【R18】天才魔術師少年の奥様は落ちこぼれサキュバスです。

茶柱よつば

文字の大きさ
7 / 51

初めてのデート

 イヴリンと初めてのデートをすることになった。朝は普通に起きて朝食を取る。イブリンの服と帽子は僕が買って来た。

 恥ずかしがり屋なので首まである服で、店員さんオススメのちょっとレースとフリルが付いている可愛いやつにした。スカートもロングだから尻尾は見えないだろう。

 彼女はそれを着て帽子を被り触角を隠した。メガネだけど可愛いらしい。

 でもこんな時何と言ったらいいものか。【可愛い】とか恥ずかしくて言えない。


 僕は恋愛も初心者の様なものなのに、き、今日告白しないとなのに!!とりあえず告白内容は頭に入れてるけど実行できるのか不安だ。

 もし、振られたらショックでカイルの言う様に違う女の人に童貞を捧げて忘れなくちゃならない。

 もう今から振られる前提で考えてしまう。イヴリンの性格からして可能性は高い。

 だって何とも思われてないし。

 無謀だ。しかしせめて記念に初恋デートを堪能しよう!!

「さっきから難しい顔をしてませんか?ホーソーンさん」

「う…?そ、そう?」

「体の調子が悪いとか?辞めます?今日…」

「いや、大丈夫!!体には異変はないから!!」
 と言い、朝食を済ませて皿を洗い、僕達はとうとう街へと行くことにした。ゲートを使い、街に合わせた。


 扉の向こうは街だ。イヴリンに他の魔物に察知されない様魔術もかけておいた。

 イヴリンは街へ足を踏み入れキョロキョロした。馬車が通り、人の往来、子供の笑い声、活気ある市場、どこからか聞こえる音楽。絵描きの露店。


「……人…多いですね」

「本を買いに行ったことあるんだろ?」
 と言うとイヴリンは

「あの、私はそのう……夢魔達の街で買って来たので…人間の街は初めてと言うか…」


「夢魔達の街!?そんなものあるのか?」

「はい。一応。人間にはわからない様に隠されている所なので教えられませんけど、種族的に縄張りみたいなものです。他の種族の街や村も人間にはわからない様に隠されているものです」
 と言う。
 魔物達にもそんな生態が…。しかし隠されているなら無理に僕が暴いたらダメだな。


「よくわかった。つまりイヴリンは人間の街は初めてなんだな?逸れない様にな」
 と手を出してみた。
 すると

「別に繋がなくても歩けますよ?」
 と断られて地味にショック。

「あ……そう……。なら、なんか欲しいものとかあったら言ってくれ。お金ならあるし。

 魔法省の給料いいし。イヴリンには美味しいご飯や家事をしてもらってるから今日は労うよ」
 と言うと

「はあ…。別にそんなに気にしなくてもいいですけどね」
 とキョロキョロしながら応える。

 するといつも彼女の服を買う店の前を通りかかる。店員さんが気付いて手を振った。

「ここでいつも君の服を調達しているんだ。親切な店員さんだよ。欲しい服ある?」

「そうなんですか!高そうな服…。ありがとうございました。もっと安めのとこでもいいんですよ?」
 と謙遜した。

 パン屋さんの前を通るとイヴリンは形が違うパンを眺めた。いつも丸いパンしか買ってなかったな、そう言えば。

「ここに入り、店主にレシピを教えてもらいたいのですが」
 と言うから無理だと伝えた。

「簡単にレシピなんて聞けないよ…。パンは小麦からこねて作るものだし」

「成る程。小麦があれば私でも作れると?」

「いやいや、無理、パン焼くのに時間かかるし、パン釜が無いとね」
 と言うと少ししょんぼりしたから僕は

「帰りに買って行こう。いつも同じパンでごめんね、僕食べれれば形なんて重視してなかったから君がそういうなら毎日違う形のものを買って来てあげる!」
 と言うと

「ああ!そんな!ず、図々しいことしてもらってもいいんですか?」

「別に図々しいとは思わないよ」
 とクスと笑う。

「………!」
 イヴリンは罰の悪そうな顔をした。遠慮し過ぎだな。


 とりあえず本屋に向かい、綺麗な花を眺めたりしてイヴリンは楽しそうだった。

 少しベンチで休憩していると後ろから恋人達が手を繋ぎイチャイチャしながら通り過ぎる。

「サラ…今日は本当に可愛いね、香水もいい匂いだ」

「リアンたら!!気付いてくれたのね!嬉しい!」
 と抱きつき恥かしげもなくキスを始めたので罰が悪い。向こうでやれよ。

「……なんというか、あれが周りが見えてないと言う恥知らずですね。本ではロマンチックに書かれていても、現実では何というか、もうちょっと周りを気にして欲しいですね!」
 と憤慨していた。

「はは、サキュバスのくせにほんと興味ないんだな、そういうのに」

「はい!!読むのは好きですけど、私、傍観者的な位置ですので!!自分が恋愛できるとは思いませんし、私モテないし可愛くなくてブスと仲間達からは散々言われてますから!」


 は!!?
 おい…嘘だろ??

 なんかムカついてきた。きっとイヴリンがサキュバスとして落ちこぼれだからバカにしてそんなことを!!
 カッときて僕は

「そ、そんな事ないから!!イヴリンはとても可愛いよ!!」
 とつい言ってカアと恥ずかしくなる。
 パチクリしていたイヴリンは頭を下げて

「お気遣いありがとうございます!ホーソーンさん!私なんかの為に、嘘までついて」

「う、嘘じゃないけど……」
 と言うがイヴリンは

「そろそろ本屋に行きましょう!!楽しみです!」
 と言うので本屋に向かった。やはり僕がまだイヴリンより背が低いから子供扱いされてるんだ。いくら美少年でもイヴリンは容姿には左右されない。

 あれ?僕…結構なヘタレなのではないか!?なら情けない。

 本屋に着くと大きな建物にイヴリンは感動して中に入りズラリと並んだ本や、最新の本の山を見て興奮して目が爛々していた!!


 それからイヴリンは店内をくまなく探してようやく本を5つ選んだ。

「どうしてもこの5つが気になって!他も気になりましたけど!!我慢します!!」


「いいよ、それ読み終わったらまた行こう」
 と言うとイヴリンは

「わあ!何だか申し訳ないです!!ありがとうございます!!」

 僕は本を買い、紙袋に3冊と2冊に分け、3冊の方を持った。イヴリンはまた恐縮するが、こればかりは譲れないと言い切った。


 それから屋台の美味しそうな串焼きを頬張りながら楽しそうな音楽も眺めた。


 イヴリンは子供の様に嬉しそうにしていたから僕も嬉しかった。

「ホーソーンさん!!あれは何?これは?」
 と初めて見るものにも感動している。
 そうして夕方になると

「ああ、楽しかった!!ホーソーンさん!今日はありがとうございます!夕飯は美味しいもの作りますね!!」

「いつも美味しいよ」
 と言うと照れる彼女。

「あ、あの……ち、ちょっと良い?時計塔の眺められるところがあるんだ。夕日が真上に見えて綺麗なんだ。穴場ってやつ」
 とそこへイヴリンを連れて行った。
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

お兄様「ねえ、イケナイ事をしよっか♡」

小野
恋愛
父が再婚して新しく出来たお兄様と『イケナイ事』をする義妹の話。