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庭といっても広くてどっちへ行ったらいいかわからなかったけど、王子が消えていった方に向かってみた。
途中で仮面を落としてしまったけど、この方が見えやすかった。
視界が鮮明になったところで、大きな噴水が見えてきた。
どうやら、僕の勘が当たっていたみたいで、そこに王子様と数人の騎士を発見した。
彼らが追うのは銀の薔薇だ。
白いマントがひらりと舞う。
あっ、あれだっ。
僕は靴を脱ぎ捨て、走って走って、彼らに追いついた。
近づくと、王子様が銀の薔薇に剣を突き付けていた。
「駄目――――っ!!!」
更に近づくと、銀の薔薇の顔が見えた。
「ギルバート様っ」
思わず声を上げた。
銀の薔薇だと思ったその人は、まぎれもなくギルバート様だった。
僕は滑り込むようにして、王子様とギルバート様の間に割って入った。
「痛っ」
王子様の剣が僕の腕を掠った。
血が流れてきたけど、そんなのどうでもいい。
「ギルバート様、ギルバート様がどうしてここに?」
何が起こってるのかわからない。
どうして、ギルバート様がこんな処にいるのか?
衣装こそ銀の薔薇だったけど、仮面をつけていないその顔はギルバート様そのものだった。
ギルバート様は僕のことを驚いた顔で見ている。
「お嬢さん、こんな処まで追いかけてこられては困るな。後で相手をして差し上げたのに」
王子様の声が軽やかに響く。
まるで、この状況を楽しんでいるかのよう。
「あっ、あのっ、ギルバート様です。この人はギルバート様です」
僕は王子様に必死で訴えた。
「ああ、知っているよ。たった今、その仮面を剥いだからね。ベルボント家の子息が銀の薔薇だったとは……建国王の生誕祭以来だね。確か、君は歩けないんじゃなかったのかな」
王子様の言葉に、僕は振り返ってギルバート様の足を見る。
周りに車椅子もないということは、ギルバート様は歩いてここまで来たということになる。
いやでも、そんなの無理だ。
まさか……本当に……
『私をギルバート様だと思っていいですよ』
銀の薔薇の声がふと思い出された。
僕は……何故、気づいてあげられなかったんだろう。
『君は僕のことが好きなんですか?』
ギルバート様は言って欲しかったのかもしれない。
シャルル様が好きなのだと思っていた。
でも、もしかしたら、僕を好きになってくれたのかもしれない。
でなきゃ、あんなこと、好きでもない相手とできないと思う。
「ちっ、違いますっ。ギルバート様は銀の薔薇なんかじゃありませんっ」
僕はギルバート様を守るように抱きしめた。
「ねえ、お嬢さん、これは遊びじゃない。どいてくれないかな。そうでないと、君まで銀の薔薇の仲間として捕まえなきゃいけない」
スッと王子様が剣の切っ先で僕の背中を撫でた。
はらりとドレスが切れて背中が全開になる。
「脅しじゃないよ。彼を素直に渡してくれなければ、その白い肌を血に染めることになる」
びくっとギルバート様の身体が震えた。
僕は「大丈夫ですよ」とギルバート様のことを、王子様から隠すように抱く。
「強情だね。まあ、私も面倒な裁判をするよりも、手っ取り早くここで銀の薔薇を殺してしまった方がいいと思う。貴族というのは厄介でね。その刑を決めるのに、結構な手間と時間がかかる。だったら、いっそ抵抗したから斬った。その方がラクかもしれないね」
背中を冷たい剣の切っ先が何度も滑る。
本気なんだ。
「……アレク…もういいです」
銀の薔薇らしくないか細い声が響いた。
いや、ギルバート様の声だ。
銀の薔薇は僕の名前も知らない。
こんな風に呼ぶのはギルバート様だ。
ああ、此の人はやっぱりギルバート様だ。
「僕っ…僕が銀の薔薇です」
僕は王子様に向き直り、その剣を両手で掴んだ。
側にいた人たちが動こうとしたけど、王子様が止める。
「面白いね。君はとても魅力的だな」
うっとりとまるで恋を囁くように王子様が口にした。
それは、こんな状況には不釣り合いな響きだった。
「僕が銀の薔薇ですっ」
「お嬢さんが?」
クスッと笑われた。
「もう…いいです…」
ギルバート様は諦めたような口ぶりをする。
あの自信に満ちた銀の薔薇はどこへ行ってしまったんだろう。
「君はその男を愛しているの?」
「愛してます。僕は……僕はギルバート様を愛しています」
だから守るんだ。
グッと両手に力を込めると、王子様の顔色が変わった。
だけど、止めたのはギルバート様だった。
「アレク……もういいです」
僕の手にギルバート様の手が重なった。
解こうと指を絡められて、僕は首を振った。
「こういうのは嫌だな。せっかく可愛い子を見つけたのに、他の男が好きだななんて」
王子様が傍の騎士たちに合図をした。
左右から騎士たちの手が伸びてくる。
「やめてくださいっ! ギルバート様は関係ないんですっ」
ギルバート様を助けなきゃと思うのに、僕はとても無力で――
泣きたくなってくる。
「王子様っ! 銀の薔薇が現れましたっ」
誰かが駆けてきたと思ったら、そんなことを言った。
思わず耳を疑う。
「そんなはずないだろう。銀の薔薇はここに」
言いかけた王子様の後ろから何かが飛んできた。
それは、王子様の顔を掠めて地面に突き刺さる。
「銀の薔薇っ」
月夜に輝くそれは銀の薔薇だった。
「一体、誰だ。……ギルバート君、君の嫌疑が晴れたわけじゃない。今宵はお嬢さんに免じて見逃してやろう。お前たち、行くぞっ」
王子様は剣を収めると、騎士たちを連れて去って行ってしまった。
ギルバート様は慌てて、僕の手にマントの切れ端を巻いてくれた。
「アレク、ごめんなさい」
謝られてドキドキする。
恥ずかしくなって、僕は俯き加減に首を振った。
そんな僕の視界に、また一本の薔薇が飛びこんできた。
一体、どこから?
不思議に思っていると、ギルバート様が薔薇の茎に括りつけられていた紙を広げた。
「ギルバート様、それ何ですか?」
ギルバート様はそれを見て、切なそうに眉を寄せた。
「……ギルバート様…」
スッとギルバート様は僕にその紙を見せてくれる。
そこに書かれてあったのは――
「こっ、これって……じゃあ、王子様が追いかけていった銀の薔薇はサイラス様」
それはサイラス様からの手紙だった。
『嘘をついてごめんね。君が全てを知っていたことに、気づいてあげられなかった。本当に欲しいものも与えず、君から逃げていた父を許してほしい。最後に君に贈り物をする。黒い貴婦人と君を幸せにしてくれる人を……』
「……黒い貴婦人」
ハッとして、僕は自分の胸元を押さえる。
よかった。失くしてなかった。
「それと、ギルバート様を幸せにしてくれる人」
辺りを見回すも、それらしい人はいない。
「アレク、君のことだと思います」
言われて、顔が上気する。
「でっ、でも……僕なんかが…」
ギルバート様が僕の頬を優しく撫でた。
「……アレク、君が好きです」
ぶわっと涙が湧き上がり、喉に何かが引っかかった。
「あぁ……僕…」
堪らなく嬉しくて、嬉しいという感情以外わからなくなってしまう。
何か言おうと思っても、言葉にならない。
そんな僕に紫の瞳が迫ってきた。
綺麗な瞳には情熱を感じる。
真っすぐに僕を捕らえて、離さない。
「ねえ、僕に君のハートを盗ませてくれますか?」
ドキッと鼓動が跳ねる。
絞り出すような声で「はい」と返事をすると、ギルバート様の眼が嬉しそうに細められた。
「アレク……愛しています」
ギルバート様の唇が啄むように僕の唇に触れてくる。
唇から伝わるギルバート様の熱は、身体の芯まで蕩けさせた。
胸に溢れるギルバート様への想い。
この恋が叶うなんて夢のよう。
甘い薔薇の香りに包まれて、僕は恋泥棒のキスに酔った。
途中で仮面を落としてしまったけど、この方が見えやすかった。
視界が鮮明になったところで、大きな噴水が見えてきた。
どうやら、僕の勘が当たっていたみたいで、そこに王子様と数人の騎士を発見した。
彼らが追うのは銀の薔薇だ。
白いマントがひらりと舞う。
あっ、あれだっ。
僕は靴を脱ぎ捨て、走って走って、彼らに追いついた。
近づくと、王子様が銀の薔薇に剣を突き付けていた。
「駄目――――っ!!!」
更に近づくと、銀の薔薇の顔が見えた。
「ギルバート様っ」
思わず声を上げた。
銀の薔薇だと思ったその人は、まぎれもなくギルバート様だった。
僕は滑り込むようにして、王子様とギルバート様の間に割って入った。
「痛っ」
王子様の剣が僕の腕を掠った。
血が流れてきたけど、そんなのどうでもいい。
「ギルバート様、ギルバート様がどうしてここに?」
何が起こってるのかわからない。
どうして、ギルバート様がこんな処にいるのか?
衣装こそ銀の薔薇だったけど、仮面をつけていないその顔はギルバート様そのものだった。
ギルバート様は僕のことを驚いた顔で見ている。
「お嬢さん、こんな処まで追いかけてこられては困るな。後で相手をして差し上げたのに」
王子様の声が軽やかに響く。
まるで、この状況を楽しんでいるかのよう。
「あっ、あのっ、ギルバート様です。この人はギルバート様です」
僕は王子様に必死で訴えた。
「ああ、知っているよ。たった今、その仮面を剥いだからね。ベルボント家の子息が銀の薔薇だったとは……建国王の生誕祭以来だね。確か、君は歩けないんじゃなかったのかな」
王子様の言葉に、僕は振り返ってギルバート様の足を見る。
周りに車椅子もないということは、ギルバート様は歩いてここまで来たということになる。
いやでも、そんなの無理だ。
まさか……本当に……
『私をギルバート様だと思っていいですよ』
銀の薔薇の声がふと思い出された。
僕は……何故、気づいてあげられなかったんだろう。
『君は僕のことが好きなんですか?』
ギルバート様は言って欲しかったのかもしれない。
シャルル様が好きなのだと思っていた。
でも、もしかしたら、僕を好きになってくれたのかもしれない。
でなきゃ、あんなこと、好きでもない相手とできないと思う。
「ちっ、違いますっ。ギルバート様は銀の薔薇なんかじゃありませんっ」
僕はギルバート様を守るように抱きしめた。
「ねえ、お嬢さん、これは遊びじゃない。どいてくれないかな。そうでないと、君まで銀の薔薇の仲間として捕まえなきゃいけない」
スッと王子様が剣の切っ先で僕の背中を撫でた。
はらりとドレスが切れて背中が全開になる。
「脅しじゃないよ。彼を素直に渡してくれなければ、その白い肌を血に染めることになる」
びくっとギルバート様の身体が震えた。
僕は「大丈夫ですよ」とギルバート様のことを、王子様から隠すように抱く。
「強情だね。まあ、私も面倒な裁判をするよりも、手っ取り早くここで銀の薔薇を殺してしまった方がいいと思う。貴族というのは厄介でね。その刑を決めるのに、結構な手間と時間がかかる。だったら、いっそ抵抗したから斬った。その方がラクかもしれないね」
背中を冷たい剣の切っ先が何度も滑る。
本気なんだ。
「……アレク…もういいです」
銀の薔薇らしくないか細い声が響いた。
いや、ギルバート様の声だ。
銀の薔薇は僕の名前も知らない。
こんな風に呼ぶのはギルバート様だ。
ああ、此の人はやっぱりギルバート様だ。
「僕っ…僕が銀の薔薇です」
僕は王子様に向き直り、その剣を両手で掴んだ。
側にいた人たちが動こうとしたけど、王子様が止める。
「面白いね。君はとても魅力的だな」
うっとりとまるで恋を囁くように王子様が口にした。
それは、こんな状況には不釣り合いな響きだった。
「僕が銀の薔薇ですっ」
「お嬢さんが?」
クスッと笑われた。
「もう…いいです…」
ギルバート様は諦めたような口ぶりをする。
あの自信に満ちた銀の薔薇はどこへ行ってしまったんだろう。
「君はその男を愛しているの?」
「愛してます。僕は……僕はギルバート様を愛しています」
だから守るんだ。
グッと両手に力を込めると、王子様の顔色が変わった。
だけど、止めたのはギルバート様だった。
「アレク……もういいです」
僕の手にギルバート様の手が重なった。
解こうと指を絡められて、僕は首を振った。
「こういうのは嫌だな。せっかく可愛い子を見つけたのに、他の男が好きだななんて」
王子様が傍の騎士たちに合図をした。
左右から騎士たちの手が伸びてくる。
「やめてくださいっ! ギルバート様は関係ないんですっ」
ギルバート様を助けなきゃと思うのに、僕はとても無力で――
泣きたくなってくる。
「王子様っ! 銀の薔薇が現れましたっ」
誰かが駆けてきたと思ったら、そんなことを言った。
思わず耳を疑う。
「そんなはずないだろう。銀の薔薇はここに」
言いかけた王子様の後ろから何かが飛んできた。
それは、王子様の顔を掠めて地面に突き刺さる。
「銀の薔薇っ」
月夜に輝くそれは銀の薔薇だった。
「一体、誰だ。……ギルバート君、君の嫌疑が晴れたわけじゃない。今宵はお嬢さんに免じて見逃してやろう。お前たち、行くぞっ」
王子様は剣を収めると、騎士たちを連れて去って行ってしまった。
ギルバート様は慌てて、僕の手にマントの切れ端を巻いてくれた。
「アレク、ごめんなさい」
謝られてドキドキする。
恥ずかしくなって、僕は俯き加減に首を振った。
そんな僕の視界に、また一本の薔薇が飛びこんできた。
一体、どこから?
不思議に思っていると、ギルバート様が薔薇の茎に括りつけられていた紙を広げた。
「ギルバート様、それ何ですか?」
ギルバート様はそれを見て、切なそうに眉を寄せた。
「……ギルバート様…」
スッとギルバート様は僕にその紙を見せてくれる。
そこに書かれてあったのは――
「こっ、これって……じゃあ、王子様が追いかけていった銀の薔薇はサイラス様」
それはサイラス様からの手紙だった。
『嘘をついてごめんね。君が全てを知っていたことに、気づいてあげられなかった。本当に欲しいものも与えず、君から逃げていた父を許してほしい。最後に君に贈り物をする。黒い貴婦人と君を幸せにしてくれる人を……』
「……黒い貴婦人」
ハッとして、僕は自分の胸元を押さえる。
よかった。失くしてなかった。
「それと、ギルバート様を幸せにしてくれる人」
辺りを見回すも、それらしい人はいない。
「アレク、君のことだと思います」
言われて、顔が上気する。
「でっ、でも……僕なんかが…」
ギルバート様が僕の頬を優しく撫でた。
「……アレク、君が好きです」
ぶわっと涙が湧き上がり、喉に何かが引っかかった。
「あぁ……僕…」
堪らなく嬉しくて、嬉しいという感情以外わからなくなってしまう。
何か言おうと思っても、言葉にならない。
そんな僕に紫の瞳が迫ってきた。
綺麗な瞳には情熱を感じる。
真っすぐに僕を捕らえて、離さない。
「ねえ、僕に君のハートを盗ませてくれますか?」
ドキッと鼓動が跳ねる。
絞り出すような声で「はい」と返事をすると、ギルバート様の眼が嬉しそうに細められた。
「アレク……愛しています」
ギルバート様の唇が啄むように僕の唇に触れてくる。
唇から伝わるギルバート様の熱は、身体の芯まで蕩けさせた。
胸に溢れるギルバート様への想い。
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