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10機目 東方からの使者
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早朝の飛行場に射撃音が響く。
「この間よりは大分良くなったかな」
「……ほんと?」
俺はニーナの射撃練習に付き合っていた。
「ただ、まだ力が入ってるからもうしばらくは空撃ちを続けたほうがいいかも」
「……分かった、頑張る」
訓練を始めてから数ヶ月、ニーナはめきめきと腕を上げてきている。
ほんと何でもそつなくこなすよな。
「あら、2人とも早いですね」
射撃場に誰かがやってきた。
双眼鏡から目を離し声のした方を見る。
声の主は風変りな小銃を肩に提げて立っていた。
「アイリス中佐、おはようございます」
「……おはようございます」
挨拶をすると中佐はいつものように微笑む。
「お二人ともおはようございます」
中佐は机に小銃を置くと、箱型の弾倉を取り出し弾薬を込める。
その銃は変わった形をしていた。
全長は1mに満たない位だろうか、現在普及している35年式小銃より15cm程短い。
短機関銃を大型化したような外見の機関部には箱型弾倉を取り付ける穴が開いている。
銃把は銃床から独立したタイプで銃床は折り畳みができるようになっていた。
「試製44年式自動小銃……ですか」
思わずつぶやく。
「よく知ってますね、現在実地試験中でうちにも警備隊向けに数丁配備されているんですよ」
ここに来る少し前、親父が試作モデルを嬉しそうに見せてきた事を思い出す。
「でも銃床が少し違いますね、確か折り畳みはできなかったはず」
見せられたものは木製の固定銃床だったがここにあるのは金属製の折り畳み銃床だ。
「ああ……これはですね、ララが『空軍に寄越すなら空挺降下用に折り畳みにした方が便利なんじゃないか』って勝手に1丁改造してしまったんです」
困ったように肩をすくめる中佐。
そんなやり取りをしているとエーミルが慌てた様子で駆け込んできた。
「アイリスちゃん、さっき哨戒中のテオから緊急の無線が入った。急いで電信室に来てくれ」
「敵襲でしょうか……わかりました。すぐ向かいます」
中佐は装填中だった弾倉をしまうとエーミルと共に電信室へと走っていった。
「……クリス、私たちも電信室に行こう」
ニーナは気になっているようだ。
確かに何が起きているか気になるし、何よりテオが心配だしな。
「ああ、行こうか」
中佐の後を追って電信室へ行くことにした。
電信室には中佐、エーミルとフィーゼラー少佐がいた。
「どんな状況なんですか?」
少佐に問いかける。
「テオが所属不明の航空機を1機発見したらしい。今は距離をとって観察を続けるように指示を出している」
無線機を見つめながら考え込むように答える少佐。
「対象に変化は見られません、低速で北東に向かっています」
テオが無線越しに状況報告をする。
「対象の機種が分かる距離まで少しづつ接近してください」
「了解しました」
中佐が接近の指示を出しテオもそれに従う。
「こちらテオ、対象の機種が判明しました。桜国のA6戦闘機です」
しばらくしてから再び報告が入る。
またA6か、この辺には滅多に現れないはずなのに。
「桜国か……この間の迎撃機といい最近多いな」
少佐がつぶやく。
「何か他に分かることはありますか?」
「数ヶ所に被弾痕がみられます。エンジンにも被弾しているようです。そのせいで速度が出ないのかと思われます」
報告を受け少し悩んだ様子の中佐。
「それだけ損傷していればもし黒雲だったとしても容易に撃墜できるだろう。最接近させて相手パイロットとの接触を試みてもいいんじゃねえか」
「……そうですね。テオ、聞こえますか? A6に最接近、相手とのコンタクトを試みてください。ただし、反撃にあっても応戦できるよう後方から近付いてください」
少佐の提言で中佐も考えを決めたようだ。
「了解しました。後方から接近、相手パイロットとの接触を図ります」
しばらく無線が途切れる。
「桜国の戦闘機がどうしてこんなところにいるんですかね」
桜国の戦闘担当地域は東方だったはずだ、遠方からはるばる西方までやってくる理由が分からない。
「まあ、まだ桜国のものと決まった訳じゃない。黒雲の可能性も十分にあるんだからな」
そう答える少佐もどこか引っかかるところがあるらしい、先程からずっと考え込んでいる。
「こちらテオ、後方から接近したところ突如機体を左右にバンクさせ始めました。いかがいたしましょう?」
テオから新たな報告が入る。
「それは桜国で使われている友軍機であるという合図です。並走してコンタクトを取ってください」
アイリスが新たに指示を出す。
どうやら敵ではないようだ。
「了解しました。並走し、まず無線で呼びかけてみてます」
再び無線が途切れる。
「敵ではないみたいですね」
とりあえず一安心といったところか。
「だとしたらどういう事なんでしょう、なぜ桜国の戦闘機がここに……」
中佐も疑問に思っているようだった。
「こちらテオ、無線には応答しません。無線機が故障している模様です」
再び報告が入る。
相手は満身創痍の状態のようだ。
「分かりました、ジェスチャーで飛行場まで誘導する旨を伝えてください。直接事情を聞くことにしましょう。機体も修理する必要があるようですし」
「了解しました」
交信を終え、大きく息をつく中佐
「テオが桜国機をこの飛行場まで誘導します。少佐は整備班に連絡を、エーミルは機体が炎上した時の為に消火部隊の編成を、クリスとニーナは医療班への連絡をお願します」
「「「「了解」」」」
中佐の指示に従い医務室へ急ぐ。
医務室の扉を開けるとリリイが窓際のプランターに水をあげていた。
「あらあら、クリス。お茶に来てくれたのかしら?」
頬に手を当て、のんびりとした口調で言うリリイ。
「すみません、今回はそういう用件じゃないんです」
「いったいどうしたのかしら?」
「先程、哨戒中の仲間が満身創痍の桜国の戦闘機と接触しまして、飛行場まで誘導しているのでその後の救護活動をお願いしたく参りました」
なるべく簡潔に言ったつもりだが伝わっただろうか。
「分かりました、至急医療班を集めて滑走路に向かいます。アーネスト、担架とメディカルキットを用意してちょうだい」
「はい、先生」
アーネストと呼ばれた青年は手際よく準備を始める。
「それでは先に滑走路に向かいますね」
俺たちはそう言い残し滑走路へ走った。
滑走路にはララ率いる整備班とリリイ率いる医療班、エーミルが指揮する消火班、そして中佐達がテオが来るのを待っている。
「来たぞ!」
双眼鏡をのぞいていたララがテオの帰還を知らせる。
テオの機体が見えてきた。
その後方にもう1機、戦闘機がふらふらとした様子で飛んでいる。
テオ機は着陸態勢に入り無事着陸をする。
もう1機の方は滑走路に近づくも着陸脚を出す様子が見られない。
「なんか様子がおかしくねえか?」
少佐の声に周囲がざわつく。
脚を出さずにどんどん滑走路に近づいていく。
「このままじゃ胴体着陸になるぞ」
少佐の言った通りそのまま滑走路に突っ込んできた。
機体をコンクリートの地面に擦りながら徐々に速度を落としていき、テオの機体の手前でようやく止まった。
全員がほっと息をついた瞬間、機体から突如火が上がった。
「消火班! 医療班! 急いでください!」
中佐が叫び、炎上する機体へ走る。
俺も中佐の後を追う。
テオが戦闘機から飛び降り炎の中へ突入し、パイロットの少女を引きずり出すのが見えた。
「大丈夫か! テオ!」
「医療班を、早く応急処置を!」
中佐と俺が駆け寄ると少女を抱えたテオが叫んだ。
「リリイさん!こっちです!」
医療班が駆けつけ、応急処置をしながら少女を担架に乗せ治療室へと連れて行く。
「お前ら、消火作業急げ!」
消火器やら消火ホースを持った面々がエーミルの指示で消火活動にあたっていた。
数分後、必死の消火活動で何とか火災は鎮火した。
「流石にここまで真っ黒になっちゃ修理はできねえな」
黒焦げになった戦闘機を見てララが呻く。
「操縦手の方はどうなってる?」
「幸い軽度の熱傷と複数のかすり傷で済んだみたいです。どうやら着陸直前に気化したガソリンを吸い込んで気絶していたようで、今は中佐とテオが医務室に行っています」
パイロットの少女が生きている事を告げる。
エンジンの損傷で速度が出ていなかったのと着陸後テオが素早く救出したおかげで大事にはならなかった。
「そうか、なら良かった」
安心した様子のララ。
「じゃこの残骸を早く片付けようか、そうしなきゃ飛行機が飛べねえ」
お前も手伝え。
俺を見てそう言うと彼女はトラックに残骸を積んでいった。
「この間よりは大分良くなったかな」
「……ほんと?」
俺はニーナの射撃練習に付き合っていた。
「ただ、まだ力が入ってるからもうしばらくは空撃ちを続けたほうがいいかも」
「……分かった、頑張る」
訓練を始めてから数ヶ月、ニーナはめきめきと腕を上げてきている。
ほんと何でもそつなくこなすよな。
「あら、2人とも早いですね」
射撃場に誰かがやってきた。
双眼鏡から目を離し声のした方を見る。
声の主は風変りな小銃を肩に提げて立っていた。
「アイリス中佐、おはようございます」
「……おはようございます」
挨拶をすると中佐はいつものように微笑む。
「お二人ともおはようございます」
中佐は机に小銃を置くと、箱型の弾倉を取り出し弾薬を込める。
その銃は変わった形をしていた。
全長は1mに満たない位だろうか、現在普及している35年式小銃より15cm程短い。
短機関銃を大型化したような外見の機関部には箱型弾倉を取り付ける穴が開いている。
銃把は銃床から独立したタイプで銃床は折り畳みができるようになっていた。
「試製44年式自動小銃……ですか」
思わずつぶやく。
「よく知ってますね、現在実地試験中でうちにも警備隊向けに数丁配備されているんですよ」
ここに来る少し前、親父が試作モデルを嬉しそうに見せてきた事を思い出す。
「でも銃床が少し違いますね、確か折り畳みはできなかったはず」
見せられたものは木製の固定銃床だったがここにあるのは金属製の折り畳み銃床だ。
「ああ……これはですね、ララが『空軍に寄越すなら空挺降下用に折り畳みにした方が便利なんじゃないか』って勝手に1丁改造してしまったんです」
困ったように肩をすくめる中佐。
そんなやり取りをしているとエーミルが慌てた様子で駆け込んできた。
「アイリスちゃん、さっき哨戒中のテオから緊急の無線が入った。急いで電信室に来てくれ」
「敵襲でしょうか……わかりました。すぐ向かいます」
中佐は装填中だった弾倉をしまうとエーミルと共に電信室へと走っていった。
「……クリス、私たちも電信室に行こう」
ニーナは気になっているようだ。
確かに何が起きているか気になるし、何よりテオが心配だしな。
「ああ、行こうか」
中佐の後を追って電信室へ行くことにした。
電信室には中佐、エーミルとフィーゼラー少佐がいた。
「どんな状況なんですか?」
少佐に問いかける。
「テオが所属不明の航空機を1機発見したらしい。今は距離をとって観察を続けるように指示を出している」
無線機を見つめながら考え込むように答える少佐。
「対象に変化は見られません、低速で北東に向かっています」
テオが無線越しに状況報告をする。
「対象の機種が分かる距離まで少しづつ接近してください」
「了解しました」
中佐が接近の指示を出しテオもそれに従う。
「こちらテオ、対象の機種が判明しました。桜国のA6戦闘機です」
しばらくしてから再び報告が入る。
またA6か、この辺には滅多に現れないはずなのに。
「桜国か……この間の迎撃機といい最近多いな」
少佐がつぶやく。
「何か他に分かることはありますか?」
「数ヶ所に被弾痕がみられます。エンジンにも被弾しているようです。そのせいで速度が出ないのかと思われます」
報告を受け少し悩んだ様子の中佐。
「それだけ損傷していればもし黒雲だったとしても容易に撃墜できるだろう。最接近させて相手パイロットとの接触を試みてもいいんじゃねえか」
「……そうですね。テオ、聞こえますか? A6に最接近、相手とのコンタクトを試みてください。ただし、反撃にあっても応戦できるよう後方から近付いてください」
少佐の提言で中佐も考えを決めたようだ。
「了解しました。後方から接近、相手パイロットとの接触を図ります」
しばらく無線が途切れる。
「桜国の戦闘機がどうしてこんなところにいるんですかね」
桜国の戦闘担当地域は東方だったはずだ、遠方からはるばる西方までやってくる理由が分からない。
「まあ、まだ桜国のものと決まった訳じゃない。黒雲の可能性も十分にあるんだからな」
そう答える少佐もどこか引っかかるところがあるらしい、先程からずっと考え込んでいる。
「こちらテオ、後方から接近したところ突如機体を左右にバンクさせ始めました。いかがいたしましょう?」
テオから新たな報告が入る。
「それは桜国で使われている友軍機であるという合図です。並走してコンタクトを取ってください」
アイリスが新たに指示を出す。
どうやら敵ではないようだ。
「了解しました。並走し、まず無線で呼びかけてみてます」
再び無線が途切れる。
「敵ではないみたいですね」
とりあえず一安心といったところか。
「だとしたらどういう事なんでしょう、なぜ桜国の戦闘機がここに……」
中佐も疑問に思っているようだった。
「こちらテオ、無線には応答しません。無線機が故障している模様です」
再び報告が入る。
相手は満身創痍の状態のようだ。
「分かりました、ジェスチャーで飛行場まで誘導する旨を伝えてください。直接事情を聞くことにしましょう。機体も修理する必要があるようですし」
「了解しました」
交信を終え、大きく息をつく中佐
「テオが桜国機をこの飛行場まで誘導します。少佐は整備班に連絡を、エーミルは機体が炎上した時の為に消火部隊の編成を、クリスとニーナは医療班への連絡をお願します」
「「「「了解」」」」
中佐の指示に従い医務室へ急ぐ。
医務室の扉を開けるとリリイが窓際のプランターに水をあげていた。
「あらあら、クリス。お茶に来てくれたのかしら?」
頬に手を当て、のんびりとした口調で言うリリイ。
「すみません、今回はそういう用件じゃないんです」
「いったいどうしたのかしら?」
「先程、哨戒中の仲間が満身創痍の桜国の戦闘機と接触しまして、飛行場まで誘導しているのでその後の救護活動をお願いしたく参りました」
なるべく簡潔に言ったつもりだが伝わっただろうか。
「分かりました、至急医療班を集めて滑走路に向かいます。アーネスト、担架とメディカルキットを用意してちょうだい」
「はい、先生」
アーネストと呼ばれた青年は手際よく準備を始める。
「それでは先に滑走路に向かいますね」
俺たちはそう言い残し滑走路へ走った。
滑走路にはララ率いる整備班とリリイ率いる医療班、エーミルが指揮する消火班、そして中佐達がテオが来るのを待っている。
「来たぞ!」
双眼鏡をのぞいていたララがテオの帰還を知らせる。
テオの機体が見えてきた。
その後方にもう1機、戦闘機がふらふらとした様子で飛んでいる。
テオ機は着陸態勢に入り無事着陸をする。
もう1機の方は滑走路に近づくも着陸脚を出す様子が見られない。
「なんか様子がおかしくねえか?」
少佐の声に周囲がざわつく。
脚を出さずにどんどん滑走路に近づいていく。
「このままじゃ胴体着陸になるぞ」
少佐の言った通りそのまま滑走路に突っ込んできた。
機体をコンクリートの地面に擦りながら徐々に速度を落としていき、テオの機体の手前でようやく止まった。
全員がほっと息をついた瞬間、機体から突如火が上がった。
「消火班! 医療班! 急いでください!」
中佐が叫び、炎上する機体へ走る。
俺も中佐の後を追う。
テオが戦闘機から飛び降り炎の中へ突入し、パイロットの少女を引きずり出すのが見えた。
「大丈夫か! テオ!」
「医療班を、早く応急処置を!」
中佐と俺が駆け寄ると少女を抱えたテオが叫んだ。
「リリイさん!こっちです!」
医療班が駆けつけ、応急処置をしながら少女を担架に乗せ治療室へと連れて行く。
「お前ら、消火作業急げ!」
消火器やら消火ホースを持った面々がエーミルの指示で消火活動にあたっていた。
数分後、必死の消火活動で何とか火災は鎮火した。
「流石にここまで真っ黒になっちゃ修理はできねえな」
黒焦げになった戦闘機を見てララが呻く。
「操縦手の方はどうなってる?」
「幸い軽度の熱傷と複数のかすり傷で済んだみたいです。どうやら着陸直前に気化したガソリンを吸い込んで気絶していたようで、今は中佐とテオが医務室に行っています」
パイロットの少女が生きている事を告げる。
エンジンの損傷で速度が出ていなかったのと着陸後テオが素早く救出したおかげで大事にはならなかった。
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