【完結】第二王子の失恋〜傷心旅行先で出会ったのはイケメン王子でした〜

オレンジペコ

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第四章 フォルクナー帝国編Ⅱ(只今恋愛&婚約期間堪能中)

103.アンラックの謎が解けた俺

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いよいよ王太子がフォルクナーへと挨拶にやってきた。
魔法使いを四人と近衛六人を引き連れ馬車二台と騎馬での到着。
多分だけど今回は魔法使いが転移魔法を使いそれら全てをここの城門前へと移動させたのだろう。
城の魔法使いは外交官と共にあちこち足を運んでいるのでこういうことも可能なのだ。
しかもその中には筆頭魔法使いのニックの姿まであってちょっと驚いた。
流石王太子!連れてくる者もハイレベル!

でもこうしてみると随分リュクスの雰囲気が変わったような気がする。
何と言うかひと回り、いや、ふた回りくらい成長したような…?
やっぱり自分の母親が暗殺に関与していたのが影響したのかな?

そしてまずは皇帝への挨拶にと謁見の間へと通され、その後俺達の方へとやってきてゆっくりと話をすることになった。

「メイビス王子。お久しぶりです」

以前と違い殊勝な態度で王子然としながら挨拶するリュクスにメイビスもどこか満足げだ。

「リュクス王太子。随分落ち着かれたようでこちらも嬉しく思う」
「……まだまだ至らないとは思うのだが、婚約は成ったと聞いたので王命によりルマンドを迎えに来ました。どうかお渡し願いたい」
「ルマンドとは婚約したばかりで離れがたい。だから今回は見送らせてほしいと思う」
「……その場合いつまでも結婚の準備が進まないという事態になるだけです。私は別に構いませんが…困るのはそちらの方では?」

(おぉっ?!リュクスがメイビスと対等に話してる?!ちょっと驚き!)

成長したなとホロリとしながら見守っていると、リュクスがこちらへと視線を向けてやっぱり噛みついてきた。

「ルマンド。お前はどうなんだ?いくら呑気なお前でもけじめ位つける気はあるんだろう?さっさと帰ってこい」
「ああ、うん。帰るだけなら転移で帰るからいつでも大丈夫」
「……じゃあお前の母親に先に会ってこい。煩くてかなわん」
「またロマンティックなことでも言って迷惑かけたかな?ゴメン」
「結婚式の衣装はメイビス王子の色を特注で用意しなきゃとか、フリフリの方が可愛いかしらとかかなり暴走していたぞ?おかしな衣装を用意されたくなかったら今すぐ帰るんだな」
「えぇっ?!」

それは勘弁!絶対やめて欲しい!
間違ってもウエディングドレスとかは用意してこないだろうけど、フリフリのドレスシャツとかなら可能性は高い。
恥ずかしすぎるからそれだけは絶対に勘弁してほしい。

「メイビス!俺、ちょっと今から説得しに…ッ!」
「ダメだ」

慌てて帰ろうとしたらすぐさま止められてしまった。

「結婚式の衣装なら俺の方からお前の母上に連絡を入れておくから心配しなくても大丈夫だ」
「え?」
「ちゃんとお前の意見も聞いて最高の衣装を用意しよう?」
「あ…うん。それなら…いい、かな?」

うわぁ~甘い!甘すぎる!イケメンのその幸せそうな表情は反則だろう?!
もう何も言えない……。

「んんっ…。まぁ、衣装の件は一つのたとえに過ぎない。他にもコーリックの王族が他国に嫁ぐ際には色々と用意したりやるべき儀式があったりとあるらしい。そのあたりの説明もあるから一度帰れと父上は仰せだ」
「うん。わかった」

なんとかメイビスを説得して帰るよ。
帰れる…よな?うん。帰るからそんなに睨んでくるなよ!
本当にリュクスは俺が嫌いなんだから…!

メイビスだってコーリックの王太子がわざわざ迎えに来たものを無碍には追い返せないと思うんだ。
そのためのお迎え。
だから諦めて一旦返して欲しい。
そんなことを思いながら話をしていると、扉をノックする音が聞こえてきた。

どうやらリュクスが滞在する部屋の準備が整ったらしい。
この場で帰れるとは思っていなかったから、泊まれる部屋を用意したんだよな。

だから一旦リュクスを部屋まで案内してもらって、ゆっくりしてからまた続きは昼餐の席でということになった。


******


昼餐の席ではニックや他の者達も一緒に歓待してもらえた。
ワイバーンの肉が俺のマジックバッグにまだ残っていたからそれを用意してもらったんだけど、かなり喜んでもらえたと思う。
和気藹々とした中で話も弾み、メイビスも随分打ち解けたように見える。
そんな中、ニックが徐に俺の方を見て言った。

「ルマンド殿下、どうしてマジックバッグにアンラックアイテムを入れっぱなしにしてるんです?一緒にリフレクションのアイテムも持ってるからラックに変わってはいますけど、早めに捨てた方がいいと思いますよ?」

普通にラックのアイテムを持った方が効率がいいと思うんだけどと首を傾げられたので正直思いっきり驚いた。

(えぇ~?そんなもの入れてたっけ?)

一体どれだろうと思い食事後に見てもらったんだけど────。

「ああ、これですね」

それは昔ヒースクリフに貰った一つの魔石だった。

「この魔石にアンラックの付与が施されてます。ただ、こっちの袋の方についてる紐の先の石がリフレクションの付与が施されてるので効果がラックに変わってるという感じでしょうか?」

まさかまさかの結果だった。
俺はそれをヒースから貰った時のことを思い出す。

「坊ちゃんはレベル低いな~。しょうがない。ラッキーアイテムをやろう。俺のとっておきだ!魔物との遭遇率が滅茶苦茶上がるからあっという間にレベルアップ間違いなし!彼女にいいとこ見せられるぞ?」

背中をバシバシ叩かれて渡されたんだっけ…。
確かにそれから滅茶苦茶強い敵との遭遇率が上がったんだよな。
ダメだったら逃げろよと言われたから、ちゃんと実力に合わせて逃げたりもしてたからあんまり気にしていなかった。
で、レベルも上がったしすっかり忘れてたんだよな~……。

でも道理でダンジョンでレアなシチュエーションにばっかり陥るわけだ。
イレギュラーな魔物に襲われるのもこのせいだったのかもしれない。

「う~ん…困ったな。美味しい状況になるのは嬉しいから一概に処分もできない」
「いや、普通に処分してくださいよ」
「だって便利だし」
「私がラックアイテムをご用意しますから」
「見返りは?」
「もちろん私の部下で!」
「え?もう無理だと思うけど?」
「そんなことはありません!ルマンド王子は転移ができるんですから、毎日出勤できるじゃありませんか!魔法使いとして私の補佐として是非働いてください!」

ニックが嬉々としてそう言ってくるけど、その話を聞いたメイビスが過剰に反応して俺をしっかり捕まえに来た。

「ルマンドはフォルクナーから出さないから」
「やだな~そんなに独占欲が強いと嫌われますよ?ルマンド王子は自由な方ですからね。そんなことよりルマンド王子、ポーションの件調べていたでしょう?私の方から働きかけまして、ちゃんと解決法も見出しておきましたよ!」
「え?本当?!」
「ええ。だから、是非!一度コーリックに帰って魔導塔でお話しましょう!」

(うわぁ…気になる気になる…)

「じゃ、じゃあすぐに帰って……」
「行かせない」
「でもメイビス…」
「…………メイビス王子、諦められては?」

これにはリュクスも当然後押ししてくるわけで……。
それからあれこれやり取りをして、メイビスが三日後に一日だけ返すと条件を出して最終的には合意を得た。
本当に……大丈夫かな?


******************

※まさかのアンラックアイテム持ちはルマンドでした!
それを知った上であれとかあれもかな~なんて思いながら過去話を振り返ってもらえたら嬉しいです(^^)

ちなみにこの石は世界に十数個存在すると言われていて【試練の魔石】と呼んでいる国も。
持ち主のその場その場の状況に応じた試練が与えられ、回避に失敗すると死に直結する場合が多いため呪いの魔石として宝物庫に仕舞われているケースも多く、試練を乗り越える度に大いなる成長と幸運が舞い込むとも言われている。───という裏設定があります。
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