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第Li章:多くの美しい自然遺産を持つ異世界で何故観光産業が発展しないのか
次回予告(Be)
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異世界で大きなトラウマを抱えることになってしまったシズク。そんな彼女達の前に現れたのは。
「少年、手前味噌だがね。僕は、モテる」
前魔王を倒した伝説のパーティに加わっていた騎士カイは残念なイケメンのナルシストで。
「騎士でありながら、それまでずっと仕えるべき主を見つけられなかった私が、命を賭けて生涯仕えると決めた相手! 私が心の底からイエス・ユア・マジェスティと跪ける存在!」
病的で狂信的な忠義を持つ女騎士レーヌもどこか残念で。
「えぇ、そうですわ。私はお姉さまの妹です。けれど私は、お姉さまの妹である前に、すべての世界のお姉さまたちの妹なのです。よって、シズク先生も、いずれ私のお姉さまになるのですわぁ!」
そのレーヌが主と仰ぐ巨乳ロリ、リンネは3人の中でも最も残念な変態だった。しかも、そんなリンネの正体は。
「ねぇ、リク君。リンネ式階層分類体系って知ってる?」
生物分類における偉人、カール・フォン・リンネのTSロリ化転生体であった。
「へんたい! へんたい!」
果たしてトラウマはどこへやら、今回もまたおかしな方向へ暴走してしまうシズク。そんな残念な3人と魔王を倒すため合流した一同が向かう先は。
「アトランティス! ほんとにあるの!?」
「うぉぉ! すげぇ! 幻の超古代科学文明都市! ファンタジー小説からRPG、はたまた都市伝説まで、いつの時代でも憧れの夢だったその街に、俺達が行けるのか!」
古代の哲学者プラトンが記した海に沈んだ超文明、アトランティスの都だった。だが、そのアトランティスの場所は海に浮かぶ島ではなく。4億年以上の大陸移動を逆説して推測した結果シズクが導き出した場所は。
「ここ。アフリカ大陸の北東部。サハラ砂漠だよ」
かくして一同が訪れた砂漠の都市アトランティスは、現代のドバイを思わせる超高層建築がそびえ立つ未来都市。
「水力駆動式エレベーター、すごいね」
「あぁ、まさに超技術。元の世界でも再現できねぇ」
中央にそびえ立つブルジュ・ハリファに居を構え、この街の治安を守っていたのは。
「二本ずつ。四本でこらえんけんねぇ」
「多分、想像通り。あの人……ヤクザだ」
まさかの任侠者だった。
そして、アトランティスと言えばやはり。
「あぁ。アトランティスでのみ産出される幻の金属、オリハルコンの剣だ」
「うぉぉおお! 最強装備キターっ!」
伝説の金属オリハルコンと、それで作られる最強装備。しかし、アトランティスの武器屋であっさり購入できたその剣の正体は。
「え? 真鍮って聞いたことあるけど、どんなとこに使われてる金属だっけか?」
「多分一番身近なものだと、5円玉かな」
ただの真鍮。見た目だけの粗悪品だった。そんな夢のない現実に肩を落とすリクだが、この街には不思議があり。
「そうだね。どうやらこのアトランティスには、お金って概念がないみたい」
貨幣の概念がなく、望むものがなんでもタダで手に入るという楽園のようでありながら。
「人とは、ここまで堕落できるものなのか」
中心部以外にはスラム街が広がり、その地下には都市の廃墟が広がる。そんな地下都市廃墟にうごめく異形は。
「そいつが書かれたのはSFでもなければファンタジーでもなく、もちろん科学論文でもない。査読ができていないどころか、ほとんどがでまかせ。スタップ細胞の黒歴史を鼻で笑うような、嘘を嘘で塗り固めた場所。そんな匿名掲示板のオカルト板を震撼された、洒落にならないほど怖い話。暑い夏の田んぼの遥か遠くでゆらいでいたそいつの姿を見たものは、魂を連れて行かれてしまう。そいつの名は……」
超古代科学文明都市アトランティス。伝説の金属オリハルコン。何でも手に入る楽園のような街を支配するヤクザ。広がるスラムと地下に蠢く都市伝説的異形。一見すると何の繋がりもないようなこれらが、ある1つのキーワードと、恐ろしい科学実験によって結ばれていく。
「全世界のネズミ大好き女子高生の皆さん大喜びのねずみ算ジョーク、まずは2匹のつがいから。魔王様が住まう魔王城は世界一高い山の山頂。そこまでの案内を俺にお願いしたいって? 申し訳ないが、それはちょっと難しいな。俺は方向音痴だし、なにより、地図は食べちまったからさ」
道化のような振る舞いを見せる八苦が一体、偽王ネスがこの街に無尽蔵の資源を与え続ける理由、そこで進む人類根絶計画とは何か。
「何人覚えた? 105名全員、暗唱できるようになったか? 抜き打ちテスト、オーケー?」
「っ……!」
心に大きな傷を抱えたシズクは無事立ち直れるのか。
「誰か! 誰か助けてくださいまし! シズクさんが、シズクさんが殺されてしまいますわ! 誰か! お願いですわ! 助けてくださいませぇぇえ!!」
そんな彼女を狙う連続殺人鬼の刃から逃れる術はあるのか。
「誰も手を出すな。邪魔になる。俺とあいつ、一対一だ」
己の仁義でオリハルコンの長ドスを引き抜くヤクザの頭領ヒロゾと因縁を持つ勇者カイとの決闘の行方を決めるのは何か。
(やっぱり。魔王でも、魔物でも、自然災害にでもなく。私は人間に終わらされるのか)
すべての謎を1つにつなげるその力を持つシズク。彼女は、その力を使わずに「終わる」ことを選択した。
理系転生Be章~幻の古代超科学文明都市アトランティスの都は何故滅びたのか~
――さぁて、この次も、サービスしちゃうわよ!
「え? 私しないよ。タダ飯喰らいだし」
「働けニート!」
「少年、手前味噌だがね。僕は、モテる」
前魔王を倒した伝説のパーティに加わっていた騎士カイは残念なイケメンのナルシストで。
「騎士でありながら、それまでずっと仕えるべき主を見つけられなかった私が、命を賭けて生涯仕えると決めた相手! 私が心の底からイエス・ユア・マジェスティと跪ける存在!」
病的で狂信的な忠義を持つ女騎士レーヌもどこか残念で。
「えぇ、そうですわ。私はお姉さまの妹です。けれど私は、お姉さまの妹である前に、すべての世界のお姉さまたちの妹なのです。よって、シズク先生も、いずれ私のお姉さまになるのですわぁ!」
そのレーヌが主と仰ぐ巨乳ロリ、リンネは3人の中でも最も残念な変態だった。しかも、そんなリンネの正体は。
「ねぇ、リク君。リンネ式階層分類体系って知ってる?」
生物分類における偉人、カール・フォン・リンネのTSロリ化転生体であった。
「へんたい! へんたい!」
果たしてトラウマはどこへやら、今回もまたおかしな方向へ暴走してしまうシズク。そんな残念な3人と魔王を倒すため合流した一同が向かう先は。
「アトランティス! ほんとにあるの!?」
「うぉぉ! すげぇ! 幻の超古代科学文明都市! ファンタジー小説からRPG、はたまた都市伝説まで、いつの時代でも憧れの夢だったその街に、俺達が行けるのか!」
古代の哲学者プラトンが記した海に沈んだ超文明、アトランティスの都だった。だが、そのアトランティスの場所は海に浮かぶ島ではなく。4億年以上の大陸移動を逆説して推測した結果シズクが導き出した場所は。
「ここ。アフリカ大陸の北東部。サハラ砂漠だよ」
かくして一同が訪れた砂漠の都市アトランティスは、現代のドバイを思わせる超高層建築がそびえ立つ未来都市。
「水力駆動式エレベーター、すごいね」
「あぁ、まさに超技術。元の世界でも再現できねぇ」
中央にそびえ立つブルジュ・ハリファに居を構え、この街の治安を守っていたのは。
「二本ずつ。四本でこらえんけんねぇ」
「多分、想像通り。あの人……ヤクザだ」
まさかの任侠者だった。
そして、アトランティスと言えばやはり。
「あぁ。アトランティスでのみ産出される幻の金属、オリハルコンの剣だ」
「うぉぉおお! 最強装備キターっ!」
伝説の金属オリハルコンと、それで作られる最強装備。しかし、アトランティスの武器屋であっさり購入できたその剣の正体は。
「え? 真鍮って聞いたことあるけど、どんなとこに使われてる金属だっけか?」
「多分一番身近なものだと、5円玉かな」
ただの真鍮。見た目だけの粗悪品だった。そんな夢のない現実に肩を落とすリクだが、この街には不思議があり。
「そうだね。どうやらこのアトランティスには、お金って概念がないみたい」
貨幣の概念がなく、望むものがなんでもタダで手に入るという楽園のようでありながら。
「人とは、ここまで堕落できるものなのか」
中心部以外にはスラム街が広がり、その地下には都市の廃墟が広がる。そんな地下都市廃墟にうごめく異形は。
「そいつが書かれたのはSFでもなければファンタジーでもなく、もちろん科学論文でもない。査読ができていないどころか、ほとんどがでまかせ。スタップ細胞の黒歴史を鼻で笑うような、嘘を嘘で塗り固めた場所。そんな匿名掲示板のオカルト板を震撼された、洒落にならないほど怖い話。暑い夏の田んぼの遥か遠くでゆらいでいたそいつの姿を見たものは、魂を連れて行かれてしまう。そいつの名は……」
超古代科学文明都市アトランティス。伝説の金属オリハルコン。何でも手に入る楽園のような街を支配するヤクザ。広がるスラムと地下に蠢く都市伝説的異形。一見すると何の繋がりもないようなこれらが、ある1つのキーワードと、恐ろしい科学実験によって結ばれていく。
「全世界のネズミ大好き女子高生の皆さん大喜びのねずみ算ジョーク、まずは2匹のつがいから。魔王様が住まう魔王城は世界一高い山の山頂。そこまでの案内を俺にお願いしたいって? 申し訳ないが、それはちょっと難しいな。俺は方向音痴だし、なにより、地図は食べちまったからさ」
道化のような振る舞いを見せる八苦が一体、偽王ネスがこの街に無尽蔵の資源を与え続ける理由、そこで進む人類根絶計画とは何か。
「何人覚えた? 105名全員、暗唱できるようになったか? 抜き打ちテスト、オーケー?」
「っ……!」
心に大きな傷を抱えたシズクは無事立ち直れるのか。
「誰か! 誰か助けてくださいまし! シズクさんが、シズクさんが殺されてしまいますわ! 誰か! お願いですわ! 助けてくださいませぇぇえ!!」
そんな彼女を狙う連続殺人鬼の刃から逃れる術はあるのか。
「誰も手を出すな。邪魔になる。俺とあいつ、一対一だ」
己の仁義でオリハルコンの長ドスを引き抜くヤクザの頭領ヒロゾと因縁を持つ勇者カイとの決闘の行方を決めるのは何か。
(やっぱり。魔王でも、魔物でも、自然災害にでもなく。私は人間に終わらされるのか)
すべての謎を1つにつなげるその力を持つシズク。彼女は、その力を使わずに「終わる」ことを選択した。
理系転生Be章~幻の古代超科学文明都市アトランティスの都は何故滅びたのか~
――さぁて、この次も、サービスしちゃうわよ!
「え? 私しないよ。タダ飯喰らいだし」
「働けニート!」
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