目立たないでと言われても

みつば

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生徒会役員

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わらわらと生徒会のメンバーが集まってきて、特に断りもなく席についた。

「そうです。」
「ふーん。副会長が気にいるってのも珍しいけど、なーんか相手がこの子ってのも意外だなぁ。」
「「ねー」」
「そんなことないです。紫音はこんなに愛らしいじゃないですか。」
「おい!さっきから誰だよ!俺は一宮紫音だ!お前らは?」
「ん~、元気だねぇ、僕は市村いちむらのぞみ。会計やってます。」
「庶務の桃井海と、」「陸だよー」
「しょ…き……笹野ささの……し……ん…ご」
「おう!よろしくな!!!のぞみ!海!陸!信吾しんご!」
そう一宮が言うとみんな目を丸くしている。変に構えることもなく話しかけてくるのは珍しいのだろう。
「ぼく……の…いう…こ…とわか…る?」
「?分かるぞ。」
「いつ……も、わか…り…くいか….ら、しゃべ…なって」
「なんだそいつ!ひどいこと言うな!ちゃんと分かるから自分のペースでいいと思うぞ!」
「そっ……か、うれ…し…。」
書記は嬉しそうにしている。

「「ジャジャン!」」
「ここでクイズです。」「今からシャッフルするから」
「「どっちがどっちか当ててねー」」
そう言って庶務の双子はぐるぐると回り出した。
「「どーっちだ!!!」」
「右が海で、左が陸だろ?」
「「⁉︎もう一回!!」」
ぐるぐるぐる
「こっちが海で、こっちが陸!」
「「えっ、なんで分かるの?当てずっぽう?」」
「簡単だろ?普通に見分けつくぞ。」
「へぇ、親でも間違えるのに」「簡単に見分けてくれるなんて……」

「「僕たちも気に入っちゃった!!!これからよろしくねぇ紫音!」」
「よろしくな!!!」


「ふーん、みんな気に入っちゃうなんて。」
会計だけは一歩引いて見ているようだ。しかし、たださえ生徒会メンバーが集まって目立っているのに、気に入ったというものだから、周りからの視線がきつい。敵意を含んだ視線を向けられているのを感じる。親衛隊だろうか。
勝手に生徒会の皆様にお近づきになるなんて…許さない……皆様にふさわしくない……などと言った声も聞こえる。

親衛隊の一部の過激派は、対象に近づいた生徒に制裁といわれる暴力行為に及ぶこともある。さっきは親衛隊について誤解を与えないように説明したつもりだったが、もう少し詳しく言っておくべきだった。まさかすぐに危険な状況に陥るとは思っていなかった。
「ところで、僕こっちの子の方が気になるんだけど、君だあれ?」
風紀に一応話通しとくか。それとも、
「ねぇったら!」
「っはい?」
俺に話しかけてたのか。気づかなかった。
「ねぇ、君は?」
「そうですよ。あなたさっきから図々しくも紫音の隣に座って。」
「「邪魔だよー」」
「…ん。」
「俺の同室者の湊人だ!いいやつなんだぞ!」
「はぁ、どうも」
考え事をしていたのでどこか気の抜けた返事になってしまった。しかも、あの平凡何様?などと、悪口に俺のことが加わってしまっている。めんどうだ。
「あなた、同室だからって紫音に何かしたりしたら許しませんよ。」
「そーだよ」「ゆるさないよ」
「おい!お前ら、湊人をいじめるなよ!俺の親友だぞ!」
いつ親友になったのかは謎だ。
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