虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

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第9章 魔界

第222話 悪魔とは

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第222話 悪魔とは
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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リーフ「暇なんですか?」

グシオン「ああ、ほとんどの悪魔が暇しとるよ。なんせ基本的に死ぬことがないからな。たいていのことはやり飽きとる。つまりお嬢さんがたは私の暇つぶしの相手ということだな」

9人は地下深くの洞窟、魔界の入り口で、紳士的な悪魔と向き合っています。

ジャンヌ「あ、あの、私たち、オーブを探しているんです。多分、この魔界のどこかにあると思うんですけど……知らないですか?」

グシオン「ほお……オーブねぇ」

9人はかわるがわる、ここに来るまでの経緯を話しました。

グシオン「なるほど、大体の事情はわかったよ。だがひとつ、疑問が残るね……」

マリア「な、なにがですか?」

グシオン「なぜ『親切なわけがない』悪魔なんかに、物を尋ねるのか、がだよ」

フィスト「うっ……」

グシオン「そう。君だ」

フィスト「えっと……ごめんなさい」

グシオン「ふふふっ、素直でよろしい……いいだろう。先ほどの偏見からの失礼な物言いは水に流そう」

ローズ「よかったねー。魂抜かれずにすんだね」

マリン「言ってるそばから偏見を口にするんじゃないわよ」

グシオン「ははは!まぁいい。この際だ、いろんな偏見についてひとつひとつ話そうじゃないか。オーブ探しも兼ねて、な。ついてきなさい」

グシオンは9人の返事を待たず、洞窟の奥へと進んでいきました。
9人は慌ててついていきます。

グシオン「ときに、それは便利だな。明かりをつけているのか」

サリー「え、ええ……灯火鉱という鉱石の光を、増幅させています」

グシオン「素晴らしい」

ブラド「あの……今、どこに向かってるんですか?」

グシオン「私たちが住む場所だよ」

キャッツ「町ですか?」

グシオン「町というには建物が少なすぎるなぁ……集落、というほど散らばってもいないし……村かな。魔界村だ。いいやそれで」

キャッツ「いいんすか?」

グシオン「呼び名が重要なのは我々ではない。外から来た君たちだよ」

キャッツ「ま、まぁ、確かに」

ローズ「あのー、グシオンさん?」

グシオン「なにかね?」

ローズ「さっきの偏見の話なんですけどね。実はそれより前に、私たちの間で話題になっていたんです。『悪魔って、そもそも何?』って」

グシオン「ほう。それは興味深い……それで?その議論はどんな結論になったのかね?」

ジャンヌ「えっと、結論というか、大して進展もせずに、さっきの場所まで着いちゃったんです」

グシオン「そうか。それならちょうどいい、今から続きをやりたまえ」

ジャンヌ「ぅえ?続き?」

グシオン「そう。悪魔とは何か、その議論の続きをだよ」

ジャンヌ「えーっと、悪魔とは何か?……例えば吸血鬼みたいに、人間に悪さする生き物で……」

グシオン「悪さというのは?」

リーフ「よく聞くのは、傷つけたり、ネガティブな気持ちにさせたり、取り憑いて苦しめたり、かな」

マリン「災害を起こす悪魔とかもいるよね」

グシオン「大地の怒りや天の怒りか……そういう神々もいると思うが、それは悪魔とは違うわけかね?」

マリン「あ、そうですね。確かに、ちょっと違うかな」

グシオン「何が違う?」

マリン「えっと、見た目?なんか不気味というか」

グシオン「つまり悪魔というのは、恐ろしいことをする不気味な見た目をした存在、ということかな?」
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