94 / 141
第四章 フォルクナー帝国編Ⅱ(只今恋愛&婚約期間堪能中)
90.焦りと喜びと Side.メイビス
しおりを挟む
今日は待ちに待ったルマンドの誕生日。
この日のために用意した品物を最高のシチュエーションで渡そうと皇族所有の別荘を準備。
そこにはちょっと変わった露天風呂があって、眼下に広がる湖と森のコントラストが楽しめるのだ。
夜には露天風呂と星空だけを楽しんで、朝にその眼下に広がる光景を見せたら二度楽しんでもらえるだろうルマンドが喜びそうな場所だった。
夜を一緒に過ごしたいという願望が透けて見えてしまうけど、そこは許してもらいたい。
だから今日は仕事をさっさと片付けたくて、ここ何日かルマンドに会うのを我慢して執務に集中していた。
そんな中、ルマンドにつけていた侍従が手紙を持ってやってきた。
「こちらをお預かりしてまいりました」
もしかして今日は誕生日だからサプライズ的なお誘いかな?程度に考えて軽い気持ちで手紙を開いた。
けれどそこにあったのは思わぬもので……。
『ヒースが誕生日祝いしてくれるから、ちょっとコーリックの港まで行ってくる。今日はあっちに泊まってくるから』
(あっちに……泊ってくるから?)
「…………え?」
正直言われていることが信じられなくて自分の目を疑ってしまった。
しかも侍従が物凄く言い難そうに言葉まで足してくる。
「その……ルマンド様はこのお手紙を書かれる前に、ヒースクリフ殿にデートの誘いかと訊かれておりまして、ヒースクリフ殿も笑顔でそうだと肯定されておられました」
グシャッ……。
思わず手紙を握りつぶしてしまうほど自分の中に動揺が走る。
ケインはルマンドに振られているらしいが、ヒースクリフは別だ。
わざわざルマンドを誘いに来て、誕生日祝いを餌にコーリックまで連れ出して夜泊まるということは…。
(夜にルマンドを……抱く気か?!)
違う可能性は高いが、一度そういう考えに陥ってしまうともう駄目だった。
たとえ1%の確率だったとしても可能性があるのなら放っておくことなどできるはずがない。
そんなこと、絶対にさせられない。
ルマンドがいくらヒースクリフに憧れているからって、それだけは絶対に許せなかった。
「メイビス様!」
侍従達の声なんて聞こえないふりをして転移魔法を必死に発動させコーリックの王城前まで移動する。
城の門番に身分を証明する短剣を見せて馬を借り、港の場所を教えてもらって急いでそちらへと向かった。
門番からは馬車を用意すると言われたが、そんなもの待っていられるわけがない。
謝辞だけ述べてそこからは一気に港まで駆けていく。距離なんて関係ない。
(ルマンド…!)
どうか間に合ってくれと思いながらひたすら走り続け、やっとたどり着いたと思ったところで何か巨大な魔物をルマンドが切り裂く姿が目に飛び込んできた。
(あれは……クラーケンか?)
話には聞いたことはあるが見るのは初めてだった。
噂に違わぬ巨大な海の魔物────。
そんな魔物を一刀両断にしてルマンドがちょっと嬉しそうに不敵に笑う姿が見えた。
あんな魔物まで無傷で倒せるのかと目を奪われると共に、傍に居るケインとヒースクリフの姿に我に返った。
きっとあの二人と協力してクラーケンを倒したのだろう。
また…ヒースクリフに惚れ直したとか口にして喜ばせているのではないのか?
勘違いさせて、喜ばせて……攫われたらどうするんだろう?
「ルマンド!」
必死に名を呼び駆け付けたものの、息が上がって声が思うように出ない。
「はぁ…はぁ…」
「メイビス?何かあったのか?」
何かなんてルマンドのこと以外にあるわけがないじゃないか。
ちっともわかっていないルマンドがもどかしくて泣きそうになる。
でももう捕まえたから、絶対にヒースには渡さない。
「あんな…あんな手紙を渡されて、追い掛けてこないわけがないだろう?」
「え?」
全くわかっていないルマンドだったが、ケインが指摘し俺が侍従の言葉まで伝えたらやっと理解しているようだった。けれどこれはあまりにも酷すぎる。
流石にケイン達もこれには同情してくれたようで、この後は二人で過ごしたらどうだと言われたので、連れ帰る気満々で転移魔法を発動しようとしたらルマンドに止められてしまった。
「……メイビス。急で悪いんだけど、この後ちょっと付き合ってくれないか?」
「え?」
「その…フォルクナーに帰る前に、一緒に船で夕飯食べよう?」
できればすぐにでも連れて帰りたいのに、ルマンドが必死の眼差しを向けてくるから断るに断れなかった。
手を引かれ連れてこられた船は豪華なクルーズ船だ。
どうやら元々この船の船上ディナーを予約していたらしく、全く何の問題もなくデッキに設けられた席へと案内された。
皆でここでクラーケンの討伐祝いでもしようと思っていたのかと少々腹が立ったので、ルマンドからの弁明にもついつれない態度を取ってしまう。
けれど次の言葉にピタリとカトラリーを動かす手を止めてしまった。
「そ、それで……今日ここを予約してたのは、メイビスにプ、プロポーズする予定だったから、その下見で入れてたんだ」
その言葉に初めて周囲に目を向ける。
すぐ横に広がるのは綺麗な夕焼け空とその夕焼け色に染まっていく一面の海。
陽が落ちていく一番綺麗な時間帯だ。
このシチュエーションはまさにルマンドが望んでいた光景なのではないだろうか?
(ああ…それでここに来たのか……)
この場所を下見して、年末にプロポーズしてくれようとしていたのだとやっと腑に落ちた。
「ちょっと予定よりも早いかもしれないけど、メイビス…俺とけ、結婚してくれないか?」
そして紡がれたのはずっと待っていたプロポーズの言葉────。
嫉妬で凝り固まっていた心が一気に和らいで、泣きたくなるほど嬉しい気持ちが込み上げてきてしまった。
「指輪は…くれないのか?」
折角プロポーズしてくれているのに肝心のものを忘れてしまっているルマンドがすごく愛おしい。
慌ててマジックバッグからケースを取り出しそっと開いてくる姿はルマンドらしくて、断るなんて選択肢はどこにもなかった。
「メイビス=フォルクナー。俺と結婚してください」
「…喜んで」
そして指輪を受け取りそれをスッと指へと嵌める。
ぴったりとそこに収まるのはこれがレターニアではなく俺へのものだという証拠。
やっと自分の指に収まったそれを見て、ただただ幸せを噛みしめた。
それを見て周りで見守っていた人達から拍手が上がる。
「「「おめでとうございます!!」」」
クルーズ船の船長達からも祝福の言葉が贈られた。
同性婚はこの国では認められていないというのに、ここの皆は温かく祝ってくれるのかと嬉しくなった。
船員達から沢山の花びらで祝われて、沈んでいく夕日を見ながら幸せな気持ちで微笑み合う。
きっと俺はこの光景を一生忘れられないだろう。
それだけ最高のプロポーズだった────。
この日のために用意した品物を最高のシチュエーションで渡そうと皇族所有の別荘を準備。
そこにはちょっと変わった露天風呂があって、眼下に広がる湖と森のコントラストが楽しめるのだ。
夜には露天風呂と星空だけを楽しんで、朝にその眼下に広がる光景を見せたら二度楽しんでもらえるだろうルマンドが喜びそうな場所だった。
夜を一緒に過ごしたいという願望が透けて見えてしまうけど、そこは許してもらいたい。
だから今日は仕事をさっさと片付けたくて、ここ何日かルマンドに会うのを我慢して執務に集中していた。
そんな中、ルマンドにつけていた侍従が手紙を持ってやってきた。
「こちらをお預かりしてまいりました」
もしかして今日は誕生日だからサプライズ的なお誘いかな?程度に考えて軽い気持ちで手紙を開いた。
けれどそこにあったのは思わぬもので……。
『ヒースが誕生日祝いしてくれるから、ちょっとコーリックの港まで行ってくる。今日はあっちに泊まってくるから』
(あっちに……泊ってくるから?)
「…………え?」
正直言われていることが信じられなくて自分の目を疑ってしまった。
しかも侍従が物凄く言い難そうに言葉まで足してくる。
「その……ルマンド様はこのお手紙を書かれる前に、ヒースクリフ殿にデートの誘いかと訊かれておりまして、ヒースクリフ殿も笑顔でそうだと肯定されておられました」
グシャッ……。
思わず手紙を握りつぶしてしまうほど自分の中に動揺が走る。
ケインはルマンドに振られているらしいが、ヒースクリフは別だ。
わざわざルマンドを誘いに来て、誕生日祝いを餌にコーリックまで連れ出して夜泊まるということは…。
(夜にルマンドを……抱く気か?!)
違う可能性は高いが、一度そういう考えに陥ってしまうともう駄目だった。
たとえ1%の確率だったとしても可能性があるのなら放っておくことなどできるはずがない。
そんなこと、絶対にさせられない。
ルマンドがいくらヒースクリフに憧れているからって、それだけは絶対に許せなかった。
「メイビス様!」
侍従達の声なんて聞こえないふりをして転移魔法を必死に発動させコーリックの王城前まで移動する。
城の門番に身分を証明する短剣を見せて馬を借り、港の場所を教えてもらって急いでそちらへと向かった。
門番からは馬車を用意すると言われたが、そんなもの待っていられるわけがない。
謝辞だけ述べてそこからは一気に港まで駆けていく。距離なんて関係ない。
(ルマンド…!)
どうか間に合ってくれと思いながらひたすら走り続け、やっとたどり着いたと思ったところで何か巨大な魔物をルマンドが切り裂く姿が目に飛び込んできた。
(あれは……クラーケンか?)
話には聞いたことはあるが見るのは初めてだった。
噂に違わぬ巨大な海の魔物────。
そんな魔物を一刀両断にしてルマンドがちょっと嬉しそうに不敵に笑う姿が見えた。
あんな魔物まで無傷で倒せるのかと目を奪われると共に、傍に居るケインとヒースクリフの姿に我に返った。
きっとあの二人と協力してクラーケンを倒したのだろう。
また…ヒースクリフに惚れ直したとか口にして喜ばせているのではないのか?
勘違いさせて、喜ばせて……攫われたらどうするんだろう?
「ルマンド!」
必死に名を呼び駆け付けたものの、息が上がって声が思うように出ない。
「はぁ…はぁ…」
「メイビス?何かあったのか?」
何かなんてルマンドのこと以外にあるわけがないじゃないか。
ちっともわかっていないルマンドがもどかしくて泣きそうになる。
でももう捕まえたから、絶対にヒースには渡さない。
「あんな…あんな手紙を渡されて、追い掛けてこないわけがないだろう?」
「え?」
全くわかっていないルマンドだったが、ケインが指摘し俺が侍従の言葉まで伝えたらやっと理解しているようだった。けれどこれはあまりにも酷すぎる。
流石にケイン達もこれには同情してくれたようで、この後は二人で過ごしたらどうだと言われたので、連れ帰る気満々で転移魔法を発動しようとしたらルマンドに止められてしまった。
「……メイビス。急で悪いんだけど、この後ちょっと付き合ってくれないか?」
「え?」
「その…フォルクナーに帰る前に、一緒に船で夕飯食べよう?」
できればすぐにでも連れて帰りたいのに、ルマンドが必死の眼差しを向けてくるから断るに断れなかった。
手を引かれ連れてこられた船は豪華なクルーズ船だ。
どうやら元々この船の船上ディナーを予約していたらしく、全く何の問題もなくデッキに設けられた席へと案内された。
皆でここでクラーケンの討伐祝いでもしようと思っていたのかと少々腹が立ったので、ルマンドからの弁明にもついつれない態度を取ってしまう。
けれど次の言葉にピタリとカトラリーを動かす手を止めてしまった。
「そ、それで……今日ここを予約してたのは、メイビスにプ、プロポーズする予定だったから、その下見で入れてたんだ」
その言葉に初めて周囲に目を向ける。
すぐ横に広がるのは綺麗な夕焼け空とその夕焼け色に染まっていく一面の海。
陽が落ちていく一番綺麗な時間帯だ。
このシチュエーションはまさにルマンドが望んでいた光景なのではないだろうか?
(ああ…それでここに来たのか……)
この場所を下見して、年末にプロポーズしてくれようとしていたのだとやっと腑に落ちた。
「ちょっと予定よりも早いかもしれないけど、メイビス…俺とけ、結婚してくれないか?」
そして紡がれたのはずっと待っていたプロポーズの言葉────。
嫉妬で凝り固まっていた心が一気に和らいで、泣きたくなるほど嬉しい気持ちが込み上げてきてしまった。
「指輪は…くれないのか?」
折角プロポーズしてくれているのに肝心のものを忘れてしまっているルマンドがすごく愛おしい。
慌ててマジックバッグからケースを取り出しそっと開いてくる姿はルマンドらしくて、断るなんて選択肢はどこにもなかった。
「メイビス=フォルクナー。俺と結婚してください」
「…喜んで」
そして指輪を受け取りそれをスッと指へと嵌める。
ぴったりとそこに収まるのはこれがレターニアではなく俺へのものだという証拠。
やっと自分の指に収まったそれを見て、ただただ幸せを噛みしめた。
それを見て周りで見守っていた人達から拍手が上がる。
「「「おめでとうございます!!」」」
クルーズ船の船長達からも祝福の言葉が贈られた。
同性婚はこの国では認められていないというのに、ここの皆は温かく祝ってくれるのかと嬉しくなった。
船員達から沢山の花びらで祝われて、沈んでいく夕日を見ながら幸せな気持ちで微笑み合う。
きっと俺はこの光景を一生忘れられないだろう。
それだけ最高のプロポーズだった────。
144
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
婚約破棄されたから能力隠すのやめまーすw
ミクリ21
BL
婚約破棄されたエドワードは、実は秘密をもっていた。それを知らない転生ヒロインは見事に王太子をゲットした。しかし、のちにこれが王太子とヒロインのざまぁに繋がる。
軽く説明
★シンシア…乙女ゲームに転生したヒロイン。自分が主人公だと思っている。
★エドワード…転生者だけど乙女ゲームの世界だとは知らない。本当の主人公です。
婚約破棄されるなり5秒で王子にプロポーズされて溺愛されてます!?
野良猫のらん
BL
侯爵家次男のヴァン・ミストラルは貴族界で出来損ない扱いされている。
なぜならば精霊の国エスプリヒ王国では、貴族は多くの精霊からの加護を得ているのが普通だからだ。
ところが、ヴァンは風の精霊の加護しか持っていない。
とうとうそれを理由にヴァンは婚約破棄されてしまった。
だがその場で王太子ギュスターヴが現れ、なんとヴァンに婚約を申し出たのだった。
なんで!? 初対面なんですけど!?!?
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる