最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第二部 新たなる旅立ち

第四話 ゲロゲロの秘密

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「ここからだと、後五日だったか?」

「はい、この山岳を抜けたら森があります。そこを抜けると、もうマーダ神殿は見えてきますわ。」

「なるほどね……ところでなんで腕に抱きついてるのかな?」

「こんなに揺れるんですもの。サクセス様が御者から落ちないように支えているのですわ。」

 イーゼは何食わぬ顔顔をしながら、平然とふざけた事を口にする。
 現在俺たちは山岳地帯で馬車を走らせていた。

 リーチュンとシロマは馬車の中で休憩中の為、俺が御者をしている。
 ゲロゲロはいつもの定位置で、俺の横にちょこんと座っていた。
 まぁ、番犬的な感じだな。
 そして、何故かイーゼは俺の横にべったりとくっついている。

 正直嫌というわけではないが、いつ後ろの二人が出てくるかわからないから、ヒヤヒヤものだ。
 こいつは、中の二人になんと言って前に来たんだろうか……心配だ……。

「普通に考えて、手綱握ってる俺が落ちるわけないよね? というより、むしろそこにいるイーゼの方が危ないんじゃないか?」

「はっ!? 確かにそうですわ、それでは私もこのレバーを握らせてもらい……。」

「それはレバーじゃねぇ! どさくさに紛れてどこ握ろうとしてんだよ、この変態エルフは!」

 パチーン!

「あん、イケズです……。」

「何がイケズだよ、油断も隙もねぇな。」

 イーゼの手は、俺の下半身に一直線に向かってきたので、すかさずそれを手で弾く。
 ただでさえ溜まってるのに、そんな事されたら媚薬が無くとも、本物のシフトレバーになっちまうところだった。

 毎日美女に囲まれて冒険するのが夢だったけど、現実はこんなに辛いとはな……。
 こういう時はゲロゲロを撫でるに限る!

 ゲロォ~(ふにゃ~)

 俺が足元にいるゲロゲロを撫でると、気持ちよさそうな声を出した。

 本当にゲロゲロは可愛いなぁ。
 ゲロゲロを見ていると癒されて、邪な気持ちが消えていくよ。

 ん? 

 そういえば、ゲロゲロって雄なのか?
 まぁ、成長した時にキングフロッグウルフになってたから雄だよな。

「なぁゲロゲロ、一応聞くけど、お前って雄か?」

 ゲロォ?(オスって何?)

 まぁ、ゲロゲロに分かるわけないか。

「ゲロゲロは雌ですわ。前に確認しましたわ。」

「雌かよ!? つか、なんでそんなもん確認してんだよ。」

「敵か味方か確認しただけですわ。他意はありませんわ。」

「お前……ゲロゲロは人じゃねぇんだぞ?」

「愛に性別も種族も関係ありません!!」

 ゲロォ!(サクセス好きだよ!)

 ……。

 俺の癒しを返してくれ!

 まぁでも、ゲロゲロは可愛いから性別とかどうでもいいわな。

「よしよぉし、俺も好きだぞぉ。」

 俺がまた頭を撫でると、ゲロゲロは嬉しそうに目をつぶった。

 やっぱりゲロゲロは可愛いなぁ~。
 でも雌だったかぁ……。
 そうだなぁ、もしいつか変な雄を連れてきたら言ってやるか。

 うちの娘はお前にはやらん!

っとな。

 そんな事を考えながら、俺がゲロゲロを可愛がっていると、隣にいる変態がゲロゲロを睨みつけていた。

 ヤベェ、こいつ目がマジだ……。
 頼むからゲロゲロに嫉妬するのはやめてくれ!

「それはそうと、全然モンスターでないな。俺達が強いのもあるんだろうけど、全く見当たらないってのは少しおかしいな。」

 俺たちがヒルダームを出てから、間も無く一日が経過する。
 日も大分落ちてきた。
 それなのに、一度もモンスターに襲われないどころか、スライム一匹見当たらない。
 こんな事は今までに一度もなかった。

「そうですわね。多分、マーダ神殿に向けて一斉に移動しているのかもしれませんね。お陰で順調に進んでいますが……ちょっと心配ですわね。」

 イーゼが不安そうな顔をする。
 確かに今まさに、マーダ神殿は、モンスターの大群に襲われているかもしれない。
 そう考えると、少し速度を上げた方がいいのだろうか?

「速度を上げるか?」

「いえ、急いで馬車が壊れても仕方ありませんので、今は、マーダ神殿にいる者達を信じましょう。それよりもせっかく邪魔なモンスターも女もいない事ですし……」

 いや、いるよね?
 さっきから君、随分睨んでいたよね?

 すると突然イーゼは上着を脱ぎはじめる。

 ちょ、おま!
 いくらゲロゲロに嫉妬したからって、いったい何をする気だよ!?

「な、何するっぺよ!!」

「うふふ、いい事に決まってるますわぁ。ゲロゲロじゃなくて、私を見てもらいますわ。」
 
 えっ?
 えええっ!?
 いや、まじで何しようとしてるの!?
 こ、子供の前ですよ!

 イーゼは上着をはだけると、俺の胸に指を這わせながらくっついてくる。

 つつつつつっ……。

「はぅあ!」

 いや、マジ、こ、ここで何する気だっぺ!?
 
「うふふ、サクセス様は動かなくていいですわよ。わたくしに身を任せて下さい。」

 俺は突然のイーゼの行動にドキドキしてしまい、固まる。
 しかし、その暴挙は直ぐに止められた。

「ちょっとアンタ! 何しようとしてんのよ! それはルール違反よ!」

「ちっ!」

 馬車の中から、勢いよくリーチュンが出てきた。
 ルール違反が何かわからないが、とりあえず舌打ちは怖いからやめてくれ、イーゼ。

「ほら、リーチュン。言ったじゃないですか、やっぱりですよ。だから私は反対だったのです。」

 そしてシロマまで馬車の幌を開けて、ぷんぷんしながら顔を出してきた。

「アンタを信用したアタイが馬鹿だったわ! もう交代よ。次はアタイの番だからね!」

 三人の会話に、俺は入れない。
 何のことを言っているのかさっぱりだ。

「ちょっと言っている意味がわからないのだが。何の順番なんだよ。ってか、リーチュンの御者当番は明日だろ?」

「サクセスさんは知らなくていいことです。これは私達だけのルールですから。」

 なんかシロマが怖い。

「そ、そうか。なら、無理には聞かないよ。」

 一人、仲間外れにされた気分で少し悲しくなる俺。

「それよりも、間も無く日が落ちます。あそこにちょうど広い場所がありますから、今日はそこで野営をしませんか?」

 イーゼが指し示す方向には、岩肌が剥き出しになっていて、野営をできるくらい広いスペースがあった。

 ほんとこいつは、話変えるの上手いな。
 絶妙なタイミングで、都合の悪い話を逸らしやがった。
 だが、確かに暗くなってからでは遅いから、悪くはない提案だ。

「そうだな、じゃあそこで野営の準備をするか。」

 あれ?
 結局イーゼは、俺に何をしようとしていたんだろうか……。

 色々有耶無耶なまま、俺たちは野営に入るのだった。
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