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「お、おい!誰か救急車を!」
周りがざわざわしている。救急車?何かあったのだろうか。何故俺は地面に寝転がっている?この赤いのはなんだ。血…?なんで血が……
「気がついたようだね。黒鐘風織くん。」
なんだよ、ここは。確か俺は家に帰っている途中だったはずだ。それなのに何かが当たったと思ったら地面に寝転がっていたんだよな…
「そうだね。君は学校から帰宅途中、駅の階段から人にぶつかられて転落して頭を強く打って死んじゃったんだよ。」
なんだと…俺は死んだのか。てことはここは…
「んー、とりあえず死後の世界ってことにしておこうかな。僕は君らの世界で言う神ってやつさ。ちょうど君のことを見てたらあんなことになっちゃって、不運だと思ったから君に選択肢を与えようと思う。」
この目の前のチャラそうなのが神なのか。俺の想像してたのとは違うな。髪って言ったらおじいちゃんで白髪の長い髭生やした人なのかと思ってた。
「チャラそうなって失礼な!これでも僕はれっきとした神だよ。」
げっ、心の声が聞こえるのかよ
「まあ、神だからね。それで、選択肢なんだけど、このまま死んで消滅するか、異世界へ転移して生きていくかのどちらかだね。ちなみに異世界に行けるのは一部の人だけでほとんどの人は死んだら消滅しちゃうんだけどね。」
消滅って…こんなのひとつしか選択肢ないじゃないか。出来れば元の世界に戻りたいんだけどな。やり残したこといっぱいあるし。
「んー、元の世界はダメだね。時間軸が違うから君が目覚めるまでに火葬は済んじゃってて、もう向こうの世界に君の体は無いし。」
そうなのか、母さんや父さんたちになんにも親孝行なことしてやれなかったな。俺の他に兄弟もいないのにあのふたり大丈夫なのかな。涼楓は悲しんでるだろうな。今度の日曜日にデートしようって言ってたのに。
「もう悔やんでも仕方の無いことさ。それで、結局どっちにするんだい?」
ああ。もちろん異世界に転移するさ。
「よしきた。それじゃ、君には加護とある程度のスキル、ステータスをあげよう。内容に関してはこっちで決めさせてもらったよ。向こうに行っても特に使命的なのはないから存分に楽しんでくれ。それではまた会おう。」
ああ。ありがとう。俺の両親と涼楓にはよろしく言っといてくれないか。
そう言い終えると俺のからだは光り、立っていた場所から消えていった。
「ふぅ。これでひとまずは安心かな。使命という使命は無いけど、これから何も起こらないってわけじゃないんだよね。それを彼がどうするかは彼しだいということで。それじゃ、しばらくは彼のことを観察しておくとするか。」
「ん……」
俺は気づけば森の中にいた。そう、どこかも分からない森の中だ。
「さて、と。これからどうするかな。」
と、突然、【パンパカパーン!さてさて始まりましたチュートリアルです!異世界からいらっしゃった貴方様限定のイベントでございます】
「な、なんだ!?」
いきなり目の前に画面が現れ、頭に声が響くもんだから思わずビックリして大声を出してしまった。
【今回のチュートリアルではこの世界にいる“魔物”の倒し方についてやっていきますよ!さあ、ご覧下さい。あなたの大声に釣られて前にぷよぷよぽよぽよのスライムがやって来ましたね。】
確かに目の前にスライムが現れた。よくゲームとかで見たあのスライムだ。ド○クエに出てきそうなやつだ。少し水色がかった半透明なやつで、中に“丸い何か”がある。
【スライムの基本の倒し方は体の中にある核を潰すことです。魔物によっては倒すと魔石のある種もいるので回収をお忘れなく。それでは腰につけてある短剣で切ってみ下さい。】
チュートリアルの指示通りによく分からないが剣を振り下ろしてみた。スライムの核は簡単に切れ、ドロっとスライムの体は崩れていった。俺は剣など持ったことすらないのに何故だろう、体が勝手に動く。以前から剣を振っていたかのように。
【この世界にはステータスやスキル、加護などがあります。この確認には心の中で「ステータス」と呟くと見れるようになるのでまた後ほどご確認ください。それではこれでチュートリアルを終了します。】
そうしてチュートリアルの画面は消えた。森から出るのが先なんだろうが、やはり気になるものは気になる。俺はステータスを確認することにした。
(ステータス。)
周りがざわざわしている。救急車?何かあったのだろうか。何故俺は地面に寝転がっている?この赤いのはなんだ。血…?なんで血が……
「気がついたようだね。黒鐘風織くん。」
なんだよ、ここは。確か俺は家に帰っている途中だったはずだ。それなのに何かが当たったと思ったら地面に寝転がっていたんだよな…
「そうだね。君は学校から帰宅途中、駅の階段から人にぶつかられて転落して頭を強く打って死んじゃったんだよ。」
なんだと…俺は死んだのか。てことはここは…
「んー、とりあえず死後の世界ってことにしておこうかな。僕は君らの世界で言う神ってやつさ。ちょうど君のことを見てたらあんなことになっちゃって、不運だと思ったから君に選択肢を与えようと思う。」
この目の前のチャラそうなのが神なのか。俺の想像してたのとは違うな。髪って言ったらおじいちゃんで白髪の長い髭生やした人なのかと思ってた。
「チャラそうなって失礼な!これでも僕はれっきとした神だよ。」
げっ、心の声が聞こえるのかよ
「まあ、神だからね。それで、選択肢なんだけど、このまま死んで消滅するか、異世界へ転移して生きていくかのどちらかだね。ちなみに異世界に行けるのは一部の人だけでほとんどの人は死んだら消滅しちゃうんだけどね。」
消滅って…こんなのひとつしか選択肢ないじゃないか。出来れば元の世界に戻りたいんだけどな。やり残したこといっぱいあるし。
「んー、元の世界はダメだね。時間軸が違うから君が目覚めるまでに火葬は済んじゃってて、もう向こうの世界に君の体は無いし。」
そうなのか、母さんや父さんたちになんにも親孝行なことしてやれなかったな。俺の他に兄弟もいないのにあのふたり大丈夫なのかな。涼楓は悲しんでるだろうな。今度の日曜日にデートしようって言ってたのに。
「もう悔やんでも仕方の無いことさ。それで、結局どっちにするんだい?」
ああ。もちろん異世界に転移するさ。
「よしきた。それじゃ、君には加護とある程度のスキル、ステータスをあげよう。内容に関してはこっちで決めさせてもらったよ。向こうに行っても特に使命的なのはないから存分に楽しんでくれ。それではまた会おう。」
ああ。ありがとう。俺の両親と涼楓にはよろしく言っといてくれないか。
そう言い終えると俺のからだは光り、立っていた場所から消えていった。
「ふぅ。これでひとまずは安心かな。使命という使命は無いけど、これから何も起こらないってわけじゃないんだよね。それを彼がどうするかは彼しだいということで。それじゃ、しばらくは彼のことを観察しておくとするか。」
「ん……」
俺は気づけば森の中にいた。そう、どこかも分からない森の中だ。
「さて、と。これからどうするかな。」
と、突然、【パンパカパーン!さてさて始まりましたチュートリアルです!異世界からいらっしゃった貴方様限定のイベントでございます】
「な、なんだ!?」
いきなり目の前に画面が現れ、頭に声が響くもんだから思わずビックリして大声を出してしまった。
【今回のチュートリアルではこの世界にいる“魔物”の倒し方についてやっていきますよ!さあ、ご覧下さい。あなたの大声に釣られて前にぷよぷよぽよぽよのスライムがやって来ましたね。】
確かに目の前にスライムが現れた。よくゲームとかで見たあのスライムだ。ド○クエに出てきそうなやつだ。少し水色がかった半透明なやつで、中に“丸い何か”がある。
【スライムの基本の倒し方は体の中にある核を潰すことです。魔物によっては倒すと魔石のある種もいるので回収をお忘れなく。それでは腰につけてある短剣で切ってみ下さい。】
チュートリアルの指示通りによく分からないが剣を振り下ろしてみた。スライムの核は簡単に切れ、ドロっとスライムの体は崩れていった。俺は剣など持ったことすらないのに何故だろう、体が勝手に動く。以前から剣を振っていたかのように。
【この世界にはステータスやスキル、加護などがあります。この確認には心の中で「ステータス」と呟くと見れるようになるのでまた後ほどご確認ください。それではこれでチュートリアルを終了します。】
そうしてチュートリアルの画面は消えた。森から出るのが先なんだろうが、やはり気になるものは気になる。俺はステータスを確認することにした。
(ステータス。)
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