虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

文字の大きさ
上 下
19 / 189
第3章 火山地帯

第78話

しおりを挟む
**********
第78話 ドワーフの里 その2

ドワーフの里は、人の住む街と大きな違いはありませんでした。
民家、商店、病院らしき看板を掲げた建物もありました。
ただ、そのどれもが、人の街のそれよりも、ひとまわり小さいのです。

9人はロックスの後ろを歩きます。

マリン「すごい、これ、橋?」

幅が20メートルはあろうかという巨大な橋です。

マリア「立派な橋ねぇ。こんなのも作れるのね、ドワーフは」

キャッツ「見て!下は溶岩の川だよ!」

ブラド「」ドン!

キャッツ「ちょっと!やめてよ!冗談じゃ済まないわよ!」

ブラド「ごめんごめん(笑)」

リーフ「ねえ、さっきから気になってるんだけど、あれなに?」

フィスト「ああ、トロッコ列車ね。坑道なんかでよく使われてるけど、せいぜい荷物の運搬用よ、普通は」

マリン「あんなに大きな客車をたくさんつけて、それでも線路があんなに高いところにある」

ジャンヌ「すごい技術力ね」

歩いていると、ロックスの仲間のドワーフが彼に「やぁ」だの「元気か?」だの、親しげに声をかけてきました。
そして決まってその言葉のあとに、9人の方を物珍しげにジロジロと見るのです。

マリンがロックスに話しかけます。

マリン「ねぇ、ドワーフ以外の種族って、そんなに珍しいの?」

ロックス「あぁ、ドワーフは自分らの縄張りからは出ないからな」

フィスト「でも、これじゃよそ者って言うより……」

たくさんのドワーフが遠巻きに9人を見ています。

マリア「見世物ね(笑)」

ジャンヌ「これじゃ珍獣扱いよ」

キャッツ「でもさ、みんなロックスみたいに乱暴な言葉でしゃべってこないよ?あんたが親切な方なんて嘘なんじゃないのー?」

ロックス「あんたらにはしゃべりかけて来ないだろ?関わりたくないんだよ。試しに誰かに話しかけてみるか?目も合わさず逃げられるだけだ……」

ローズ「それは、なぜなの?」

ロックス「……もうこりごりなんだよ。よそ者と関わるのは」

ブラド「なんかあったの?」

ロックス「……いつだってやった方は都合よく忘れて、やられた方は忘れられないもんさ」

???「ロックスよ。そうベラベラとしゃべるもんじゃない」

しおりを挟む

処理中です...