龍の天使

孤独な爬虫類

文字の大きさ
上 下
1 / 1

しおりを挟む
 目が覚めたら一面真っ白い空間だった。
「え?」
 と一言だけ言うと自分は周りを見渡した。
「どういう事なんだよ。家で寝てた筈だよな?」
 そう、今日は土曜日。世間一般の高校では休みの日である。また、部活動はテスト期間で停止中である。
「……目が覚めたか。少年よ……。」
 と老人と思わしき声が響いてくる。
(どういう事だよ。ドッキリか?マジでなんなんだよ……。)
「…ふむ、目が覚めている様だな。」
(へ?こいつ俺の考えている事がわかんのか?プライバシーの侵害で訴えるぞこのハゲ野郎。)
「ハゲってなんじゃハゲって。まぁその気持ちは理解できるが少し口調を何とかしなさい。さすれば汝に加護を与えてやらん事もな…」
「いやそんなのいらないから早く元に戻してくれよ。」
「なんじゃと……欲が無いのか…素晴らしい精神を持っているようじゃ……。」
「あの日本語通じてます?分かりますか?」
「儂そういう子好きだからサービスしてやろうではないか。じゃが口調が気に入らないから姿は変えてやろう。」
「聞いてますか?無視しないでください。僕泣きますよ?大声で泣き叫びますよそれでもいいんですか?」
「では新たな生を楽しむが良い。さらばだ。」
「巫山戯んなこのやっ…うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 あのハゲボケがさらばだとほざいた瞬間目の前が真っ暗になった。そして次に目が覚めるのは数時間経った後だった。














「おい。なんだよコイツ……。新手のモンスターか?」
「…みたいですね。とりあえず寝てるみたいですが何時起きるか分かりませんね……。ギルドに報告しておきますか?」
「だな。結界もついでに頼む。俺は報告してくる。」
「了解です。」
 複数人がナニカを囲んで喋っていた。
 そのナニカは考えていた。
(……この状況。俺、どうしたらいいんだ?。)
(困っているようですね。)
(いけない遂に女の子の幻聴まで聞こえるようになったのか。俺ももう末期だな……。)
(いえ、あの幻聴とかではなく貴方はきちんと正常なので応えて下さい。)
(うわーなんかほざいてるよ。無視しよ。)
(…ではこの世界についての説明は要らないという事で。私の業務はこれでおわr)
(すみませんでした。自分が悪かったです。説明してください。)
(大変素直でよろしいです。では簡潔に説明しますね?)
(え。)
(貴方は死んで哀れに思ったウチの神ハゲが転生させて今に至ります。その際に貴方は祝福ギフトを幾つか貰っています。その人間達の言葉が理解出来ているのは《理解》という祝福のおかげです。又、他の祝福については随時説明しますね。では、私のひとまずの業務は終わりなので。)
(あっはい。分かりました。)
(あ、忘れていた事がありました。)
(忘れていたことって?)
(私の名前はガブリエルと申します。あのハゲ曰くナビゲーターらしいです。)
(あっ。自分は姫崎ひめさきあおいです。よろしくお願いします。)

これが自分とガブリエルさんの出会いだった。

 











しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...