最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第一部 サクセス編(改稿版)

25 浜辺のバカンス

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現在のパーティ
サクセス 戦士?(魔物つかい)レベル20
リーチュン 武闘家      レベル34
シロマ   僧侶       レベル34
イーゲ   魔法使い     レベル35
ゲロゲロ  フロッグウルフ  レベル29
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 目の前には広がるのは、果てしなく広がる青と陽の光を浴びて煌めく白の世界。 
 俺は生まれて初めて海というもの見た。 

 遠くからも聞こえるさざ波の音、時折、頬を撫でる潮風、その全てが俺の心を癒してくれる。 

「うっわーー! 凄い綺麗! おーい! サクセスぅぅ、早くおいでよ!」 

 海が見えた瞬間、ゲロゲロと海に向かって駆けていくリーチュン。 
 それとは逆に、不思議そうに砂を手で掬って、サラサラと地面に落とすという謎の儀式をするシロマ。 
 そして、特に海に反応することが無く、いつまでも俺の腕にしがみ付いているイーゼ。 

 三者三様の反応であるが、どうやらシロマとリーチュンは、俺と同じで海を見るのは初めてのようだ。 


「んで、そろそろ離してくれないかイーゼ。俺もこの砂浜を堪能したいんだ!」 

「嫌です。私はサクセス様を堪能したいです。」 

「どおらあぁぁぁ!」 

 俺はいつまでもしがみ付くイーゼを強制的に振り払う。 
 決してイーゼにしがみ付かれるのが嫌な訳ではないが、このままだと何もできないし、若干シロマの目が痛いからな。 

 イーゼはそのまま砂浜に倒れると、ローブの裾から伸びる白い足が砂まみれになった。 

 おっほー。
 え、えろい……。 
 いかん! ダメだダメだ! 

 これもあいつの作戦に違いない! 
 全く、ゲイだっただけに芸が細かいな! 

 横目でイーゼを見ながらそんな事を考えていると、


 シャカシャカシャカ……


 という変な音が聞こえてきた。  

 なんだこの音? 

 俺は咄嗟に音が聞こえる方に振り向く。
 するとそこにいたのは、両手が鋭く光る巨大なハサミになっている、人間サイズのカニだった。 

 なんじゃありゃ! 魔物か!? 

 そのカニは信じられない程速い横歩きで、倒れているイーゼに向かってくる。


「イーゼ! 早く立て! モンスターだ!」 

「あっは~ん。立てないですわぁ~。助けてください、サクセスさまぁぁ。」 


 言ってる場合か! 
 こんな時に、何を馬鹿な事をしてんだ、この変態は! 

 俺がイーゼに危険を伝えるも、イーゼは俺の方しか見ないでふざけている。 


「馬鹿! いいから、立てって! クソ!」 


 俺はイーゼに駆け寄ってその前に立つと、迫りくる化け物カニを銅の剣で攻撃する。


 バシっ! 

 俺はどうのつるぎでその蟹をぶん殴ると、カニの魔物は一撃で爆散した。 

 あれ? 一撃……。 
 俺、強くなりすぎてね? 

 久しぶりに戦闘をした俺だが、いつの間にか俺は、自分で思っている以上に強くなっていたみたいだ。 

 やはり能力向上10倍はヤバすぎる。 
 他のメンバーも経験値10倍のせいでレベルが爆上がりだし、そう考えると結構ヤバいなこのパーティ。 


「こ、怖かったデスゥ~!」 


 イーゼが図々しくも俺に抱きついてこようとした為、俺はそれを素早くかわす。 
 するとイーゼは勢いよく砂浜に顔面ダイブした。 


「うきゃっ!!」

「イーゼ! もうこういうのはやめてくれ! 次は絶対助けないからな!」 


 多分こいつは、俺が必ず助けると計算してこんな事をしたに違いない。 
 だが、これはやり過ぎだ。
 戦闘は遊びではない。 
 ここできつく言わなければ、今後は命に関わる可能性だってある。 

 だからこそ、俺は語気を強めて言った。 


「……申し訳ございませんでした。少し浮かれており、調子に乗り過ぎていましたわ。」 


 イーゼはシュンとして、反省しているように見せてはいるが――多分演技だな……。
 俯きながらも、イーゼは、ちらちらと俺の様子をうかがっている。 

 はぁ……全くこいつは。 
 まぁ、同じ事は流石にもうしないだろう。 
 それより今は……。 


「んで、さっきのあれはなんだ?」 

「あれは、海賊蟹ですわ。普段は群れて冒険者を襲ってくるのですが、今回は一匹でしたので、甘く見てしまいました。申し訳ございません。」 


 なるほどな。 
 イーゼはあの魔物を知っててあんなことをしたわけか。 
 といっても、危険な事には違いないが。 

 とりあえず、先に色々聞いておいた方が良さそうだ。 


「他にも、ここら辺で出てくるモンスターについて教えてくれ。」

「はい、海辺の近くでは、痺れスライムやデスカラスなどが現れます。」 

「それはどのくらい危険なんだ?」 

「レベル20前後のパーティなら十分戦えるレベルかと。今の私達ですと、かなり余裕ですわ。」 

 
 思ったよりも危険は少なそうだな。 
 と言っても、油断はできない。 
 それにしてもイーゼは、本当にダメな時はダメだが、こういう時は頼もしいな。


「わかった。参考になるよ。それで、目的のアバロンは、ここからどのくらいで着くんだ?」

「そうですね、そこの森を出て1日歩けば着くかと。ちなみに目の前の森はそこまで深くありませんので、半日もあれば抜けられますわ。」 


 俺が質問すると、イーゼは浜辺の先の森を指差して説明する。 


「それじゃあ、今日のところは森に入らずに、浜辺の先にある木の下で野営をするかな。そしたら明後日の夜には着くみたいだし。」 


 別に急ぐ旅でもないし、折角初めて海を見たんだから、今日くらいはゆっくりしてもいいと思う。 
 それに、美女達と一緒の海でビジョビジョになりたいし! 


「それがよろしいかと。ここの浜辺は、夕陽が沈むととても綺麗なのです。いつか最愛の人とそこで愛を語り合うのが私の夢でした……。やっと叶いそうですわ!」 


 イーゼはウットリとした目で語りながら、一人の世界に入っている。 
 もうさっきの事は忘れているようだ。 
 少しは懲らしめた方が良さそうだな。 


「悪いけど、イーゼ。さっきオイタしたから、今日は、俺から2メートル以内の接近禁止な。これは命令だ。わかったら少しは反省してくれ。」 

「そ、そんな! 私の……夢が……!」 


 俺の宣告にイーゼは言葉を失う。
 体全身から絶望のオーラが溢れ出るイーゼ。 

 ちょっと可哀想だが仕方ない。 
 ここで甘やかすと後で大変だからな。 
 ここは心を鬼にして、明日以降は少し優しくしてあげよう。 

 
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