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第三部 オーブを求めて
第二十六話 初航海②
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俺とカリーがそんな事を話していると、突然、船の物見台からの声が響き渡る。
「敵船発見! 9時の方向! 大きさと形からターゲットと思われます!」
おぉぉ!!
まじかよ。
この真夜中で見つけられるのかよ。
しかもこんなに早く。
出航してから、まだ一時間経ってないはず。
やはりこの船は他の船より数段速いようだ。
「承知! こちらは敵に気づかれているか?」
「見つかっておりません! 目標の大きさから、こちらは索敵範囲外と思われます。」
「承知! ステルス航行に入る! 総員準備! 取り舵いっぱーーーい!」
イモコは物見台から報告を受けると、直ぐに次の行動を指示する。
こいつ、まじで出来る奴だわ。
他国に派遣されて、直ぐに隊長に任命されていたのは、暴れん坊だからではなく、能力の高さ故のようだ。
俺、こんな奴の師匠で本当にいいのだろうか?
何も教えられる自信ないぞ。
イモコが指示を出すと、船が急に旋回し始める。
どうやらこれが風魔法を風当てにぶつけることで行える急旋回のようだ。
正直……うっぷ……気持ち悪い……。
「おい、サクセス!? 大丈夫か、お前。」
「お、おう。こ、このくらい……うっぷ……平気だっぁ……おぇぇぇぇぇ。」
急な遠心力と初めて船に乗った事によって、俺は急激に船酔いを起こした。
思わず、さっき一気に食べた夕飯を吐き出してしまう。
「うわっ! ちょ、サクセス! 吐くなら海の中に吐け。とりあえず胃の中の物を全部吐くんだ。そうすりゃ、少しは楽になる。」
「わ、わかった……おえぇぇぇぇぇぇ!!」
大量に吐き出す、胃の中の内容物。
あえて映像にするなら、虹を吐き出している絵柄にしてもらいたいほど、リアルには汚い。
しばらくして旋回が終わると、今度は一気に加速して直進する。
ステルス航行というだけあって、直進に変更するのに合図がない。
代わりに、イモコは大きく腕を真っすぐ伸ばし、ジェスチャーで周りに指示を与えている。
そして、更なる加速もあって、俺の胃のムカムカも加速する。
「お、おえぇぇぇぇ!」
ゲェロオオ(おえぇぇぇぇぇ)
なんと、ゲロゲロもその加速に目が覚めたのか、ゲロゲロまでゲロった。
辺りは、酸味に満ちた不快な匂いに包まれる。
こんな時、みんながいたらどうしただろうか?
優しく介抱してくれただろうか?
ちょっと気が弱くなっているのか、変な妄想が頭の中でぐるぐる回って……ぐるぐるぐるぐる……
「ちょ! サクセス! マジで大丈夫か!? なんか顔がおかしくなってるぞ!?」
「で、でぇじょうぶだぁ……おらぁ、どうていのまま……しねにゃい……!」
バタン!!
俺は世界が回ったような感覚に陥ると、そのまま地面に倒れ込む。
どうやら限界のようだ。
なんだか、ずっと周囲がぐにゃぐにゃしている。
まるでワープの泉に入った時のようだった。
「しっかりしろ! くそ! なんかないのかよ! もうすぐ敵の船に追いつくぞ……。」
ぶっ倒れた俺を見て、カリーが心配すると、誰かが近づいてくる気配がする。
「師匠! これを飲むでござる。これがあれば一発でござるよ。」
近づいて来たのは、さっきまで周りに指示を飛ばしていたイモコだった。
イモコはそういうと、俺の口に、なんだか匂いがきつい黒色の丸い粒をねじ込む。
うえぇ! にがっ! まずっ!!
思わず口に入れられた物がまず過ぎて、吐き出しそうになるも、それをぐっと堪えて何とか飲み込んだ。
ゴクッ……。
すると、数秒後に世界が回る速度が緩やかになってきて、なんと……止まった!?
まだ余韻が残っているため、すぐには立ち上がれなかったけれども、30秒もしたら、なんと気持ち悪いのも消えていった。
「まじかよ! なんだこれ? くそまずいけど、凄い効果だぞ!?」
「おぉ! 師匠! よかったでござる。精論丸という酔い止めでござる。師匠は、もしかして船にのるのは初めてでござるか?」
「あぁ、情けないけど初めてなんだ。まじで助かった。サンキュウな、イモコ。」
「このぐらいは当然でござる。それよりも、間もなく敵船に追いつくでござるよ。どうするでござるか?」
師匠である俺の情けない姿を見ても、イモコは何も言わない。
なんというか、どっちが師匠かわからないわ、まじで。
「どうするっていうのは? 敵船に攻め込むんじゃないのか?」
「それもありでござる。しかし、船に乗っているのは、多分ガンダッダ一味の一部。このままステルス追尾でつけていけば、敵のアジトがわかるでござるよ。」
「そうか! お前天才か!? よし、じゃあそうしてくれ。この機会を逃したら、また奴らは場所を変えて悪さをするだろう。ここで息の根を止めるぞ!」
「わかったでござる。敵のアジトもそうは遠くないはずでござる。では、このままステルス追尾を継続するでござるよ。」
イモコはそう言うと再び、俺の前から離れ、船員達に指示を飛ばす。
その姿は誰が見ても、立派な船長そのものだ。
「カリー、すまない。」
「あぁ? なんで謝るんだ?」
「いや、なんか色々と……な。」
「気にすんな。しかし、あいつかなり使える奴だな。戦闘力はあれだけど、ああいう奴がパーティに一人いると、色々役に立つぜ。いい弟子を見つけたな、サクセス。」
「全くだよ。ガンダッダを捕縛したら、あいつに何か返さないとな。まぁ、とりあえず俺達の出番はもうすぐ来る。それまでに体調を万全にしておくよ。」
「そうだな。戦闘になったら、俺達の出番だ。うし! 気合いをいれっか!」
げろげろぉぉ~!(おえぇぇぇぇぇ!)
あ、ゲロゲロの事忘れてた。
あの薬、またもらいにいかないとな……。
「敵船発見! 9時の方向! 大きさと形からターゲットと思われます!」
おぉぉ!!
まじかよ。
この真夜中で見つけられるのかよ。
しかもこんなに早く。
出航してから、まだ一時間経ってないはず。
やはりこの船は他の船より数段速いようだ。
「承知! こちらは敵に気づかれているか?」
「見つかっておりません! 目標の大きさから、こちらは索敵範囲外と思われます。」
「承知! ステルス航行に入る! 総員準備! 取り舵いっぱーーーい!」
イモコは物見台から報告を受けると、直ぐに次の行動を指示する。
こいつ、まじで出来る奴だわ。
他国に派遣されて、直ぐに隊長に任命されていたのは、暴れん坊だからではなく、能力の高さ故のようだ。
俺、こんな奴の師匠で本当にいいのだろうか?
何も教えられる自信ないぞ。
イモコが指示を出すと、船が急に旋回し始める。
どうやらこれが風魔法を風当てにぶつけることで行える急旋回のようだ。
正直……うっぷ……気持ち悪い……。
「おい、サクセス!? 大丈夫か、お前。」
「お、おう。こ、このくらい……うっぷ……平気だっぁ……おぇぇぇぇぇ。」
急な遠心力と初めて船に乗った事によって、俺は急激に船酔いを起こした。
思わず、さっき一気に食べた夕飯を吐き出してしまう。
「うわっ! ちょ、サクセス! 吐くなら海の中に吐け。とりあえず胃の中の物を全部吐くんだ。そうすりゃ、少しは楽になる。」
「わ、わかった……おえぇぇぇぇぇぇ!!」
大量に吐き出す、胃の中の内容物。
あえて映像にするなら、虹を吐き出している絵柄にしてもらいたいほど、リアルには汚い。
しばらくして旋回が終わると、今度は一気に加速して直進する。
ステルス航行というだけあって、直進に変更するのに合図がない。
代わりに、イモコは大きく腕を真っすぐ伸ばし、ジェスチャーで周りに指示を与えている。
そして、更なる加速もあって、俺の胃のムカムカも加速する。
「お、おえぇぇぇぇ!」
ゲェロオオ(おえぇぇぇぇぇ)
なんと、ゲロゲロもその加速に目が覚めたのか、ゲロゲロまでゲロった。
辺りは、酸味に満ちた不快な匂いに包まれる。
こんな時、みんながいたらどうしただろうか?
優しく介抱してくれただろうか?
ちょっと気が弱くなっているのか、変な妄想が頭の中でぐるぐる回って……ぐるぐるぐるぐる……
「ちょ! サクセス! マジで大丈夫か!? なんか顔がおかしくなってるぞ!?」
「で、でぇじょうぶだぁ……おらぁ、どうていのまま……しねにゃい……!」
バタン!!
俺は世界が回ったような感覚に陥ると、そのまま地面に倒れ込む。
どうやら限界のようだ。
なんだか、ずっと周囲がぐにゃぐにゃしている。
まるでワープの泉に入った時のようだった。
「しっかりしろ! くそ! なんかないのかよ! もうすぐ敵の船に追いつくぞ……。」
ぶっ倒れた俺を見て、カリーが心配すると、誰かが近づいてくる気配がする。
「師匠! これを飲むでござる。これがあれば一発でござるよ。」
近づいて来たのは、さっきまで周りに指示を飛ばしていたイモコだった。
イモコはそういうと、俺の口に、なんだか匂いがきつい黒色の丸い粒をねじ込む。
うえぇ! にがっ! まずっ!!
思わず口に入れられた物がまず過ぎて、吐き出しそうになるも、それをぐっと堪えて何とか飲み込んだ。
ゴクッ……。
すると、数秒後に世界が回る速度が緩やかになってきて、なんと……止まった!?
まだ余韻が残っているため、すぐには立ち上がれなかったけれども、30秒もしたら、なんと気持ち悪いのも消えていった。
「まじかよ! なんだこれ? くそまずいけど、凄い効果だぞ!?」
「おぉ! 師匠! よかったでござる。精論丸という酔い止めでござる。師匠は、もしかして船にのるのは初めてでござるか?」
「あぁ、情けないけど初めてなんだ。まじで助かった。サンキュウな、イモコ。」
「このぐらいは当然でござる。それよりも、間もなく敵船に追いつくでござるよ。どうするでござるか?」
師匠である俺の情けない姿を見ても、イモコは何も言わない。
なんというか、どっちが師匠かわからないわ、まじで。
「どうするっていうのは? 敵船に攻め込むんじゃないのか?」
「それもありでござる。しかし、船に乗っているのは、多分ガンダッダ一味の一部。このままステルス追尾でつけていけば、敵のアジトがわかるでござるよ。」
「そうか! お前天才か!? よし、じゃあそうしてくれ。この機会を逃したら、また奴らは場所を変えて悪さをするだろう。ここで息の根を止めるぞ!」
「わかったでござる。敵のアジトもそうは遠くないはずでござる。では、このままステルス追尾を継続するでござるよ。」
イモコはそう言うと再び、俺の前から離れ、船員達に指示を飛ばす。
その姿は誰が見ても、立派な船長そのものだ。
「カリー、すまない。」
「あぁ? なんで謝るんだ?」
「いや、なんか色々と……な。」
「気にすんな。しかし、あいつかなり使える奴だな。戦闘力はあれだけど、ああいう奴がパーティに一人いると、色々役に立つぜ。いい弟子を見つけたな、サクセス。」
「全くだよ。ガンダッダを捕縛したら、あいつに何か返さないとな。まぁ、とりあえず俺達の出番はもうすぐ来る。それまでに体調を万全にしておくよ。」
「そうだな。戦闘になったら、俺達の出番だ。うし! 気合いをいれっか!」
げろげろぉぉ~!(おえぇぇぇぇぇ!)
あ、ゲロゲロの事忘れてた。
あの薬、またもらいにいかないとな……。
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