3 / 30
学園案内
しおりを挟む
「はいどーぞ。お茶です」
「ありがとうございます。」
「今日入寮する一宮くんかな。この寮の寮長をやってます、日下部樹です。よろしくね。」
「一宮紫音だ!なあ、さっきいたのって女子か?」
「あー、いや男の子だよ。」
「おまえ!ホモなのか?」
「ふふっ。はっきり言うね。紫音君はこの学園のことあまり聞いてない?」
「この学園のこと?」
「うん。この学園ではね、男同士の恋愛は至極当たり前なんだよ。ね、藤崎くん。」
「はい。」
「はあ?ホモばっかかよ!」
「僕は恋愛は自由だと思うよ。あとそう言うことを大きな声で言わないでね。」
「お前はどうなんだよ湊人!お前も男が好きなのか?」
「俺は…」
一昨日会ったあいつの顔を思い浮かべる。思わず笑みが溢れた。
「恋人だけだよ。」
そう言って2人を見ると、寮長は驚いたような顔をしているし、一宮はなぜか顔を少し赤くして固まっている。
「へぇ。藤崎くんってそんな顔するんだ。イメージと違った。今までノーマークだったけどいいね。」
「なんなんですか。見境いないにもほどがありますよ。こんな平凡顔。」
「たしかにパッと見目立つ顔ではないけど、よく見ると綺麗な顔してるよ。」
「目くさってます?」
「湊人!!!!!」
「わっ、びっくりした。」
一宮がこっちにぐっと身を乗り出してくる。
「お前!身長いくつだ?」
「へ?167だけど。」
「む。あと1センチか。すぐ抜かしてやるからな!そしたら………ゴニョゴニョ。恋愛は自由だもんな!!!」
なんだ?
「あらら。藤崎くん、やっちゃったね。」
「???」
「なーんでもないよ。さ、一宮くん。続きいいかな。」
「おう!」
それから学園についての説明をした。
まず、この学園では一に家柄、二に容姿、三に学力が重要視されるということ。これらを基準に選挙で選ばれた(ほぼ人気投票)生徒が生徒会役員を務めること。また、生徒会役員のように人気のある生徒には、親衛隊というファンクラブみたいな集団がついていること。
「あ!親衛隊のことならおじさんにちょっと聞いたぞ!危ないから近づくなってさ!」
「待って。たしかに親衛隊の一部は過激で危険だけど、みんながみんなそうってわけじゃないんだ。」
「もともと親衛隊ってのは対象の学園生活をサポートするために結成されたものだ。純粋に力になりたいってやつも沢山いる。」
「そうそう。」
「でも、親衛隊が邪魔だって要が言ってたぞ!」
「「要?」」
「うん、副会長だってさ!」
「え!一宮くん副会長に会ったの?」
「おう!朝学園に入れてくれたんだ!あっ!あいついきなり気に入ったとかいってキスしてきたけどあいつもなんだな!」
「え!副会長が?」
「驚いたな。」
「笑顔が作り物っぽくて気持ち悪いっていったら、気付いいてくれたのは紫音だけだ、気に入っただって。びっくりして、殴っちゃったけどな!」
「えええ。副会長にそんなこと言ったの⁈しかも殴ったなんて………恐ろしい子……。」
たしかに副会長の薄寒い笑みは作り物じみている。女神の微笑みだとか讃えてるやつも多いが、作ってるのは結構みんな気付いてるぞ。しかも女神とか。男なのに。
「ま、まあ、親衛隊にもいい子たちがいるってのは友達が増えればわかるか。」
「ですね。」
「僕からの話はもうないよ。あと、わからないのことがあったら藤崎くんに聞けばいいよ。はい、あとこれ、部屋のカードね。」
「これか!かっこいいな!」
「落とさないように気をつけてね。藤崎くんも同じ部屋だからね。もしなくしちゃったらすぐ寮長室にくること。」
「分かった!」
「鍵のことじゃなくても困ったらきていいからね。」
「ありがとな!」
「日下部さん。ありがとうございました。」
「どういたしまして。」
「そろそろ失礼します。」
「はーい。」
学校案内の続きしようか。そのまえに食堂行くか?と言って一宮を促す。一宮は飯だ!と言ってドアまで走って行ってしまった。
「ねね、藤崎君。」
「なんですか?」
「僕寮長だから彼の資料見たよ。君も見たんでしょ。苦労しそうだね。気をつけて。」
「はい、心配してくださってありがとうございます。」
「うん、何かあったらおいでよ。君なら何もなくても大歓迎だけど。」
「気持ちだけ受け取っておきますよ。では」
「ふふ、じゃあね。」
「ありがとうございます。」
「今日入寮する一宮くんかな。この寮の寮長をやってます、日下部樹です。よろしくね。」
「一宮紫音だ!なあ、さっきいたのって女子か?」
「あー、いや男の子だよ。」
「おまえ!ホモなのか?」
「ふふっ。はっきり言うね。紫音君はこの学園のことあまり聞いてない?」
「この学園のこと?」
「うん。この学園ではね、男同士の恋愛は至極当たり前なんだよ。ね、藤崎くん。」
「はい。」
「はあ?ホモばっかかよ!」
「僕は恋愛は自由だと思うよ。あとそう言うことを大きな声で言わないでね。」
「お前はどうなんだよ湊人!お前も男が好きなのか?」
「俺は…」
一昨日会ったあいつの顔を思い浮かべる。思わず笑みが溢れた。
「恋人だけだよ。」
そう言って2人を見ると、寮長は驚いたような顔をしているし、一宮はなぜか顔を少し赤くして固まっている。
「へぇ。藤崎くんってそんな顔するんだ。イメージと違った。今までノーマークだったけどいいね。」
「なんなんですか。見境いないにもほどがありますよ。こんな平凡顔。」
「たしかにパッと見目立つ顔ではないけど、よく見ると綺麗な顔してるよ。」
「目くさってます?」
「湊人!!!!!」
「わっ、びっくりした。」
一宮がこっちにぐっと身を乗り出してくる。
「お前!身長いくつだ?」
「へ?167だけど。」
「む。あと1センチか。すぐ抜かしてやるからな!そしたら………ゴニョゴニョ。恋愛は自由だもんな!!!」
なんだ?
「あらら。藤崎くん、やっちゃったね。」
「???」
「なーんでもないよ。さ、一宮くん。続きいいかな。」
「おう!」
それから学園についての説明をした。
まず、この学園では一に家柄、二に容姿、三に学力が重要視されるということ。これらを基準に選挙で選ばれた(ほぼ人気投票)生徒が生徒会役員を務めること。また、生徒会役員のように人気のある生徒には、親衛隊というファンクラブみたいな集団がついていること。
「あ!親衛隊のことならおじさんにちょっと聞いたぞ!危ないから近づくなってさ!」
「待って。たしかに親衛隊の一部は過激で危険だけど、みんながみんなそうってわけじゃないんだ。」
「もともと親衛隊ってのは対象の学園生活をサポートするために結成されたものだ。純粋に力になりたいってやつも沢山いる。」
「そうそう。」
「でも、親衛隊が邪魔だって要が言ってたぞ!」
「「要?」」
「うん、副会長だってさ!」
「え!一宮くん副会長に会ったの?」
「おう!朝学園に入れてくれたんだ!あっ!あいついきなり気に入ったとかいってキスしてきたけどあいつもなんだな!」
「え!副会長が?」
「驚いたな。」
「笑顔が作り物っぽくて気持ち悪いっていったら、気付いいてくれたのは紫音だけだ、気に入っただって。びっくりして、殴っちゃったけどな!」
「えええ。副会長にそんなこと言ったの⁈しかも殴ったなんて………恐ろしい子……。」
たしかに副会長の薄寒い笑みは作り物じみている。女神の微笑みだとか讃えてるやつも多いが、作ってるのは結構みんな気付いてるぞ。しかも女神とか。男なのに。
「ま、まあ、親衛隊にもいい子たちがいるってのは友達が増えればわかるか。」
「ですね。」
「僕からの話はもうないよ。あと、わからないのことがあったら藤崎くんに聞けばいいよ。はい、あとこれ、部屋のカードね。」
「これか!かっこいいな!」
「落とさないように気をつけてね。藤崎くんも同じ部屋だからね。もしなくしちゃったらすぐ寮長室にくること。」
「分かった!」
「鍵のことじゃなくても困ったらきていいからね。」
「ありがとな!」
「日下部さん。ありがとうございました。」
「どういたしまして。」
「そろそろ失礼します。」
「はーい。」
学校案内の続きしようか。そのまえに食堂行くか?と言って一宮を促す。一宮は飯だ!と言ってドアまで走って行ってしまった。
「ねね、藤崎君。」
「なんですか?」
「僕寮長だから彼の資料見たよ。君も見たんでしょ。苦労しそうだね。気をつけて。」
「はい、心配してくださってありがとうございます。」
「うん、何かあったらおいでよ。君なら何もなくても大歓迎だけど。」
「気持ちだけ受け取っておきますよ。では」
「ふふ、じゃあね。」
78
あなたにおすすめの小説
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
推しを擁護したくて何が悪い!
人生2929回血迷った人
BL
所謂王道学園と呼ばれる東雲学園で風紀委員副委員長として活動している彩凪知晴には学園内に推しがいる。
その推しである鈴谷凛は我儘でぶりっ子な性格の悪いお坊ちゃんだという噂が流れており、実際の性格はともかく学園中の嫌われ者だ。
理不尽な悪意を受ける凛を知晴は陰ながら支えたいと思っており、バレないように後をつけたり知らない所で凛への悪意を排除していたりしてした。
そんな中、学園の人気者たちに何故か好かれる転校生が転入してきて学園は荒れに荒れる。ある日、転校生に嫉妬した生徒会長親衛隊員である生徒が転校生を呼び出して──────────。
「凛に危害を加えるやつは許さない。」
※王道学園モノですがBLかと言われるとL要素が少なすぎます。BLよりも王道学園の設定が好きなだけの腐った奴による小説です。
※簡潔にこの話を書くと嫌われからの総愛され系親衛隊隊長のことが推しとして大好きなクールビューティで寡黙な主人公が制裁現場を上手く推しを擁護して解決する話です。
残念でした。悪役令嬢です【BL】
渡辺 佐倉
BL
転生ものBL
この世界には前世の記憶を持った人間がたまにいる。
主人公の蒼士もその一人だ。
日々愛を囁いてくる男も同じ前世の記憶があるらしい。
だけど……。
同じ記憶があると言っても蒼士の前世は悪役令嬢だった。
エブリスタにも同じ内容で掲載中です。
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい
雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。
延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。
この変態、規格外につき。
perari
BL
俺と坂本瑞生は、犬猿の仲だ。
理由は山ほどある。
高校三年間、俺が勝ち取るはずだった“校内一のイケメン”の称号を、あいつがかっさらっていった。
身長も俺より一回り高くて、しかも――
俺が三年間片想いしていた女子に、坂本が告白しやがったんだ!
……でも、一番許せないのは大学に入ってからのことだ。
ある日、ふとした拍子に気づいてしまった。
坂本瑞生は、俺の“アレ”を使って……あんなことをしていたなんて!
罰ゲームって楽しいね♪
あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」
おれ七海 直也(ななみ なおや)は
告白された。
クールでかっこいいと言われている
鈴木 海(すずき かい)に、告白、
さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。
なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの
告白の答えを待つ…。
おれは、わかっていた────これは
罰ゲームだ。
きっと罰ゲームで『男に告白しろ』
とでも言われたのだろう…。
いいよ、なら──楽しんでやろう!!
てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が
こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ!
ひょんなことで海とつき合ったおれ…。
だが、それが…とんでもないことになる。
────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪
この作品はpixivにも記載されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる