最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第二部 新たなる旅立ち

第二十一話 やることがねぇ……。

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 おお サクセス!
 ○ッてしまうとは なさけない……。

 そなたに もういちど きかいを
 あたえよう。

 ふたたび このようなことが 
 ないようにな。

 では ゆけ! サクセスよ!



「は! ここは!?」

 俺は変な夢から覚めると、周囲を見回す。
 
「やっと起きましたね、サクセスさん。」

 隣にはシロマが座っていた。

「あれ? 俺は……。 は!?」

 やっと思い出した。
 そして何故か体が軽い。

「間も無く森を抜けますよ。そろそろ準備をして下さいね。」

 シロマは何も言わなかった。
 
「お、おう。みんなは?」

「外で警戒していますよ。それと聞かれる前に答えますが、サクセスさんが倒れて二時間位ですかね。」

 なるほど。
 俺は二時間も寝ていたのか……。
 だが何も言われないのは逆に怖いな。

「サクセス~! 良かった、元気になったのね。」

 俺の声を聞いたリーチュンが中に入ってくる。

「ちょっと! いきなり御者から離れないでくれませんか!」

 外からイーゼの声も聞こえる。
 流石にイーゼまで御者を外れるわけには行かず、中には入って来ない。

「とりあえず俺が御者を代わるよ。みんなすまないな、迷惑かけた。」

「いいっていいって。サクセスは休んでて。多分もうすぐ森を出るからさ。」

 なんかリーチュンが優しい。
 どうやら、俺の失態はバレていないようだった。

 そのまま、一時間ほど馬車を走らせると、森の出口が見えてきた。

「サクセス様。戦闘の音が聞こえます。馬車から降りてきてもらってよろしいですか?」

 その言葉に俺は馬車の外に出る。
 森を抜けると、広大な草原が広がっており、至る所でモンスターと人間が戦っていた。

 だが、思ったよりも少ない。
 そして苦戦している感じもなった。
 なんだか思っていたこと違い、少し拍子抜けである。

「大丈夫そうですね……。」

 シロマが漏らす。
 俺も同意見だ。

 目に映るモンスター達は、沢山の人に囲まれて倒されつつある。
 どう見ても、圧倒的に人間が優勢だ。

「サクセス様、アソコを見てください。」

 イーゼが何か気づいたようだ。
 エルフは目がとても良いらしく、遠くまで良く見えるようだ。

 アクセントがおかしい事には、つっこまないぞ?

 俺はイーゼが指す方をじっと見つめると、なんだか光輝いている場所があった。
 そして、目に力を入れ続けてみると、どういうわけか望遠鏡のようによく見え始める。

 ステータスが高いというのは、こういう事もできるのか……。
 俺は新たな特技【遠視】を身につけた。

「あれは……ビビアン?」

 そこで戦っていたのは、輝くドレスを纏ったビビアンだった。
 そしてその近くには炎を纏った剣を持ったオッサンが戦ってる。

 ん?
 魔法剣?

 近くで戦っている戦士は、どうやら魔法戦士のようで中々強そうだ。 

 声は聞こえないが、なんとなく口の動きで会話がわかる。
 幼い頃に、ビビアンと口パクゲームで当てっこしていたから、いつの間にか読唇術が身に付いていた。

「ビビアン殿! あと少しですぞ!」

「わかっているわ。さっさと殲滅するわよ!」

 明らかにそこだけが他の戦闘地域と違っている。

 一言で言うと、圧倒的。

 殆どの魔物はビビアンに瞬殺されていった。
 そして、遠くにいた魔物も、数で押そうとしたのかビビアン達の前に次々と集まってくる。

 だが、それをものともしなかった。

 そして、魔法戦士の男も強い。
 マモルと同じ魔法剣を使って、モンスターを一網打尽にしている。
 動きに無駄がない。

「凄いな。ビビアンってあんなに強かったのか……。」

「ビビアンって誰の事ですか? お知り合いでもいましたか?」

 俺の独り言にシロマが聞いてきた。

「あぁ、俺の幼馴染だ。そして今は勇者をしているらしい。」

「え? 勇者様ですか!? 勇者様がいらっしゃるのですか!?」

 シロマは勇者と聞いて驚いている。
 歴史好きのシロマは、少し興奮しているようだ。

「へぇー。サクセスとどっちが強かったの!?」

「昔はいつもボコボコにされてたよ……。聞かないでくれ。ただ、今は俺も変わったからな。比べる気は無いけど、そこまで俺が劣ってるって事はないと思うよ。」

 昔と違い、俺は大分強くなった。
 情けないあの頃とは違う!

「サクセス様に決まってますわ。サクセス様は人類最強のご主人様ですわ。」

「おいっ! いつ俺がイーゼのご主人様になったんだよ!」

「あら? あそこにいるのはあの時の方では?」

 イーゼは俺のツッコミを華麗にスルーする。
 ったく、自分から振ったくせに……

って、あれは!

「セクシー女優! と、占い師?」

 俺の目に、服装や雰囲気こそ違うが、顔が瓜二つな女性が映る。
 遠目からだと、服装以外に違いがわからない。

 占い師は、周りの冒険者を回復させたり、時折風魔法で攻撃して、セクシー女優さんは、踊ったり、攻撃魔法を使い、周りを援護をしている。

 どうやらあの二人もビビアンのパーティらしい。

 まぁそれはそうとさ、急いでここまできてみたのだが……
 言いたくは無いが言わせてもらおうか。

「これさ。俺たちの出番なくない?」

 …………。

「そうですわね。それならそれでいいですわ。」

 俺は少しがっかりしていたのだが、イーゼはホッとしているようだった。

 大分疲れが溜まっているな。
 まぁかなり激しい戦闘をした後の御者だ。
 疲れてて、当然か。

「よし、じゃあ俺たちは、ここで森から敵が来ないか見張る事にしよう。無理に戦場まで行くことは無いだろ。」

「はい、それが良いと思います。今から行って、逆に獲物を横取りされたとか言われても困りますし。」

 シロマも俺に賛成だ。
 だが、その考えはなかったな。
 なるほどな、言われてみればそうだ。


 しばらく俺たちは、森を警戒しつつ、戦場を眺めていると、遂に戦闘の音が消えた。

 うぉーー!
 やったぞーー!
 勇者様ばんざーい!

 一瞬の静寂の後、今度は大歓声がここまで響き渡ってきた。

「終わったみたいですね。」

 どうやら、全ての魔物を倒したらしい。
 戦場にいた者たちが、抱き合ったりして騒ぎ終えると、どんどんと遠くに見える 町の中に戻っていく。

「よし、とりあえず魔物も来ないし、俺たちも行くとするか。で、あの大きな壁の中にマーダ神殿があるのか?」

 遠くに見えるは、大きな壁。
 中がどうなっているか、ここからでは見えない。

「はい。あれがマーダ神殿です。正確に言うとマーダ神殿の街ですわ。素敵な街ですわよぉ、その中央に神殿はあります。でも……やっと辿り着きましたわね……。」

 イーゼはなんだか感慨ぶかげだ。

「まだ大分ありますよ、イーゼさん。でも、見えてくるとなんだか感慨深いものがありますね。色々ありましたから。」

 シロマもしみじみと漏らす。

 確かにマーダ神殿を目指して進んでから、沢山の事があった。
 ここがゴールなわけではないが、それでも胸にグッと来るものがある。

 それに、あそこにはビビアンもいるしな。
 
 ん?

 まてよ、ビビアンがいる?
 つまり、今の俺の現状を知られる!?
 それ……不味くないか?

 ビビアンの性格を思い出した俺は急に不安になった。

 俺がパーティでイチャコラしてるのを知ったら何をしでかすかわからない。

 つつつ……。

 俺の頬に冷たい汗がつたう。

「どうしました? サクセスさん。顔色が悪いですよ?」

 不思議そうな目で見つめるシロマ。
 とても可愛い。
 そう、みんな可愛いのだ!

 これは、まずい!
 まずいぞ!

「な、なぁみんな。マーダ神殿も無事みたいだし、今日は他のところに泊まらないか?」

 俺がそんな事を言い出すと、リーチュンが激しく反対した。

「何言ってんのよ! アタイ早く転職したいわ!」

「そうですよ、さっきからどうしたんですか?」

 言えねぇよ。
 ビビアンが怖いだなんて……。
 いや、ビビアンが怖いというか、この現状を知られるのが怖い。

 まるで浮気がバレそうな夫の気分だ。

「わたくしはサクセス様がおっしゃるなら、なんでもいいですわよ?」

 おぉ! イーゼ!
 お前だけは味方か!

「ただ……隠している事を話していただければ、ですが。」

 ギクっ!
 
 ブルータス! お前もか!

「え、い、いやだなぁ。なんも隠してなんかないっぺよ。」

「嘘ですね。」
「嘘ね。」
「嘘ですわね。」

 どうしてバレたァァ!

「さぁ、白状してもらうわよ、サクセス!」

「そうですよ、今更何も驚きませんよ。話して下さい。」

「わたくしは、サクセス様の全てを受け入れますわ。」

 三人の美女に詰め寄られる俺。

 どうする?
 ビビアンの事を正直に話してみるか?

 いや、ダメだ。
 絶対揉める。
 自信がある。

 ビビアンと三人が喧嘩になるのは困る。

 だが、避けて通るわけにはいかない。
 それに、俺もビビアンには会いたいしな。

 ん? 待てよ。

 案外仲良くなる……わけないな。
 少なくともリーチュンとはぶつかる。
 少し似ているところがあるからな……。

 ぐぬぬぬ……。
 よし、腹を括ろう。
 ビビアンの性格については細かく話して対応してもらうか。

 遂に俺は話す事を決めた。

「わかった。話すよ。」

 こうして俺はマーダ神殿に行くまでの間、ビビアンとの関係などについて話すのであった。

 この決断が、まさかあんな事になるとは……この時の俺にはまだわからなかった。
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