短い時間でそこまで考えたの?」

「あら、私は18歳の小娘ですけど、女の子のこの分野での頭脳の回転はスパコン並なのよ。小学生の女の子でも同じ。よくあるじゃない?小学生の女の子が成人の従兄弟に恋して結婚したいって言う話は」
「すごいなあ、女って。でも、まあ、良いんじゃないの?それにね、そういうことまで正直に言える早紀江はぼくは好きだよ。同棲とか面食らったけど、なんだかぼくは幸運だったと思えてきたよ」
「ウフフ、でしょう?でしょう?私がミノルの女で幸運でしょ?」
「そうだろうけど、キミには一生引っ掻き回されそうな気がする」

「あれ?私が引っ掻き回すの?じゃあさ、じゃあさ、さっき私の中を引っ掻き回したミノルのあれがまた臨戦状態になっているのはなぁぜ?また、おっきくなってますけど?」
「早紀江、あのね、両足の間にプニプニした物体がいて、その物体のお尻にあそこが当たっている状態だよ。これで臨戦状態にならなかったらぼくはインポだよ」
「うっれしい!私を欲しいのね!いくらでもあげちゃう!」
「まったく。もしかしたらぼくは早紀江に吸い付くされて腎虚になるかもしれない」
「腎虚?」
「セックスしすぎて、女子高生に精気を吸い取られてガリガリになって死んでしまう公務員のことだ」
「おかしいなあ。私、肉食系にメタモルフォーゼしちゃったのかしら?」
「少なくとも、もともと草食系で1時間前くらいに処女をなくした女の子には見えません!」
「いいじゃん、いいじゃん、レスな女の子の百倍いいわよ」

「やれやれ。あ、早紀江は工学部志望って言ったね?」
「うん、ロボット工学とAIの研究がしたいの」
「これは早紀江の言う運命ってやつだな」
「なぁぜ?」
「ぼくが担当しているのもその分野。自立型戦闘攻撃機とミサイルの研究」
「え?そうなの?」
「卒業したらぼくの職場に就職するか」
「それ、グッドよ。そうなると、私も、私も、なんだっけ?秘密取扱者なんとかの対象になるの?」
「秘密取扱者適格性確認制度」
「夫婦して諜報機関に身辺をスパイされるのね?」
「もう、夫婦になってる」
「あったり前でしょ!運命なのよ。諦めさない!」

「ハイハイ、それで今日はどうするの?」
「え~、どうしよっかな?まず、制服を私服に着替えたいでしょ?だから私のアパートに一緒に行くの。それで、初デートなんだからあ、原宿でコンサート用の衣装を一緒に見て、原宿クリスティーでお茶して・・・」
「キミ、大宮の叔母さんとか言ってなかった?」

「え?あ!そうか!そうでした!大宮の叔母さんにミノルを紹介して、同棲の了解をもらわなくちゃいけないね?」
「まいったなあ。昨日会いました、外泊しました、同棲します!って報告するのかい?」
「ミノルはバカねえ。嘘も方便、この夏に出会って、半年くらいのお付き合いとか言うのよ」
「どこで?」

「え~っとね、上野の美術館でたまたま出会って、絵のお話で盛り上がっちゃったんですぅ、とか」
「キミ、よくもまあスラスラ物語が出てくるね?」
「霧雨の公園で男に連れ去られそうになった私を助けてくれた人です、という話よりもマシじゃない?」
「まあ、そうだ。じゃあ、朝ごはんを食べて出かけ・・・」
「アナタ・・・あれ?アナタなんて言っちゃったよ。ミノル、まだ朝の4時よ。もっと女子高校生の体を獣みたいに貪りたくはないの?」
「じゃあ、9時頃?」
「午後でいいわよ、午後で。それまで、私はミノルを、なんだっけ?腎虚?腎虚にする作業に専念するのよ!」

 ぼくは本当に腎虚になりそうだ。

 お風呂から上がってぼくらはまたベッドに寝転がった。早紀江はAVでこういう体位を見た、あの対面座位とか69とかやってみたい、松葉くずしっていいのかしら?四十八手を全部試そう!とか言う。

「早紀江、よく四十八手なんて知ってるね?」
「女子高生をなめてはいけない。女子の間ではそういう話ばかりよ。もうみんな性欲お化けなんだから」
「ぼくは男子校だったからわからないんだよ、そういうのが」
「そっか。男子だけじゃないんだよ。もうね、1日中頭の中はセックスのことばかり」
「早紀江の高校は共学なんだよね?男子生徒もいっぱいいるだろ?1日中頭の中はセックスのことばかりで、よく今まで処女だったよね?」

「そうよね。不思議よね」
「早紀江、キレイだろ?モテるんじゃないの?」
「あ!ヤキモチ?ヤキモチ?」
「まあ、早紀江のことをもっと知っておかないとね。同棲するんだから」
「告白されたことはあった。え~っと」と言って指で数えだす。両手で足りなくなって足の指も使う。変なやつだ。「14人!14人よ!我ながら結構な数だわ」
「キミね、14人の男子に告白されて、何人と付き合ったの?」

「ミノル、知りたい?知りたい?」
「参考までに」
「そうね、2人。2人とお付き合いいたしました」
「それでどこまで進んだの?」
「やっぱり、ヤキモチ焼いてくれてるんだ。あのね、手をつないだだけだよ」
「キスもしなかったの?あ、そうか、さっきのが早紀江の初キスだったな。ハグも?わけわかんないな」
「1日中頭の中はセックスのことばかりだけど、どうもね、彼たちと何かするってピンとこなかったんだなあ・・・これは、ミノルが現れるまで大事に取っておこう、という神様の思し召しだったのかも」

「それは神様にお礼を言わないといけませんね」
「そぉよね。神社に行かないと!」
「この近所に氷川神社があるよ」
「大宮に行く前にそこに行きましょう!大宮にも総本社の氷川神社があるけど、ここに住むなら私は氏子になるんだからお参りします」
「ほんとに行くの?」
「行きます、参ります」
「キミ、まず行動が先って子?」
「そおとも言われる」とゲラゲラ笑い出す。

 しかし、ぼくたちは飽きない。四十八手とか早紀江が言うから少し試したけど、触るだけで感じて逝ってしまうので、別に特別な体位は不要なのがわかった。普通に正常位でゆっくりとするのが一番いいようだ。ぼくらは寝てないよね?

「早紀江、眠くない?」
「ミノルは眠たいの?早紀江、眠くないです。女子高生は国家公務員に体を貪られるのが睡眠よりもずっと良いというのがわかった!」
「キミ、表現がおかしい!」
「そうかしら?ねえねえ、あのね、対面座位ってしてみたい!」
「するの?どうなっても知らないよ」

「ミノルはしたことがあるの?」
「あります」
「誰と?」
「早紀江の知らない女性に決まってるでしょ?」
「何番目の彼女?」
「この前の」
「この前っていつの?」
「え~っとね、3ヶ月前に別れた彼女」

「よし!その対面座位というのをやって、私の方が別れた彼女よりもずっといいというのを証明します!」
「証明するまでもなく、早紀江が一番だよ。すごいんだもの」
「いえ、同じ土俵で証明いたします!って、どうするんだろう?AVだと騎乗位から男性が上体を起き上がらせて抱っこするみたいだった」
「早紀江、そんなAV見てたの?」
「バンドの処女グループで見てました」
「あのね、AV映画って作り物だから、あれの真似をしちゃダメだよ。痛かったりするからね」
「素人物でも?私たちが見たのは『完全素人!美少女のあえぎ』という奴だよ?」
「変なもの見てるんだなあ。まったく」
「いいから、いいから。ミノル、仰向けになって」
「ハイハイ」

「これでミノルに私が跨るんだよね?」
「お嬢さん、すごい格好ですけど?」
「見ちゃダメ!」
「目をつぶるの?」
「・・・まあ、見ててもいいか。えっと、どこかな?あ!ここかな?・・・あ!擦れちゃったよ!・・・アン・・・アン、アン」
「早紀江、挿れる前から感じてどうする?」
「だって、こすれるだけでもいいんだもん。アン・・・が、頑張るわ・・・は、入った。気持ちいい・・・飛びそう・・・」
「もっと腰を落とさないとダメだろ?」
「根元まで挿れたら死んじゃうよ。ア~~~~~~」
「こんなにしてたら、いつまで経っても対面座位にならないじゃないか!よいしょ」

 ぼくは上体を起こした。その拍子に根元まで入った。早紀江がえびぞりになって腰を突き上げた。まったく言わないことじゃない。早紀江の感度が良すぎるんだ。

「早紀江・・・」
「え?何?もう私、ダメ。死にます!」
「ぼくがお尻をつかむから、脚を前にゆっくり出してぼくの体を挟み付けるようにしてね」
「そんなの無理!」
「自分でやろう、やろうと言ったのに。ほら」と早紀江の脚を持ち上げてぼくの背中の方に回した。のけぞるので腰に手をあてて体を支える。
「ちょ、ちょっと、ミノル!!!奥まで入ってる!!!死んじゃう!これ、絶対に死ぬ!」
「大げさな!」
「お口から飛びでそう!」
「ほら、ぼくの首に両手を回して。もっと奥まで。クリを擦り付けて」
「あ!あ!あ!あ!こんなのダメでしょ?」
「動くよ」
「動いちゃダメ!」

 ぼくは伸ばしていた脚を曲げてあぐらをかいた。早紀江の体重があそこにかかって、これ以上はもう入らないくらい奥までいった、ぼくは生まれて初めて文字通り悶絶している女子高校生を見たのだ。

 早紀江を仰向けに横たえた。これはぼくもダメだ。こんなに締め付けられたらちぎれてしまうよ。早紀江は口を食いしばって鼻で呼吸。目がひっくり返っている。これイカンじゃないか?女子高生の体に溺れる公務員ってダメだろう?確かに運命だったのかも。絶対に誰にも渡さないとぼくは思った。イカンなあ。

 しばらくして早紀江が目をパチクリさせた。「あ~、こんなのインチキだよ!生まれてこんな経験はない。ミノルに虐められたよ」
「早紀江の方が別れた彼女よりもずっといいという証明になったよ。ぼくのが千切れそうなくらい締め付けるんだもの。思わず出しちゃった」
「え?出してたの?気づかなかった。失神ってこうなるんだね」
「目がひっくり返っていたもの」
「いやぁ、これは・・・ねえ、ミノル、こんなのやったら体が保たない。十回に1回くらいで勘弁して下さい」
「やろうと言ったのはキミです!」
「・・・う~、もうね、四十八手は諦める。普通の正常位でいいです。それだけでお願い致します」
「やれやれ」

 とそれだけで終わる早紀江じゃなかった。今日の早朝処女なくしたばかりじゃなかったけ?
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