最弱装備でサクセス〜どうのつるぎとかわの防具しか買えなかった俺だけど【レアリティ777】の効果が凄すぎて最強になってしまった〜

キミちゃん

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第三部 オーブを求めて

第六十二話 植物園①

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「ほぇ~、ここが植物園かぁ。うん、まだ芽も出てない畑もあるけど、結構広いのな。」


 イモコに案内された植物園は、大きなビニールハウスの中に作られた、THE畑であった。
 船が大きいのもあるせいか、思ったよりも広い場所である。


「一応、苗で買えた野菜もあるでござるから、それなら1,2週間で食べれる位には育つでござるよ。1ヵ月で作れるものだけを植えているでござる。」


 俺のさり気ない疑問にイモコはさっと答える。

 こういうところが優秀なんだよなぁ。


「なるほどね、ところでなんでビニールハウスなの?」

「海の上だと潮風に野菜がやられるでござるよ。だから、風よけでござる。」


 ほうほう。
 塩害ってやつか。
 俺も農民だったけど、海は遠かったし、あまり塩害には縁が無かったが聞いた事はある。
 だけどビニールハウスの発想はなかったなぁ。


「なぁ、イモコ。果物とかはないのか?」


 植物園に植えている野菜を注意深く眺めながらカリーが聞いた。


「残念ながら果物はないでござる。果物となると、木まで成長させなければならないでござるから、とても一ヵ月では無理にござるよ。ビタミン不足を補う為に果物は重要でござるから、できるならば作りたいでござるが。」


「そっかぁ。んじゃこれは無駄だったな。」


 カリーはそう言うと、何かが入っていそうな袋を取り出していった。


「それなんなの?」

「あぁ、これな。イモコから船で野菜とか作ってるって聞いたからよ、俺も町で果物の種を買っておいたんだわ。俺は、農業とか畑とか詳しくないから、適当に好きなもんしか買ってないけどな。」


 カリーはそう言いながら、袋の中から結構な数の種を床に置いた。


「残念でござるが、カリー殿の気持ちだけ頂くでござる……。」


 イモコはそれを一粒拾いあげて、まじまじと見ながら言った。
 すると……


「イモコさん。まだ、畑で空いてるスペースってありますか?」

 
 突然シロマがイモコに突然質問する。
 シロマもカリーが置いた種を拾うと、なにやら真剣に種を観察していた。


「スペースはまだまだあるでござるよ。どうしたでござるか?」

「はい。この種を確認したところ、そこまで大きな木にならない果実の種でしたので、作れるかと思いまして。確認したところ、これは、イチゴ、桃、スイカ、ブドウですか?」

「お! 正解だぜ、シロマちゃん。」


 え?
 種だけでわかるの!?
 元農民の俺でも流石に種だけではわからないぞ。


「シロマ……なんで、種で果物の種類がわかったんだ?」

「はい。天空職の試練で様々な本を読んでいましたので、果物や野菜、それからキノコ等にも詳しくなりました。それと多分ですが、私の力を使えば、実をつけるまで成長させることができると思います。」


 !?


 そうか!
 シロマは時を戻すだけじゃなくて、進めることもできるのか!
 こいつは、農業革命だべ!
 農家の嫁にほしいっぺよ!


「本当かシロマ!? 是非やってみてくれ! イモコ、どこが空いてる?」

「あっちの半分はまだ肥料しか撒いていないでござる。しかし、本当にそんなことができるでござるか?」

「正直わかりません。時を進めることはしたことがありませんので。しかし、戻せるなら進ませる事も可能かと思います。とりあえずやってみましょう。」


 シロマはそう言うと、一つの種を畑に等間隔で植えると、そこに畑の砂を盛っていく。
 俺はその様子から、なんとなくだが何の種を植えたか想像できた。


「これはもしや……スイカか? シロマ。」

「正解です。まずは、ちょっとスイカで試してみます。木となると、もしかしたら精神力が足りないかもしれませんので。」


 シロマはそういうと、盛り上がった畑に手を当てて、目を閉じ集中し始める。


 すると、畑から芽がムクムクッと出てきて……枯れた……。


「あぁ~! やっぱダメかぁ。芽が出たって事は、時を進めるのには成功してたんだろうけどなぁ。」


 俺はそれを見て残念そうに声を出すと、シロマも一瞬残念そうな顔をする。
 しかしその後、芽が出た畑の砂を手にとり、ブツブツと独り言を言い始めた。


「これなら……あまり……でも、あ、そう言う事ですか。失敗した原因がわかりましたサクセスさん。」


 どうやらシロマは何かに気付いたらしい。
 とりあえずシロマ博士の見解を聞いてみよう。


「どういう事だシロマ? やっぱり果物は無理そうか?」

「そうですね、木は結構難しいかもしれませんが、スイカなら多分できます。イモコさん、ちょっといいですか?」

「どうしたでござるか?」

「この船の水はどこにためていますか? 水は貴重でしょうけど、使う事は可能でしょうか?」

「水は貯水庫にたまっているでござるよ。それと、陰陽師の部下が水神様の力を借りて、空気から水を作っているでござる。故に、水の心配は一切無用でござるよ。」


 陰陽師?
 魔法使いみたいなものか。
 シロマは何がしたいんだろうか。


「わかりました。では、もしよろしければ、水を作れる方をこちらにお呼びすることは可能でしょうか?」

「問題ないでござるよ。陰陽師の部下はそれなりにいるでござるから、手が空いている者を連れてくるでござる。」


 イモコは特に理由等も尋ねることなく、そのまま植物園を出て行ってしまった。
 腰の軽さが半端ないな、イモコ。
 
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