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第一章 王弟コーディ
自己紹介
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「初めまして、メアリ・エインズワースです! 趣味は読書と恋愛相談に乗ること、魔法適性は光と風です。十年生からの編入で少し緊張していますが、仲良くしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!」
私がぺこりと頭を下げると、拍手が沸き起こる。さすが上流階級、寝ている人はいないようで、クラス中がこちらに注目しているのが分かった。素晴らしい授業態度だ。日本にある私の母校だったら、今頃教室の隅ではくだらないことで喧嘩が起き窓が割られている。
「あー、席はそこの……アントニーの隣。アントニー、騎士ならレディをきちんとエスコートできるね?」
「はい、もちろんですコーディ先生。エインズワースさん、こっちだ。右端の通路を通ると来やすいと思う」
「ありがとうございます!」
私はそっと足音を立てないよう右に回る。着席直前、アントニーが席を引いた。
「どうぞ」
爽やかに微笑むアントニー。すごい、本物の騎士だ……と私は感動した。有難く礼を言い着席すると、授業が始まった。
「じゃあ今日の一限は魔法史についての授業を始めるよ。君たちは七年生のころから歴史を学び始めたね? けどそれは一般的な世界史で、誰でも知っている出来事をなぞっただけだ。今日から始まる魔法史では、世界史を深掘りするとともに、より専門的に、魔法史を絡めて授業しようと思う__」
午前授業が終わり、私は深々とため息をついた。うう、きつかった……。いや、意外にもコーディの授業はわかりやすかったし、ちょうど今日は年度が替わって最初の授業だったらしく、全ての授業が初めから説明してくれた。
しかしながら、私はこの世界に来て未だ半年だ。時々、知らない一般常識が出てくる。子どものころにやった遊びが特に一番分からない。この半年、この世界一般について教えてくれたリズだって、そもそも監禁されていたのでそういったことは知らなかったし、そもそも今日リズはいないのだ。情報収集のため外に出ている。
「大丈夫か?」
横に座っていたアントニーが私に聞いてくる。このアントニー、なかなか……いや、かなりのイケメンだ。さらさらと流れる夕焼け色の髪を後ろで細く一つにくくり、はっきりとした眉が彼の強い意志を象徴している。マッチョではないが引き締まった筋肉の付いた体は日ごろの訓練を物語り、紅く太陽のような眼が頼もしさを与えている。
なるほど……優雅な体育会系、といったところか。異世界テニス部のキャプテンのような外見である。
「はい、大丈夫です……ありがとうございます、気遣ってくれて」
私が顔を上げ微笑めば、アントニーの目が揺れるのが見えた。……お? なんだ?
「いや、騎士としてこれくらいはせねば。……可愛らしいレディをエスコート出来て、むしろ光栄だよ」
「え? いや、そんな……」
一応照れるか……メアリの顔が可愛いのは当たり前だが、それを言ってしまえば傍からは自画自賛のように見えてしまうかもしれない。コーディは本人もナルシストなのでいいが、普通の人は謙遜を美徳と考えるのだ。転入早々クラスメイトとの関係が悪化するのは避けたい。
私がなおも謙遜しようとしたそのとき、令嬢たちが大挙してやってきた。
「メアリさん、アントニーさん。一緒に昼食を取りませんか? 私たちもメアリさんのことが知りたいですわ。いくら五色の証をお持ちだからって、転入生独り占めなんて許しませんことよ」
……五色の証を、お持ち? 私が横をばっと振り返ると、アントニーが困ったように笑っていた。この反応は本当の時のやつだ。ええ……そうだったんだ……。
というか、イケメンと話している私に嫉妬するんじゃなくて転入生と話しているアントニーに嫉妬するのか。この学園、治安がいいな……。
私がぺこりと頭を下げると、拍手が沸き起こる。さすが上流階級、寝ている人はいないようで、クラス中がこちらに注目しているのが分かった。素晴らしい授業態度だ。日本にある私の母校だったら、今頃教室の隅ではくだらないことで喧嘩が起き窓が割られている。
「あー、席はそこの……アントニーの隣。アントニー、騎士ならレディをきちんとエスコートできるね?」
「はい、もちろんですコーディ先生。エインズワースさん、こっちだ。右端の通路を通ると来やすいと思う」
「ありがとうございます!」
私はそっと足音を立てないよう右に回る。着席直前、アントニーが席を引いた。
「どうぞ」
爽やかに微笑むアントニー。すごい、本物の騎士だ……と私は感動した。有難く礼を言い着席すると、授業が始まった。
「じゃあ今日の一限は魔法史についての授業を始めるよ。君たちは七年生のころから歴史を学び始めたね? けどそれは一般的な世界史で、誰でも知っている出来事をなぞっただけだ。今日から始まる魔法史では、世界史を深掘りするとともに、より専門的に、魔法史を絡めて授業しようと思う__」
午前授業が終わり、私は深々とため息をついた。うう、きつかった……。いや、意外にもコーディの授業はわかりやすかったし、ちょうど今日は年度が替わって最初の授業だったらしく、全ての授業が初めから説明してくれた。
しかしながら、私はこの世界に来て未だ半年だ。時々、知らない一般常識が出てくる。子どものころにやった遊びが特に一番分からない。この半年、この世界一般について教えてくれたリズだって、そもそも監禁されていたのでそういったことは知らなかったし、そもそも今日リズはいないのだ。情報収集のため外に出ている。
「大丈夫か?」
横に座っていたアントニーが私に聞いてくる。このアントニー、なかなか……いや、かなりのイケメンだ。さらさらと流れる夕焼け色の髪を後ろで細く一つにくくり、はっきりとした眉が彼の強い意志を象徴している。マッチョではないが引き締まった筋肉の付いた体は日ごろの訓練を物語り、紅く太陽のような眼が頼もしさを与えている。
なるほど……優雅な体育会系、といったところか。異世界テニス部のキャプテンのような外見である。
「はい、大丈夫です……ありがとうございます、気遣ってくれて」
私が顔を上げ微笑めば、アントニーの目が揺れるのが見えた。……お? なんだ?
「いや、騎士としてこれくらいはせねば。……可愛らしいレディをエスコート出来て、むしろ光栄だよ」
「え? いや、そんな……」
一応照れるか……メアリの顔が可愛いのは当たり前だが、それを言ってしまえば傍からは自画自賛のように見えてしまうかもしれない。コーディは本人もナルシストなのでいいが、普通の人は謙遜を美徳と考えるのだ。転入早々クラスメイトとの関係が悪化するのは避けたい。
私がなおも謙遜しようとしたそのとき、令嬢たちが大挙してやってきた。
「メアリさん、アントニーさん。一緒に昼食を取りませんか? 私たちもメアリさんのことが知りたいですわ。いくら五色の証をお持ちだからって、転入生独り占めなんて許しませんことよ」
……五色の証を、お持ち? 私が横をばっと振り返ると、アントニーが困ったように笑っていた。この反応は本当の時のやつだ。ええ……そうだったんだ……。
というか、イケメンと話している私に嫉妬するんじゃなくて転入生と話しているアントニーに嫉妬するのか。この学園、治安がいいな……。
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